「デザイン経営」「デザイン思考」などビジネスにおいて”デザイン”という言葉が目立つ昨今。
デザイン会社である当社SEESAWも2020年4月に5期目に突入しました。ありがたいことにたくさんのご依頼をいただき、4期連続で売上、利益ともに大きく成長をしています。
現在のSEESAWがどのようにデザインと経営を考えているか、現状のデザイン業界の流れとともに解説いたします。
■変化するデザイン業界
デザインを専門とした企業の業態について、主に2つのビジネスモデルを想定する方が多いのではないでしょうか。
- 総合広告代理店型 − 広告のプラニング、クリエイティブディレクションしながら制作を導く企業
- デザイン事務所/制作会社型 − デザイナーやアートディレクターが多数在籍し、企業や広告代理店から依頼を受けてデザインを制作する企業
広告代理店が企画やブランディングを考え、下請けである制作会社が作業の補助をして最終のアウトプットを作ることが広告クリエイティブのメインストリームでした。
それに伴い上記のどちらかの業種を目指すデザイナーが多く、特に広告代理店はクリエイターにとって花形の業種でした。
しかし2020年現在。総合広告代理店型もデザイン事務所/制作会社型もいずれも、これまで好調だった会社に陰りが見えるなど、状況は急激に変化しています。広告や出版を中心としてきたデザイン界隈に「デジタル媒体」のバブルがやってきたのです。そのため、デザイン業界の流れも大きく変わってきています。
■飛躍と失速 明暗を分けた2010年代
さて、変化したデザイン業界ではどのようなデザイン会社に需要があるのでしょうか?2010年代後半の流れを振り返ってみましょう。
インターネットの普及によりデジタルを専門にしたデザイン会社に熱い視線が送られています。特に「UXコンサル」を主軸としたデザインファームは大きく成長をしています。海外を中心に、戦略コンサルティングファームが、デザイン会社を買収する動きも加速しました。
スマートフォンが老若男女問わず世界中で使われるインフラのひとつとなった今、様々な業界でアプリやWebサービスを始める流れができています。飲食、行政、小売、不動産、教育……今となってはどんな業種もデジタルとは切り離せません。
その反面、まだほとんどの企業にはデジタルUXの専門家が在籍していないのが事実です。そのためあらゆる業界で”UXデザイン専門の相談役(コンサルタント)”が求められています。紙媒体やブランディングだけをメインにしたデザイン事務所はデジタル媒体のデザインにシフトできなければ必然的に事業が縮小されてしまいます。
さらにもうひとつの流れとして、広告代理店の役割が変化していることがあります。これも実はデジタル化の波が関係しています。
従来の広告制作は、広告代理店がクライアントと制作会社の間に入ってプランニング〜制作の総括をする進行をとってきました。広告の内容を考えスケジュールや費用を算出、専門的な技術を使ったものは制作会社を仲介し、大きなプロジェクトを導きます。代理店のディレクターがいるからこそスムーズな制作が可能になりますが、発注側は多くの費用を支払うことになります。
ここで出てきたのが、「代理店の役割を果たせる制作会社」です。仲介を挟まず、自らクライントの課題解決を行い、デザインも社内で制作することによりコストを抑えることができます。グラフィックのみならずWebや動画などブランディングの軸となるクリエイティブをまとめて作れる制作会社も増えました。また、紙が主体だったころに比べるとデータのやり取りを含むコミュニケーション手段も格段に整備され、間に代理店を介す必要性が少ないと考える発注者が増えてきました。
もちろん広告代理店には幅広いコネクションや、経験豊富で実力のあるクリエイターがいます。ただ、コストやスピードを天秤にかけるのは発注者です。不景気が続く中、低コストの制作会社へのニーズが増えるのは自然な流れでしょう。
■2020年からの業界を牽引するデザインファームへ
インターネットやデジタル媒体が大きく世界を変えた2010年代。それでは2020年代はどのようなデザイン会社が求められるのでしょうか。
SEESAWが着目し実践しているのは「デザイン×コンサルティング」。具体的には広告デザイン(ブランディング)とUXコンサルティングの掛け合わせです。
SEESAWのデザイナーやディレクターは、手を動かす以上に脳を動かして働きます。ただ依頼されたもののビジュアルを作るだけではありません。ブランディングやマーケティングの知識を活かして、より効果のある戦略をクライアントのパートナーとしてコンサルティングし、形にします。
多くの場合、UXコンサルはサービス開発やUXに特化していて、広告系デザイン会社はブランディングに特化しています。つまり、比重をおいていない領域へ対応が難しいのです。
そんな中SEESAWの強みはサービスの立ち上げや戦略から運用開始後のマーケティングまで一貫して一社のみで行えることです。私達はサービスデザインとブランディング、どちらの領域にも専門的に対応できる数少ないデザインファームとしてたくさんのクライアントからご依頼をいただいています。
手を動かすだけでなく、アイディアや企画を生み出すことやコンサルティングをすることをマネタイズできれば、クリエイターは時間に比例しない利益を生み出すことが可能です。コンサルタント自身にデザインの知識がある場合、制作や意思決定の速度が格段に上がります。
■「領域を超えること」が成長につながる
もちろん社員全員がUXにもブランディングにも強い、というわけではありませんが、片方の軸に寄り過ぎないように成長してもらいたいと考えています。
そんな考えを持ち始めてから広告ブランディング出身者がUXデザインの知識を身につけられ、UXコンサル出身者がブランディングを学べるような環境になってきました。どちらの領域にも精通することによって、ひとりひとりが対応できる案件の幅が広がったり、画期的なアイディアを生み出せたり、デザイナーにとってもディレクターにとってもプラスに働いていることが多いです。そういった「自分の専門領域を超える」ことは、評価基準のひとつとしても取り入れています。
それぞれの社員がクライアントにとってベストなデザインを提案できる「デザインコンサルティングパートナー」になれるよう、日々精進しています。
■さらなる進化に向けて SEESAWにジョインしませんか?
SEESAWでは新たな一歩へ向けて、新しいメンバーを募集しています。
特に募集しているのは、ディレクターやデザイナーのアシスタントとなる人材です。
アシスタントは先輩の下に付き、学びながらチームの「脳みそ」になれるように仕事に取り組んでいただきます。
特に、
・UXに関する仕事や教育を受けた上で広告業界にも興味がある方
・広告の仕事からサービス開発の仕事にも幅を広げたい方
・非デザイナーだけどサービスをプロトタイプから考えたい方
・Webデザイナーだけどブランディングにも興味がある方
・グラフィックデザイナーだけどWeb領域もやってみたい方
・Webディレクター経験があり、Web以外もディレクションしてみたい方
上記のような方にとってはとても面白い仕事ができるかと思います。
大学卒業から数年の第二新卒の方でもOKです。
その他の業種は「募集一覧」を御覧ください。
過去の制作はSEESAWのWebサイト(https://seesaw.jp.net/)、またはWantedlyのポートフォリオ(https://www.wantedly.com/portfolio/companies/seesaw)をご覧ください。外部に出していないプロジェクトも多数ありますので、興味を持っていただけた方はぜひお話を聞きにきてくださいね。
イベントも不定期に行っておりますので、Wantedlyをフォローして通知をチェックしていただけましたら幸いです。
あなたとデザインの未来を作っていくこと、楽しみにしています。