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【就活生必見!】SIerってどんな業界?どんな人が向いている?

前回のコラムでIT業界について簡単にまとめてみましたが、その中から今回はSIerについて企業形態によって分類しながら、その基本的な仕事内容や必要なスキルについて解説します。 

IT業界志望の就活生だけではなく、これから就職活動を始めようとしている大学生の皆さんに向けて、SIerについて理解を深めてもらうキッカケになればと思います!

【就活生必見!】IT業界ってどんな業界?ざっくり業界分析してみた | エス・アンド・アイ株式会社
新卒採用では、なんとなくIT業界を選定している方にお会いすることも少なくありません。一概に「IT業界」といっても、SaaS企業やSIer、ハードウェアメーカーなどによって、その事業内容や仕事内容...
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目次

  • SIerとは? SIerを取り巻く市場の変化

  • SIerを5つの種類に分類!

  • 【外資系】

  • 【メーカー系】

  • 【ユーザー系】

  • 【商社系】

  • 【独立系】

  • SIerの仕事内容とは? SEに向いている人はどんな人?

  • <求められるスキル①> コミュ力とチームワーク

  • <求められるスキル②> ITへの興味と探究心

  • <向いている人材> ビジネス視点で人の役に立つ仕事がしたい人材

  • さいごに

SIerとは? SIerを取り巻く市場の変化

SIerはシステムインテグレーターの略で、お客さまの抱える課題をITで解決していくことを生業としています。近いところで、開発会社やNIer(ネットワークインテグレーター)[※1]といったワードを聞いたことのある方も多いと思いますが、これらの会社はある特定の工程や分野を専業にしているのに対し、SIerはアプリ開発からプラットフォームの構築や運用、自社サービスの提供など、幅広く事業を展開している会社が含まれるのが一般的です。

※1:例えば、開発会社はシステムやアプリの開発を専門にしている、NIerはネットワーク構築や運用を専門にしているといったイメージです。

最近は、ITを活用して業務を効率化したい、新規ビジネスモデルを創出したい、競争力を強化したい、働き方改革を実現したいなど、さまざまな業界・業種でDXの推進が本格化しており、SIerの需要はますます高まっています

また、クラウドサービスやAI、IoTなどの新しい技術が次々と登場する状況下において、お客さま自身もよりスピーディーかつ柔軟に新しい技術を取り入れて業務改革を行なっていきたいという傾向が強まっており、従来のような特定のベンダーへの依存度が高い構造(ベンダーロック)からの脱却もニーズとして増えています。

このような背景から、お客さまごとにシステムを開発・構築するだけではなく、課題に応じて既成のサービスを組み合わせてご提案することも重要な役割になってきています。

また、SIに必要なプロダクトやサービスの選定・調達など、メーカーの代理店としての側面に加え、独自ソリューションの開発・提供や、IT業界以外の企業と組んでそれらのソリューションを業界特化型DXサービスとして展開するSIerも増えてきています。

SIerを5つの種類に分類!

SIerはその成り立ちから、外資系、メーカー系、ユーザー系、商社系、独立系の4つに分類できます。代表的な企業名とともに、その特徴を見てみましょう。

【外資系】

海外に本社を置く企業が日本国内で事業を展開するSIerが「外資系SIer」に分類されます。グローバルにビジネスを展開する企業をお客さまにしていることが多く、海外拠点のメンバーとのコミュニケーションも欠かせないため、英語力を活かして国際的な経験を積める機会も多くあります。また、最新技術や最先端の開発手法の導入にも積極的です。

成果重視の働き方のため、年収は高い傾向がありますが、その分プレッシャーも高くなります。こうした環境にやりがいを感じられる人は向いているでしょう。

 代表的な企業に、キンドリルやアクセンチュアなどが挙げられます。

【メーカー系】

ハードウェアやソフトウェアメーカーを親会社に持つSIerが「メーカー系SIer」に分類されます。親会社の持つ製品やサービスを使ってシステム構築を行います。親会社がサービスを提供している業界に強みを持つケースが多く、例えば、日立製作所を親会社に持つ日立ソリューションズや日立システムズは製造業や公共インフラを、東芝グループの東芝デジタルソリューションズはエネルギーや公共分野を得意としています。ほかにも、NECグループのNECネッツエスアイは、ネットワーク・通信インフラを中心に、コンタクトセンターなどの音声系に強みを持つメーカー系SIerです。

