今回は、『最新ライフスタイル&トレンド感度調査レポート』の前編、基礎集計編となります。
サンプルは性年代別の均等割付を行い、25歳~59歳までの男女5歳刻みで44サンプルずつの回答を得ました。
明らかにしたかったのは、
●生活者のライフスタイルのベースとなる趣味・関心ごとを細かく把握すること
●生活者のモノ(物販)消費においての、価格相場観を知ること
●生活者のトレンドに関するアンテナ・感度を探ること
の3つです。
この手の調査では、非常におおざっくりした趣味や余暇時間の使い方の統計、例えばレジャー白書などや、特定のテーマを深く掘ったもの、例えばインターネットのSNSの調査などは頻繁に行われます。しかし、マクロな視点で、かつピンポイントの新しい趣味・関心対象を調査したデータは中々見当たりません。その辺が今回の大きな狙いです。
レポート・ダウンロードへ進んでいただくとして、概観を説明します。
■ 多様に拡がる趣味・関心の世界
今回は全60個の選択(+FA)項目から複数選択で、被験者に自分の趣味・関心ごとを選んでもらった。全体として言えるのは、明らかに趣味の多様化が進んでいるということである。ライフスタイルで言えば、典型的なサーファーとか、典型的な車好き、ゴルフ好きというプロトタイプが無くなったと言えようか?ニッチではあるが、サバイバルゲーム、ネイル・ネイルアート、ドローン空撮、コスプレ、陶芸、フリマ・オークション出品などの、多種多様な趣味に生活者の関心は分散してきている。
下図は趣味関心ごとのランキングである。詳細はレポートに記載されているが、これらは全被験者の合算であり、それぞれの趣味によってそれを牽引しているターゲットは異なっている。それにしても、10年前では趣味になりえなかった項目がそれなりのウエイトを占めているのは、時代の変化を感じさせる。
■ トレンド商品は認知=保有ではない
トレンド商品の保有(購入)には、生活者は意外に慎重である。今回の設問の選択肢のうちで保有率が最大だったのがサイクロン掃除機であるがそれでも30%強程度であり、それ以外に30%前後の保有率に達したのはソーラー電波時計と加湿空気清浄機のみであった。ロボット掃除機は9割以上の認知がありながら保有率は12%程度。4Kテレビにいたっては85%の認知率で保有率は5%強である。
■『IoT』はまだまだ業界内の盛り上がり段階?
最後に、情報アンテナがどれだけ高いか?を知る意味でトレンドワードの認知を見てみよう。『ドローン』と『睡眠時無呼吸症候群』の認知率が5割を超えており、民泊がそれに続く。意外だったのは、インバウンドが18.2%、IoTが14%と認知率が低いことであろう。フィンテックに至っては、まだ5%強の認知率しかない。
プロジェクションマッピングは32%程度、ADHDは27%強とそれなりに高い。
趣味・志向、消費傾向、情報感度と比較してどうだったろうか?またご自身と比べて一般の生活者の生活は同じであったか、違っていたか?どうであったろうか?人はみな、自分になぞらえて、ライフスタイルや情報感度を考えてしまうものだが、意外な要素が多々あったと思われる。次回(後編)は、同じ調査をベースにしながら、これらの趣味・志向性を統計解析で分類する『クラスター分析』を試みてみようと思う。まずは、以下から、今回のレポートのダウンロードをご活用されたし。
■無料ダウンロードはこちらから
https://www.think-agent.co.jp/2016/04/20/data-4/
株式会社シンクエージェント
代表取締役 社長
樋口 進