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コマースメディアとのシナジーが投資の決め手のひとつに。【メディアジーンCEO・今田素子氏】第2回 特別対談企画

2024年11月20日に、弊社STRACTが発表した資金調達を機に、弊社株主との対談記事を複数回にわたって展開してまいります。今回、株式会社メディアジーン代表取締役CEO・今田素子氏と、弊社代表・伊藤との対談を行いました。


▼動画はこちらから


目次

  • 最初の出会いから生まれたシナジー、これまでの歩み

  • ー まず、STRACTとメディアジーンとの出会い、そして今田さんとの出会いについて、お聞かせください。

  • ー その時、今田さんは伊藤やSTRACTに対してどのような印象を持たれましたか?

  • ー 当初からメディアジーンの運営メディアとのシナジーについても考えていたのでしょうか?

  • ー 最初の出会いから、これまでの歩みについてお聞かせください。

  • “ドッグフーディング”というカルチャー形成。事業の強みと投資の背景とは?

  • ー 今田さんがSTRACTに投資を決められた背景についてお聞かせください。多くの企業と出会われている中で、特に決め手となったポイントがあれば教えてください。

  • ー 投資を決められた当初と現在とで、何か印象が変わった点や、ご期待を超えた部分があればお聞かせください。

  • データの可能性は無限。技術力とデータを活かした未来の事業づくりについて

  • ー 今後見据えている展開について、どのように考えていますか?

  • 事業成長に伴う今後の組織の拡大に向けて

最初の出会いから生まれたシナジー、これまでの歩み

ー まず、STRACTとメディアジーンとの出会い、そして今田さんとの出会いについて、お聞かせください。

伊藤:メディアジーンさんとの出会いは、2022年9月頃の弊社のシードラウンドの調達の時でした。友人である起業家の紹介でメディアジーンさんをご紹介いただいて、最初にお会いした担当の方からは非常にポジティブな反応をいただきました。
それをきっかけに今田さんともお会いでき、具体的な話を進めることができました。

今田さんとの出会いは非常に印象的で、独特のオーラを感じました。
その際、メディアジーンの執行役員である手島 湖太郎さんも一緒だったのですが、今田さんがいらっしゃった時、その場が一気に明るくなったような雰囲気でした。

投資の面談というと、少し堅苦しい雰囲気になり厳しい目で見られる場面も少なくないと思うのですが、今田さんとの初対面では非常に明るく楽しい気持ちになったのを覚えています。とてもポジティブな空気感が溢れていたんです。



ー その時、今田さんは伊藤やSTRACTに対してどのような印象を持たれましたか?

今田氏(以下、今田):非常に優秀な若者と出会えたなという印象で、最初にお話を伺った時の印象がとても良かったことを覚えています。サービス自体も非常に面白く、革新的だと感じました。

私たちが運営する「ギズモード・ジャパン」「ライフハッカー・ジャパン」「ROOMIE」「Business Insider Japan」などのメディアの、コンテンツコマースに関する今後の戦略にもとても役立つ出会いだと感じました。

ー 当初からメディアジーンの運営メディアとのシナジーについても考えていたのでしょうか?

伊藤:そうですね。初めからメディアと組み合わせて、オムニチャネル型のEコマースとして一緒にできることが多いなと感じていました。

最初の段階から「あんなこともこんなことも一緒にできそうですね」と、具体的なアイデアがどんどん浮かんできたのを覚えています。

後に「ライフハッカー・ジャパン」などで弊社のショッピングアシストアプリ『PLUG(プラグ)』についても取り上げていただき、非常に励みになりました。

▼メディアジーンとSTRACTとの取り組みの詳細はこちら
https://note.com/stract/n/n1f266f6c4f41


ー 最初の出会いから、これまでの歩みについてお聞かせください。

伊藤:私たちは、コンテンツとテクノロジーを掛け合わせた取り組みを続けてきました。
今田さんは、私たちが想像もつかないようなアイデアや、驚くほどのスピード感を持っていらっしゃいます。そのアイデアをコンテンツとテクノロジーとの組み合わせで形にすることで、私たちのサービスが大きく変わっていくのを目の当たりにすることは、本当にわくわくします。刺激を受け続けており、いつも新鮮な気持ちでサービスと向き合えています。

今田:さらに言えば、投資家としての関わりだけでなく、どちらかといえばリバースメンタリングのような関係性ですね。お互いに新しい発想を交換し合い、私たち自身も新しい視点を得ることができる関係性に感謝しています。
投資という観点だけでなく、本当に素晴らしいシナジーを感じています。とてもありがたいですね。

伊藤:ありがとうございます。私も同じように感じています。
もちろん事業の話もありますが、今田さんがメディアジーンを築き上げてこられたご経験や、会社経営における苦労やさまざまな課題と向き合ってきたご経験から、本当に多くのことを学ばせていただいています。先輩起業家としても、今田さんからいただくアドバイスがとても貴重で、いつも感謝しています。


“ドッグフーディング”というカルチャー形成。事業の強みと投資の背景とは?