親会社の製品を積極的に取り扱うことになるため、お客さまにとって最適な提案が難しいケースもあります。ただし、資本力が高く、経営が安定しているメリットもあります。

【ユーザー系】

親会社がIT業界以外の企業で、親会社やグループ会社のシステム構築や運用を主な業務として担っているSIerが「ユーザー系SIer」に分類されます。大企業を親会社に持つケースも多く、福利厚生や労働環境が整備されている場合が多くあります。親会社やグループ会社からの案件が安定しており、経営面でも安定性が高いと言えるでしょう。また、親会社の業界に特化した業務知識を習得しながら、その業務に適したシステム構築が可能です。

ユーザー系SIerもメーカー系SIer同様に、親会社が事業を展開する業界に強みを持つケースが多いです。主な企業として、金融業界に強みを持つNTTデータや、製造業や自動車業に強みを持つトヨタシステムズなどがあります。

【商社系】

総合商社を親会社に持つSIerが「商社系SIer」に分類されます。商社の持つ調達力やネットワークを活かした幅広いITソリューション提供を行なっています。海外展開に強いのも特長です。特定の業界にとらわれず、さまざまな業種の企業にITソリューションを展開しており、独立系SIerに近しい事業展開を行なっています。

代表的な商社系SIerには、CTC(伊藤忠商事)、MKI(三井物産)、SCSK(住友商事)が挙げられます。


【独立系】

特定の親会社やメーカーに属さず、中立的な立場のSIerが「独立系SIer」です。

特定のメーカーに縛られないため、ハードウェアやソフトウェア選定の自由度が高く、お客さまのニーズに応じた最適な提案ができます。また、特定の業界に縛られない案件があるのも特長で、幅広い経験ができる点も特長です。ユーザー系SIerやメーカー系SIerとは異なり、安定した受注を実現するために営業力が重要となる業界です。競争が活発だからこそ、自身の成長や成果を実感できる機会が多いため、チャレンジ精神が旺盛な人は向いているでしょう。

 代表的な独立系SIerには、BIPROGYやTIS、IIJなどが挙げられます。



企業の成り立ちによって携われる案件の傾向や内容も見えてくるでしょう。また、グローバルな仕事がしたい、安定した会社で働きたい、技術ではなく営業に興味があるなど、自身の興味がどこにあるかも明確にしながら企業研究を行うと、自分にあった企業に出会えると思います。

SIerの仕事内容とは? SEに向いている人はどんな人?

SIerの業務内容は企業の抱える課題をITで解決することです。仕事の流れとともに、今回はSEとして活躍するにはどんなスキルが求められるのかをまとめてみます。

<要件定義>
お客さまの課題をヒアリングし、どのように解決するか(どのようなシステムが必要か)を検討します。
<システム設計>
お客さまの要望に応じて、どのような機能を実装するかなど、構築するシステムの設計を行います。
<開発・構築>
設計したシステムを実際に作るフェーズです。自社だけで構築する場合もありますが、パートナー企業と連携して進める場合もあります。
<テスト>
構築したシステムが正しく稼働するか、実際の運用を想定したテストを実施し、確認します。ここで見つかった不具合は修正し、お客さまが安心して使える状態に仕上げていきます。
<運用・保守>
導入したシステムが問題なく稼働するようにサポートします。障害対応や次期システムの提案なども行います。

 要件定義やシステム設計の工程を「上流工程」、開発やテストの工程を「下流工程」と言います。若手のうちは下流工程で技術やプロジェクトの進め方などの経験を積み、その後、少しずつ上流工程に進むエンジニアが多いのではないでしょうか。

それではここからは、SIerに求められるスキル、どんな人が向いているのかについて紹介します!


