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人を起点として、地域に事業を生み出す会社 さとゆめ



さとゆめは、大学教員、シンクタンクやコンサルタント会社の研究員として、地域活性化支援に取り組んでいたメンバーが集まり、2012年4月に立ち上げた会社です。

創業前、私たちが共通に抱えていた一つのジレンマがありました。

当時、地域活性化の政策を提言したり、地域振興の計画を提案したりすることが私たちの仕事だったわけですが、自分達が提言・提案したことが実現しない、と言うより実行に移されさえしないことが少なからずありました。

それは、提言・提案の良し悪し・熟度の問題もあったかもしれませんが、ますます過疎化が進む地域では、そういったことを実行に移すための人材やノウハウ、経験が不足していたことも大きな理由の一つだったと言えます。そうした状況において、提言書や計画書を地域に渡して「あとは頑張ってください」ということで、自分達の責任を全うしたと言えるのだろうか、と自問自答する日々。

一方で、計画を実行する段階、つまり、商品開発や販路開拓、体制構築、施設経営等の範疇になってくると、当然リスクを伴います。時間もかかります。従来の大学の研究室、シンクタンクやコンサルタント会社は、そうしたリスクを取ることを避けますので、計画実行にタッチしようにも、組織的な制約の中、なかなかできない、という状況もありました。

しかし、メンバーが集まってお互いのジレンマや思い、夢を語り合う中で、「やはりそれではいけない」、「従来の組織の枠組みで出来ないのであれば、新しい組織を創ればいいじゃないか」と、一念発起、新い会社を立ち上げることにしたのです。

それが、さとゆめです。

さとゆめは、「ふるさとの夢をかたちに」という企業理念を掲げています。この理念には、地域の方々の「夢」を、ビジョン(計画や戦略、政策提言等)に落とし込むところまでではなく、さらにその先、より具体的な「かたち」、つまり、商品やサービス、事業、利益や雇用になるところまで、支援し続けよう、という思いを込めています。

そして、このような私たちの業務に対する姿勢を、「伴走型コンサルティング」と名付け、創業以来、トコトン生産者、地域と伴走し続ける、新しいコンサルティング会社のあり方を模索してきました。

「地域に徹底的に伴走するコンサルティング会社が一つくらいあっても良いのではないか」というのが、我々の創業時の「仮説」だったわけですが、本当にそういう会社が他になかったのでしょう、ありががいことに、創業直後から様々な地域からお声がけ頂き、創業後10近くが経過した今、北は北海道から、南は沖縄まで、約40ほどの地域に「伴走」させて頂いています。

そして、3年、5年と伴走する中で、計画・戦略策定から商品・サービス・店舗の開発、運営体制構築などの準備を進めてきた事業が、アンテナショップ、道の駅、ホテル、ツーリズム事業等として、次々と開業、立ち上げのフェーズを迎えています。

地域に必要とされ、地域に伴走させて頂き、「ふるさとの夢をかたちに」するという、創業時の想いから考えると、上出来すぎるくらいの状況ではあるのですが、一方で、新たな課題も見えてきました。新しい事業が全国各地でどんどんと立ち上がっていく中で、道の駅の駅長やアンテナショップの店長、ホテルの支配人など、事業の核となるディレクター、マネージャーなどの人材の確保が難航する場面が増えてきたのです。

これは当然と言えば、当然。2015年から日本全体の人口が減少期に入り、我々が関わっている町や村は、まさに人口減少時代の最先端にあるような地域です。10年前なら「田舎には仕事がない」とよく言われていましたが、今では「仕事はあるけど、人がいない」という状況があらゆる地域で起きています。地域の若者や移住した若者などは、引っ張りだこで忙しくしています。

まさに、「人」がボトルネックになっているのです。そうした状況を踏まえ、我々のコンサルティングのプロセス、事業化のプロセス自体を、抜本的に見直し、変革していく決断をしました。

これまでの事業化のプロセスは、計画を立てて、資金を集めて、事業を立ち上げて、最後に人材を集める、という“計画起点”でしたが、これからは、想いやビジョンを持った人材を発掘・育成し、その人とともに、計画をつくり資金を集め、その人とともに事業を立ち上げ・運営していくという、“人起点”へと転換することにしたのです。

2021年を「第2創業期」と位置づけ、新たなコーポレート・アイデンティティ(組織の定義)を策定しました。

Local Business Incubator
人を起点として、地域に事業を生み出す会社

創業から大切にしてきた姿勢である「伴走型コンサルティング」は大切に守りながら、人起点で地域に事業を生み出す会社になれるよう、会社の全ての仕組みをアップデートしていきます。

Local Business Incubatorという新たなコーポレートアイデンティティを、具現化するための事業概念は、以下のサイクルで表現されます。

まず、意志と想い(Will)をを持った人を発掘、あるいは育成し、彼らをコミュニティ(Community)化し、助け合い、切磋琢磨し合う状況をつくる。そして、具体的な地域で具体的な課題や事業シーズが寄せられたら、それらの地域や課題、事業シーズに関心を持つ人達でチーム(Team)をつくり、具体的な検討や活動(Project)を始める。そして、その中から、事業(Business)を生み出していく。

このサイクルをいくつの地域で、何回まわすことができるか、そして、そのサイクルにどれだけの意志を持った若者に参加してもらえるのか、どれだけの事業を生み出すことができるのか。第二創業期はその成果に徹底的にコミットしていきます。そして、このサイクルを完成させるために、越境×実践型スタートアッププロジェクト「100DIVE」等の新たな試みを始めています。


では、私たちが目指すゴールはどこにあるのか。

地域に伴走し続けた先に、Local Business Incubatorのサイクルを回し続けた際に、何があるのか。

私たちが目指すゴールは、「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会」です。

2019年7月、さとゆめ創業メンバーが出会った地、さとゆめのルーツとも言える長野県信濃町で全社合宿を開催し、さとゆめのミッション、ビジョン、バリューを言語化する作業を行い、「さとゆめたる所以(ゆえん)」と名付けたステートメントをつくりました。

そこで、全社員で決めたビジョンが「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会をつくる」です。

私たちが全国各地に伴走する中で、常々感じることは、人には「ふるさと」が必要であるということ。都会で生まれ都会で育ち、土地・地域との関係がどんどん希薄化する現代社会の中で、地域への関心が高まっているのは、人々が「ふるさと」を根源的に求めているからだと考えています。

そして、「ふるさと」を見つけ、そこに誇りを感じ始めたとき、そこに、地域を変革する熱源が生まれ始めます。その熱い想いを持った人々に、「ふるさとの力」になるための手段や機会を提供していきたいと考えています。

何年、いや何十年かかるか分かりません。しかし、約束します。

私たちは、これまでも、これからも地域に伴走し続け、人を起点として地域に事業を生み出し続け、いつの日か、「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会」を実現します。

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