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「旅 × シゴト」で旅の価値を高めたい。SAGOJO代表の想いと覚悟|新 拓也

「旅人という生き方をつくる」をミッションに掲げるSAGOJOは、2015年に創業し、翌年にはサービスをリリース。2019年には地域の簡単なお手伝いに取り組むことで、地元住民と触れ合いながら全国を旅できる『TENJIKU(テンジク)』をスタートしました。

地域のファンや関係人口を創出しつつ、旅人がスキルを活かしながらリターンを得られる仕組みをつくり、これまで5,000人以上の旅人に「旅 × シゴト」の体験を提供してきたSAGOJO。現在は業務委託メンバーを含む30人程度のチームで、リモートによる働き方を取り入れつつ、時には旅をしながら仕事をしています。

そんなSAGOJOはどのような想いから生まれたのか。どんな組織を目指しているのか。SAGOJO創業のストーリーや今後の未来予想図を、代表の新 拓也(しん たくや)に聞きました。

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株式会社SAGOJO 代表取締役 新 拓也

主にUXや新規事業、また地域プロジェクトの企画を担当。学生時代にバックパッカーとしてアジアを旅したのち、Webメディア『Travelers Box』を設立。株式会社LIGの編集者を経てSAGOJOを創業。

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創業のきっかけは「旅する人を増やしたい」という想い

▲HR担当の中川(左)がインタビュアーを務めました。

ーーSAGOJO創業に至ったきっかけを教えてください。

もともと自分の経験から「旅する人を増やしたい」と考えていて、SAGOJOを立ち上げる前に会社員をしながら旅のWebメディアを運営していました。でも、読者へ本当に旅に出るきっかけを提供できているのかわからなかったこと、また旅好きでない読者にはなかなか届けられないという壁を感じていました。

そこで、もっと頑張ってメディアを伸ばさなければと思い、新卒で入社した会社を辞めて旅をしようと考えました。でも、そのときに周囲から「その考え方は甘い」と言われたことがすごく印象に残っていて……旅へ出ることが “逃げ” だとか “遊び” のように捉えられる社会の空気を感じたんです。

ーー「旅人」は非生産的な存在として見られてしまう、と。

当時は特にそんな考えが根強かったと思います。でもそのときに、旅をすることが社会からのドロップアウトと捉えられてしまう状況を変えたい、世の中にちゃんと伝わる形で旅の価値を証明したい、旅の社会的な価値を高めたい! と思ったんです。

たとえば、旅をすることが仕事と紐づいて、キャリアアップに繋がったり、お金を稼げたり、企業や旅先で出会う人から「あなたが旅をしてくれて良かった」と言ってもらえるような成果を生み出せたりしたら、旅の存在価値が変わるんじゃないかと。それができる仕組みがあれば、今よりもっと「旅に出る」という選択をしやすくなるし、そんな旅人を応援できる世の中に変えていけるのではないかと思い、SAGOJOの創業に至りました。

旅が教えてくれた “人の立場や暮らしを想像し共感する力”

▲アジアを旅しながら、たくさんの暮らしに触れてきた

ーーそもそも旅する人を増やしたいと思ったのはなぜですか?

大学4年生の頃、バックパッカーでアジアを旅したことが大きかったですね。僕は学生時代、ずっとサッカーをやっていました。アルバイトもサークルもサッカーで、当時の自分からサッカーを除いたら、何も残らないのではないかと(笑)

そんなサッカーに囲まれた人生も楽しかったけれど、「未知なものと出会って新しい自分を発見したい」「今の自分の嫌いな部分を変えたい」という想いが強くなり、旅に出ようと決めました。そしてその旅で、人生が大きく変わったんです。いろんな学びがあったんですが、一番は「旅には相手の立場で考える想像力を培う力がある」と実感したことかな。

ーーたとえば、何かエピソードはありますか?

