現在、TOKIUMにて、フィールドセールスとして新規顧客への提案を行いながら、12月からは営業部、マーケティング部、カスタマーサクセス部をはじめとする様々な部署を束ねるビジネス本部長として活動する予定の松原亮氏。東京大学出身、新卒でドイツ証券投資銀行部門に入社、その後起業という特異な経歴の持ち主でもあります。
今回は、そんな彼がなぜ新天地としてTOKIUMを選んだのか、そして今どんな課題と向き合い、次はどこへ向かうのか、自身の激動のキャリアと共に語っていただきました。
部活動に明け暮れた学生時代。大きな挫折を経験し、人生の糧を得た。
ー 本日は宜しくお願いいたします。それでは早速、自己紹介をお願いします。
松原亮と申します。現在は、株式会社TOKIUMにて主にTOKIUMインボイス(請求書のオンライン受領・処理サービス)の営業をしています。12月からはビジネス本部長に就任予定です。
ー東京大学出身ということですが、大学ではどのような活動をされていましたか?
大学時代は、運動会アメリカンフットボール部に入部し、ディフェンスのラインバッカー、ディフェンスラインというポジションで活動していました。大学入学時に65kg程度だった体重は、最大で95kgくらいまで増えましたが、大学3年時の右膝前十字靭帯の断裂〜再建手術を筆頭に、怪我に悩まされた選手人生で、残念ながら全く活躍できませんでした。今でもトラウマになっているくらいの挫折経験ですが、振り返るとかなり自分の人生の糧にはなっていると感じます。
というのも、間違った努力があることを教えてくれたからです。客観的に見ても苦しい日々を乗り越えて努力したと思いますが、結局それが結果にはつながりませんでした。ただただ苦しいことに耐えたり、自分を律してひたすら頑張ることで必ずしも報われるとは限りません。「とにかく頑張る」のではなく「正しい方向に向かって正しく頑張る」ことこそが重要だということが、4年の苦行を経て身体に刻み込まれました。多少なりとも結果が出てしまっていたら、ここまで強く意識できなかったと思いますので、いい経験になったかなとも思っています。
プレーヤーとして事業を動かしたいという想いから、TOKIUMインボイスの立ち上げに参画。
ー 新卒で外資系銀行に就職し、順調なスタートを切られたように思いますが、実はその後の起業が波に乗らなかったとお伺いしました。その経緯を教えてください。
ドイツ証券では、Equity Capital Markets(ECM:株式資本市場部)という部署の仕事に携わることが多く、時価総額1,000億円未満くらいのSmall/Mid Capと言われる企業の株式調達案件を多く経験しました。そういったなかで、創業者・CEOやCFOの方々と触れる機会も多くあり、「自分もアドバイザリーではなく、プレーヤーとして勝負したい」という想いが蓄積するようになっていきました。
また、部活時代に抑えられていたものを解放するかのように毎週末連日で飲み会をしていたのですが、最初の方は楽しかったもののやはり徐々に飽きていきましたし、月曜日から金曜日の夜を心待ちにする働き方にも疑問を持つようになり、土日も関係なく打ち込めるような仕事を自分でしたいと強く思うようになりました。
それらの想いから、ドイツ証券での3年半の勤務に区切りをつけ、自らの手で出張手配サービス事業を始めました。しかしながら、事業をうまく立ち上げることができず結局1年で畳むことになりました。当時を振り返って、「自分の作りたいものを作ってそこから買い手を探した」ことと、「身近な人にヒアリングして試しに使ってもらうことが難しい事業モデルだった」ことを強く反省しています。これは、学生時代に自分での商売経験がなく、新卒も証券のアナリストという実際の商売の現場に近いところにいなかったことから、お客様のニーズを拾ってそれに合ったサービスを提供するという商売の原則が肌で理解できていなかったことが大きな原因だと考えています。
ー 当時起業した事業を畳んでから、どういった経緯でTOKIUMに関わりはじめたのでしょう?
起業した事業を畳み、次にすることを決めかねているときに代表の黒﨑さんから共通の知り合い経由でご連絡をいただき、時間も空いていたので業務委託で手伝うようになりました。
当時はTOKIUMインボイスの立ち上げの時期で、お客様へのヒアリングのミーティングにオンラインで同席するところから始まりました。まさか後に入社することになるとは思っていなかったです。
ー TOKIUMに入社する決め手はなんでしたか?
入社の決め手は2つありました。
1つ目は与えられた裁量の大きさです。
業務委託ではあったのですが、徐々にひとりでヒアリングをするようになり、そのうち商談が始まり、TOKIUMインボイスの定例ミーティングにも参加するようになり、利用規約の作成や営業資料の作成などもするようになり・・・と、気づけばTOKIUMインボイスの営業サイドで管掌していることがかなり増えていきました。TOKIUMの他のメンバーの方からも、当時社員じゃなかったと知らず後々驚いたと言われることもあったくらいです。
最初の起業は結局うまくいきませんでしたが、プレーヤーとして事業を立ち上げたい思いは一切変わることなく持ち続けていたので、TOKIUMインボイスの営業から開発への要件定義やオペレーションの設計まで、ほとんど全エリアで任せてもらえたことが、TOKIUMインボイスやTOKIUMに深く関与した大きなモチベーションとなりました。
2つ目は市場の状況ですね。
昨年のコロナウイルスによる在宅勤務という世の中の働き方の急変と電子帳簿保存法改正(領収書や請求書に代表される取引の証拠となるような書類の保存方法を定めた法律)という2つの大きな外圧によって、「請求書のペーパーレス化」に対する要請が急拡大しているにも関わらず、変化が急過ぎたために既存のビッグプレーヤーが不在である、という特殊な状況が生まれました。
そして、特殊な市場状況の中心に近い位置で、事業のほぼ全エリアの裁量を持ちながら勝負できる機会をもらえるチャンスはそうそうないという思いが日に日に増していったので、業務委託ではなく腹を括って社員としてやっていこうと決断しました。
常に再現性高く、他者への想像力を。ビジネス本部長がこの先に見るものとは。
ー 営業部にて、常にトップクラスの成績を収められているようですが、どのようなことを心がけて活動していますか?
