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メンバー同士で刺激し合い、アイデア創出につながるプロダクトを目指す–『Anews』 プロダクトチーム・原部智哉、坂本泰彦、谷口祐貴

組織内の情報収集と共有・コラボレーション。この二軸を確立してお客様の価値向上の実現を狙いとする『Anews』を手がけるメンバーは、このプロダクトにどのような思いをかけるのか。執行役員 兼 プロダクトオーナーの原部とプロダクトマネージャーの坂本、デザイナーの谷口、3人の視点から辿りました。

タテ割りの組織を“破壊”してお客様の価値向上につなげる

——Anewsについて改めて教えてください。

原部智哉(以下、原): AnewsはAIによってチームに届くビジネスニュースにより組織内の情報還流と相互理解を促進し、イノベーティブな組織へのきっかけをサポートするということを、プロダクトのコンセプトとして掲げています。その背景にある我々が感じる課題として、日本の大企業の内部は組織が縦割りであるために、お客様の価値向上に対してうまく機能できていない現状がある。本来は機能(部署)同士が繋がっていた方が良いものが提供できるかもしれないのに、それがやりにくい状態になっている。

例えば、A部署とB部署が連携した方がもっと良いお客様への提案ができる可能性があるのに、A部署とB部署がそれぞれ同じようなものを別々に提案しているケースもあります。そういう状態をうまく破壊していけば、我々の顧客がその先にいるお客様に対して提案や価値向上ができるようになるはずです。そこをサポートするアイデア創出のプラットフォームを目指しています。

AIを使って情報を集めてくることで組織全体のインプットの底上げをする。Anewsの中では、コメントをしたり、メンバーに共有する機能があり、それによって知らなかった人同士での気づきが得られる状態を作っていく。情報の収集と共有(コラボレーション)という2つの軸でプロダクトの価値を提供しています。

ーープロダクトの価値をどうやって実現しているのですか。

坂本泰彦(以下、坂): 情報収集という意味ではAnewsがリリースされて約5年で長い歴史がありますが、様々なメディアからニュースを集めて、お客様の嗜好に合わせて配信することは極めて高度な技術力が必要なんです。これは弊社のコア技術となる自然言語処理をベースにプロダクトを作っています。
コラボレーションは情報収集の部分をベースにしながら、SNSに近いものを作っています。ここは情報収集に比べると、当社としても新しく価値を構築している部分なので、技術的にも試行錯誤しながらアジャイルに作っていくことを目指しています。

谷口祐貴(以下、谷): 最適なニュースが届くとか共有すると言えどもニュースは、Anews以前から言ってしまえば新聞が始まった時から、誰もが情報収集はしています。しかし、日々流れているニュースの中でも、上司や同僚がどんなニュースに興味を抱いているかを知る機会はほとんどありません。自分と近しい同僚でも話してみないと分かりません。
雑談の中で話してみると「実はこんなことに興味があるんですよね」だとか、「実はあのニュースを見てまずいなぁと感じてたんですよね」ということがしばしば起こります。
人が内に持っているものを他の人が認識したり、そこから会話が生み出されたりという、その先の行動をどうやったら生み出せるかというところに興味を強く持っています。そこをどうやったらAnewsの中で実現できるかを常々考え、試行錯誤しています。

ーーこれまで作った中でこれは良かったという機能はありますか。

谷:ある1つの機能がすごい!というのは、僕個人としては目指していません。空気を吸っているくらいの“当たり前”のサービスを作りたいと思っています。パっと見て“すごい!”と感じるようなものもいいですが、“普通のことが普通にできている”とか、“操作を迷わない”とかできてれば何も感じないけれど、実は意義のあることだと思っています。

1年ほど前にAnewsを大幅にリニューアルしました。前のバージョンでは価値ある機能はたくさんあったのですが、機能が独立してしまっていて操作に迷ったり、1つひとつの機能をどう使のかが分かりづらくなってしまっていたので、“迷わない”“普通に使える”という状態に持っていくことで、ユーザーはニュースを見ることや感想を書くことだけに意識が向いていく、それが自然にできることを心がけています。それは派手な何かではないのですが(笑)そういうものを作りあげるために自身の能力を発揮できればと思っています。

原:Anewsは2017年4月にリリースしており、昨年大幅なリニューアルをしました。もともと使っていたお客様からすると、全く新しいものに切り替わって使ってもらっている状態。その中でフィードバックとして多かったのは、「以前よりもシンプルになって使いやすくなった」というご意見をかなりいただいています。このリニューアルは、谷口がいう1機能ではない“全体としての体験”を届けられていることなのだと感じています。

