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ロールモデルより、反面教師を見つけた方がいい

今まで「職場に憧れの人がいない」「ロールモデルが欲しい」と悩んでいる人をたくさん見てきた。

憧れの人・ロールモデルをいれば、その人を目標に頑張れるので、努力の方向性が定まるからだろう。

だが実際には「この人のようになりたい」と思える人を探すより、「こんな人には絶対になりたくない」と思う反面教師を探したほうが努力の方向性は定まりやすい。

なぜなら、憧れの人と自分のできることは違うからだ。人には必ず得意不得意がある。それは遺伝や今までの人生によって決まる。憧れの人と自分が似ている生き方・思考・スキルを持っていることは珍しい。

一方、反面教師はどうか。まず反面教師とは他人の失敗を見て、自分は同じ失敗をしないように気をつけようと考えること。他人の失敗を自分の糧にできるのが反面教師の強みだ。

そして、なぜ成功より失敗を取り入れたほうがいいか。失敗には一定の再現性があるからだ。失敗した人には明確に失敗した理由がある。「事業で投資先を間違えた」「営業先に失礼なことを言った」「プレゼンの練習が足りなかった」「お金に目がくらんだ」というように、普遍性のある大小様々な要因がキッカケで判断ミスを起こして、失敗に繋がっていることがほとんどだ。

逆に成功には再現性がない。成功は運・能力・環境といった様々な要因が重なるからだ。特に運は自分でコントロールできない。偶然が成功の8割を占めることも全然ありえる。そのため憧れの人が使った方法で、自分が同じく成功できるとは限らないのだ。

プロ野球の野村監督も「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言うように、勝ちは偶然があるが、負けは必然しかない。それなら憧れの人を持つ必要はなく、反面教師をたくさん持って、負けパターンを学習していったほうが成功確率は高いはずだ。

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