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新人よりも売れなかった。2年目営業プロデューサーが、月間MVPを獲るほど成長したきっかけ。

「コミュニケーションの変革」を掲げる、デジタル・コミュニケーション・カンパニー(デジタルを使った広告コミュニケーション事業を行う)スパイスボックスには、若手からベテランまで、その月に最も活躍した社員を表彰する「月間MVP」制度があります。

各部門のトップが推薦をあげて、リーダーミーティングで受賞者が決まります。過去には、年間売上20億円の契約をまとめた社員や先端テクノロジーを活用したイベント施策でクライアントから大きな評価を得た新人とベテランコンビなど、さまざまな人が受賞しています。自分の仕事の成果を全社員に讃えられるのって、やっぱり嬉しいもんですよね。

今回は、まさに今月、このMVPを受賞した2年目の営業プロデューサー河原林祐太が、彼なりの挫折と葛藤を乗り越えてどのようにこの賞を手にしたのかご紹介します。

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入社2年目、河原林祐太が語る、月間MVPを獲るまでに起きたこと


ABC順で一番上にあった広告学を専攻

少し遡ってお話しすると、僕が広告に興味を持ったのは学生時代です。オーストラリアのシドニーにある大学で広告学を学びました。大学時代に留学を思い立って、飛び込みで入学試験を受けたのがきっかけです。英語での面接もなんとか乗り切って入学したら、専攻をどうするかって聞かれて。専攻科目が書かれたリストを見て悩んでいた時に、目に飛び込んで来たのがABC順で一番上にあった“Advertising”の文字でした。直感的に「コレだ!」と思ったのが僕と広告の出合いでした。

オーストラリアの大学では、約1年間広告について学びました。その時感じたのが、広告はこれまで勉強したことのある学問分野のなかで圧倒的に一番面白かったってこと。そもそも、人と人との「コミュニケーション」という行為自体に興味は持っていました。そんななか、大学で学んだのが、企業を取り巻くコミュニケーションのあり方が、個々の生活者や社会を変えていく可能性や影響力の大きさ。日本に帰国する頃には、この世界で働きたいと希望するようになって就職活動では広告代理店を中心に回りました。


入社時の面談では、「やりたいことはない」。

広告コミュニケーションは面白そうと漠然と考え、最終的に「一緒に働きたいと思える人がたくさんいた」スパイスボックスに入社を決めました。でも、じゃぁ、具体的にどんなクライアントのどんな広告を作りたいとか、自分の手掛けた仕事でどんな風に社会を変えたいとか、そんな前のめりなビジョンは全然持ててなかった。入社時の面談でも「やりたいことは特にありません。何でもします!」と言いました。(笑)いい意味でも、悪い意味でもそれが、入社したての頃の僕の正直な心情でした。その後、大手家電メーカー様のオウンドメディア開発などを経て、2016年10月から新規アカウント開拓を担当する今のチームで仕事をはじめました。

今のチームは、まだお取引のないお客様に自社サービスやソリューションを紹介して、新たな広告コミュニケーションパートナーになれるよう提案すること。企業の課題やニーズを掘り下げ、それぞれの企業に合った広告コミュニケーション施策を提案する仕事で、配属が決まった時はワクワクしました。でも、「ニーズを探る」、「提案する」ことって、全く簡単なことじゃなかったんですよね。そもそも、どこかにはあるはずのお客様のニーズが、最初は全然つかめなかったから。


隣りでは、後輩がどんどん受注していく。なのに…

1日に最低4、50本はリストにある見込み顧客に電話をして、良い時なら4、5本のアポイントが取れていました。お客様を訪問して、自社のサービスを紹介してニーズをヒアリングする。新規営業であれば、どんな営業でもこの流れに大きな違いはないと思います。チームメンバーは、昨年春に入社したばかりの新人2人と2年目の僕。売るものは同じ。それぞれの営業ツールやノウハウを共有し合うなど、チームワークはとても良かったです。でも、僕だけ売れなかった。ずっと受注できなくて。隣りで新卒の2人がどんどん受注していくのに。一生懸命お客様にヒアリングしても、結局ニーズを引き出せなかったり、ニーズがなかったり…。

