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自社開発のクラウド宿泊運営システム「suitebook」の提供や、ホテルブランド「Minn」「Theatel」の運営を手掛けるSQUEEZE。カンボジアに拠点を置くSQUEEZE ASIA CO., LTD.(以下SQUEEZE Asia)では、新たな取り組みとしてエンジニアコミュニティイベント「Python Cambodia 2023」を2023年11月18日(土)に開催、約300名の参加者を集めました。
今回は、同イベントを主導したSQUEEZEのCTO関根に、カンボジアでこのような取り組みを行った理由や採用活動に与える効果、今後のSQUEEZEが目指す方向性などについて聞きました。
目次
SQUEEZE Asiaが主導する「Python Cambodia 2023」で見えた新たな展望
多くの学生が参加し、ブランディング・採用活動にも好影響
今後はビジネスモデルの拡大も視野に挑戦を続けたい
SQUEEZE Asiaが主導する「Python Cambodia 2023」で見えた新たな展望
──まず、仕事内容を教えてください。
関根)私は取締役CTOとして、SQUEEZEの開発部門のマネジメントをしています。現在は、特にカンボジアにおけるエンジニア組織の立ち上げ、また社内の情報システム部門のマネジメントを行なっています。
CTO 関根
──改めてSQUEEZE Asiaの事業内容を教えてください。
関根)SQUEEZE Asia の事業・役割は大きく2つあります。一つはオンラインでゲストへのチェックイン対応や問い合わせサポート行うホテル業務支援。もう一つは、国内の開発組織と連携した自社プロダクト開発およびクライアントからの要望に基づく開発です。
SQUEEZE Asiaを設立した当社はオペレーション部門のみでしたが、優秀なエンジニアを確保する手段、またオペレーションチームとの連携強化のため1年程前にエンジニア部門を立ち上げました。現在は10名弱のメンバーが在籍しています。
──エンジニアの視点から見て、カンボジアと日本の違いは何ですか?
関根)カンボジアはエンジニアの年齢が全体的に若いと感じました。日本では30~50代のエンジニアも多く活躍していますが、カンボジアでは20代前半から半ばと一回り若いイメージです。情報収集やエンジニアの交流機会といった面では、日本のほうが活発で、成熟度が高いように感じています。
例えば、Pythonユーザー向けのイベント「PyCon JP」は、日本で10年以上の開催実績があり、約1000名近くの方が参加する大規模なコミュニティイベントです。このようなコミュニティは、人材の活性化や知識の共有など、エンジニアにとってプラスの役割を果たしています。
一方、カンボジアではエンジニア向けのコミュニティ自体がまだ少なく、イベントの開催数もそれほど多くありません。エンジニアのスキルを底上げするためにも、コミュニティイベントの開催は重要だと考えています。
──そこから「Python Cambodia 2023」開催につながったのですね。
関根)はい。SQUEEZE Asiaの開発メンバーから、カンボジアでは、日本と比べてエンジニアコミュニティやイベントに参加する機会が少ないという話を聞いていました。
自社のエンジニアに交流の場を提供するだけでなく、カンボジアのエンジニアコミュニティ全体の普及と成長促進を実現する取り組みができないかと思ったのがきっかけです。もともと組織として「日本とカンボジアをつなげる」というビジョンを持っていたため、方向性も合致しました。
そこでSQUEEZE Asia在籍のエンジニアがPythonコミュニティを立ち上げ、SQUEEZEと協力して「Python Cambodia 2023」というイベントを開催しました。キーノート、技術トーク、ネットワーキングセッション、ソーシャルイベントなどを開催し、当日は非常に盛り上がりました。
パネルディスカッション
キーノート
多くの学生が参加し、ブランディング・採用活動にも好影響
──コミュニティイベントを開催した感想はいかがでしたか?
私たちが予想していたよりも多くの方が興味を持ってくれたことに、大きな手応えを感じました。新規に立ち上げたイベントだったので、100名程度の参加者が集まればOKと思っていました。しかし私たちの予想よりも現地開発者の熱気がすごく、いきなり300名以上が集まったことには、大変驚きました。今後は継続して続けることが大事だと思うので、引き続き企業としてサポートを行いながら、将来的には「PyCon JP」のように世界中から参加者が集まるコミュニティ主導のイベントに移行していきたいと考えています。
──参加者はどのような方々でしたか?
関根)参加者の半数以上は大学生であり、イベント全体の平均年齢は非常に若かったです。参加者だけでなく、運営ボランティアにも学生が多く参加していました。社会人の参加者が多い日本との違いを感じました。カンボジアでは、日本やアメリカの企業に雇用されて給与水準も高いエンジニアという職種自体に魅力を感じる人も多くいて、それもあって学生の参加に影響したかもしれません。
──カンボジアでは、今回のようなコミュニティイベントは珍しいと聞きました。
関根)採用エージェントが開催するビジネス系のイベントはありますが、技術や言語に特化したイベントは少ない印象です。「Python Cambodia 2023」は、カンボジアにおけるコミュニティイベントの新しい事例になったと思います。
──「Python Cambodia 2023」は定期開催の予定でしょうか?
