【イベント登壇レポ】「社外の「ロールモデル」から学ぶ、プロフェッショナルへのキャリアプラン~シリーズ1.外資系人事のプロフェッショナルから本物の人事を知る〜』
2019年12月4日、「イベントの未来をつくる105人」主催で開催された「社外の「ロールモデル」から学ぶ、プロフェッショナルへのキャリアプラン ~シリーズ1.外資系人事のプロフェッショナルから本物の人事を知る〜」のパネルディスカッションにおいて、弊社代表松林がモデレーターを務めました。
今回は、LUSH JAPANの人事部長 安田雅彦氏による「人事のプロフェッショナルとは」をテーマにした講演会、および、安田氏とともに、スタートアップの経営者を中心として数千人の経営者と面談し、企業支援をしている代表世話人株式会社 代表取締役の杉浦佳浩氏、『仕事2.0』の著者で様々な人のキャリアに見識のあるNewsPicks編集部副編集長の佐藤留美氏による「今後活躍する人材とは」をテーマにしたパネルディスカッションの様子をダイジェストでお伝えします。
安田雅彦氏 講演「人事のプロフェッショナルとは」
本日は、「社外の「ロールモデル」から学ぶ、プロフェッショナルへのキャリアプラン〜外資系人事のプロフェッショナルから本物の人事を知る〜」と大きなタイトルがついておりますが、私からは、キャリアとタレントマネジメントのお話をしたいと思います。
会社の清算を経て、「人事のプロフェッショナル」を志す
私は、1989年に大学を卒業して以来、30年ビジネスマンをしています。3年目に人事の仕事を始めたので、人事歴は27年です。
新卒で入社したのが、セゾングループの西友。家電製品の販売員をしていました。入社して、まずは本社へ行くことを目指していたので、とにかくエアコンをたくさん売り、現場で結果を出して、1992年に無事に西友本社の人事担当になりました。
その後は、西友の子会社であったエルエルビーンジャパンに出向。同期はまだ役職もついていないころ、150名ほどの会社の人事責任者としての出向だったので嬉しかったですし、チャンスだと思いました。しかし、翌年この会社を清算することに。2年間かけて、全従業員を退職してもらうという仕事をしました。まさかと思いましたね。当時西友は東証一部上場の企業でしたし、こんなことがあるんだと。自身のキャリアを考える大きな転機になりました。
その後、私は西友に戻れたのですが、本社には仕事がない。事務センターで事務処理をこなす中で、「あんなに苦労して会社を清算したのだから、この経験を活かして人事のプロとして生きていこう」と決意しました。
転職活動を始めて、最初にオファーを出してくれたのがグッチでした。仕事はとても幸せだったのですが、小売業という業態が労働集約モデルであること。そして、ラグジュアリーブランドは、人の能力というよりも「モノ」が重要であること。お店の立地などがビジネスに大きく左右するのだと気が付きました。
そこで、小売以外の業態も経験したいと思い、ジョンソン・エンド・ジョンソンに転職します。決め手は「人でビジネスを伸ばす」というフレームワークを持っていたこと。企業理念が人事制度まで反映されていて、人の成長でビジネスを伸ばそうとしている。そのフレームワークが実際にあるのであれば、ぜひ見てみたいということで転職。ここでは、リストラから全て、人事に関する様々なことに携わりました。最後はM&Aにも関わりました。
その後に、製薬会社のアストラゼネカへ。アストラゼネカは、本社が大阪です。2年ほど単身赴任で大阪勤務した後に、ラッシュジャパンにて人事の責任者として赴任して、今に至ります。
キャリア選択の方法、いままでに何を得て、これから何を得たいのか
多彩なキャリアと言われますが、どのようにキャリアを歩んできたのかをもう少しお話します。
最初にグッチに転職したとき、私はどうしても人事制度をつくりたかった。エルエルビーンジャパンに出向して、リストラをしていくときに、人事制度ってすごく大事だと痛感したんです。人事制度がどうあるかということは、その人たちにどうあってほしいかというメッセージ。とにかく、売上をあげてほしいのか。利益をあげてほしいのか。チームワークでやってほしいのか。このメッセージを間違えると、会社にも従業員にも良くないことになる。人事制度がいかに大事か、エルエルビーンジャパンの解散で痛感していました。だから、人事制度を作ってみたいと思って、グッチに転職し、望み通り人事制度を作ることができました。
次のジョンソン・エンド・ジョンソンは、もっとグローバルに展開しているところでやりたかったのと、小売以外で汎用性を高めたい、という理由があって転職しました。
アストロゼネカでは、今までよりも大きな責任と役職があったことで、転職を決めています。
ここまで来て、残るは最終責任者。自分が人事の最終責任者という立場で仕事をしたい、という目標は人事のキャリアをスタートしてからずっと思っていたので、ラッシュに転職しました。