性格もあるのか、そんな状況でも仕事自体は楽しくやっていました。(笑)でも、自分自身が「会社に何も返せていない」と感じるのはやっぱりツラかった。「受注できなくてもクビにはならない」なんて自分をごまかしつつ、とにかく毎日のアクションをチューニングし続けていきました。その時、大事にしていたのが謙虚であること。河原林家の家訓に、「失敗した時、バカになれる人になろう」っていうのがあって。バカになれる人って、結局笑って何でも教えてもらえるじゃないですか。そういう謙虚さが大切だと。だからこの時も、何の引け目もなく後輩のメンバーに本当に色々教えてもらっていました。


やっと辿り着いた“お客様のニーズ”。だからこそ、本質的に役に立ちたかった。

チャンスが回ってきたのは、そんな日々が5ヶ月ほど過ぎた頃。当社のインフルエンサーマーケティング支援サービス(口コミを使ったSNS上での広告施策)「TELLER」の話が聞きたいというお客様を担当した時です。サービス業界の大手企業様でした。お客様が近々ローンチ予定の新サービスの認知拡大のために、SNSで口コミ施策をやってみたいと言われたんです。でも、その話を聞いた時、自分の中で何かが動く感じがありました。お客様が「これをやりたい」って言うんだから、そのまま「そうですか」って言うのが一番スムーズなのは明らか。でも、苦労して、苦労してやっと辿り着いた“お客様のニーズ”だったから、本当に本質的にお客様の役に立つ方法を提案したかったんです。

お客様の新サービスは、現状の市場には無いまったく新しいコンセプトのサービス。それだけに、ターゲットにその価値を理解してもらうこと自体、難易度が高いと感じました。そこでお客様には、そもそもターゲットとなるユーザー層が普段何に興味、感心を持ち、どういった広告表現をすればそうした層がこのサービスの魅力を理解してくれるのかをまず調査、分析(ソーシャルリスニング)すること、その結果を踏まえた広告コミュニケーション施策を月1本、年間を通して展開していくことを提案しました。

これは、当初お客様が想定していた予算を5倍も上回る提案。最初は、怒られるかなと思いました。そんな提案求めてないって。でも、蓋を開けてみたらすごく喜んでもらえました。

実際には、当社の「BRAND SHARE」(シェア拡散型コンテンツマーケティング支援サービス)を使ってソーシャルリスニング調査を行わないことには、具体的な広告施策を提示することはできません。でも、「やってみないと分かりません」で多額のお金を払うお客様はいないので、自分自身で新サービスやそのターゲットの属性、興味、感心を調べまくりました。そして調査結果の仮説を立てて、仮説にもとづいた広告企画を仮で作って一緒に提案したんです。例えばこんな施策を展開しましょう、という感じで。それが響いて、「この企画本当にやりたい」とまで言ってもらうことができました。お客様は、自社サービスに関するオウンドメディアやポータルサイト、アプリ、マス広告とマーケティング施策にはかなり力を入れている大企業。マーケティングに深い知見を持つ担当者様に自分の提案が刺さったのは、素直に嬉しかったです。


「アート作品を作る訳じゃない」。お客様のニーズに応えるのが仕事。

正直、今でも仕事で「何がしたいか、何を成し遂げたいか」って質問されてもはっきりと答えられないかもしれないです。まだ、色々迷っている。(笑)でも、「アート作品」を作る訳じゃないんだから、“自分がどうしたいか”って言うよりも、お客様のニーズに応えることが仕事だと思うんです。それも、ただ言われたことをするのではなくて、本当にお客様が求めるゴールを達成させることが。今回の年間契約の受注で、全社MTGの場で月間MVPをいただけたことはとても嬉しかったです。やっと一つ会社に価値を提供できたな、と。あと、みんなに喜んでもらえたんで。

でも、これは一つの通過点で、今やっとスタートラインに立てたのかなと感じています。今回、お客様への提案を試行錯誤しながら一生懸命考えて、それが受け入れられて「ありがとう」って言われた時、お金をもらうよりも嬉しかった。結局、そんな経験を積み重ねていくことが自分のすべき仕事なのかなって。そういう仕事が、最終的には自分が大学で漠然と憧れた、広告コミュニケーションを通して生活者や社会に影響を与えていくことにつながっていくのかなって、思っています。

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