株式会社ROCの坂本翔です。
今日は、ITベンチャーのスーパースター、ChatWork株式会社の山口勝幸氏との対談をお送りします。
チャットワークは、仕事で使うために開発された、クラウド上で情報共有できる便利なITシステム。画期的な仕組みで、とても使いやすく、弊社でもフル活用させていただいているツールです。チャットワークがなかったら、ROCの業務が滞ると言っても過言ではありません。
現在、様々な業界で使われているチャットワーク。運営しているChatWork社は働き方も先駆的で、平成29年11月、弊社も認定された「総務省テレワーク先駆者百選」に選出されています。
関西で産声をあげたチャットワークを全国区にした立役者、山口勝幸さんに、ChatWork社の働き方についてお話を伺いました。
<ChatWork株式会社 常務取締役 山口勝幸氏 プロフィール>
2008年にChatWork株式会社に入社し、成長期における組織づくりに従事する。チャットワーク事業の普及を自身のミッションとする COO(Chief Operating Officer)として、マーケティングやアライアンス部門の統括を担う。Business IT 推進協会(BIPA)の理事として士業に携わる人を対象にクラウド活用の普及も努める。
<ChatWork株式会社>
神戸、大阪、東京、シリコンバレー、台湾に拠点を置き、ビジネスチャットサービス「チャットワーク」を運営。コミュニケーション、情報共有のツールとして急速に普及。大企業から中小企業、個人事業主まで、多種多様な業種でビジネスコミュニケーションツールとして活用されている。
“Make Happiness”~「経済的豊かさ」「時間的ゆとり」「円満な人間関係」の3つのHappinessを理念に掲げ、ITを通じて働き方を変え、人の幸せを創造する事業展開を実行している。
リンクアンドモチベーション社による組織診断の結果、
2年連続で従業員満足度No.1の受賞実績を持つ。
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<株式会社ROC 代表取締役CEO 坂本翔 プロフィール>
高校時代、バンド活動で食べていくことを決意するも、来場者が3名のイベントを経験。集客の重要性を痛感し、当時ブームだったブログを活用した集客法で、高校生ながら赤字続きだったイベントを黒字へ転換する。士業の認知度向上などを目的に「士業×音楽=LIVE」を主催。過去5回で延べ1,100名以上をSNS経由で費用をかけずに集め、新聞やラジオでも取り上げられる。23歳で兵庫県内最年少の行政書士として起業後、25歳で商業出版を実現し、商工会議所や学校など全国から講演依頼も受任。SNS活用を伝えるセミナーや企業のSNS研修、学生向け起業講演など年間100本以上の講演をこなす。現在は、有名レストラン、メジャーアーティスト使用の楽器メーカー、大手食品会社、大手通販会社、著者などのSNSプロモーションや集客コンサルティングを行う「株式会社ROC」の上場を目指して活動中。また、SNSに強いITジャーナリストとして週刊誌などメディアへの寄稿も行っている。
[著書]
『Facebookを最強の営業ツールに変える本』(技術評論社)
『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』(技術評論社)国内1万3000部
※当記事は2018年2月に株式会社ROCの公式サイトで公開された記事です。
チャットワークの魅力とは
坂本:今日はお忙しいところ、ありがとうございます!本日は、「ChatWork」についていろいろお話を聞かせていただこうと思います。よろしくお願いいたします!
山口氏:こちらこそ、よろしくお願いします!
坂本:チャットワークは弊社でも使っていて、現在「チャットワークがなかったら困る!」という状態にまでなっています。
山口氏:ご利用いただき、ありがとうございます!!
坂本:チャットワークはビジネスで使うことを前提として開発されたコミュニケーションツールですよね。チャットワークのおかげで効率よく仕事ができていて、すごくメリットを感じています。チャットワークの良さをこの対談を通じて多くの方に伝えられたらと思います。
山口氏:ありがとうございます。
坂本:チャットワークの特徴・魅力についてお伺いしたいのですが、チャットワークが生まれた背景にはどんなことがあったのでしょうか?