つまり、自分の中で、次はこうしたい、次はこうだといいな、というものをいつも持っていました。結局、最終的にどうなりたいのかを考えるということですね。私は、どの会社にいっても、どの国に行っても、地球の裏側に行っても通用する人事でいたいと、常に思っています。
あとは、足りないものは何かを見つける。転職するしない、関係なく、職務経歴書を書いたことことがない方は、ぜひ職務経歴書を書いてみてください。書いてみると、意外と、自分が今までやってきたことの棚卸しになるんです。僕は会社で腹が立つことがあると、職務経歴書を書く。そうすると「自分で足りていない事」が分かるんです。
そして、このキャリアチェンジで何を得られるのか、ということは考えるようにはしていました。それは、役職であったり、経験であったり。そんなうまくいく話でもないですが、たとえ後付けでも、何を得たいのか、何を得られたのかは考えるようにしています。
あと、転職は組織がカオスの時にした方がいい。組織が混乱している状態の会社へ転職した時に「この会社はチャンスだ」と思うか、「この会社には何にもない」と思うか。それでもう成功か失敗か分かれるんです。基本的に、カオスの状態やいろんなものが抜け落ちている状態は、自分の活躍できるチャンスです。
ただし、「このチャンスで、自分の過去の成功体験を引っ張り出してきてやろう、存在感をだそう」とするべきではありません。もうちょっと我慢して、その組織の共通言語が話せるようになってから、自分の武器を引っ張り出そうとする。なるべく他人がやりたがらない難しい仕事を取っていって、そのプロセスで得られる信頼関係を築いていくのが先決だと思います。
これからの人事、組織運営と直結するタレントマネジメント
ここからは、私がやってきた人事「タレントマネジメント」についてお話していきます。
ミシガン大学のウルリッチ教授が提唱した人事の4つの役割が有名ですが、昨今、「管理のエキスパート」の重要性が下がるなど、トレンドは変わりつつあります。
これからは、いままでの「人事」の枠に留まらず「ビジネスパートナー」として、部門長やマネージャーと一緒にビジネスを運営していく。これが、これからの人事の役割だと考えています。
タレント戦略、戦略人事とも言いますが、人を採用したり、育成したりすることは、ビジネスのゴールと一致していなくてはなりません。まずは、どこを目指すのかというゴールを決める。そして、サクセッションプランニングと呼ばれるような、現状とゴールの差を見て、後継者育成のための人材育成計画を作成し、実際に一貫されたアプローチの中で実行していくことが必要です。
まず、多くの企業には、3〜5年以内に行きたい場所のビジネスゴールがあると思います。ゴールが見えると、そこに到達するために必要な能力が自ずと分かります。ただ、当然いまはそこまでの能力が足りていないわけですから、このギャップをどのように人で埋めることができるのかを考えるのが、タレント戦略です。例えば、人を雇うのか、育てるのか、去ってもらうのか、といったことですね。
次に必要になるサクセションプランニング、後継者育成というのは、決して一部のエグゼクティブやトップだけのものではありません。すべてのマネジメントポジションには、サクセションプランニングが必要です。それぞれのマネジメントのポジションの後継者はどうなっているのか、後継者の候補はその人でいいのか、というところをレビューし、具体的には、人を雇うのか、新しい仕事をしてもらうのか、動かすのか、というアクションプランを実行します。
チャートを作ったりしますが、あるポジションに対して、どれだけ”Ready”(後継者になることができる状態)の人がいるのかを測ります。外資系の会社だと、部長は、部内に”Ready”の人がどれだけいるのか、ということが評価の基準になっていたりします。組織開発にやる気が無いと思われるからです。かつ、会社のゴールは一部の部門だけ成り立つものではありませんから、これらのサクセッションプランを、各部などで横断的に共有をしてみんなで握っていく、ということも重要ですね。
最後に、プランを主体的にリード、サポートする、オーナーを持つことも欠かせません。誰がこの育成計画を最後まで責任を持って見るのか、誰がこの研修プラン・アサインメントが終わって知識として身につくまでをフォローをするのか、というオーナーを絶対に決めておきます。どうしても、育成プランというのは、行かせっぱなし、やらせっぱなしになりがちなのですが、絶対にそれをしないというのは勘所だと思います。
パネルディスカッション「今後活躍する人材とは」
松林:ここからは、NewPicks副編集長の佐藤留美さんと、代表世話人株式会社の杉浦佳浩さんにもご参加いただき、パネルディスカッションをしていきたいと思います。まず、簡単な自己紹介と経歴を共有いただけますか?
