2016年に創業したストックマーク。AIと自然言語処理の技術を使った3つのSaasプロダクトを展開する同社には、熱い想いをもったメンバーが次々と集まっています。
彼らを率いるのは、CEO・林 達。幼少期から異文化に触れ、大学時代には大規模なサークルの立ち上げと起業を経験。その中で、自身の社長としての素質に気づいた瞬間があったと言います。
なぜストックマークには優秀な人材が集まってくるのか。彼らとともに成し遂げようとしていることとは?
異色のバックグラウンドとそこで培われた能力、会社設立に至った経緯から今後の展望までを聞きました。
林 達(はやし たつ):東京大学在籍中、東京大学・北京大学・ソウル大学の学生を集めた国際交流サークルを立ち上げ、各国のグローバル企業の管理職と採用についてディスカッションするなど、さまざまなフィールドワークを行う。4年次には旅行会社を設立。観光協会や区役所と協力しながら、東アジアの富裕層をターゲットにインバウンドサービスを提供する。卒業後、大手商社でビジネスに関する知見を広げ、2016年にストックマークを創業。現CEO。
楽しみながらリーダーシップを発揮。大学時代に自覚した社長の素質
ーーストックマークの事業内容について教えてください
2016年4月に設立し、「すべてのビジネスパーソンに最高のインテリジェンスを届け、意思決定の質を向上させることで、企業の競争力を高める」をミッションに、Al技術を用いたプロダクトを提供しています。
現在のおもなプロダクトは3つで、ビジネスパーソン向けの情報収集ツール『Anews』と、営業支援ツール『Asales』と戦略構築ツールの『Astrategy』。『Anews』は、すでに1000社以上の企業に導入していただいています。
ーー会社を立ち上げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
もともと、小学校のときは台湾に住み、海外旅行にもたくさん連れて行ってもらっていたことから、小さい頃から異文化交流の機会が多くありました。その中で何事にもまずはチャレンジする精神が身についた気がします。
東京大学在学中に、北京大学へ留学したときのこと。世界の学生たちは「東アジアのために私たちができることはなにか」と、真剣に考えていたんです。彼らの意識の高さには大いに感化されました。
帰国後、東京大学・北京大学・ソウル大学の学生を集めた国際交流サークルを立ち上げ、インバウンドサービスを提供する会社も設立しました。その活動中に、自分のリーダーシップに気がついたんです。
ビジョンを描いてみんなを一つの方向性にまとめることが得意で、それを自分自身が楽しみながらできていました。チームの先頭に立ち、みんなで大きな目標に向かっていく。それ以上に面白いことはないと思いました。
そして、「自分のためにだけ生きるのではなく、これからは人のためになることをやっていく必要がある」と考えるようになっていたんです。
そして、もともとほとんどサラリーマン的な人がいない家系だったので、そこから起業に至るのは自然な流れでした。大学時代は、東アジアから観光客を誘致するインバウンド事業を始めました。
ーー事業を始めるまでには、具体的にどのようなステップを踏んだのでしょうか?
学生起業も比較的順調だったのですが、どうしても目線が低くなりがちでした。そこで新卒では商社に就職しました。ビジネスの全体像を見渡せるようになるためです。実際に人やお金の動き、意思決定のポイントなど、ビジネスの軸となる部分を学べました。
退職後、2016年にCTOの有馬 幸介とストックマークを創業しました。最初は順調にはいかず、企業へ提案に行っても門前払いされることも。紆余曲折を話せば長くなります(笑)。
さらに、1年後に知りあいの知り合い経由で、エンジニアの谷本 龍一がジョインしてくれました。入社の理由は「創業者2人の目が輝いていたから」だったとか。
この時期は今思い返すと大変でしたが、当時は楽しんでやっていましたね。
「人と違うことはいいこと」、異文化交流で培った高い洞察力
ーー当時経験したどういった部分が、現在のストックマークの経営に活きていると感じますか?
当時から意識しているのは「伝え方」。人の心を動かしたいと思ったとき、自分が伝えたいことではなく、相手が知りたいであろうことを先まわりして伝えるようにしています。動いてほしい方向へ、前から引っ張るのではなく、後ろからやさしく押すイメージです。
AIはまだできない、「人の気持ちを察する」という技術ですね。営業やプレゼン、採用でも同じことを意識しています。
ーーその洞察力は、ご自身のバックグラウンドにより培われたものなのでしょうか?
そうだと思います。どれだけ異文化を理解しているか、つまり、他人はいかに自分と異なるかということを肌感覚でわかっているかがキーになっていると思います。
僕には「人と違うことは良いことだ」という価値観があります。
自分とは違う人に対してとても興味があるので、一緒に働く仲間や、エンドユーザーへの興味は尽きないです。
ーー今、ストックマークには着々と仲間が集まってきていますね。なぜ現メンバーたちは、ストックマークで働くことを選んだのだと思いますか?
ポジティブな面で言うと、ストックマークの市場が拡大していること。もともとビジネスにおける効率の悪さに課題を感じていたから、そこに対して我々がAIでアプローチしようとしていることに、魅力と可能性を感じてくれたのだと思います。
ネガティブな面では、日本企業の閉塞感です。人材の流動性が低く、スキルアップやキャリアアップできる機会が限られている。自分のキャリアへの不安を感じていたのだと思います。
その両面の理由でジョインしたメンバーが多いですね。優秀な人材が揃っています。
ニッチな領域は攻めない。目指すは“次世代のマイクロソフト”
ーーストックマークはどのような人を求めていますか?
コミュニケーション能力の高い人......ですね。
ーーストックマークにおける「コニュニケーション能力」の定義はなんなのでしょうか?
戦略策定能力と伝達力です。ビジョンを定め、戦略を策定し、それを各メンバ-に伝えて引っ張り、経営陣の承認を取って会社全体に納得感をつくること。社内外問わず、いろんな方位に対して適切なコミュニケーションを取れることが大事です。
ーーコミュニケーション能力に加えて、「ストックマークで実現させたいことがある」ことも大切な要素ですよね。
はい。本来誰もがやりたいことを持っているはずなんですよ。でも、自分の心に素直に従って、それを突き詰めている人は少ない気がします。ストックマークが、チャレンジするために一歩踏み出した人の受け皿となり、採用市場のパイオニアになりたいと思っています。
ーー今後の事業展望を教えてください
目指しているのは“次世代のマイクロソフト”。
メールやドキュメントなど、ビジネスパーソン全員が使うサービスのソフトウェアにAIを組み込んで、人間はクリエイティブな仕事に集中できる環境をつくりたいです。
そのためには、ビジネスパーソン一人ひとりが、どんなことに興味があって、何を次に考えたいかというデータをつかむ必要があります。プライベートのデータはGoogleやFacebookなどが収集していますが、ビジネスのデータを掴んでいる会社はまだありません。だからストックマークがその先陣を切り、ユーザーに最適な情報提供をするために使いたいです。
ストックマークは、多くのスタートアップが攻めがちなニッチな領域には行きません。すべてのビジネスパーソンが日常的に使うサービスをつくることで、人類の前進に貢献していきたいと思っています。
ーーありがとうございました!
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