急速な社会変化に合わせ、日本の教育が大きく変わろうとしています。なぜ今教育の変革が必要か、それによる効果、ストリートスマートの役割までを、本記事で丁寧に説明しています。これまで教育業界に馴染みのなかった方でもご理解いただける内容になっています。ぜひご一読ください。
予測不能な未来が近づいてきています。
この環境で、子どもたちに必要な教育とは?
IT技術の進化により、これまで経験したことのない急速な社会変化・業界改革が起こっています。これからの時代を生きる子どもたちに必要な能力を育成するため、2020年より大規模な教育改革が予定されています。
例えば、大学入試センター試験は従来マーク式で行われていましたが、この教育改革により、国語・数学などで「記述式」の試験への切り替えが行われます。暗記で対応できる知識を測るのではなく、個人が持つ思考力や表現力を問うためです。
この例から分かるように、従来日本の教育ではひとつの解を導き出すことが正しいとされてきましたが、今後は「自分で思考し、表現・判断し、社会に役立てる」ことが求められるようになります。時代の変化に合わせて、日本の教育が抜本的に変わらなければいけない時代となりました。
新たな教育環境を実現するために。キーワードは「ICT」
それでは、どのようにして新たな教育を実現していくのでしょうか。そのための大きなキーワードとなるのが「ICT(情報通信技術)」です。ICTを効果的に活用すれば、学びの質を大幅に高めることができます。
世界ではすでにICTの導入が進んでいます。ICT活用状況の調査(下のグラフ参照)を見ると、1位となったデンマークは90%を超えており、またアメリカも60%を上回っていますが、日本は17.9%と非常に低い数値となっており、世界各国に対し遅れをとっています。
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書を元に作成
自らの授業において、次の指導実践を「しばしば」又は「いつも」行っていると回答した教員の割合
「生徒に課題や学級での活動にICT(情報通信技術)を活用させる」
では、ICTの活用によりどのような効果があるのか、具体的に見ていきましょう。
ICTの導入で、こう変わる①
「本質的な授業設計が可能に。生徒の学びの質が向上する」
これまでの教育現場では、先生から生徒への講義型の授業が主となっていました。しかし今後は生徒が主体的、能動的、そして他の生徒と協働して学習する授業のデザインが必要となります。ICTを使えば、どのような授業が可能になり、どんな学びの質に貢献するかを、Googleが提供する教育機関向けのICTソリューションである「Google for Education」の機能を例にとりながら説明します。
ーこんなことが可能に!ICTを活用した授業例ー
◆課題発表のスライドを、グループで共同制作
与えられた課題に対する調査結果を、ひとつのスライドにまとめる、という活用方法です。ICTツールを使うことで、オンラインで同時に編集ができたり、直接顔を合わせていない時間帯もコメントし合えるなど、グループでの協働の幅が拡がります。
(実際のスライドの画面)
学びの効果:スライドを作る過程の中で、他者と自分の意見を比較したり、異なる視点からフィードバックをもらうなどの機会が増えることにより、思考を深めることができます。
◆テーマに対する生徒全員の意見を、フォームで回収する
ひとつのテーマを定め、それに対する生徒の意見をオンラインで集めます。その場で即時集計し、結果を生徒に見せる事が出来ます。結果を見ながらさらに議論を進めることも可能です。
(実際のフォームの画面)
学びの効果:これまでは、席が近い生徒としか意見交換できなかったものが、ICTツールを使うことにより、全員の意見を即時で知ることができ、それにより視野が広がり、思考を深める機会になります。
その他、教室だけでなく自宅にて、先生と、または生徒同士のコミュニケーションが可能になり、分からない部分は翌日の登校を待たずオンラインで先生に相談したり、生徒同士が教え合うことで、より理解を深め合うことができます。
これらのように、ICTツールを使えば「主体的・対話的で深い学び」を実現することができます。実際に導入した学校では、利用開始から数ヶ月で「今日はこの機能を使って意見交換をしたい」など生徒自身からリクエストが来るようになるなど、高い成果が出ています。
ICTの導入で、こう変わる②
「先生の校務負荷が軽減。人材不足の解消にも」
授業準備やテストの採点、保護者への連絡など、先生が行わなければならない校務は非常に多く、現在長時間労働が問題視されています。ICTを活用すれば、先生方の業務そのものを省力化でき、これまで以上に、授業づくりや生徒に向き合う時間を創出することができます。こちらも例を挙げて説明します。