<求められるスキル①> コミュ力とチームワーク

要件定義やシステム設計などの上流工程では、お客さまから課題や要望をヒアリングして正しく理解するスキル、技術的な内容を分かりやすく伝えるプレゼンスキルも重要になるのですが、下流工程でもコミュニケーション力は欠かせません。

例えば、プロジェクトは小さいものであれば数名から、大きいものになると100名以上のメンバーでチームを組んで進めることになります。そのため、円滑にプロジェクトを進めるために、相手の意見を受け止めた上で自分の意見を伝えたり、相手が理解しやすい言葉で整理して伝えることが重要になります。

SIerに限らず、採用において「コミュニケーション力」を重視する企業は多いと思いますが、ビジネスで求められるコミュニケーション力は単なる社交性の高さや快活さではありません。ヒアリング力や説明力、関係者と円滑な関係を築くための協調性などが求められます。SIerのSEを志望するなら、「聞く力」「伝える力」「調整する力」の3つのコミュニケーション力を意識すると良いのではないでしょうか。

また、SEの仕事では、意外にも提案書などの資料作成や社外の方とのメールやり取り、顧客が発注先を選定する際に提案を依頼するための「提案依頼書」を読み解かなければならない機会も多いので、読解力や作文力が求められることもたくさんあります。

「話す」「書く」の両面からコミュニケーション力を鍛えておくと、プロジェクトメンバーはもちろんお客さまからも信頼されるSEになれると思います。


<求められるスキル②> ITへの興味と探究心

IT技術は日進月歩で進化しており、1年前の技術がもう古いということも少なくありません。例えば、AIが企業で導入され始めた2016年頃は、「AIが人の仕事を奪う」と言われるなど、AIによる業務の自動化や効率化が主な目的でした。ですが、生成AIの登場でAIの活用が一気に広まった昨今では、AIを戦略的に活用することで業務の質を高めるなど、AIは人の仕事を支援、代行するための存在に変化しています。また、社会的関心も単なる期待から倫理や規制、透明性などに変化しており、こうした課題を踏まえながらお客さまのビジネス課題を解決するためには何ができるのかを考え、提供していかなければなりません。

このように、日々進化する技術とそれに伴って移り変わる社会的関心や課題を敏感にキャッチし、対応していかなければならないため、新しい技術を学び、挑戦し続けることがとても大切になります。

また、最近では、クラウドサービスが登場したことで、1からシステムを構築するのではなく、既にあるサービスを組み合わせたり、カスタマイズすることも増えています。新しいアプローチや他の分野の技術を取り入れていくなど、創造的な発想力も不可欠です。


<向いている人材> ビジネス視点で人の役に立つ仕事がしたい人材

SIerの仕事は、お客さまの業務効率化や成長を支えることです。そのため、ITスキルだけではなくお客さまの業界知識や課題解決力、プロジェクト管理力なども求められます。

特に、「SIer=システムの設計・構築・運用」と捉えている方も多いと思いますが、SIerは「お客さまのビジネスを支えるパートナー」であるため、ビジネス視点を持って貢献できることが大切です。

  • 急速に進化するAIなどの技術をどのように活用すれば生産性を向上したり、人を楽にすることができるか?
  • さまざまなお客さま企業の業務を深く、興味をもって理解し、ITを使ってどのような発展、進化を遂げられるか?
  • お客さま企業とSIerが組んだら、どんな新たなビジネスやサービスを創出できるか?

こんなことを考えるのが面白い!と思う方は、これからのSIerで活躍できる人材だと思います。

プログラミングスキルを身につけてキャリアを積んでいきたいという志向の方よりも、ITに興味があって人の役に立つ仕事がしたいという方のほうが、やりがいを感じられるのではないでしょうか。


さいごに

一言で「IT」といってもさまざまな分野・技術があります。コードを書くプログラマーがイメージされやすいかもしれませんが、データベースやネットワーク、セキュリティ、サーバー、クラウドなどさまざまな領域で活躍するSEがたくさんいます。どんな技術を持ったSEがいて、どうやって企業や社会を支えているのかを調べてみると、より具体的にSIerの仕事をイメージできると思います。

例えば、私たちS&Iは、設立当初から企業やデータセンターのネットワーク基盤の統合や仮想化、CTI関連システムの構築など、プラットフォーム分野に強いこともあり、サーバーやネットワーク、クラウドなどを専門とするSEがたくさんいます。

また、最近では、AIやコミュニケーションテクノロジー領域にも事業領域を広げているため、AIの音声認識技術を専門とするSEや音声系の技術を専門とするSEなども増えており、さまざまなスキルを持ったSEがチームでプロジェクトを進めています。

次回は、SEにはどんな種類があるのか、仕事内容や求められるスキルなどを紹介したいと思います!

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