山口氏:今、どの業界でも働き方について議論されていますよね。業界は違っても、共通しているのは「時間がない」「人がない」の2点だと思うんです。
競争は激化しているので差別化は必要。一方で、がむしゃらに働いてはダメだと言われる。今や、24時間戦いますか?という時代でもありません。
だから、効率化できる仕組みが求められているのだと思います。本当に人が不足しています。人はどこに行っちゃったんでしょうね(笑)。
坂本:そうですよね(笑)。どの企業さんに行っても、どの業界に行っても、人がいないって聞きますよね。
山口氏:人がいないので、辞められるのがきついですよね。辞められたらどうしよう。仕事がまわらなくなってしまうという心配。後任の補充もできない。こういう危機感がありますね。
だから、人がいない中で効率よく仕事を回していこう!さらに、辞めてしまわないようにする方法はないだろうか?という発想なんです。つまり、「効率化と離職抑止」です。業界問わず、この2点は課題だと思いますね
坂本:なるほど、そうですね。チャットワークの起源はそこなんですね。
山口氏:はい、そうなんです。チャットワークがなぜ企業様で採用されているのか。買っていただけているのかというのを紐解いてみると、そういうことが理由だと思うんです。「時短になるね。集まらなくてもミーティングできるね。」ということです。
時間がない、人がいないという時代において、今みなさんが何にストレスを感じてるかという視点です。集合して会議するのは時間的に負担。たまには会うべきだと思いますが、毎日毎日はできませんよね。ではどうやってコミュニケーションをとるかというと、それがクラウド上なんです。
会議をやる時間がない。大丈夫です。クラウド上でやっちゃいましょう!つまり、クラウド上における会議室というのがチャットワークなんですね。LINEみたいに気軽にやり取りができるので、実現できるんです。
IT関連企業だったら簡単に思いつくことなのかもしれませんが、IT以外の産業でアナログな方にとっては、「そんなことできるの??」だと思います。それができるのがチャットワークです。
短いメッセージで気軽にやり取りができるので、いろんな業種に受け入れられているわけです。
坂本:ITに不慣れな方にとっては、セキュリティー面で不安を感じることがあるのではないでしょうか?
山口氏:チャットワークはビジネスで使うため、その点は強化しています。会社で使うので、セキュリティーを気にしますよね。個人のSNS等と圧倒的に違うのは、管理機能がついてるところです。
ユーザー管理機能、情報管理機能がついているので、オフィシャルで使っていただいても、安心です。
例えば、社員のAさんが100個の会議室(グループチャット)を持っていたとします。もしユーザー管理機能がなかったら、Aさんが100個の会議室を持っていたことも周囲はわかりません。でも、この管理機能があれば、Aさんが退職したらAさんだけを全部の会議室から抜くことができ、以後、入ってこれないようにすることができるんです。これで、情報漏洩の心配もなくなります。
だから、ビジネスチャットとして使いやすい。これが、効率アップ、時短に効くというわけです。
さらに副産物として、チャットワークを日々使っていると、たくさん会議室が増えていきます。社員からしてみれば、自分が入っている会議室の状況を見ることができるんです。そうすることで、人の動きとか、仕事の流れを追いやすくなるんですね。今こんなことを話し合っているのかとか、ここまで進んでいるんだとか。私たちは“神の目”と呼んでいるのですが、全ての会議室を俯瞰できるんです。
坂本:なるほど。頑張っている人の動きが全部見えるわけですね!
山口氏:そうなんですよ!
例えば、介護事業者さんの例で言うと、介護業界は離職率が非常に高い。忙しくて利用者さんとすら会話ができない。スタッフ同士も会話がない。すると、すれ違いが起こる。だから辞めてしまうという悪循環。
でもチャットワークなら、会話はしていなくても、全部見えているから、「あ、あの人頑張ってるな」ということがわかり、たまに会う時に声かけが生まれるんです。それによって、人と人との距離が縮まる。人間関係が良くなって、辞めにくくなる。ということが起こるんです。
だから、チャットワークを利用していただいてる経営者の方に、人が辞めにくくなったとよく言っていただけます。
つまり、“見える化”できるということが、離職抑止に役立っているんです。
効率と離職抑止は、実績があるところなので、時短したい、人を辞めさせたくない、差別化したいという経営者さんには選んでいただけているのかなと思っています。
坂本:差別化というと、チャットワークの普及にともなって、同じようなコミュニケーションツールが出てきていますよね。それについてはどうお考えですか?
