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行動力と想像力を存分に働かせて、ユーザー価値の最大化を目指す

こんにちは。為近と申します。想画ではディレクター、事業開発業務を行っています。

2016年に想画に加わり、既に7年ほど働いているので、気がついたら想画では最古参にあたるのですが、想画に加わるまで、加わってからのことについて、紹介したいと思います。


目次
・今、どんな仕事をしているのか
・想画に入るまで
・想画へのジョイン
・最後に


今、どんな仕事をしているのか

想画ではMEGURUやAICamといった自社開発のプロダクトがあり、またその一方で画像、動画等の解析を中心とする受託開発も行っています。

私の役割は、自社開発プロダクトの舵取り役として事業を回し、顧客先に出向き、またメンバーに業務をアサインを行うなどのディレクション業務と、また受託開発プロジェクトでは顧客の要望・課題からシステム化のための提案やその後は同様にメンバーとシステム化の実現に向けたディレクション業務等を行うことです。


想画に入るまで

大学時代に情報システム系を専攻していたこともあり、プログラミングに興味があるような学生だったのですが、そうした背景からシステムエンジニア職をファーストキャリアとして選択しました。

実は代表の田中とは、新卒で入社した職場における直属の上司・部下の関係だったんですね。そうした縁もあって、最終的に想画に加わることとなったのですが、その職場での田中からの指導で身についた経験・スキルが今の私自身の仕事に対するポリシーを決める上で重要な転換点となりました。


ユーザー目線で開発を行うことの重要性

地域行事で住民の方々に使っていただけるようなプロダクトを開発するプロジェクトに参加したことがあります。前職での経験ということもあり、詳しくはご紹介できないのが残念ですが、簡単に言えば、当時全盛期だったガラケーの写真機能を利用したようなプロダクトの開発・販売でした。当時は若かったということもあり、意気揚々とプロジェクトに取り組んだのですが、結果として収益化に失敗し、プロジェクトを成功に導くことはできませんでした。反省点は様々あるのですが、中でも、ユーザーの目線で満足してもらえるものを作り込むことと収益化含めたビジネス視点でのプロダクトの展開の思考・スキルを持ち合わせていなかった点が一番大きいと考えています。

技術者にありがちな失敗ではあるのですが、どうしても視点が技術に偏りがちな部分があります。どういう技術を使って開発するか、どうしたら効率的なプログラムを作れるか、新しい技術を使えるかなどなど。要するにプログラム・システムの技術水準としての最高峰を目指す挑戦なのですが、そうした視点は、ユーザーの視点からは重要ではない場合も往々にして存在します。例えば、ユーザーが使いやすいプロダクトを作るためには、最新技術を使うよりも、界隈ではレガシーとも言われるような技術を使ったほうが場合によっては良いかもしれないし、効率的で完璧なプログラムを時間をかけて作るよりも、まずは「とりあえず動くもの」を作り、ユーザーの反応をどんどん反映させながら細かい改善を繰り返したほうが良いかもしれません。あくまで技術はツールなのであり、実際に使ってもらうためには、使う人達が何を求めていて、どうしたら使いやすいと思ってもらえるのかについて、ユーザーからのフィードバックをもとに試行錯誤を繰り返していくことが重要であり、もしこのプロジェクトに費やした時間を、そうした試行錯誤の時間に振り分けることができていたら、結果として収益化のできるプロダクトを作れていたかもしれません。そうした学びから、ただただエンジニアとして開発を行うのではなく、ユーザーはどうしてほしいと思っているか、というビジネス視点を出発点として業務に取り組むことを心がけるようになりました。


想画へのジョイン

その後複数のプロジェクトに携わった後、結婚などのきっかけもあり、時にはフリーランスとして、時には一企業のIT担当としてキャリアを積んでいたのですが、業務の都合で偶然、田中と再会する機会がありました。その際に、田中からも声をかけてもらい、前職での恩もあったため、自分にできることがあればと想画に加わることになりました。


海上保安庁プロジェクト ‐ 「ユーザー目線開発」の実践

想画ではこれまで様々なプロジェクトに携わってきたのですが、その中でも既にお話したような視点を十分に反映することができたプロジェクトについて紹介したいと思います。

海上保安庁が行う、海難事故における救助活動に人工知能(AI)を活用するための実証実験というプロジェクトに想画が加わる機会がありました。



海上保安庁では、海上での遭難・転覆事故にあたり、航空機での捜索を行いますが、沖合では高い白波が立ったり、日光の反射があったりなど、上空からの目視での捜索が容易ではないケースも多々あるとのことでした。何かしらIT技術やドローン等を活用して、そうした課題解決をできないかとお声がけいただいたところからのスタートでした。

