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技術だけじゃない。個人のキャリアや志向を大切に創り上げるResilyのエンジニアチームの考え方と描く未来

Resilyは「みんなが挑戦に躍動する世界」をビジョンに掲げ、2017年8月に設立し、組織マネジメントツール「Resily」の開発と提供を行っています。今回はこれまでの歴史や現在大事にしていること、働いているメンバーの特徴など、Resilyのエンジニア組織についてCTOの西方に伺いました。

▼プロフィール
西方 聖一(ニシカタ セイイチ)

エンジニアとして、広告代理店・リクルートなどの多種多様な業種を経てResilyに参画。現CTO。
リクルートでは、採用や評価のシステム開発から、社会人向けのアンケートアプリまでの多岐にわたる
新規事業開発を経験。1児の父。

▼CTO西方のキャリアについてはこちら

リクルート出身のCTOが語る「Resilyの開発体制の今と未来」原体験から語る。いいチームを世の中に増やしたい。 | Resily Tech Blog
OKRの運用ツールを提供するResily。2020年2月にINITIALシリーズAで約5億円の資金調達を発表。そんなResilyのCTOは、なぜResilyに参画し、どんな想いを持ってResilyの未来を描いているのか。今回は、CTOとしてResilyを牽引する西方さんにお話ししてもらいます! 西方 聖一(ニシカタ セイイチ) ...
https://www.wantedly.com/companies/resily/post_articles/298319


┃創業から今までのエンジニア組織の成り立ち

最初は業務委託だけで開発メンバーを構成。組織の熱量に物足りなさを感じていた。

ーーまず、西方さんが入社してから今までのエンジニア組織の変遷を教えてください。

西方:私がResilyに入社するまでは、共同創業者のエンジニアと数名の業務委託メンバーと協力してプロダクト開発に勤しんでいました。たまたま前職の同僚がResilyのプロダクトローンチの開発を手伝っていたこともあり「インフラ部分を手伝ってくれないか」と声かけられたのがResilyに携わるようになったきっかけです。

スタートアップということもあり、創業してしばらくは資金も人手もない状況。なんとかプロダクトローンチのために、知り合いに手当たり次第に声をかけて隙間時間に手伝ってもらっていましたね。

転機になったのはシリーズAの資金調達です。約5億円を調達できたこともあり、ようやく資金を採用にも活用できるようになったタイミング。正社員を採用したいと思っていたのですが、目先でやらなくてはいけないタスクが多くて、採用に時間を割けられなかったんですよ。なので、このタイミングでは工数をかけずに経験者を採用して開発を進めようと思い、業務委託中心でリソースを集めていました。

採用における大きな失敗は”スキル”だけを見ていたこと。ソフトスキルを大切さを実感

優秀な業務委託メンバーを採用していき、開発は順調に進んでいたのですが、業務委託中心の組織構成だとメンバー間に距離感が生まれやすく、「会社のミッションを達成するためにプロダクトを開発していくぞ」といった組織の一体感・団結感がまったく生まれませんでした。あくまでタスクを淡々とこなすのがメインとなり、組織としてドライな関係性だったのを覚えています。

弊社のプロダクトはまだPMF(Product Market Fit)していない状況なので、どの部署、職種の人も苦しい時が多いと思っています。その辛い時期を乗り越えるために熱量が重要な要素だと思っていたんです。その苦しさを組織の熱量がカバーしてくれると思うんですよね。

そうした課題感を持っていた矢先に、会社として中途採用を本格的に行う方針になりました。エンジニア組織としても正社員を採用していく話になったのですが。はじめての中途採用ということもあり、どんなレベルのエンジニアを採用すればいいのか非常に悩み、結果多少なりともミスマッチが発生してしまったのを覚えています。

当時は「経験者の採用は難しい、とはいえ、ポテンシャルだけで採用してしまうと組織や自分の工数も相当取られてしまう」と感じたので、スキルを重視して経験者の採用をメインに行うことにしました。「ハードスキルが高い人を採用する」とだけ決めて採用をはじめてしまったんです。結局採用できても思ったように定着せず、採用にも苦戦しました。今振り返ると、候補者のCan(スキル)以上に、その人自身のWill(何をしたいか)まで見ることができていなかったなと。ここの乖離が大きな失敗要因だったと思っています。

ハードスキルよりもソフトスキルの高い人材が集まれば、熱量の高い組織が生まれる

そんな中、当時25歳の石川を採用したことが大きなきっかけになりました。石川はジュニアの枠で採用したのですが、成長速度も早く、すぐ1人で自走していったんです。なにより石川が入社したことにより組織的にも賑やかになりました。私が理想としていた熱量のある組織にどんどん近づいていった感覚を持ったんです。

この経験から、ハードスキルだけの採用よりもソフトスキルを重視する方が重要だと感じました。その方がResilyの環境に合っていると思ったんです。Resilyにマッチするソフトスキルが備わっていれば、ある意味ハードスキルは後からいくらでも向上するなと。なので、現在は経験者だけではなく、ポテンシャル枠も含めてソフトスキルのマッチを大事にしながら積極的に採用をしています。採用要件を見直したおかげもあり、昔と比べて組織が活性化したなと感じています。

┃現在のResilyにはどんなメンバーが集まっているのか?

