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セプテーニの注力分野「データ活用」の中核を担うキーマン Septeni Edge #17

こんにちは。
セプテーニのPR担当の江里です!

セプテーニには、セールス、広告運用コンサルタント、クリエイティブ、データ分析など、様々な領域で活躍するプロフェッショナルがいます。

この「Septeni Edge」では、そんな彼らにインタビューし、彼らが生み出すセプテーニのEdgeを皆様にお届けすることで、セプテーニのことをより知ってもらいたいと思っています。

第十七回目は、セプテーニの注力分野の一つである「データ活用」の中核を担うデータ事業本部のキーマンとして、データ事業本部本部長の住友亮介をご紹介します!


※直近の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社は原則在宅勤務中のため、オンラインでのインタビューを行いました。

【プロフィール】
2013年セプテーニに新卒入社。初期配属で営業を経験後、アドマネジメント本部で媒体アルゴリズムの解明に従事。その後、現在のデータ事業本部の前身となるAI推進室の立ち上げを担い、ツール開発や人材の採用などに広く携わる。現在は、データ活用の専門部署であるデータ事業本部の責任者を務める。社内アワードであるセブンスター賞にてスタッフ賞を受賞。


――本日は、よろしくお願いいたします。
まずは、データ事業本部のミッションを教えてください。

データに関するプロフェッショナルとして、役割は主に3つあります。
一つ目はセールスです。
データの中でも特に1stパーティーを活用した施策の提案をします。以前は各案件の担当営業にこの機能も持たせていたのですが、データ事業本部がセールスから担うことで、顧客の課題解決に向け、より専門性高くデータ活用の提案ができるようにしています。

二つ目は施策実行、つまり納品です。
統計や機械学習など様々な専門知識を駆使し、データ活用の施策実行をします。顧客のマーケティング全体をデザインしていくためにも基幹データにも触れさせていただくことが必要不可欠なので、顧客とのパートナーシップ構築も念頭に置いてますね。

三つ目は独自ソリューション開発です。
機械学習や深層学習を用いて、当社のケイパビリティとなるような独自のデータソリューションの開発をしています。


――住友さんは、その全体統括ということですね。 具体的には、どのような事例が出ていますか?

まず、当社のソリューションは大きく2つあって、
1つ目は、機械学習を活用し、1stパーティーデータから「成約」や「定期購入」などのアクションを予測するモデルを構築して配信に活かす「Precog(プリコグ)」やその予測をLPOに活かす「SaiL(セイル)」です。顧客ごとのKPIに応じた施策実行が可能で、直近では業種問わず、多くの案件で大幅に改善した事例が出てきています。

▼Precogの概念図 


▼SaiLの概念図


2つ目は「Odd-AI(オッドアイ)」です。
クリエイティブのCTR(クリック率)を配信前に予測するツールなのですが、常にアップデートを重ねていて、CTR予測の精度はかなり高いものになっています。
直近で言うと、とある外部セミナーで「Odd-AI」の最新版を用いた運用テストを実施した際、予測通りの配信結果が出たので、改めてCTR予測の精度の高さが証明できたかなと思っています。


――現場での具体的な活用イメージはどのように持たれてますか?

「Odd-AI」については、主にはCTRの事前予測と、そのクリエイティブのどういった要素がCTRに起因しているかの可視化です。画像内のテキストデータも「テキスト」として認識されてCTRへの影響度が分かるのですが、そういった影響度が詳細なセグメント(年齢・性別・デバイス・OSなど)ごとに出せるので、各ターゲティングでどのクリエイティブを優先的に配信するかを決めたり、新たなクリエイティブ制作時の精度を高めることができます。
例えば、より緻密にクリエイティブ分析をするのであれば、広く「20-40代女性」の傾向として分析するよりも、年齢をさらに細分化したりデバイスを分けたターゲティングごとに配信して検証する必要があります。それが配信前に予測できるので、検証フローの短縮に繋がります。


――すごい。いわゆる「勝ちクリエイティブ」が配信せずに分かるということですね。

はい。CTRに関しては、かなりの精度で当てることが証明できているので、今後はクリエイティブ検証自体も不要になると考えています。
さらに、「CTRの高いクリエイティブから優先的に配信する」という部分も、独自ツールのPYXIS(ピクシス)※を使い、事前に設定した条件に従って配信の開始や停止を自動化しているので、運用コンサルタントは次のクリエイティブ制作や考察に注力できるんです。

※PYXIS…広告配信の入札調整やクリエイティブ配信の設定を自動化できる運用ツール


――データ領域におけるセプテーニの強みはどういった部分でしょうか?