山口氏:私たちは「差別化」をすごく意識しています。
ライバルって、どの時代にも、どの産業でも絶対に出てきますよね。ちょっとマニアックな私たちの業界ですら、巨人が参入してきました。見渡したら巨人ばっかりなんですよ!私たちが資金調達して進んでいても、巨人からして見ればなんてことないんです。だから、どうやって戦うかが重要。
巨人がやれないところ、やらないところを延ばしていくしかありません。彼らの得意なところを真正面から戦いを挑んでも丸焦げにされるだけ。彼らが行かないところをどういくか。
私がやっているマーケティングもまさにそうです。「チャットワークっていいですよ」と言っても売れません。ターゲットをどこにするかの話なんです。
元々IT系のソリューションで新しいサービスなので、ご利用いただいていたのはIT系の人が多かったんです。GREEさんやサイバーエージェントさんなどの“THE IT企業”が多かった。そういう企業様はお客様の方からチャットワークを見つけてくださって、使ってくださっています。ありがたい話です。
しかしながら、サービスを提供してから7年が経とうとしてるんですが、現在のユーザー比率は、IT系よりIT系以外の企業様の方が多いんです。
士業、介護医療、建築、建設、運送、物流、製造、小売など、そういう業界の方が使ってくださっていて、チャットワークをご利用いただく前はメールやFAXを使っていたような方々が使ってくださっているんですよ。
そういう業界の方は、お客様の方からチャットワークを見つけてくださったわけではなくて、こちらから働きかけていきました。
例えば、士業の協会を作って、士業の中で影響力をもつ先生方と一緒に動き、業界を良くしていきましょうという感じでやらせてもらっているのもそうです。
それって一見、効率悪いのでは?広告をまいた方がいいのでは?と思うかもしれませんが、士業の方々は広告を見て来るようなタイプの方は多くはなく、地上戦が効率的でした。コミュニティから入り、広めていったんです。地道ですけど、そういう形で各業界でも広めていきました。
坂本さんの「士業団」でも、その活動の一環でお邪魔させていただきましたね。
坂本:その節は本当にありがとうございました!ITとは真逆のリアルな接点から広めていったことが意外でした。
山口氏:IT以外の業界への働きかけは、私自身、すごく楽しいんですよ。
この働き方しんどいでしょ?効率悪いでしょ?という企業が多くて、チャットワークで助けになれたらいいなと思っています。
そういう企業の皆さんは、お客様のため、患者さんのため、業者さんのために誠意を込めて必死に頑張っておられます。しかし、どんどん疲弊していってしまう働き方の企業さんが多いんです。
「ITとかクラウドとか、わからない」という企業様に、ちゃんと説明して、実際に触れていただくことで、「すごく楽になった」「会議が減った」「わざわざ会社に行かなくても良くなった」などと言っていただけて、感謝される幅がすごく大きいんです。
IT業界だったら、当たり前という感じなんですが、非ITの方は感動してくださるんですよ。だから、やめられませんね!手間はかかるんですが、IT系以外のところには今後も力を入れていきたいなと思います。
坂本:弊社も、メールでやりとりすることがまだまだ多く、その度に「このメール独特の形式はいらないのでは?」と思うんです。絵文字を使うような文化ではないので大まかな感情表現すらしづらいし。チャットワークを使い始めてから、今まで無駄なことをやっていたなと思いました。実際に使っているとわかりますが、私の周囲でもチャットワークを利用している人が増えている実感があります。
山口氏:お陰様で着々と利用者は増えています。ありがたいです。
こういった非IT業界への働きかけのマーケティングは、同業他社はやらない、やれない。これが差別化です。私たちのできることをやっていくという攻め方なんです。
企業でも個人でも何でもそうですが、スペックで並べられたら負けるかもしれないけれど、並べられないところに敢えて行くというのはすごく重要だと思っています。しかも、それで成果の実感があるので、あながち間違いではないなと思っています。“弱者の戦略”といった感じでしょうか。
坂本:そうですね。ChatWorkさんの事業展開は本当に参考になります。他にもいろんなサービスをしていらっしゃいますよね。
山口氏:はい。チャットワークのお客様がかなり増えたので、このメイン事業の上に、2本目、3本目の事業を考えています。市場からも成長性を期待していただいていますので、上場を目指してやっています。これから新しい事業も広げていきます。
両社「テレワーク先駆者百選」に選出
坂本:昨年、総務省の「テレワーク先駆者百選」で、ChatWorkさんと一緒に弊社も選出いただきました。一緒に選出されて、とても光栄に思っています。ChatWorkさんは、テレワークについて、ずっと意識されていたのでしょうか?
