UDSでは、個性を活かし“自由に”働いているメンバーが多い。何がきっかけで自由を求め、どう自由を表現しているのか。
今回紹介するのは、プロジェクトデザイン事業部 SOKI KANAZAWAの久保将直(くぼ まさなお)。同じ業界からの転職を経て、SOKI KANAZAWAの開業を経験。現在はオペレーションの構築から改善までを行っています。オペレーションの改善で意識していることや、日々のコミュニケーションを大切にする理由を聞きました。
良い意味でも悪い意味でも自由
──これまでの経歴を教えてください。
新卒では中古車販売の会社に入社しました。ただ、どうしても会社の雰囲気や人間関係が合わなくてすぐに辞めました。その後は大学時代に語学を専攻していたことや、元々接客業が好きだったこともあり、北海道にあるホテルに転職しています。
その会社ではホテルのオープニングメンバーを経験し、2年弱ほど働きました。その後、休暇も休憩も取れない環境で体調を崩してしまい、新たな職を探してUDSに出会いました。
──前職で苦しい経験をしていて、違う業界は考えなかったんですか。
接客は変わらず好きですし、お客様の一人一人に時間を使っておもてなしをするやり方は自分にあっていると思っています。転職では働き方を重要視し、UDSは誠実そうな印象があり応募しました。
──ほかにUDSに決めた理由は何かありますか。
学生時代にまちづくりの活動をやっていたので、まちづくりの視点でもUDSに興味がありました。あとは金沢のまちも観光で訪れたことがあったり、SOKI KANAZAWAが開業のタイミングだったことも決め手にはなりましたね。
──入社して驚いたことはありますか。良い面も悪い面も伺いたいです。
宿泊業界でここまでちゃんと休みを取れるところがあるんだと驚きましたし、今でも働きやすいなって思います。
一方で、自由度が高いことにも驚きました。良い面もありますが、ルールがあまり無い。なんなら自分たちでルールを定めていく必要があります。意思や向上心をもたない人だと苦しいだろうなと思うことはあります。
SOKI KANAZAWAの開業を経て
──UDS入社からSOKI KANAZAWAの開業までを聞きたいです。
2022年6月にUDSへ入社し、8月まで渋谷のall day place shibuyaで研修。9月から金沢で開業準備、11月に開業という流れでした。渋谷にいるときは予約システムについて学び、マニュアルを作成。金沢に来てからはオペレーションの構築をメインに、接客や業務フローなどをつくっていきました。
──やったことない業務ばかりだと思います。問題なく実行できたんですか。
システムやオペレーションはall day place shibuyaを土台に構築したので、そこまで大変では無かったです。その土台にSOKI KANAZAWAらしさを追加していきました。例えば、チェックイン時に金沢のお菓子をお渡しするオペレーションを組み込んだり、大浴場の管理をルーティンにしたり。
ただ、メンバーが揃うのがギリギリで、開業直前は大変でした。教える時間も足りないし細かい備品の準備もしないといけない。それらを並行しながら、質問があるたびにマニュアルを修正し続けていました。
──反省や学びはありますか。
頭の中でざっくり考えていることがあっても、全体に共有する時にうまく伝わらないことはたくさんありました。詳細に明文化して共有すべきだったし、何かを進めるときにも細かく設定した方が混乱が生まれなかっただろうなという反省はあります。改めてコミュニケーションの重要性を感じましたね。
それでも、一からやり切る力は身についたかなと思います。これまではただ接客をするだけで、ホテルの細かい部分や運営の全体像は分かっていなかった。そういうことを学び、落とし込んでいけるようになりました。
──開業期間ってどんな心情なんですか。
もちろん大変なこともありますけど、チームがまとまっていくし充実感はありますね。あとは自分が考えたことがうまく機能した時には面白いなと思います。
──接客だけでなく、仕組みとかを考えるのも好きなんですね。
大学の学部が教育関係で、そもそも人にものを教えるのが好きなんだと思います。何かを教えた結果、人が成長したり成果を出す姿を見るのがすごく好きなんです。
働く仲間の満足度を大切にしながらオペレーションを構築
──開業から2年経ち、現在はどんな課題がありますか。
日々の情報共有に課題は感じつつも、最近はメンバーのスキルアップや育成を徹底しています。運営が安定してきたなかで、さらに安心して拠点を回せるような環境を構築していきたい。
そこでインチャージ(時間帯責任者)の役割をつくりました。判断や意思決定ができる人を増やしていって、組織のボトムアップになればと思っています。
──緊急の課題は落ち着いてきて、育成に着手できている感じですか。