ー 今田さんがSTRACTに投資を決められた背景についてお聞かせください。多くの企業と出会われている中で、特に決め手となったポイントがあれば教えてください。

今田:まずサービス自体が非常にユニークであることと、私たちの事業とのシナジーが強いことですね。そして、さらなる可能性を秘めていて、今後どこまでも成長していきそうだと感じたことも大きなポイントです。この3つが私にとって一番大きな理由でした。



ー 投資を決められた当初と現在とで、何か印象が変わった点や、ご期待を超えた部分があればお聞かせください。

今田:期待は超えていますね。やはり、スタートアップは非常に難しいと思いますが、貴社はそれを超えて素晴らしい成長を遂げていると感じています。

事業を進める中ではさまざまな試行錯誤があり、サービスが市場と向き合う過程では、予定通りにいかないこともたくさんありますよね。しかし、そうした変化を柔軟に受け入れて、新しいアイデアを次々と生み出し、スピード感を持って実行している点が素晴らしいと思います。

早い段階から一緒に取り組んでいますが、貴社のように力強く成長している企業はそう多くはありません。これからもさらに成長し、可能性を追求していく姿がとても楽しみです。


伊藤:ありがとうございます。そう感じていただけるのは本当に嬉しいです。

私たちもまだまだ上を目指しています。現段階ではまだ成長の途中で、ここがゴールとは思っていません。今後5年、10年、さらに20年、30年と成長を続け、会社全体でより大きな成長の軌道を描いていければと思っています。

何よりも、私たちがつくるものが人々の生活にとって欠かせない存在になるよう努力していきます。ユーザーの視点からも、投資家の視点からも、それぞれ期待していただければと思います。



今田:私も実際に貴社のサービスを利用していますが、本当にユーザー視点で作られていると感じます。この観点が非常に強く、ユーザーのためにどう良いものを届けるかを第一に考えているところが素晴らしいです。

ビジネスの利益を優先するのではなく、まずユーザーの視点を第一に考えているところが、貴社の可能性を最大化できるポイントなのではないかと思っています。

ビジネスとしてももちろん大事ですが、企業側の視点でモノを作ってしまうと、後々軌道修正が必要になることが多いですよね。しかし貴社の場合、ユーザー視点で「こんなものが欲しい」というアイデアを最優先にして作られている点が本当に強みだと思います。

そして、ユーザーが喜ぶことで、その背後にいるモノを販売する人たちにもプラスになるわけです。

またその間をつなぐ役割として、ユーザーインタフェースが非常に優れている。迷わず直感的に使えるというのは、貴社のコアな強みだと感じています。このシンプルさは、今後グローバルでも展開できる理由になると思います。

多くのアプリがさまざまな機能を重ねていく中で、貴社は本当に必要なコアに集中し、それを深めることで高い価値を提供している点が非常に優れていると感じます。



伊藤:ありがとうございます。その視点、とても嬉しいです。

実は私たちも、”ドッグフーディング*”という考え方を大切にしています。自社のエンジニアが自分たちの作るものをしっかり使い、自らの体験として評価することで、ユーザーファーストの精神を体現しています。


ユーザーファーストという言葉自体はよく耳にしますが、実際にそれを実現するのには難しい部分もあります。私たちはその言葉を形骸化させずに、エンジニアカルチャーに落とし込むために、”ドッグフーディング”という言葉を使って、日々の評価に反映させています。

これが、私たちのインタフェースの品質に密接に関わっている大きな要素のひとつだと思います。


*ドッグフーディング:企業や開発者が自社で開発した製品やサービスを実際に自分たちで使用することを指すエンジニアリング用語のこと。「自分の作ったドッグフードを自分で食べる」という表現から来ており、「自分で使わないものを他人に勧めるべきではない」という考え方を表しています。


今田:素晴らしいですね。そうした独自のキーワードをカルチャーに根付かせていく。やはり会社経営において、独自の文化をどう育てるかがとても大事だと思います。どの会社に

とっても、組織のカルチャーは非常に重要な要素ですよね。経営者が意識的にそうした文化をつくっていく姿勢は、本当に素晴らしいと感じます。


伊藤:ありがとうございます。私自身もこだわりが強い方なのですが、評価指標がよくあるものだとだんだん意識しなくなると思うんです。なので、私たちらしい表現やキーワードを使って、誰もが自然と口に出せるような、少し覚えやすいものを選びました。

実際、エンジニアのメンバーもこの評価指標をとても気に入ってくれているので、良い評価の仕組みができたと感じています。


今田:私もお話を伺いながら、貴社の大切にしていることが伝わってきてとても嬉しいです。


データの可能性は無限。技術力とデータを活かした未来の事業づくりについて

ー 今後見据えている展開について、どのように考えていますか?