佐藤:NewsPicksというメディアの副編集長をやっています。5年前に編集長の佐々木とNewsPicksの編集部を立ち上げ、タレントマネジメントしながら組織を作ってきました。
自身のキャリアについて、私は大学在学中に結婚したのですが、当時って、そういう人は就活が難しかったんです。新婚生活をしていたんですが、やっぱり働きたいということで、学校でもう一度学び直しをして出版社に潜り込みました。30才〜40才まではフリーランスをしていまして、そのときに、東洋経済やダイヤモンドなどで書いていた時に経済記者だった佐々木に誘われ、NewPicksに。
杉浦:私は、人事という立場ではないのですが、いろんなご縁があって、佐藤さんとは「何企んでるんですか?」という一言をいただいたのが最初の出会いです。(笑) 安田さんとは、NewsPicksで記事にしていただいたときに、声をかけていただいてお知り合いに。
キャリアについて、最初証券会社に3年おりまして、そのあと入った会社が日本で一番給与が高いと言われる、キーエンス。その後、当時の住友海上に転職をして、そこから20年ほどお世話になりました。50才までサラリーマンで、何かすごいことをやったというよりは、転勤を拒み続け、いかに社会・社内における仲間をどういう風にしたら融合できるかなというところを考えるうち、サードプレイスが広がり、東京にも相当な人脈ができた。そこで、代表世話人株式会社を立ち上げ、独立しました。
共感と強い信念を持って、組織全体を考えるのが「これからの人事」
松林:ありがとうございます。先ほど安田さんから「とにかく人事がやりたくて、そのために人が嫌がる仕事を引き受けていた」というお話があったと思いますが、具体的にはどんなお仕事をされていたのでしょうか?
安田:人事の仕事で人が嫌がるのは、やっぱりリストラです。転職したときに、できるだけ早く、信頼関係とプレゼンスを置かなきゃいけないと考えたときに、だいたいどこの会社に行っても最初にやるのは、問題社員の退職管理とリストラですね。
佐藤:以前安田さんから「リストラをしないと行けないときに、ハンコをもらうためなら何でもやる。最後は『やすさんがそこまで言うんだったら』と言って納得してくれる」という話を聞いたことがあって。編集者の世界で、いろんな雑誌をやってる大きな出版社だと、サーファーの雑誌だったらサーファーの格好をしたりして、それが優秀な編集者だって言われてるんです。同じように、グッチの時はグッチを着るでしょ?そういった共感って大事ですよね。
安田:場所が変わったら、絶対その場所の「人」になってから、やりたいことをやった方がいいですよね。最初から共感を得ずに推し進めようとすると、言っていることは正しいけど、嫌だとか。やっぱり共通言語を話せるようになって、全てはそれからですよね。
松林:なるほど。その流れに近い質問がありました。「上場を目指していて、大手企業から転職する人材も増えました。ベンチャーマインド溢れる会社で成長してきましたが、優秀な人が集まってきているものの、生産性が下がってきています。具体的に、どんな対策を講じて行けばいいですか」
安田:もっと詳しく聞きたいですけど、おそらくその人材が会社にマッチしていなかったのではないかと思います。つまり、会社として何を大事にして、何をハイパフォーマーとして、どんなところにたどり着きたいからどういう人が欲しいんだ、ということをちゃんと人事が把握していたか。もし出来ていなかったならば、これからちゃんとやらないといけないね、ということ。
私はよくリストラに関わりますけど、解雇するわけではないです。解雇は一回もないんですね。
会社からの「やめてもらえませんか」という提案に対して、「分かりました」という「合意」での退職。いわゆる合意解約や勧奨退職と呼ばれるもの。これは違法でも何でもないので、今までかなりやってきています。