誰かの関心に自分の発想を組み込んで物事を前進させる働き方が面白い

——熱い思いが伝わってきますね!その思いを融合させるために、Anewsのチーム内また他のチームとはどのように連携を図っているのですか。

原:Anews事業全体では大きくビジネスサイドと開発サイドに分かれます。その中で主要メンバーが集まって状況を報告し合う会を設けています。私はプロダクトオーナーとして毎回直近のロードマップを共有しています。また、セールスやCSからは売り上げや利用状況など、それぞれのチームで取りまとめた事柄を持ち寄って相互に連携を図っています。

坂:エンジニアチーム内ではアジャイルに、朝会を開くなどしてこまめに意思疎通しています。また、CSチームとも定期的にコミュニケーションをとって、お客様からの要望や問い合わせを共有しながら対応を決定します。

谷:デザイナーは社内に4人います。担当しているプロダクトにおいて、「どんなことをどういう意図でやっているのか」「どういうものを実現するのか」と意見を出し合いながら全体をすり合わせています。
以前は週一回のmtgでしたが最近は毎日話すようになってきました。「これどう思う?」などちょっとしたアイデアなど些細なことでも話していますね。それぞれの担当はあるものの、いつか融合する必要が出てきた時に細かい文脈がわからないことでうまく伝わらないことがないように、カジュアルに頻繁に話すことで考え方を理解し合っています。自分では思いつかなかった気づきも多く、刺激し合ってますね。

最近ずっと考えているのはお客様に飽きずに使い続けてもらうには、どんな価値を付与すべきか。頭を捻らせては原部さんや他のメンバーに「こういう考え方についてどう感じますか?」とぶつけます。
AnewsはBtoBなので大企業の組織構造も踏まえると、実際に利用するユーザー以外の視点まで踏み込まないといけないし、それを機能につなげるのは簡単ではないので「聞くしかねえな!」と。

原:谷口だけでなく他のメンバーからもよく相談を受けますが、いつもプロダクトが目指す方向性を伝えたうえで、お客様が本当に望むことは何かを聞くように心がけています。こんな機能が欲しいということはよく聞きますが、「なぜそれが欲しいのか?」を深ぼっていきます。ブレないチームをつくるには普段からのすり合わせが大切だと思っています。

——意見交換が活発ですが、チームで意思決定をする時の判断軸となるものは何ですか。

原:ベースとなるのはお客様の価値向上に繋がるかどうか。具体的にはコラボレーションや社内での共有が促進できるか。それを踏まえ、「情報収集ならどうか」など様々な観点でそれぞれの一番大きな課題を特定してそこを解決していく。という形で取り組んでいます。

谷:「そもそもを問う」ということを常にやっていますね。一歩引いて客観的に見て、少し風呂敷を広げたり、違う角度で考えたことをメンバーにぶつけてみて、フィードバックをもらえると刺激になります。仮説検証的な要素でもありますね。

坂本:またプロダクトアウト、マーケットインの両面のバランスも大事ですね。プロダクトとしてこうあるべきという思いと、セールスやCSから集めたお客様の声を一旦全てを同じテーブルに乗せて意見を出し合い判断しています。
セールスからお客様の要望として「この程度の変更なら簡単でしょ?」とサクッと言われることもありますが「いやいや、そんなことは…」というのはエンジニアあるあるですよね(笑)。ただ全体のバランスを見てまずは今着手すべきかを考える。たとえ進行上の優先度が低めでも、そこまで時間がかからなくてお客様のためになるのであれば先に取り掛かる。

Anewsのエンジニアチームの一つの考え方としては、1年かけて大作をつくるというよりは、極力細かく分けてリリースするスタンスです。必ずしも正解があるとは限らないので、その都度決断しています。失敗することもありますが、どんどんやっていくことを大事にしています。

——Anewsを手がけていて面白いと感じるのはどんな時ですか。

坂:以前のインタビューでもお話しましたが、私はAnews担当エンジニアでの採用だったので入社しました。Anewsはプロダクトとしては「未知」ということ。トライアンドエラーを繰り返しながらも自分たちで考えて作っていくのはおもしろいですね。

