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Smappa!Groupにインターンに来ているSです。本日もアートに関する情報を発信していきます🎈
弥生美術館
大正ロマン・昭和モダンのイラストレーター高畠華宵
ージェンダーレスなまなざしー
会期:2021年7月3日(土)~9月26日(日)
写真撮影:三階を除いて撮影可能(高畠華宵展は全て撮影することができます)
入場料:一般1000円/大・高校生900円/中・小生500円
(竹久夢二展もみることができます)
*入館にはオンラインによる日時指定の事前予約が必要。
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「少年の中には少女が、少女の中には少年がいる」とも評された両性具有的な人物画を描き、少年からも、少女からも、紳士淑女からも、熱烈な支持を得た高畠華宵(たかばたけ かしょう 1888-1966)。
大正・昭和初期の出版美術界で、華宵が唯一無二の存在感を放った背景には、彼が〈男性+女性〉としての心と眼を持つ人物だったことがあります。
世間の枠にとらわれず、自らの価値観と美意識を信じ、〈ありのままの自分〉を生きた華宵。
そんな彼だからこそ描けたボーダーレスな作品世界をお楽しみください。
華宵からたくされた、美麗な原画の数々を一挙公開いたします。(弥生美術館公式HPより引用)
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高畠華宵の作品に描かれる少年少女は現代におけるアイドルのような雰囲気を醸し出しているように感じる。
特にこの中性的であり両性具有的であるその見た目はジャニーズに所属するタレントにおける少年性と類似する点を見ることができる。
ジャニーズに所属するタレントは恋愛や結婚、性的成熟のタブー視、常に求められる少年的な見た目。彼らの人間性やパフォーマンスは雑誌や画面の向こう側、舞台の上に現れることもあり偶像的な、私たちとは違うひとつ次元を隔てた場所にいる。
彼らの整った顔立ちや醸し出される少年性に私たちはどこか二次元的な自分自身と異なった世界に存在する人物としての要素を見つけ出し魅了され彼らのことをファンは消費する。
高畠華宵の作品においても一つ私たちの存在する次元と違う空想のボーダーレスな両性具有的な少年少女をみることによって彼の作品に魅せられた当時の少年少女、紳士淑女たちは虜になったのではないのだろうか。
「若き船人」という作品はセーラー服をきている人物が描かれている。セーラー服というユニセックスな服装、切長の三白眼に幼めな顔立ちにすらりとした体。顔や身体の描き方は他の作品も類似しており男女の境が曖昧になりそこには人が感じる「美しい」という純粋な感情だけが残るように感じた。
それはジャニー喜多川も高畠華宵も少女の視点を持ち得ていたからこそ生み出す側の存在でありながら消費する側と同じ目線で同じ場所に立っていたからこそ彼らの生み出すものに多くのファンがつき、中性的でありボーダーレスであるからこそ様々な解釈をすることができ人気を博す結果となったと考える。
ジャニーズのジェンダー観においては遅れていると感じることが多々ありその問題に向き合い考えていかねばならないが、彼らの中性的な、世間から求められる、世の中において固定概念となっているマッチョイズムやイケメン性といった男性性を表裏一体乗り越え、これまでの「男らしさ」から逸脱した「自分らしくあること」を発信する存在となりアイドルという存在がただかっこよく歌って踊れる以外の面でも注目されるようになった今日の世の中だからこそ多様化した世の中に新たな追い風を吹かせる存在になってくれるのではないのだろうか。
高畠華宵自身においても彼の作品においても「故きを温ねて新しきを知る」といったように彼の人間性や作品をもう一度見返し学ぶことによって現在の世の中で考えていかなければならない「多様性」「自分らしさ」それらを探すヒントや手掛かりのような存在になるように感じる。
高畠華宵の描く少年少女画は上記で述べられている通りボーダーレスな、男女どちらと捉えても差し支えない両性具有的な団背女性といった存在を乗り越えた要素を持っている。
また描いてきた着物のバリエーションにおいてもそれまでの固定概念に捕らわれることなく肩に女優マントを羽織ったり、子供の着物をまとっていたりと新たな装いを生み出し提案した。
そこには現代を生きる私たちが縛られているらしさや二元論に囚われることなく「自分らしくあること」への一つの道標となり、私たちの知らずのうちに根付いた固定概念を払拭するきっかけになればと思う。
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参考文献
弥生美術館・竹久夢二美術館、開催中の展覧会大正ロマン・昭和モダンのイラストレーター高畠華宵ージェンダーレスなまなざしー、(https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html),2021/08/12 アクセス
ユリイカ2019年11月臨時増刊号 総特集=日本の男性アイドル、青土社、2019年10月28日
矢野 利裕、ジャニーズと日本、講談社現代新書、2016年12月14日
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2021.09.16 Thu - 2021.10.16 Sat