営業活動に関しては、多くのお客様とお話しさせていただくなかで、共通の課題感であったり、異なるお客様でもこういった場合にはこういった提案が役に立つ、といった経験値が溜まっていきます。成功の再現性を高めるため、自分の経験を一般化して他の方もノウハウとして活用できるように、ということを心がけています。また、同じ社内でも様々なバックグラウンドを持った、様々な年次の人たちがいますので、自分の中での当たり前を他の人にとっても当たり前だと思わず、相手の立場・目線に立った伝え方ができるように気をつけています。
ーなるほど。どんな場面においても再現性高く、他者への想像力を持つことが成功の秘訣なのですね。
普段から積極的にメンバーのフォローを行う松原氏。
ー 12月より複数の部署を束ねる本部長になられるとお聞きしました。部署をまたいで組織を統括する際に意識していることを教えて下さい。
社内の他部署のメンバーが気持ちよく働けるように、ということを気にかけています。
これは綺麗事ではなく、例えばTOKIUMインボイスの一つの製品をご提供するためには、以下のチームが協力する必要があります。
1. お問合せを頂くためのメディア戦略・PR戦略を行うマーケティング
2. お問合せから商談を組成するインサイドセールス
3. 商談からご契約をお預かりしてくるフィールドセールス
4. ご利用企業様への導入・サポートを行うカスタマーサクセス
5. TOKIUMインボイス運用前にお客様のお取引先様への変更連絡をサポートする変更連絡チーム
6. TOKIUMインボイス運用開始後に届いた請求書のスキャンを行うスキャンチーム
7. 電子化された請求書や領収書のデータ化を行うデータ化チーム
8. そもそもTOKIUMシリーズを開発する開発チーム
このように様々なチームが協力することでようやくきちんとしたサービスをお客様にご提供できることを考えると、どこかのチームだけが上手くいっていれば良いというわけにはいきません。各チームの各メンバーが気持ちよく一生懸命働けるように気を配って仕事することも、自分の責任だと考えています。
ー 現在TOKIUMには新卒のメンバーも多いようですが、今後事業を成長させる上で課題に感じているところを教えて下さい。
自分で考えて行動に移すことのできるメンバーばかりなので、新卒メンバーを中心に年齢の若いメンバーが多いこと自体は課題として見ていません。私自身は今年30歳で、世の中的にはまだまだ若手に入る水準かなと思ってはいますが、TOKIUMでは経営層の多くが私の同年代です。そういった意味では、周囲の良い見本になるような立ち振る舞いをしていかなければいけないなと感じています。
私の課題意識は、「チームの若さ」ではなく「チームの可用性」にあります。前述の通り、一つのサービスを提供するにも様々なチームが有機的に絡み合う構造になっているため、今後の更なる急成長に伴って、高い確率で「負荷の高まるチーム」が生まれるだろうと思っています。その事態を事前に予防できるか、そしてその事態が発生してしまった際に適切に対処できるかがとても重要で、予防策、対処法の検討を進めています。
ー ここまでTOKIUMでのご経験についてお聞きしましたが、ご自身がTOKIUMに中途入社されて良かったと思う点、成長したと感じる点は何ですか?
特にTOKIUMインボイスの立ち上げを経験することができ、自分に足りなかった「商売感覚」を身につけられたことが大きな成長だと考えています。世の中の動きも加速度的に速くなっており、昨日の当たり前が今日の当たり前とは限らず、昨日の売れ行き商品が今日も売れるとは限らない時代になっています。「課題を抱えたお客様に対して適切な解決策を提供して対価を頂戴する」という一見当たり前のことが愚直にできるかどうかが、将来にわたって再現性高く新事業を生み、成長させることに繋がるのだ、ということをTOKIUMに入社して体感することができました。
ーご自身の今後の展望を教えて下さい。
請求書ペーパーレス管理・処理の分野で、TOKIUMインボイスをマーケットリーダーにし、TOKIUM経費精算と合わせて支払・支出業務のプラットフォームとしてのマーケットリーダーにすることが、自分自身の今後の展望です。
日本で唯一、「経費精算も請求書支払いも共に、完全ペーパーレスで処理できるサービス」を展開する企業として、真剣にマーケットリーダーを目指すためには、これまでのTOKIUMではやってこなかった施策も多く必要になります。
それに伴って困難も当然予想されますが、乗り越えていくためには、TOKIUMの仲間一人一人が自律的に、かつ協力的に事業運営していくことが不可欠であり、まずは自分自身が常に最前線で体を張り、一緒に働く仲間の良い同僚であり、また、良き見本にもなれるよう行動していこうと考えております。
おわりに
ー 本日はありがとうございました。最後に、この記事を読んでくださっている求職者の方に向けてメッセージをお願いします。
個人的にTOKIUMで驚いていることは、メンバーが「良い人」ばかりであることです。各メンバーが他のチームの困りごとを積極的に拾っていますし、不備があって自分に迷惑がかかってもそれに対して悪口を言ったり愚痴を言ったりということはほとんど見たことがありません。この組織文化はこれまでのTOKIUMが2015年の組織崩壊以降にコツコツと積み上げてきたものの証左であり財産であると思っております。どんなに単独で仕事ができても限界はあると思いますので、月並みではありますが、チームワークを持って相手の立場に立って考えられる人に入社してほしいです。