関根)コミュニティイベントは、継続していくことで中長期的な効果が期待できます。単発のイベントでは効果がなかなか持続しないため、私たちは毎年開催していくことが大事だと考えています。
会場の様子
──SQUEEZEはコミュニティ立ち上げにおいてどのような立ち位置にいますか?
関根)私たちの第一の目標は、現地のコミュニティを活性化させることです。ただ、そこから採用や会社のブランディングにつながるという波及効果も期待しています。
優秀なエンジニアの確保は非常に重要なため、イベント開催やコミュニティ支援などの活動を通じてカンボジアのエンジニアがSQUEEZEを知るきっかけになればと思います。また、社員が知り合いを紹介するリファラル採用でもこれらの活動はプラスになります。
さらに先には、SQUEEZEという会社を通して、日本と連携して働く機会があることをカンボジアの方に知ってもらいたいと考えています。
集合写真
■カンボジアと日本をつなぐグローバル×ローカルな開発体制
──現在、SQUEEZEではカンボジアと日本の両方で採用を行っています。カンボジアと日本でエンジニアの業務内容には違いがありますか?
関根)日本とカンボジアではエンジニアチームの役割が異なるため、業務内容にも多少の違いがあります。
日本のエンジニアは、ホテル運営の現場と密に連携しながら開発を行います。清掃、レセプション、マーケティングなどの現場を実際に見て、各機能に対する課題や改善策を高い解像度で理解する能力が求められます。また、把握した課題に対してテクノロジーを用いて解決する方法や効率化の方法を考える能力も必要です。
一方、カンボジアで働くエンジニアは、チームを組んで、課題から導き出された機能に対して積極的に開発を進めていきます。幸い、日本のチームと一緒に働くこと、または日本の会社でチームとして事業を進めることに魅力を感じる方がカンボジアには多くいるため、採用は比較的順調です。
──例えば、カンボジアで採用されたエンジニアが日本で働くといった、日本のエンジニアとカンボジアのエンジニアの間で、交流や異動はありますか?
関根)SQUEEZEでは、互いの交流促進に積極的に取り組んでいます。カンボジアで働くメンバーが実際に来日して現場を知ることは、ホテルで働くクルーやクライアントと直接コミュニケーションが取れるだけでなく、具体的に現場を理解して、解像度を上げるという大きな効果があります。
2023年末には、カンボジアの各チーム(オペレーション、マーケティング、エンジニ)のメンバーが日本に来日し、共に現場を見る機会を設けました。また逆に日本のオペレーションチームも、カンボジアへ出張し現地スタッフと交流する機会を設けました。今後はさらにそういう機会を増やしていきたいと考えています。
SQUEEZE Asiaのメンバーが運営施設(Minn)を訪問
──それは素晴らしい取り組みですね。
関根)私たちは、それを「グローバル×ローカルな開発体制」と呼んでいます。ホテルの現場に入って行うローカルなビジネスと、カンボジアで行うグローバルなビジネスを組み合わせることで生まれる新しい事業やチャレンジングな取り組みが、私たちの強みになります。
現在ホテル・宿泊業界では、働き手不足が大きな課題となっています。その解決策として、テクノロジーを活用してホテルのDXを推進する。また日本で働きたいというカンボジアの方を日本に招き、数年間ホテルのクルーとして勤務してもらう。帰国後には、その経験を生かしてSQUEEZE Asiaで働くというサイクルを回していくプランも考えています。
──現在募集している職種や求める人材像を教えてください。
関根)現在SQUEESE Asiaでは、これまでの経験を生かしてグローバル環境で働きたい、チャレンジしてみたい、というを方を募集しています。
特に、現地でエンジニアをマネジメントするマネージャー職を募集しています。現在は、私が2カ月に1回程度出張してチームビルディングを行っています。しかし、今後組織が拡大すると現在の運用では難しくなるため、現地で働いていただけるマネージャーを探しています。
求める人材像としては、現地スタッフと円滑にコミュニケーションを取れる能力を持っている方。また、目標設定や評価を通じて実際のプロジェクトを推進できる方を求めています。
今後はビジネスモデルの拡大も視野に挑戦を続けたい
──最後に、SQUEEZE Asiaの中長期的な展望を教えてください。
関根)まずは短期的な展望として、1年後までにSQUEEZ Asiaのエンジニアチームの人員を現在の倍程度に増員し、開発の領域を拡大することを目指しています。例えば、自社で開発部門を持たない企業がDXを推進したいという場合に、われわれが日本とカンボジアでチームを組んでラボ型のチームを作り、サービスを提供することも計画しています。
──それはホテル・宿泊業界以外にも波及していく可能性もありますか?
関根)もちろんあります。ホテルのプラットフォームとして備えるべき機能については、概ね開発の見込みが立っています。さらに今期はAIを活用した機能をリリースし付加価値をつけていく予定です。また今後ホテル業界以外への横展開も視野に入れて戦略を立てて開発を進めています。
現在SQUEEZEではカンボジア勤務のエンジニアリングマネージャーを募集しています。少しでもご興味を持った方はぜひカジュアルにお声がけください!