◆小テストをオンラインで行う
オンラインで小テストを作成し生徒に受けてもらうことで、プリントなど準備の手間が軽減され、かつ採点も自動で行うことができます。平均点もすぐに算出されるため、小テスト終了後の早いタイミングで、生徒にフィードバックすることができます。
(実際の小テストの画面)
◆保護者への連絡や写真共有もオンラインで
オンラインで保護者へ直接連絡を行うことができます。従来、紙や電話のみで行なっていた保護者とのやりとりですが、ICTツールを活用すれば、メッセージの一括送付が可能になり、手間が削減されます。また、運動会や文化祭などイベントごとの写真共有も行うことができます。
(実際の写真共有の画面)
このように、ICTを活用することで、指導の効率化を図り先生方の多忙化を解消することができます。ICTは「生徒の学びの質の向上」と「先生の校務負荷の軽減」を両立させる効果的なツールなのです。
ICTを浸透させるために。教育業界をリードするストリートスマートの取り組み
2020年の教育改革とともに導入が進むICTですが、新たなツールの活用に不安を覚える先生も多く、現場で本質的な効果を上げることは簡単ではありません。
そこで、私たちストリートスマートは、ICT導入前後の教育機関に対し、研修・教科書・eラーニング・PCの保証サービスなど、さまざまな角度からICTの活用サポートを行っています。教育期間や自治体への研修は、これまでに15都道府県において70回以上研修を行いました。(セミナーやイベントは含まず)
(Google for Educationに関するセミナーに登壇する講師)
先生方は新たなツールの操作に不安を持っていることが多いため、その気持ちに丁寧に寄り添いながら、毎回内容を調整し研修を行うなど、私たちは現場に最も近いところでICTの浸透を支援しています。嬉しいことに、研修後、先生方より「テストの点数の集計に苦労しているので、集計が瞬時にできるフォームはとても魅力的で、ぜひ活用したい*」「学習活動の効率化が図れることは間違いないと感じた*」などの感想をいただきます。
(Google for Educationに関するセミナーの様子 受講者全員にChromebookを用意した)
また、生徒向けの研修も行なっており「今まで出来ないと思っていたことがこのツールを使うことで可能になることが分かりました!これからぜひ活用していきたいです!*」「プレゼンの資料作りなどをメンバーと同時に並行してできるため、場所を問わず連絡しながら、どこでも作業ができる点で活用できそう*」などの声を頂いています。
(*は実際のアンケートであった声)
このように、教育現場に最も近いところで、先生や生徒の声に寄り添いながらICTツール「Google for Education」の活用をサポートし、ICT導入の本質的な成果を上げることが、ストリートスマートの役割だと考え、現在もサービスを拡充させています。
活躍するのは、業界知識ゼロ・講師未経験からスタートしたメンバーたち。
ストリートスマートのEducation事業部に所属するメンバーは、現在全国の教育機関で研修を行っていますが、そのほとんどが業界未経験からのスタートで、入社後に知識・スキルをキャッチアップしています。そのメンバーの一部をご紹介します。
「料理教室の先生から、ICTツールの研修講師へ」菊池 美香さん
年次 :2018入社・社会人9年目
前職 :料理教室の先生
入社理由 :前職でGoogleのアプリケーションを利用する機会があり、ICTツールに興味を持ったため
本人よりコメント:
「Google for Educationは非常に有効なツールで、生徒の学びの質を高められると確信しています。日本の教育において、ICTの導入はこれから進んでいく段階にありますが、その先頭に立ち業界をリードしていることもやりがいのひとつです。より気軽に、積極的にテクノロジーを活用する先生が増え、その活用の輪が拡がることで、学校や生徒の学びが充実したものになれば、と考えています。」
(菊池さんは、社員インタビューにも登場しています。こちらからぜひご覧ください)
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いかがでしたでしょうか。今回は、これから導入が進む日本のICT教育と、それにおけるストリートスマートの役割をメインに解説しました。私たちはこの教育領域において、新しい仲間を探しています。日本の未来をつくる子どもたちへ、より良い教育環境を共につくっていきませんか?教育業界や講師の経験は問いません。入社後安心してキャッチアップできる環境があります。ぜひご覧ください。
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