杉浦:今まであげた拳は下ろしたことがないんですね。
安田:そうですね。肩を叩いたら最後までやるというのが鉄則ですね。引っ込めない。それは組織の秩序に関わるので。そもそも、それだけの信念を持って肩を叩いているわけだから、そんな簡単に撤回する方が失礼ですよね。
杉浦:確かに、人事の立場に限定されず、組織全体として、それを実現出来る風土を作るということをされていますよね。
安田:居心地が良い会社がいいと思っていて。居心地って組織文化ですよね。合っていないとか、居心地が悪いと感じる人が出ていくっていうのは、決して悪いことではないと思うんです。なので、そういう組織文化を作ることが、結局はエンゲージメントに繋がるのかな。
佐藤:NewsPicksもコミュニティーなんです。だから、退会していただかないといけない人もいる。すごく悪質な書き込みをなさる、とか。こういう方には、人一倍の労力をかけて、誠意を尽くして、やめていただくっていうのはやりましたね。大事なことですよね。
松林:しっかりコミュニケーションをとって、合意をするということですよね。
佐藤:良くないパターンはどんなものですか?
安田:会ったこともない人事の人から、辞めてくれと言うことです。それは、やってはいけない。従業員が2000人なら、2000人全員の顔を知るくらいの気持ちでいるんですね。私はどちらかというと、知っているから言える。合意してもらうには、信頼関係が必要ですから、その人のことを知って、やるのが鉄則です。
学歴優位は変化する、キャリアよりも人柄重視の採用へ
松林:「日本の人材採用は売り手市場と言われていますが、中卒/高卒/専門卒/大学卒などの学歴は関係なくなるでしょうか」との質問があります。
安田:この辺りは最近注目を浴びていますよね。大卒かどうかとか、学歴で人材の優先順位や価値が決まるのはおかしな話。あくまでアウトカムというか。
杉浦:そういう意味では、私も仲良くさせてもらっている株式会社ハッシャダイさんがヤンキーインターンというサービスをされています。大学に在籍・卒業していない若者を対象にしたインターンプログラムで、先日その参加者の皆さんとお話させてもらったんですけど、手書きの感想文が泣けるぐらいに熱いんですね。彼らとサラリーマンを比べると、何百倍もやる気があるなと感じますし、これからの時代、彼らのような熱量高い人材にスポットがあたるようになるな、と思っています。
安田:そうですよね。
松林:佐藤さんも、いろんな会社や人を取材されていて、やはり学歴などそこまでこだわらない会社は増えているでしょうか?
佐藤:あると思います。NewsPicksの入っているユーザベースという会社で活躍しているひとには、大学中退者が多いんですね。意外と、大学中退者って普通の就活をしてないんですが、中途採用で活躍している人って、たくさんいますよね。
安田:いますね。
佐藤:安田さんに質問があって、エンジニアや編集者、特にスタートアップなどでは、人事部が人を採用するというより、編集者は編集者が、エンジニアはエンジニアが採用するっていうことが多くて。現場と人事がうまく組む方法が知りたくて。
安田:組織が成長して人が欲しいタイミングだと、やっぱり人事が一括でしっかり採用活動して、最終チェックだけ現場がする、というのがいいんですよね。その後、ある程度安定期になったら、各ラインマネージャーが自分で採りに行くようになるといいと思います。
佐藤:タレントマネジメントのようなことですよね。組織の成長フェーズと人事採用が連動しますよね。ありがとうございます。
松林:「人柄とキャリア、どちらが大事か」という質問いただいていますが、いかがですか?
