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ニットが考える、会社とメンバーの関係「アライアンス」とは? 海外を拠点に働く人事担当者が伝えたいこと

自分が最もパフォーマンスを発揮できる場所と時間で働くのが、ニットのワークスタイル。会社がメンバーを信頼しているからこそ実現できることです。

そこで気になるのが、会社とメンバーがどんな関係にあるのか。
それを表すキーワード「アライアンス」について、人事担当者の宇治川紗由里さんに聞いてみました。

■ニットでは、会社とメンバーは「アライアンス」の関係にあると考えているそうですね。そもそもアライアンスとは?

ざっくり言うと、会社と個人の関係性を「主従関係」と考えるのではなく、コミットし合えるような信頼関係をベースにした「パートナーシップ」を築くことで、個人も企業も成長し拡大していくという考え方ですね。シリコンバレーにあるIT企業では、こうしたパートナーシップをベースにして成長している企業があります。

アライアンス(alliance)は本来、国同士の「同盟」や企業同士の「提携」を意味する言葉なのですが、最近では、会社と社員(人)の関係に転用して使われるようにもなってきました。

■ニットで「アライアンス」の考えを取り入れるようになったきかけは?

私が人事担当者になって間もないころ、社長の秋沢から、
「これ、読んでおいて」
と、『ALLIANCE アライアンス--人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』(ダイヤモンド社、2015)という本を紹介されました。
その内容に共感し、ニットの人事制度や組織運営に参考にしている部分もあります。

この本には、社員が会社に忠実でいることで定年までの安定を約束される終身雇用の時代が終わった今、会社と社員の雇用のあり方を見直す必要があるのではないか。主体的に行動するプレイヤー同士がお互いにメリットを得るために、期間を明確に定めて提携関係を結ぶのが理想的な形で、そのために必要な枠組みが「アライアンス」である、といったことが書かれていています。

もともと私自身、終身雇用だからといって社員の会社への忠誠心が高いとは限らないと感じていました。短期契約で働く人の中にも忠誠心が高い人はいるし、会社と社員の関係って、雇用期間だけでは測れないと思っていました。

それと、これまでいくつかの会社で働いてきた経験から、たとえば起業したいとか、その会社外でかなえたい夢を語りにくい雰囲気があると感じていて、それに違和感を感じていました。

会社の枠に自分を合わせるのではなく、自分が思い描く人生に向かって、仕事を通じて自己の価値を高め、成長する、会社はそいういう場であってほしいな、と。この本を読んで、それをより強く感じましたね。

■「アライアンス」の関係を築くために、ニットで大切にしていることは?

「会社のルールだから」
「社長がそう言ったから」
と、その通りに行動するのではなく、仕事も働く環境も自分たちでつくっていくという意識をもつことを大切にしています。

実は今年の5月上旬に、夫の仕事の都合でエルサレムに移住したのですが、移住を決断するにあたり、私自身「アライアンス」について深く考えさせられました。

ベンチャー企業で人事を担当している知人たちに、
「5月からエルサレムに行くかもしれないんだよね」
と話したら、
「えっ、じゃあ今の仕事を辞めるの?」
と、言われたんです。

会社で人事のポジションにいる人は経営者のそばにいるべきだ、オフィスにいるべきだ、みたいな社会常識がありますよね。もしニットの人事業務が日本でしかできないのであれば、夫と別居をするか、人事業務をだれかに引き継いで人事を降りる、という二択。

いろいろ悩む中で、
「海外に住んでいたら、本当に人事業務はできないのか?」
と、考えるようになりました。

■パートナーの海外駐在が決まった後、仕事はどうしたんですか?

まずはメンバーに、
「ウチの会社の人事担当者って、日本にいるべき?」
と聞いてみたら、
「どこでもできるんじゃない?」
と、あっさり返ってきたんですよ。

次に、社長との1on1ミーティングで相談したところ、
「日本にいなくても、人事としてパフォーマンスを発揮できるの?」
と言われました。

やったことがないので、「できます」と即答できなかったんですが、私は、
「人生を一緒に歩むと決めた人(夫)がいて、その上で自分の価値を発揮したいと思った場所が、ニットだった。ニットのミッションとビジョンに共感しているし、自らそれを体現しながら、ニットに貢献することにチャレンジしたい」
と希望を伝えて、社長と交渉しました。

その結果、会社の期待も聞いた上で、海外に住みながら人事業務にトライしてみようということになったんです。

■実際に働く場所をエルサレムに移してみて、どうですか?

実は時差のおかげで、エルサレムにいるほうが採用面談をしやすいんですよ。
日本とエルサレムの時差は、7時間(サマータイム中は6時間)です。
サマータイムの今は、日本時間の19:00〜20:00(エルサレム時間の13:00〜14:00)にWeb面談をすることができます。在職中の人にとっては帰宅後になりますし、私にとっては昼間なので、お互いにとって都合がいいんです。

■希望する働き方を実現して、感じていることは?

会社のせい、上司のせい、環境のせい、組織のせいなど、物事がうまくいかない理由や不満を、だれかのせいにするのは簡単です。

不満に思うのは、自分の理想と現実とにギャップがあるから。そのギャップを埋めるために、自分で行動することが大事だと思います。ニットの人事制度は、「自らの選択であなたが実現したい未来をつくる」ことをコンセプトにしています。メンバーそれぞれが、ニットで働くことを通じて、実現したい未来をつくっていってほしいと考えています。目指す方向に進むために自分の手で環境を変えていくことが、これからの時代に求められる「自律的」な働き方・生き方なのではないでしょうか。

【インタビュー後記】
今回、宇治川さんの話を聞いて痛感したのは、世の中の“当たり前”を疑ってみることの大切さです。
「できない理由」ではなく「できる方法」を探し続けることによって、無理だと思われていたことがそうでなくなり、いろんな選択肢が増えていくのだと思います。

また、「アライアンス」という企業と社員の新しい関係が今後、日本でどのように拡がっていくのか興味深いところです。

HELP YOU ライター:小笠原綾子

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