ただ、このプロジェクトの推進には主にデータセットの準備の観点から大きな課題がありました。

‐ 一般的にオープンソースとして利用できるデータと、実際のケースのデータとでは、大きな乖離がある。実際のケースでは海上100m以上の高度から撮影される動画を分析する必要があり、その場合、映る人間のサイズは数ピクセル程度に留まる。海上からの撮影データとしては極めて特殊であるため、オープンソースでの入手が困難でした。

‐ 保秘の観点から、海上保安庁にて撮影した実際のデータを利用することが難しい。もちろん、海上保安庁にては、実際の救難活動にて撮影したデータも保有しているとのことでしたが、そうしたデータは往々にして保秘の観点から簡単に外部に共有することはできないとのことでした。

こうした状況が提示された場合、エンジニアとしては「データがないなら検証のしようがない」という考えになるのは普通で、実施が難しいとお断りするケースが多いように感じます。ただ私は前職での学びもあったため、主に下記のような取り組みを通じて、結果的にプロジェクトを成立までこぎつけることに成功しました。


とにかく動くものを作る

前述したとおり、ユーザーの反応を見ながらプロダクトを作り込んでいくためには、まずはとりあえず動くものを作ることが重要だと感じていました。そのため、まずはオンラインで収集できるデータをもとに、「空撮映像から人間を検知することができる」という最低限の実現可能性を示すことを目指しました。

もちろん、実際のケースとは状況が違うという点では既に述べたとおりなのですが、少しでも似通った状況で技術の可能性を示すだけでも、ユーザーの立場からは重要なステップであると考えました。「何もわからない」状態から、少しでも実現可能性を示すことができれば、ユーザーの協力も得やすくなるだろうと考えたためです。


現場に出て、データセットを作り出す

上記の取り組みによって実現可能性を示した後、更に実際の状況に近いデータセットを作り出すことに取り組みました。実際に船を出し、ドローンを操縦し、洋上に浮かべたマネキンを空撮し、データセットを用意するというところまで完全に自前で行ったのです。たまたま私の趣味が釣りで船舶免許を持っており、またドローン操縦の資格も持っていたという、特殊な前提条件があったということもあるのですが、一般的にここまでしてデータセットを用意するというケースはさほど多くないように思います。その結果、より具体的な実現可能性を示すことに成功し、本プロジェクトを実際に進めることに同意をいただけることになりました。

もし私が、あくまで開発者の視点として最初から可能性がないものと考えていたら、プロジェクトを実現させることは難しかったかもしれないなと考えています。ユーザーに実現可能性を少しでも感じてもらうこと、そのためにできることは小さいものでもいいから取り組んでみること、という学びを実際に活かすことができたケースでした。



最後に

現在自社開発サービスであるMEGURUのディレクション業務においてもそうした視点を重視しつつ、現場に赴き、フィードバックを得、改善につなげるというプロセスを繰り返しているところですが、その話についてはまた別の記事に紹介の場を譲ることとしたいと思います。

想画の社是は、「想いを画くことで、社会はより良いものになる。」です。こうすれば良くなる、こういうことは良くない、という想像を働かせることで人類は物事を少しずつ改善してきたのであり、想画においても日々想像力を働かせつつ、「カタチ」にしていくことで社会をより良いものにしていこうという想いが込められています。

私自身、既に述べてきたように、ユーザーが求めているものについて考えを巡らせながら業務に取り組むことを基本スタンスとしてきましたが、まさにそうした姿勢が想画の経営理念にも通ずるような気がしています。ただただ、「モノ」を作るのではなくて、その「モノ」がどう使われ、どういう影響を及ぼすのかに想いを馳せると、日々の業務にもまた新しいロマンが加わるような気がして、やりがいを感じる毎日です。

今記事を読んでくださっているあなたが、もしそうした考え方に少しでも共感できると感じたなら、是非、想画の門を叩いてください。想画では一年を通じて応募を受け付けていますので、いつでも、ご連絡をいただければと思います。

皆様にお会いできることを、楽しみにしています!


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