安田:100%人柄です。間違いない。人柄とは何かというと「何かいいな」という直感。私はいつもケミストリーとかフィッティングと言いますが、「合う」には理由があるんですよ。この人は、うちの会社が好き、という方を採用しますね。ただ、会社によって、人柄とキャリアは変わると思います。
松林:なるほど、バランスの違いはあるけれども、人柄を最重要視するということですね。
これからのリーダーに求められるのは「一人多様性」
松林:私も、働き方の改革の一般社団法人を運営しているので、大手企業の方から相談も多々お受けします。忖度が横行している企業もあって「人事部が本来の人事としてなかなか手を打ち出せない、会社の文化を変えていかないとやりきれない」といった悩みを伺います。日本企業で、どう変えていけばいいと思われますか?
安田:価値観や組織文化に通じますが「自分の会社はだめな会社だ」という言葉を聞くことがあります。私は今までの経験から、そんなはずないと思います。何十年と会社が続いていて、何百億という売上があって、人数がいる会社だったら何かあるだろうと思う。そうは言っても、そこで働くあなたたちが、社会に提供している価値を炙り出して、その会社で働くことが尊いことだと定義して、自社の社員に伝えて行く、それこそがあなたの仕事じゃないの?と私は思う。
松林:市場から否定されたら、会社として存続出来ていないはずですからね。
安田:「組織の課題をどう炙り出すか」という質問について。先ほどお話した、タレントマネジメントやサクセッションプランニングの話は、一人の素晴らしいリーダーが組織を引っ張っていくっていうモデルなんです。つまり、モンスターリーダーを育てるイメージです。個人のタレントをレビューして行くことで、組織の課題を一緒に解決していくということ。
松林:かえって、リーダーに依存することで組織マネジメントが不安定になったりすることもありますよね?
安田:そこで、最近の新しい流れとして、一人のリーダーに頼らないという組織運営を目指していこう、というのはあります。
松林:未来のリーダーを引き上げること、そして、その未来のリーダーは1人ではなく複数人同時に育てていく必要があるということですね。
「素晴らしいリーダーが持っているスキルとは?」という質問についてはいかがでしょうか?
佐藤:ここに来る前に、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授と大前研一氏の対談記事の取材をしていたときに面白い話を伺いました。
AI時代のリーダーとして優秀な人は、「一人で多様なスキルがある」か、「一人で多様なダイバーシティを受け入れられる」か、そのどちらかだろうと。
一人多様性って面白いなと思って。昔だったら、軽蔑された人ですよね。「あの人の本業って何なの?」と言われそうな人。日本人は本業一本を無心にやっている職人タイプの人が世の中的に尊敬されたりするけれど、なんと、教授は「One skill is risky(一つのスキルしか持っていないのはリスクだ)」と言っていて、むしろ「あの人は何者なの?何をやってんの?」みたいな多動気味に色々やっている人の方が、リーダーとして、バリューになっているよね、っていう話をしていました。
松林:なるほど。多方面で幅が広い人、ということですね。杉浦さんはどうでしょうか?
杉浦:ドラッカーも20年ほど前には、「これからはこれしかできないっていうプロフェッショナルな時代は終わって、いろんな多様性の部分でコミュニケーションが取れる人材の時代が来る」と言っていたんですね。
私自身がやっていることが近いなと思ったので、それをやり続けていたんです。それがサードプレイス。社外上司や社外部下、みたいな人をいっぱい作ってみたり。結果、自分の会社のためにもなるし、自分のキャリアのためにもなっていく、ということが実現出来てきたかな、と感じます。
安田:最近、40才50才で本当の意味で生き生きと働いていくにはどうしたらいいのかなと考えていて。お給料が年功でだんだんと上がっていくのが問題。ラッシュジャパンは定年を無くしたのですが、59才11ヶ月29日まで働いていて、次の日に働く能力がなくなるなんて、あるわけないじゃないですか。年功のお給料になっているのがおかしいわけで、それはもっと弾力性を持たせて、できる仕事に集中してもらえるような制度は必要ですよね。
松林:本日はたくさん質問いただいたのですが、お時間になってしまったので終了とさせていただきます。ありがとうございました。
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