僕はネパールを旅したことがあって、現地の友達ができたりとネパールのことが大好きになったんですが、帰国後に、まさに自分が訪れたカトマンズという町で大地震が起きてしまいました。そのとき、ネパールの人々の暮らしがリアルに思い出されて、とても他人事とは思えなくて。

自分にできることをしようと、旅のWebメディアを通してネパールで出会った旅仲間たちに声をかけたら、みんなが協力してくれました。そのときに、世界の出来事が「自分ごと」になる感覚が旅の力だということ、そしてそれが自分に対してだけでなく他者を巻き込む大きな力になると気づいたんです。

旅をすることで自分ごと化できる国や地域が多くなったり、まだ訪れたことがない場所にもそこに人々の暮らしがあることを想像できるようになる。その輪が広がることで世の中がきっと良くなると感じて、旅する人を増やしたいと思うようになりました。

ミッションに人生を捧げる覚悟がある

ーーSAGOJO創業後は大変なことも多かったと思いますが、活動を続けられるモチベーションはどこにあるのでしょうか?

いろんな旅人や地域の人から「SAGOJOのおかげでこんな風に変わりました」と言ってもらえることが多く、旅を通したポジティブな変化に携われていることが嬉しいし、モチベーションになっています。

ただ、以前に「新さんはなぜ起業できたんですか?」と聞かれたことがあったんですが、僕の場合は高いモチベーションや勇気があったからではなく、「覚悟を決めたから」だなと思って。「今回の自分の人生は、このミッションのためにすべて使う」と決めた。そうした覚悟を持ったからこそずっと頑張れている、という感覚ですかね。

ーー「覚悟を決める」とはどういうことですか?

「何があっても受けとめる」って感じかな……? もしかしたら今後うまくいかなくなって、ホームレスになるかもしれないけれど(笑)、全力でやってそうなるなら仕方ない、と受け入れる気持ちというか。

そこには、自分の人生を過大評価していないこともあると思います。たとえば、世界を1ミリ動かす可能性が1%でもあるのなら、自分の人生を賭けてもいい。それくらい、やりたいことが大きすぎるし、自分の人生なんて小さいものだと思っています。自分が成し得なかったとしても世界は何も変わらないし、自分自身がちっぽけだからこそ、自分の人生くらい賭けなきゃと思うのかもしれない。

ーーその想い、改めて今のメンバーに聞いてもらいたいです(笑)

あ、でも自分のこの考え方は、同じものを相手に求めないように、とは常々気をつけています(笑)

また、こうした “決め” があるからこそ選択がラクになる部分がありますが、選んだ道のりの中でも紆余曲折はあるので、自分自身はアップデートしつづけなきゃいけないとは思っています。

ーー新さんを見ていると、どんどん変わり続けているように見えます。変化にはきっかけがありますか?

自分が変わったタイミングとして自覚しているのは、会社の資金を集めたときですね。融資を得たときには自分が借金を背負う覚悟を持てたし、最初の出資を得たときには、前職の社長や僕のやりたいことを応援してくれる方がお金を出してくれたことで、意識が変わりました。正直に言うと、尊敬する人にお金を出してもらうよりも、自分で銀行から借りるほうが気がラクだなと思いました(笑)

ーーそういうものなんですね(笑)

そのタイミングで自覚したのが、「恩返し」が自分の大きなモチベーションになるということです。出資してくれたあの人をヒーローにしたい、SAGOJOに期待して正解だったと思ってもらいたいと考えるようになりましたし、今でも自分を支える大きな力になっています。

それはユーザーに対しても同じで、SAGOJOに期待して登録してくれる旅人に恩返しできるようでありたい。こういった変化の中から生まれる自己発見は、今後も大切にしていきたいですね。

一人ひとりが自立しプロ意識を持ったチームを目指す

ーー新さんの想いに共感してSAGOJOに入るメンバーも多いと思いますが、どんな組織を目指していますか?

一人ひとりが自立をしていて、プロ意識を持ったチームにしていきたいです。そんなメンバーだからこそ、チームをつくることでより高いパフォーマンスを発揮できるし、お互いの弱みを補えると思うので。

ーー自立している、とは?

