自分のことを振り返ると、ちょっと変わった両親でよかったとつくづく思う。
大学4年のとき、就職活動をそろそろ始めるわ、と父に電話したときに言われたひと言。
「おまえ、つまんないことするな〜」
ここから私の英語との深い関わりはスタートする。
日本で大学を卒業した後、カナダに留学させてもらった。帰国後は語学力を生かした職につき、東京での忙しい生活を離れる決意をしてUターンした後も、東京でのキャリアがあったからこそ、語学のスキルがあったからこそ、金沢で起業という道が開けた。
父のひと言で方針転換して身につけた「ことば」は、キャリアを形成する課程では私の武器だった。だから、学びの機会になかなか恵まれない人たちにこの武器を身につけてもらおうと考えるようになったのだと思う。
もしかしたらこれからの時代、様々な技術の進化で「ことば」の壁なんて関係ない時代が来るかもしれない。でもやっぱり人と人が触れ合い、理解しあい、楽しいこと、悲しいこと、気持ちを分かち合うには「ことば」が必要だ。
そこで必要なのは教える人材だ。この日本語と英語のインターンシッププログラムを通じて、ことばを教える人材を多く育成する機会を創り出し、そして多くの学びたい人に学ぶチャンスを与えることができればと考えている。そして学んだことが何か変化をもたらすきっかけになればと強く思う。
Trellisとは、ぶどうやバラといったつる植物を支える格子垣のこと。これらの植物はトレリスにしっかりと巻き付きながら、支えられながら、太陽に向かって上へ上へとどんどん成長し、たくさんの緑の葉っぱをつけた枝たちは雨風にさらされながら、さらに成長し、やがて時が来たら美しい花を咲かせ、熟した実をつける。そして年月がたち、いくつものトレリスが並ぶとそこには緑の道ができる。この活動に関わるすべての人が緑の道のひとつひとつの大事な葉っぱ。
NPO法人Trellisは、インターン生にとっても、インターン生から学ぶことになる人たちにとっても、彼らの成長を支えるトレリスでありたいと思う。