谷:実は僕もAnewsがやりたくてストックマークに入社したんです。先ほど申した通り“誰がどんなニュースに関心を持ったか”ということにとても興味があります。「このニュース見た?」から広がる会話ってあると思うんですが、それがもっと日常的に起こってもいいなと思っています。だから前職では個人的に社内限定プロダクトを作っていました。上司や仲間がいいと思った心の声を知り、それを自身の何らかの発想に組み込むことで一歩前進することができる。
情報と情報が人と人との間でが交わって何かが生まれていくことに価値を感じているので、『Anews』のプロダクトビジョンがまさにやろうとしていることでした。今までは片手間にやっていたことを本気でやってみたいと思って入社しました。
今は個人でやっていた時の失敗経験も踏まえ、自分が成し遂げたかった問題に常に向き合い続けられている状態は僕にとっては魅力ですね。自分が想定していなかった問題も出ていますが、それも面白いと思いながらやっています。

技術力だけでなくビジネス思考も持ち合わせた人と働きたい

ーーお二人とも「Anews」が入社の決め手だったんですね。ストックマークへの応募を検討している方へメッセージをぜひお願いします。

坂:繰り返しになりますが、Anews自体が「未知」のもので、今までにある特定の業務をシステム化するという趣旨のものではない。また、すでに存在するものを単純にソフトウェア化するものではなく、まだ誰も形にできていないものを形にしたプロダクトです。
正解がなく難しいことをやっているのでトライアンドエラーを繰り返すことも重要だと思うし、お客様への価値に繋がる開発ならどんどんチャレンジしていく。エンジニアメンバーにはそういう開発ができるようにと伝えています。
技術力だけでなく、より良いユーザーエクスペリエンス(以下、UX)を自分で考えていくことが大事でビジネス思考を持ち合わせた人に、今後ぜひチームに入ってもらいたいです。

谷:僕は「ちゃんとしたこと言わないといけない」「いいこと言わなきゃいけない」というのはAnewsに限らず全てにおいてその状況はビミョーだと思っています。「なんか違うな」と思っていても言えずに仕事をしているのは嫌いな状態。だからAnewsでは思ったことを素直に言えたり、Anewsに入ってみたら気軽に壁打ちができて行き詰まっていたことの打開策が見えたとか、少しでも前進することができる。
そんな風に人の行動に繋がるUXをいつも考えているので、常に主語が“ユーザー”である人と仕事がしたいです。ユーザー視点で会話ができる人。それを前提に各自が持っているスキルをかけ合わせると面白いものができるだろうし、楽しいと思います。

ーーAnewsの今後の展望についてお聞かせください!

原:そうですね。気軽なアウトプットが足りないことを課題として感じている組織は多いはず。上下の階層、横の壁を打破していけるプロダクトにしていきたいですね。Anewsでは対話のきっかけを与えることはできるので、それを基に自分たちが見ているお客様、もしくはその先にいるお客様の価値向上って何ができるのか?ということを対話していける空間を作れたらいいなと思います。

Anewsを使うことによって目の前の業務だけでなく、アウトプットしあえるようになることで社員一人ひとりの行動が変わり、ひいてはチームや組織、会社全体が変わっていくそんなプロダクトを作っていきたいです。

<プロフィール>
原部智哉(写真左):「新日鉄住金ソリューションズ(旧 日鉄ソリューションズ)」では、平均1500人月規模の基幹システム開発案件をシステムコンサルタントとして要件整理からリリースまで一貫して行う。2017年2月にストックマークに入社。初期のAnews開発やカスタマーサクセス(CS)、Asales事業の立ち上げなど幅広い分野を経て、現在は執行役員兼Anewsのプロダクトオーナーとして事業拡大に尽力。

谷口祐貴(写真中央):前職の「DeNA」ではCtoCサービスのUI/UX設計や機能企画、プロダクトマネジメントを担当。人間中心設計専門家の資格を保有。2020年2月にストックマークにAnewsのデザイナーとして入社。現在はAnewsのユーザー体験の構想からUIデザインに従事。

坂本泰彦(写真右):ソフトウェアハウスに新卒入社し、導入企業・ライセンス数国内トップのソフト開発に携わる。その後、ベンチャー企業で写真共有アプリの立ち上げから関わる。2016年から「株式会社カカクコム」で新規事業開発を担当。フルスタックエンジニアとして、モバイルアプリやサーバーサイド、レコメンデーションシステムなどを幅広く担当。2019年10月にストックマークにAnewsのスクラムマスターとして入社し、現在はAnewsのエンジニアリングマネージャーを経て現在はプロダクトマネージャーを担当。

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