離島キッチン神楽坂店がオープンして5年。
これまで100以上の島、450軒以上の生産者と取引をしてきた。
離島は本土と比べると海に囲まれているというハンデを持っているが、本当に魅力的な食材や文化がある。日本には400島以上の大小様々な有人島があり北から南まで日本列島を囲むように点在している。
それぞれの島は特産品といわれる魅力的な食材を持っている。米を作っている島もあれば、牛肉を作っている島、魚介類が豊富に取れる島、土地が豊かで野菜をウリにしている島があり、その土地にあった食材と文化が残っていてどの島の色も原色だ。
しかし、離島は海に囲まれているが故に輸送コストや鮮度維持が課題。本土の物よりもどうして高くなったり、輸送工程の多さや複雑さから鮮度が負けてしまうこともある。
そこで離島キッチンは一つの島でその課題に取り組むのではなく、多くの離島と協力して物流の課題に立ち向かう。離島キッチンの役割は大きく3つだ。
一つは発信力で離島を知ってもらうこと。一つの島での取組みではなく離島が連携することで発信力を高め一つ一つの取組みをより多くの人に知ってもらい離島のファンを作る。これまでテレビの取材・雑誌の取材は100件を超えるほど問い合わせをいただいた。それは「離島」という日本人なら誰でも知っているキーワードで発信をしているからだと思う。
二つはテストマーケティングの拠点。都市部と離島は物理的に離れていることもあり、お互いの情報の行き来がしにくい。都市部の方々には日本の離島が集まっている店に来ていただいて、離島の食材を味わってもらう。店では「離島」のファンを作り、離島ファンの方々に食材を味わってもらい、都市部の声を集める。その声を島に届けることで新たな商品が生み出される。飲食店の形をとっているのは食材であれば試作品を作りやすく、取組みやすいと考えたからだ。
三つは離島に関わる人材を発掘・育成すること。今離島キッチンで働いているスタッフは全員が離島に興味を持っていたわけではない。離島に行ったことがない者も入社する。しかし、この店で働いているとかなり多くの離島の情報を毎日浴びることになる。最初は食材から入り、島のくらしや文化、仕組みに興味をもつ。そしてサービス業を経験しているので接客については即戦力に。これまで店をやめて離島に移住したスタッフは何名もいる。(10人いくかいかないかくらい。)
離島キッチンはそんな機能を持って島の方々と信頼関係を結んで事業に取り組むことが重要だと思う。しかしこれも全てできているわけではない。半分もできていないと思う。
離島の生産者が頑張って商品を作っているから僕らは成り立っている。生産者の信頼がなければすぐに崩れてしまうだろう。信頼関係をきちっと作り、頼ってもらう存在になりたい。
そのために離島キッチンは「島外への出荷量を増やすこと」「商品力を高て仕入れ値を上げていくこと」「販路を作ること」これらを飲食・小売のビジネスモデルのはざまで戦いながら押し進める集団にしていく。
一緒に困難な壁を打ち破ろう!!