伊藤:先ほど「グローバル」というお話もありましたが、将来的にはそうした展開も視野に入れています。

私たちが見ているマーケットは、日本国内でも非常に大きな規模ですが、インターネット広告やEコマースの分野はグローバルでも大きな可能性を秘めています。

Amazonなどの世界的プレイヤーが活躍する中で、私たちのビジネスモデルはそうした競合に対しても十分に戦えるものだと思っています。今後、グローバル市場も視野に入れ、本格的に展開していきたいと考えています。


今田:実は私たちは1年半ほど前に台湾のメディア企業と合併をしています。その企業のCTOは18歳で会社を立ち上げ、二度のエグジットを経て現在の会社に売却し、今はそこで活躍しています。

現在、私たちのグローバルプロダクト戦略は彼が立案しており、メディアやプロダクトの方向性、技術の視点でどのように展開するかを計画しているところなのですが、STRACTにも非常に注目しています。


今後の市場を考え、私たちは東アジアを拠点に事業を展開していくことになったのですが、東アジアでは企業が成長しており、ミレニアル世代やZ世代の人口増加も顕著です。

一方、日本の市場は人口減少が避けられないため、優れた日本製品やサービスを海外市場に進出させていくことが非常に重要だと感じています。私たちも技術やデータの力を活かし、Eコマースを通じてさまざまな市場で成功できると確信しています。



あと、やはり「データを持っている」ということがとても強みになると感じています。私たちが持っているのは、まさに本当の意味での「行動データ」です。実際にユーザーが「モノを買う」行動のデータを保持しているということは、非常に多様な活用方法があると思っています。

商品を作るために活用したり、マーケティングや販売促進の施策に活かしたりするなど、データの用途は本当に多岐にわたります。これからSTRACTも収益のポイントがどんどん変わっていくのだろうと感じており、その進化が楽しみです。


伊藤:そうですね。私たちほど多様なユーザードメインに触れているデータを、ユーザーの同意を得た上で正確に収集し、きちんと活用している企業は少ないと思います。データの可能性は無限であり、私たちはそのデータを価値に変えてさまざまなソリューションに活かすことを目指しています。


データの取り扱いについてですが、過去にはサードパーティクッキーを利用したリターゲティング広告が表示されるなど、ユーザーが追跡されている感覚が生まれていました。この状況では、データが広告主間で共有され、利用されることが一般的でした。


しかし、私たちが扱うデータに関しては、一切他社に提供せず、ユーザーと私たちの間だけで共有しています。データの収集から提供まですべて自社で行い、個人情報を保護しながら、パーソナライズされた体験をこれまで以上に提供することで、ユーザーにとっても社会にとってもプラスになるよう努めています。

高いセキュリティを維持しながらの取り組みは、私たちの使命であり誇りでもあります。


事業成長に伴う今後の組織の拡大に向けて

今田:組織の成長の話についても少し触れたいと思うのですが、私自身も25人、50人、100人と組織が成長していく中で、壁を感じた経験があります。その都度見直しを行い、メンバーと一緒に成長していくことが重要だと感じています。

伊藤:ちなみに25人や50人の時にはどのような壁があったか覚えていますか?

今田:そうですね、例えば、リーダーが考えていることが伝わらなくなることが増えます。以前は暗黙の了解でスムーズにコミュニケーションが取れていたのが、組織が大きくなるとそうもいかなくなり、間に人を挟む必要が出てくる。

また、全体会議も25人規模と100人規模、さらには1,000人の規模では情報の伝達方法も変わってきます。こうした部分での変革が求められるわけです。

いろいろな人が入ってくる中で、どのように目線を揃えていくのか、そしてその目線を高く保ちながらどのように組織をつくっていくのかが鍵になります。それぞれの会社にはそれぞれの特有の課題があると思います。

ですが、貴社は良いミッションと文化が形成されているので、それを基盤に、組織の成長をメンバーと一緒に楽しんでいただければと思っています。

伊藤:非常に参考になります。ぜひメンバーとともに、今あるカルチャーを大切にしながら組織の成長も楽しんでいきたいです。

ー たくさんのお話、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



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