山口氏:テレワークについては全く意識していませんでした。創業当初からこのスタイルです。
ChatWorkは、働き方改革歴で言うと既に17年なんです。私たちは空気のようにこの働き方をやり続けているので、今になって世の中が“働き方改革”と言っているのが不思議な感じです。
坂本:ROCも同じです。弊社はまだまだ小規模なので、そうならざるをえないという側面の方が強いかもしれませんが・・・。それに、私自身が神戸と東京半々の生活なので、オフィスにずっと居ることができず、社員に出勤してきてもらっても会えなかったりするので、効率の良い体制を考えたらテレワークになりました。
先ほどの谷上プロジェクトにも通じますが、弊社も東京に拠点を設けていますが、神戸に本社を置く形は続けたいなと思っています。拠点が複数あると社員全員が常に同じ場所には居られないので、テレワーク等の新しい働き方を積極的に導入して、今後も事業拡大をしていきたいと思います。
山口氏:今時、「東京に本社がない会社とは付き合いません」という企業もいないので、神戸本社の体制はすごくいいと思いますよ!
働き方改革について
坂本:ChatWorkさんの勤務体制は、具体的にどんな感じですか?山口さんご自身はテレワークが多いのですか?
山口氏:在宅で仕事をしていることはありません。事務を回したり、お客様のところにお伺いするのが私の仕事。会社にいても1銭にもなりません。売上を上げること、市場を広げることが私のミッションなので、時間があれば外に出て行くようにしています。
ただ、私のチームが成長して、そろそろ組織の第2成長期になったので、オフィス内にも気を配らないといけないなと思っていて、最近では中と外を半々にしています。新しいチームが回りはじめたら、また外に行こうかなと思っていますね。
坂本:なるほど、事業の流れに合わせて、仕事スタイルを変えていらっしゃるんですね。
山口氏:コミュニケーション、情報共有が一番時間と労力がかかります。時間がかかって非効率になる→業務を圧迫する。そこをチャットワークでやりましょうという発想。
ITを使って働き方改革している企業は、具体的にどんな働き方をしてるの?と、よく質問されたりするんですが、実は弊社は、たくさんの社員が出社しています。通勤モデルなんですよ。私に至っては、自宅は鎌倉で、2時間かけて通っています。
オフィスワークを基本にして、時にテレワーク。テレワークは自由自在に使えます。それぞれのいいところを使い分けながら働いていますね。
価値観に関係しますが、私たちはバランス感覚、バランス経営、バランス思考って大事だと考えています。バランスというキーワードを良く使うのですが、偏るのがよくないんですよね。右だけ、左だけになるときついんです。コミュニケーションは難しいので、顔を見て、その人の吐息まで感じながら話した方がいいこともある。これが対面のいいところ。
でも通うのも非効率ですよね。だから、ふたつを組み合わせる。
便利なテレワークを主にしてしまうと、会社に出社する精神的ハードルが上がってしまいます。だから、はじめからオフィスワークを標準にしておいた方がいいんです。
ただ、テレワークに関しては、「雨がひどいので在宅にします。」「子どもが熱を出して目が離せないため在宅にします。」と、自由に使って良いというベースができているので、使いやすいんです。
誰かを説得する必要もありません。全員が共有している勤怠チャットに理由を一行書き込んでおけば、上長が見てOKということになるんです。「今日、猫の調子が悪くて病院に連れてくので」というのでもOK。とにかく利用しやすいよう、ハードルを下げています。
坂本:では、社歴が浅い社員さんも利用しやすい環境なんですね!
山口氏:新入社員どころか、まだ試用期間中のスタッフでも、普通にテレワークしていますよ。
坂本:弊社も、テレワークを導入していますが、そうすると、「この人がこの文章をどういう心境で書いているのかな」等、文面から心情を考えてしまいます。文章だと伝わりにくいと感じることもあるんです。だから、弊社も毎月1回は必ず全員が本社に出社して顔を合わせる機会を設けています。そうすることで、その人の人間性もわかり、普段のチャットのやりとりでも相手の心情を理解できて、スムーズに仕事が進むことを実感しています。
山口氏:話したこともない、顔も見たことのない人に、仕事は振れませんもんね(笑)。
人間なので両方必要。効率を上げることと、情緒的に安心すること。面倒くさいと感じる人もいるかもしれませんが、顔を合わせることは必要だなと思います。飲み会でもいいですよね。
坂本:そうですよね。やはり顔を見るのは大事だなと感じます。
山口さんは鎌倉にお住まいで、通勤に時間がかかると思いますが、効率的にいかがですか?
山口氏:それこそ、2時間の通勤時間がコワーキングですよ。前は会社から10分くらいの所に住んでいましたが、今のほうが仕事がはかどります。通勤時間でだいぶ仕事を終わらせられるんです。得した気分ですよ。出勤前に商談2件決めちゃった!とか(笑)。
早い時間から稼働すると、そういうことができますね。
坂本:山口さんの場合は、通勤時間があるから、かえって生産性が上がっているんですね。オフィスワークが主ということですが、出社時間は何時ですか?
