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ECショップvsリアル店舗 第2回:樋口 進

第1回で、ECショップはまだまだリアル店舗に比べて負けているという話を書いた。
では、この状態はずっとこのままなのだろうか?また今後、技術の進歩によってECの可能性はどう広がるのだろうか?今回は、その辺を書いてみたい。第1回で、ECショップ(特にファッション系)の弱みとして


衝動買いさせる力  

背中を押す力  

関連買いさせる力 が弱いと書いた。

では、これらを強めるにはどうすれば良いだろうか?

これを実現するにはいくつかの方向性がある。

動画や4Kの高解像度画像で商品のリアリティを実物に近づける。

商品一覧=サムネールの見せ方や並び方を根本的に変える。
リアル店舗での『陳列』に近づける。

レコメンドエンジンを派生購買させる方向にチューニングしてゆく。

リアル店舗で言うVMD(商品演出やコーディネート)をECでシステム化する。

オンラインチャットやAIで実際に接客する。

自分以外の来店客の買い物の状況、賑わい感、閲覧状況などを見せる。

実際のリアル店のスタッフに直接参加させるしくみを作る。

この中で今回は②について触れよう。

今はもう当たり前のことになってしまったが、ECで商品を探すときにはカテゴリーやブランド、価格帯で検索した結果がサムネール画像の一覧として表示される。
実はこれが曲者である。
このサムネールの並び方や見え方は、機能的に変える(価格順、人気順、新着順など)ことはできるが、リアル店舗でVMD担当や販売スタッフがお客さんに訴求してる『魅力的な陳列』『棚割り』からは程遠い。

実は、ECを担当するMDや店長も、商品一覧がどう並んで、どう見えるか?は運まかせで事前に設計ができない。ここが今のECの一つの問題である。
サムネール画像そのものも、『サイズは全て均一』『背景は白』であり、デザインで選ぶ商品の場合、自分が欲しいものを見つけ出すのが結構難しい。

リアル店舗では、よく言われることだが、自分と商品との『劇的な出会い』がある。『一目ぼれ』に近い感情がわくことがある。
これは、商品の単品が優れているからではなく、売場全体がその商品を引き立てる設計になっているからだ。残念ながらECではそこが決定的に欠落している。

しかし、今のWebの最新技術を使えば
1.似たテイストのものを近づけた『美しい(欲しくなる)』並び順
2.レコメンドエンジンの機能を使って、お客が欲しそうなものほど上に持ってくる
3.そもそも、白バック画像を止めて、画像を透過させて重ね合わせ表示をする
なども、自動ロジック、機械学習などで実現できるはずである。

なぜ、それがまだ実現できていないかというと、ECのプラットフォームやシステムのサプライヤー側が、デザインで選ぶタイプの商品の購買行動に疎すぎること、そして、小売業のMD(マーチャンダイザー)や売場担当側でITサプライヤーにディレクションできるようなITの知識が不足しているからである。この辺が解決していかないと、『ウィンドウショッピングしてたら思わず買っちゃった』というような、リアル店舗と同様の衝動購買はECショップでは起こらない。

シンクエージェントはこの部分を支援したいと思っている。


株式会社シンクエージェント
代表取締役 社長
樋口 進

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