普段の業務をしていると改善点は常に見つかるけれど、今はそれよりもメンバー個々の成長を優先した方がいいと考えている状態ですね。
育成環境も含めて、働く仲間の満足度の改善に比重を傾けています。みんながより働きやすい環境になるために、スタッフ向けアンケートなども実施できればと考えています。
──久保さん個人としては、オペレーションの構築や改善をメインに行っているんですね。
そうですね。開業後は単発の取り組みが多く、石川応援割のオペレーション構築などもしました。
当初は他の宿予約サイトでの販売も考えていましたが、お客様側の不備があったときに対応が難しかったり、スタッフへの負担を考えて予約は電話対応のみにしました。その分、電話対応におけるマニュアルや管理の仕方を徹底して、お客様にとってわかりやすく、スタッフの作業が軽減するような形にしました。
また、震災の際もお客様の無料宿泊の受付や食事の提供などを行っていました。一定期間の取り組みではありましたが、食事の管理方法など、運営しながら常に少しでもより良い状態を目指して改善を続けていましたね。
──お話を聞いていて思ったのが、オペレーションを考える時に顧客満足度と働く仲間の満足度を大切にしていますよね。
接客業なので顧客満足度は意識しつつ、個人的には働く仲間の満足度を大切にする傾向があると思います。
スタッフがストレスなく働けた方が、お客様の満足度も必ず上がると思っているんです。不満がある状態だと、お客様対応に表れてしまうし、些細なことでキャパオーバーになってしまう。逆にスタッフの満足度が高ければ、何かトラブルがあっても許容できる余裕が出てくるし、より良い接客ができると信じています。
商店街とともにまちに賑わいをうむ
──運営メンバーからみて、三位一体の良さってどんなところに感じますか。
建物を企画した人が社内にいるのはありがたいです。コンセプトの理解度が高くなるし、お客様に説明する際のクオリティも高くなる。コンセプトが常に生き続けている感覚がありますね。
──前職も同じ業界とのことですが、UDSならではのよさって何かありますか。
それこそUDSに入ってからコンセプトを意識するようになりました。接客や企画にも活きると気付いて、新しい社員が入った時にはコンセプトから説明しています。
あとは、本当に自由なところもUDSならではだと思います。趣味の写真を活かして拠点のSNS運用や広報に携わらせてもらったり、まちで出会った人と繋がってイベントを行ったりしています。
──地元ではないと思うんですけど、まちとどう繋がっていくんですか。
いろんなカフェに行って店員さんと仲良くなることが多いです。まちづくりの会社として意識しているというより、個人的に人と関わるのが好きなので自然と出来ているのかもしれない。
一緒にまちを盛り上げていけたら、個人的にも会社的にも、まちで暮らす人にとってもプラスになるのかなって思っています。
──今後、まち目線でやっていきたいことはありますか。
SOKI KANAZAWAは近くの商店街の組合に入っていて、商店街理事の方と一緒にイベントを行う話をしています。商店街のスペースを利用させてもらって、マルシェやお店を出したり、地域の伝統を発信するイベントとか出来たら嬉しいですね。ホテル カンラ 京都のようなイメージで、少しずつまちに広がっていったら理想です。
──社内に成功事例があるのは良いですね。
自分の考えを、自分の言葉で話せる人たち
──UDSの人たちの特徴を教えてください。
発想が自由ですよね。普通のホテルではやらないだろうなってことをやったりする。それは企画・設計メンバーだけでなく運営メンバーにも感じていて、イベントの企画を考える際に自分では思いつかないようなアイデアが出てきます。
──性格的にはどんな方が多いとかありますか。
自分を持っている人が多いイメージがあります。自分の考えを、自分の言葉で話せる人が多い。
みんな意見を持っているので意見が分かれることもありますが、それは悪いことではないと思っています。お互いに意見を出し合って、より良いものが出来上がっていく。故にみんな仲がよくて、よく一緒にご飯にも行きます。
──働く上でどんなことを大切にしていますか。
ストレスを抱えないようにしていますね。僕だけじゃなくて、メンバーもストレスを抱えていないか見ています。
そういう意味では、コミュニケーションを一番大事にしているかもしれない。業務に関係ないこともラフに話しますし、メンバーの表情や行動、言動も気をつけて見ています。
──最後に、応募してくれる方に一言お願いします。
金沢のことに詳しくなくても、地域の人と関わるのが好きだったり、地域のために何かしていきたいと思う人であれば活躍できると思います。
今いるメンバーも金沢出身の人は多くない。僕は青森出身ですし、広島や高知出身のメンバーもいます。それでもまちのことを知っていくなかで、まちのためになにかしようという気持ちになっている。一緒にまちに良い影響を与えていけたらと思います。