僕の考える自立とは、深い自己理解に基づいて自分自身を最大化できるよう導けること、またその手段を持っていること、かな。ちゃんと自分の良さを活かして成果を発揮できたり、自分のモチベーションの源泉を理解してそれを維持したり、そういう環境を自ら自分のまわりにつくっていける人というイメージですね。

ーーなるほど。SAGOJOの組織全体の魅力も教えてください!

個人でいうと、地域や旅人と向き合うことを大切にしているところ、主体的に興味を持ってプロジェクトに関われるところですね。好奇心が旺盛で、素直さを持ち合わせている人が多いと思います。

チームでいうと、各局面で輝く人たちがいて、それを周りがサポートできる。一人ひとりが主役になれるし、自分以外の誰かが主役になっているのを素直に喜べるチームですね。ずっとサポートするだけのスタンスじゃなくて、局面によっては自分が会社を引っ張っていく意識のある人は、SAGOJOにマッチする可能性が高いと思います。

周りに応援してもらえる会社でありたい

ーーSAGOJOの採用プロセスは、業務委託の場合でも面談や選考フローが多い印象です。面談時に見ているポイントはありますか?

会社の目指すものと、その人が目指している道のりが重なるかどうかを見ています。「会社の目指しているものに合わせます」という感じだと、長期的に一緒にやれるのか心配で。個人として目指すものや仕事で実現したいことが、SAGOJOの目指す未来像とマッチしていたら最高ですね!

ーーでは、メンバーとはどんな関係性を築いていきたいですか?

フラットな関係でありたいと思っています。自分はCEOとしてカリスマタイプではないので、誰よりも最前線で走り続けなきゃいけないし、一番熱量を帯びている必要があると思っていて。そのときに、自分の良いところも悪いところも素直に受け入れつつ、変わっていきたいという意識も強くあるので、僕の想いに共感して支えてくれつつも、逆に影響を与えてくれるようなメンバーと、関係を築けたらいいなと。

ーー個別で飲みに誘うだけでなく、メンバーの家族とも関係を築こうとしていますね。

SAGOJOに関わって良かったと思ってほしいし、メンバーの身近な人にも応援してもらえる会社でありたいと思います。たくさんSAGOJOに関わってほしいし、巻き込まれてほしいけれど、そのときには周りの理解も必要なので。家族や親しい人とも良い関係を築けるよう心がけています。

目指すは上場! 旅人はあらゆる課題解決に貢献できる

ーー最後に、今後のSAGOJOの未来予想図について聞かせてください。

SAGOJOは上場を目指しています。ビジョンだけでなく、経済的にも評価されるような形で会社を成長させていきたいです。

将来的には、海外の人たちもSAGOJOを利用して旅ができるようになったらいいなと思います。旅の力を世界中の人々が感じられて、“相手の立場で考えられる想像力” がもっと大きなスケールで展開される状態をつくりたい。

旅する人が増えれば、世界中の課題とそれを解決できる人のマッチングが進むと思うんですよ。世の中に課題はたくさんあるし、解決してもすぐ次の問題が出てくるのかもしれないけれど、課題があることに前向きになれる状態というか。いろんなスキルを持っている人たちが旅をしながらマッチングし、課題に取り組んでいる未来をつくれたらいいなと考えています。

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SAGOJO創業の背景には、「旅する人を増やしたい」という新の想いがありました。旅に出たことで人生が変わった経験をもとに「もっと旅人を応援できる世界にしたい」と挑戦を続ける新。その想いや覚悟に共感したメンバーが集まり、試行錯誤を繰り返しながら新しい旅のスタイルを提案しています。

「旅人という生き方をつくる」をミッションに掲げるSAGOJOで、あなたも「旅 × シゴト」の可能性を一緒に広げていきませんか?

執筆:木村紗奈江、編集・撮影:岡本大樹

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