自身のWill(目的・目標)をもち、コミュニケーションのハブになれる人材が多い

ーー現在のResilyのエンジニア組織についてもお伺いします。現在はどんな志向性や特徴をもったメンバーが集まっていますか。

まず、OKRそのものに興味を持ってくれているメンバーが多いです。今入社しているメンバーは前職で「会社が何を考えているかわからない」「チームの目標が明確ではない」といった組織の存在意義や目的、目標が不透明がゆえに苦労した経験を持っている人たちばかりです。だからこそ組織課題に対する弊社のソリューション(OKR)に非常に共感してくれているんだと思います。「自分たちがOKRのイケているプロダクトを作るんだ」とメンバー全員が意気込みを持っていることが特徴の1つです。

そして、メンバーそれぞれWill(目的・目標)があり、エンジニアリングを極めることをゴールではなくHow(手段)と捉えている人が多いことも大きな特徴です。だから良い意味で技術に特化した人はあまりいません。どんな人が多いのか、例えば業務上で言うと、個々のスペシャリティが高いチームにおいて、それぞれのコンテキストを理解し、尊重しながらコミュニケーションが取れ、スムーズな情報連携や巻き込みができたりする人かなと思います。

その中でも、業務だけでなくOFFの時にも、人と人の間に立ってコミュニケーションを繋げたり、盛り上げたりできる人はやっぱりチームのキーマンになっているな、と感じます。

また、コミュニケーションのハブになれる人が多く集まっているとも思っています。個々が優秀だけど優秀な人同士の間に入っても堂々と真ん中に立てる人。誰とでもコミュニケーションをとれる人が多いですね。たとえば、長く働いているメンバー同士だとこれまでの歴史や前提を理解しているので、一定ハイテキストなコミュニケーションでも会話が成立するケースもありますよね。ただし、新しく入ってきたメンバーはいきなり既存のメンバーに混じってコミュニケーションしにくかったり、例え組織としてコミュニケーションを増やすためのオンボードプログラムや施策をとったとしても、中々間に入れなかったりすると思います。結果、情報をキャッチアップできずに個人の成長も遅くなってしまう。ただ、弊社のメンバーはwillが明確であり、何のために入社したかクリアなので、コミュニケーションを活発化させる仕組みに上手く乗って主体的に聞いてくれています。

新しいメンバーが積極的に質問や会話に入ってきてくれることで、他の新しいメンバーもハイコンテキストな会話の中身を理解できます。既存のメンバーも「ここは噛み砕いてしっかりと伝えないといけなかった」とコミュニケーションを見直すきっかけにもなっているんです。そのため、昔に比べて組織のコミュニケーションの質が上がってきているのを個人的にも感じていますね。

技術だけではなく、業界知識、組織、人間関係キャリアすべてをフォローする入社オンボーディング

合わせて、最近入社メンバーに対してのオンボーディングプログラムを設計し直したことも、コミュニケーションの質が上がってきている要因です。今まではメンバーと一度ランチにいってもらう程度しかコミュニケーションの場を用意していませんでした。なので、他部署の仕事は具体的にわからないし、話しかけるタイミングもわからないといった悩みを抱えるメンバーが多かったんです。結果距離感が生まれてしまってお互い遠慮したり、歪み合ったりすることが実際起きていました。こうした背景もあり、入社後のオンボーディングプログラムを設計して、新しいメンバーがしっかりとResilyの環境に適応できるよう整備したことが大きいと思っています。

具体的には、他部署と顔を合わせるような時間を意図的に作っています。そこで、キャリアトークといった自分の生い立ちやキャリアを自己開示して他者理解を促すコンテンツを用意してたりします。自分のキャリアを20〜30分かけてゆっくり開示してもらうんです。さらにランチ会はもちろん、最近では歓迎会も含めて新入社員の人柄や考え方への理解が深まるように企画をデザインしているんです。

また、会社のミッションビジョンバリュー(MVV)の理解を深めるための研修をはじめました。ただ単に説明するだけではなく、自分たちの考えや想いを可視化するワークショップのような形式で実施しています。

組織としての関係性は先ほど述べた施策でフォローしつつ、知識的なオンボーディングも欠かさず実施しています。とくにスタートアップ未経験の場合だと、SaaS、MRRなどの専門的な用語はほとんど初耳な人が多い。そうした専門用語をキャッチアップする時間も意図的に作っています。「技術面以外は教えなくても問題ない」と突き放すのではなく、Resilyという船に乗ったからこそ、業界知識、組織、人間関係、キャリアすべてにおいて必要なことをフォローしてあげるべきだと思っています。

上司はメンバーのキャリアステップへのコミットする気持ちを欠かさない

ーーメンバーとの1on1ではどのようなコミュニケーションをとっていますか?