山口氏:弊社は10時~16時の6時間がコアタイムです。
私がマネジメントしている部隊は、マーケティングやセールスの部隊。弊社はセールスもおもしろいですよ。セールスは外に出て行くというのが普通ですよね。なので普通は、社員同士コミュニケーションが取りにくいのですが、チャットワークで繋がっているんです。
普通の会社なら、直行直帰とかはあんまりできませんよね。例えば、10時半にお客様のアポがあっても、いったん10時に会社に来て、商談が終わったら、必ず会社に戻って…。そういう動きを弊社は強要しないので、働きやすいと言われます。
営業だから足を使わないといけないのですが、他社の営業とは違います。チャットワークという飛び道具と、知恵を使った営業にしましょう!という感じです。それができているのが、弊社の働き方の特徴のひとつです。
坂本:社員の方の年代はいかがですか?全員がテレワークを利用できるベースには何が必要なのでしょうか?
山口氏:社員の年齢は、20代後半~30代前半が多いです。新卒はまだいません。
働き方改革の中で何が必要ですか?とよく聞かれるんですが、まずは、チャットワークのようなツールです。面と向かわなくてもクラウド上で会議ができたり、人に時間を合わせなくてもよかったり、集まらなくてもミーティングができたり。空中戦ができる道具が必要ですという話をします。
と同時に、道具だけではちょっと厳しくて、柔軟な考え方を取り入れる文化が必要だということもお話しています。営業なんだから直行直帰はダメでしょう。試用期間中なんだからテレワークとかダメでしょう。といった、古き習慣があると厳しいかもしれません。
一見ゆるいと思われる働き方でも良しという文化や制度。やるべきことをちゃんとやってるんだからいいじゃない。頑張って無理しても、売上が変わらないんだったら、その人がイキイキできる働き方でいいじゃない。と言える文化です。そして、それを認める制度が必要だと思いますね。
坂本:たしかに文化と制度、両方が整っていないと難しいですよね。
最後に、ChatWorkさんは理念として「Make Happiness」を掲げていらっしゃいます。この内容を詳しく教えていただけますか?
山口氏:私たちはベンチャーでここまできた会社です。ベンチャーだからこそ、経営陣が楽しそうに笑顔で笑ってないとダメだと思うんです。
私たちの理念は、ITを通じて幸せな働き方を世の中に広めていくこと。幸せな働き方って何?という定義は難しいのですが、私たちは、時間的なゆとり、円満な人間関係、経済的豊かさの3つだと考えています。
時間と人とお金が得られる働き方ができると、ハッピーになるよね!と定義付けてはいるものの、それってどういうこと?となったときに、まず自分たちからだと思うんです。
私たち経営陣が、チャットワークを使って働いて、こんなにイキイキ働けてますよ!というのを体現していかないと、「あの人たち楽しそうだな。だったら私たちも使ってみようかな」と周りが思えません。真似したいと思われないといけないと思っています。だから、まずは足元から。自分自身が幸せな働き方ができてるのかというところが一番のポイントだと思います。
坂本:まずは自分たちが働きやすさを実感して、笑顔で働く。ということですね。チャットワークが幅広い業種で使われているのも、山口さんをはじめ、経営陣のみなさんの「幸せな働き方」が社会に作用したんでしょうね。弊社もその恩恵を受けて日々仕事をしています。
チャットワークのおかげで働き方が変わって、助かっている人が大勢いると思います。これからも、もっともっと多くの働く人を幸せにしていくのが目に浮かぶようです!
本日は本当にありがとうございました!!
おわりに
弊社と同じ関西発のベンチャー企業であるChatWork株式会社。私たちの出会いは、2015年でした。私が創設した士業団というコミュニティでの講演会にChatWorkの山口氏に講師としてお越しいただいたのがご縁の始まりです。
それ以降、折に触れてお付き合いいただき、いつも刺激を与えていただいています。社会に大きなインパクトを与えるChatWorkは、私にとって先輩のような存在。事業拡大が止まらない背景には、生産性の高い働き方があるのです。
IT企業は無機質だと思われがちですが、実際は180度真逆です。チャットワークは、働く人の幸せのために開発されたシステム。根底には人間愛がありました。
「経営陣が笑顔で働けていないといけない」という姿勢には、私も大きな刺激を受けました。
考え方はとてもシンプル。「本当に大切なものは何か」を考えさせられる対談でした。
ますます拡大中のChatWork。
ROCも後に続けるように全力で前進していきます!!