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ぼくらが学童保育を起業したワケ 〜トライエッジ創業ストーリー③〜

今回のカバー写真は、「こどもの杜」で開催したクッキー教室の様子。
当時は、こんなイベントをちょこちょこ行って、利用者のみなさまからご好評をいただいていました。

さて、トライエッジ創業ストーリーは第三回。
今回は、さっぱり会員が増えず、途方にくれていた私達に転機が訪れる、という話です。

お客様から自社のサービスを選んでいただくということは一体どういうことなのか。

もがき続けた激闘の記録です。

前回の第二話はこちら



ある体操教室との出会い

待てど暮らせど利用者が集まらず、途方にくれていた私達。
嘆いていても仕方ないので、毎晩ひたすらチラシをポスティングし続けるものの、さっぱり問い合わせの連絡は来ませんでした。
近隣の主要なマンションや住宅街には、三回くらいポスティングをしたはずです。

それでも問い合わせが来ないのは、「知らない」のではなく、「知っているけれど興味がない」もしくは「サービスの良さが理解できない」ということになるでしょう。
前にも行ったとおり、店舗型ビジネスのマーケティングに関しては未経験の私達は、もはや尽くす手がなく、どうしていいかわからなくなってしまいました。

そんな状態で、近所をポスティングしながらウロウロしていたときのことです。



施設の近所に、子供向けの体操教室があるのを発見しました。

古い工場跡のような場所を使って行われている体操教室。
お世辞にも洗練された印象は受けなかったのですが、午後3時くらいになると、たくさんの自転車が集まり、多くの子供が通っている様子です。

どんなことをしているのだろう。
私は興味を持ち、その体操教室に連絡をとってお邪魔させてもらうことにしました。

その体操教室の経営者は奇しくも私と同い年。
非常に気さくな方で、どんな内容で体操教室をしているのか、利用者がどのくらいいるのか、などをオープンに話してくれました。

驚いたのは、その体操教室を利用している子供たちが100人以上おり、各曜日のクラスとも定員がいっぱいだというのです。

どこからどう見ても普通の体操教室。
大手企業が運営する最新の体操教室などに比べれば、設備がものすごく充実しているというわけではありません。

「その秘密はいったいどこにあるのか」
もはやマーケティングのプロを気取っている場合ではない・・・
プライドをかなぐり捨て、いったいどうやってお客様を集めたのかを彼に聞きました。

すると彼はあっさりと、こう答えてくれました。


「いやー、僕たちは体操ばっかりやってきたんで、中野さんみたいにビジネスの知識もないし、WEBの知識もない。資金だって全然なかった。
なので、自分たちで手作りのチラシを持ち、近隣の公園に行って、小さなお子さん連れのお母さんたちに一つ一つ自分たちのサービスを丁寧に説明していきました。
そして来てくれた子どもたちに対して、体操がうまくなってもらえるように一生懸命教えたんです。
そしたら、だんだん口コミで利用してくれる人が増えていったんですよ。」

私はこの話を聞いて、いったい今までなにをしてきたんだろうと、衝撃を受けました。

彼らは利用してくれる可能性があるユーザーに対し、最も自分たちのサービスを分かってもらうやり方で、一つ一つを丁寧に伝えていったのでした。

あたりまえの話ですが、自分の子供を預ける場所は、学童であれ体操教室であれ、どんな人達が運営しているのか、というのがとても親としては気になります。
それを、運営する人自らが説明していく。

当たり前ですが、一番効果的な手法です。

私達はチラシをポスティングしたり、WEB広告をしたり、新聞に折込チラシを入れたりしていましたが、なぜ利用者が増えないのかが分かったような気がしました。

サービスを利用する人に直接アピールする。

私達のサービスでは、これが必要不可欠だったのです。


もうひとりの救世主

体操教室との出会いのあと、「一体どうしたら小学生のお子様を持つ保護者の方に直接アピールできるのだろうか」と悩みました。
そもそも保護者の方が働いているから学童に預けているわけで、体操教室の方々と同じように平日の昼間に公園をウロウロしても、おそらく利用者は得られません。

悩んでいたとき、これまた別の救世主が現れます。

当時、こどもの杜に学習プログラムを導入するときにお世話になった、プログラム運営会社の営業さんに相談したのです。

すると、その営業さんはあっさりこうアドバイスしてくれました。

小学生の保護者に会いたければ、小学校に行けばいい。保護者が小学校に来る機会は年に何度かある。その予定をしっかり調査して、PRしなさい。」

今思えばそんなに難しいことではないのですが、こんなことすら当時の私達は気が付きませんでした。

そうだ、小学校に行って、保護者が来る機会を捕まえてPRすればいい



さっそく近隣小学校で保護者が集まるチャンスを調べます。

よくよく調べてみると、参観日や保護者懇親会などが定期的に開催されているようでしたが、私達が一番PRしたい「新一年生」は「入学前健診」に全員が小学校を訪れることがわかったのです。

ここしかない・・・!

時はすでに2月。私達は、この小学校前でのチラシ配りに、すべてを賭けるしかなかったのです。



2月下旬から3月末にかけて、社員総出で、近隣の小学校前でチラシを配布しました。
その効果は非常に高く、その後次々に問い合わせが入り、多くの申し込みを受けることができました。

最初に立てた目標には到達しなかったものの、「運営するのに最低限ほしかった利用者」はなんとかクリアし、「開設できずに閉鎖」にはならずにスタートを切ることができました。

最初の関門をなんとか越えた。
そんな2012年4月でした。

今でも当時アドバイスをくださった方々には本当に感謝しています。
あの時はありがとうございました!

そんな私達ですが、最初の山を超えたものの、次なる難関はすぐにやってきます。


④につづく!

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