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【4】就職浪人から抜け出すまで(圧迫面接編)

【現在、就職活動をされているあなたへ】

どの会社に入る(転職する)かは、もちろん大切ですが、私は『よく考えて自分で決める』ことが最重要だと思います。まあ、あたり前だけど…。なぜなら私は『よく考えて自分で決めた』ので何があっても後悔をしなかったのです。(ついでに愚痴や文句もなかったと言えたらカッコイイのですが、そりゃ少しはあります。人間なので…)そして長い目で見ると「今は売り手市場だから楽勝」とかないですよ。結局、淘汰されちゃいます。ともあれ、あなたの就職活動が私よりスムースに進むことを願っています。。その方がいいですよね、やっぱり。笑


【では、前回からのつづき】

実技試験での答案を白紙で出してしまったことに、かなり動揺しながらも、

越後湯沢駅へと向かう上越新幹線の中で、

いつものように本を開き、 必死に自分を落ち着けようとしていた。。

その本の中で目にとまった 「勝負は最後までわからない。決してあきらめるな」という

ある意味、埃をかぶったような言葉が、この時ばかりはキラキラと輝いて見えた…。

こんな四面楚歌の状況でもまだ、できることがあるんじゃないかと

目まぐるしく頭が回転し始めた。

そして新幹線が群馬県の高崎駅を通り過ぎた頃に、 ようやくある考えがまとまった。

「そうだ!まだやれる!社長に手紙を書こう!」

「不合格が確定する前に、先手必勝だっ!」

社会人としての暗黙のルールを無視したバカ丸出しの発想ではある。

しかし私は息を切らせて家に到着するや否や、便せんを探し出し、ペンを執り、

したたる汗をハンカチで拭いながら、懸命に手紙を書いた。

まず2次試験を受けさせてもらったことへの御礼と、今の私の状況、 

そして、どうしてもエディトリアルデザイナーとして働きたい旨を記した上で

「落とされて当然だとは思いますが、どうせ落とすなら

実際に会って3次面接の場で落として欲しい」

と手紙を締めくくった…。

強く祈りながら結果を待つことおよそ半月。

嬉しいことに 3次面接に進んだ旨の連絡が入ったのだ…。

しかし目指すは最後の勝利、 喜んだのは束の間、すぐに真顔になって普段の生活に戻った…。

そして毎日、懸命に働いているうちにいつの間にか最終面接の当日を迎えた。


午前中のみ肉体労働をこなしてシャワーを浴び、

着慣れぬスーツを羽織り、濃紺のレジメンタルタイを締め単身、東京に向かった。

「絶対に勝つ!」と拳を握りながら…。(振り返ると気合がとても暑苦しい。笑)


最終選考となる3次試験は幹部面接だ。

会長、社長、役員3名の計5名が長机の向こう側に対峙している。

まず社長がキラキラの笑顔で口火を切った…。

「君は実技試験を白紙で出したことを気にして手紙を書いてくれたけど、 実は……、

学科試験もボロボロだったんだよねー。わっはっはー!」

席の向こう側の残りの4人もつられて爆笑。

心の中で 「あー。やられたー。この面接は冷やかしだったんだー。からかわれたんだー」

と感じ、冷や汗を流す自分がそこにいた。

そして、立て続けに1番右端のクールビューティーな女性役員が

髪をかきあげ、鼻で笑うような態度で耳を疑うような言葉を発した。

「あなたのような、お顔はデザイナーというよりも、ご実家の板金屋を継いだ方がお似合いなんじゃない…?」

私はその当時、圧迫面接という言葉すら知らなかった…。


【つづく】

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