こんにちは。AI技術を活用し防災や危機管理に関するソリューションを提供する株式会社Spectee(スペクティ)で広報を担当している平川です。
今回は、2022年7月20日(水)に大阪電気通信大学で行われた特別講演会に弊社社員が登壇しましたので、その内容を抜粋しお伝えします!
当日はオンラインで開催され、大学の先生方や大学生・大学院生などに参加していただき、「防災×テクノロジー」をテーマにスペクティの取り組みなどを紹介。先生方にも大変反響をいただきました!
開催概要
「異常を検知するテクノロジー」と題して行われたこの特別講演会は、大阪電気通信大学エレクトロニクス基礎研究所主催で開催されました。参加者は、AIなどを研究されている先生や、コンピュータシミュレーションを学んでいる学生さんです。オンラインで実施されたため、学外の方も含め北海道から九州まで全国各地から30名ほどの方にご参加いただきました。
登壇者プロフィール
株式会社Spectee エンジニアチーム 矢口裕介
経歴:SI会社にて、通信系のシステム開発を担当後、自然言語解析系システム開発および部門マネージャーを経て、2019年に株式会社 Specteeに入社。バックエンド開発を担当後、現在はエンジニアチームのマネージャーを務めている。
これまで矢口は大阪電気通信大学で学生向けの授業内講演を行っていましたが、今回は初めて特別講演として広く先生方や学外の方々にもお伝えすることになりました!
なぜいま「防災×テクノロジー」なのか
2020年2月、内閣府は、「多発化・激甚化する災害に対応していくためには、新しいテクノロジーを積極活用していくことが必要がある」という課題意識のもと、「防災×テクノロジータスクフォース」を設置。そこでの議論を踏まえ、テクノロジー活用の将来像や今後の推進方策についてとりまとめて公表しています。(https://www.bousai.go.jp/pdf/0605taskforce.pdf)
とりまとめでは、「大規模災害時には、膨大な災害対応業務が発生するが、自治体等の人的資源には限界があり、迅速・的確な対応のためには、業務の効率化、省力化、それらに資する標準化が重要」と指摘。現在は、官民が連携し災害対応における先進技術の導入やデジタル化の取組を横展開し推進する場となる「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」の設立や、個人向けの生活再建支援制度を一元的に集約したデータベースの構築などが進められています。
スペクティが取り組むAIによる防災・危機管理
こうしたなか、スペクティはAIを活用した防災・危機管理に関する実証実験を行っています。
①道路の「路面状態判定技術」(https://spectee.co.jp/20211214/)
これまで、道路の路面状態等については計測機器が設置されている地点の情報しか得られないという問題がありましたが、広範囲に設置されたカメラの画像を用いてAIで判定することで、降雪や吹雪による視程や路面状態の面的な分布が得られるため、より網羅的な実況把握が可能になります。
②水害発生時の浸水範囲をリアルタイムに3Dマップ化(https://spectee.co.jp/20210517/)
台風や集中豪雨など近年多発する水害において、災害発生時に浸水範囲と浸水深をリアルタイムに3Dマップ上に表示することで、被害状況をわかりやすく可視化し、災害対応のアクションを迅速化するための技術開発を進めています。
③大雪時に発生する車両滞留(スタック)の早期検知サポート(https://spectee.co.jp/20220113/)
プローブデータ(自動車の走行位置・速度等)・過去のスタック発生時の情報・気象情報・ SNS投稿情報をもとに、冬季にスタックを迅速に検知・可視化するための、AIによる検知モデルの構築と検証を行っています。
「防災×テクノロジー」今後の展望
今後、「防災×テクノロジー」が進んでいくことによって、防災訓練がVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を活用した臨場感のあるものになったり、被災状況を今とは比べ物にならないくらい迅速かつ正確に可視化することが可能になっていくはずです。災害による人的・物的被害を減らしていくには、官民の力を集結して「防災×テクノロジー」の動きをリードしていく意義は大きいと考えています。
スペクティは今後もテクノロジーによって防災・危機管理を進化させ、社会のレジリエンスを高め、持続可能な世界の実現に貢献していきます。
登壇した矢口より
▲セミナーの様子
「防災、危機管理の分野は専門外の方も多くいらっしゃったかとは思いますが、AI防災危機管理の現状、今後をスペクティの取り組みを通してではありますがお話することができ、身近な話題としてご興味を持っていただけたのではないかと思います。加えて自身もAI防災危機管理に対して、より一層注力して取り組まなければという使命感を改めて感じることができた良い機会だったと思います。」
いかがでしたでしょうか。今回は大学主催のセミナーということもあり、参加者の方々にはかなり深い部分までご理解いただき、弊社の技術開発に興味を持っていただいた印象でした。
今後もスペクティはこのような機会を通じ、現在取り組んでいることや未来に向けたビジョンを皆様と共有していきたいと考えています。