徹底的にワークフローを整備することで、顧客ユニークの機械学習モデルをスピーディーかつに高品質に提供していることです。機械学習モデルの作成などは顧客ユニークなので、大量のモデルを作成し保守管理をするのはもちろん、モデルの精度を担保するための更新も含めてかなりの工数がかかります。なので、通常は施策実行までに何か月もかかったりしますが、ワークフローを整備することでこれらを解決しています。
また、これもワークフローの一つですが、データサイエンティストに求められるスキルセットと言われている「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「エンジニアリング力」の3つを組織で切り離し、役割分担を明確にしていることですね。

▼参考:データサイエンティストに求められる3つのスキルセット
・ビジネス力…背景を理解したうえでビジネス課題を理解し、解決する
・データサイエンス力…モデル作成
・エンジニアリング力…データの保守管理、収集、成形



――3つに役割を分けることが、どう強みに繋がっているのでしょう?

データ領域は専門性の高さが求められるので、例えば本来「データサイエンス力」に特化すべき人が、企画を立てて、データの集計をして、またモデル作成やデータの保守管理までを完璧に担うというのはあまり現実的ではないですよね。なので、機能別に分けて各分野に特化した人材を上手く活用するこの三位一体の組織構造は、セプテーニがスピードと品質の高さを維持するための強みの一つだと思いますね。

あとは、「エンジニアリング力」を担うグループ会社であるセプテーニ・オリジナルが、何年も前から媒体ごとやクリエイティブごとの整備されたデータを丁寧に蓄積していたことも強みの一つです。
例えば、もし今、新たにCTR予測のツール開発に着手する場合、現時点からクリエイティブの配信データを蓄積し始める必要があるのですが、それだと整備に時間がかかりますし、圧倒的にデータ数が足りないですよね。AIや機械学習はデータ量への依存度が高いので、高い予測精度を維持するにあたり、このデータ蓄積の基盤は大きな強みとなっています。


――今後、課題やこの分野を伸ばすために重要なことは何でしょうか?

データを扱う人材の拡充ですね。好事例も増え、取り扱う案件数も大幅に増えています。しかし、この分野の人材は貴重で、どんどん採用できる訳でもないので、人材育成の観点含めてどう拡充していくかは難易度の高い課題だと考えています。
もちろん、短期的な打ち手として、ワークフローの構築(前述)には取り組んでいます。


――なるほど。住友さんは、社内向け勉強会や情報発信として「AI通信」の配信なども実施されてますが、それも育成観点での取り組みなのでしょうか?

もちろん、ベースのスキルアップの観点もあります。ただ、この分野は自ら学ぶ意欲が無いと専門性を高めるのは難しいというのが正直なところだと思います。一方で、現在のデータ事業本部に関しても外部から専門的な人材を採用しただけでは無く、社内でキャリアチェンジした人材がデータのプロとして育ったんです。つまり、学ぶ意識さえあれば、だれもが専門性の高い人材になれるということです。


――本人が、この専門分野を学ぶ意志があるか次第ということですね。

そうですね。ちなみに、将来的にはデータ事業本部は本来解散すべき部署なんです。


――と、言いますと・・・?!

一般的に、「データの民主化」と言われています。今は専門部隊としてデータを扱う役割を集約していますが、将来的には一部署だけが担う特別なスキルではなく、各部署が当然のスキルとして活用すべきだという考え方です。

――確かに、そうですね。

はい。今や全社員が活用しているExcelと同じです。
そこはデータ事業本部の責任者としても、頭の片隅に置いておかなければいけない着地点ですね。
なので、データ事業本部自体を大きくする概念はあまりなくて、セプテーニでデータの民主化を進めることが今の僕の展望ですかね。


――なるほど。民主化のためには社員全体の意識改革が必要ですね。
本日は、お忙しいところありがとうございました!

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