メンバーとの1on1では、毎回メンバーのキャリアについて話す時間を取っています。「今後どういうキャリアを描いていきたいか」「そのためにどう成長していきたいか」「そのキャリアを分解した時に、1年〜3年後どうなっていたいか、どういうことをやりたいか」などキャリアについて細かく聞いていますね。

合わせて自分に対しての期待値も必ず聞くようにしています。メンバーには内定通知書と一緒にResilyで達成するキャリアのロードマップをお渡ししているので、これを達成するため、かつ本人が描きたいキャリアプランに対して、上司である自分にどういうことを手伝ってもらいたいかを聞いていますね。メンバーが考えるキャリアステップと自分の認識がずれると、お互い不幸しか生まないので。キャリアの話をした上で、「こういう仕事を任せていこうかな」と普段のコミュニケーションやタスクを考えるようにしています。

┃エンジニア組織の課題と今後の展望


さらに開発チームを増やし、チームを担うリーダーを組織内から輩出していきたい

ーー今後どんなエンジニア組織にしていきたいと考えていますか?

プロダクトをさらに良くしていきたいので、開発チーム数をどんどん増やしたいと思っています。ただ、現状リソースの関係で開発部署が少ないことが現状の課題でしょうか。組織的な課題としては、現在は私以外に開発組織をリードしていく立場の人(テクニカル、マネジメント双方)がいないことです。そこを解消するために外からの採用と中からの育成双方で補おうと考えて動いているところです。

とくに今は採用を積極的に実施できていることもあり、熱量の高く、成長意欲の強い人材がたくさん入社してくれています。個人的にはこれを維持していきたい。この維持がスタートアップ企業を成長させる上での肝だと思っています。

なので、組織をリードする人材はもちろんいつでもウェルカムですが、それだけでなく今既に入社しているメンバーにも担ってもらえるように成長を支援していきたいと考えています。

組織に対して課題を持っているミドルの人材と一緒に働きたい

もちろん合わせてミドルクラスの採用も積極的に実施しています。現在、比較的若手の方を採用しており、今後組織の拡大に合わせてそういった若手にリーダーを任せていこうと考えています。その中で、相対的にそういったリーダーはマネジメント能力の不足、ベストプラクティスや事例を知らない、といった歪みの発生が想定できるため、これからご入社いただくミドルクラスの方にはぜひを支えて、新旧どちらの知見も合わせる事で強い組織を創りたいという想いがあります。Resilyに興味を持っていただいているミドルクラスの方にはこれまでの経験を踏まえて、組織拡大を更に牽引する存在として参画頂きたいです。

また、ミドルクラスの方は組織課題にぶつかった経験を持っている方が多いのではないでしょうか。弊社はその課題を解消するためのサービスを作っています。だからこそ、組織に不満を感じていて、それを世の中から消し去りたいと思っている人であれば、事業に共感をもって仕事を進めてくれると思っています。

私たちはスタートアップということもあり、会社の規模が小さく、一人ひとりの仕事のインパクトが大きい。だからこそ、自分の仕事に責任を持ち、一つひとつの仕事にやりがいを感じられる方に入っていただきたいと感じています。環境は完全に整っていませんが、「それも含めて会社を大きくするぞ」「Resilyを世に広めて、自分が感じた課題を世の中から消し去るんだ」と思っている方に入ってほしいと思っています。

個人も会社も決して成長を止めない組織にしたい

大前提に置いているのは、”個人も会社も決して成長を止めない組織にしたい”ということです。前提として、個人の描きたいキャリアをしっかりと実現できる環境にしたいと思っています。たとえば、キャリアの選択肢として「スペシャリスト」か「マネジメント」かを決めなければならない場合もありますよね。でも選択肢を決めたらそのキャリアの道が永遠に分岐してしまうのは個人的に疑問を持っていて。進む道を決めたあとも「やっぱりこちらの道を歩みたい」となることもあると思います。どんなキャリアに対しても挑戦を称賛し、機会を提供できる会社にしたいんです。

そのためには人と会社のサイクルが両輪で回り続ける組織にする必要があると思っています。Resilyを通してキャリアの機会が広がり続ける会社、組織になったらいいなと思っています。ただ、人だけが成長して会社が一切成長していなければ、その次のキャリアやポジションは絶対生まれないんです。

「Resilyは次こういうところを目指しているよね。だからこそ◯◯のポジションが必要だよね」「あなたはこういう風になりたいんだよね。だから◯◯のポジションを経験したいよね」といったようにお互いの成長が合ってはじめてニーズが合致する。「人と会社の成長サイクルの歯車が噛んで回っていて、成長することによって事業が伸びる、事業が伸びるから新しい機会が生まれる、チャレンジできるキャリアパスが増える」といったサイクルをずっと回し続けるのが理想だと思っています。どちらかが欠けてはいけない。そうした理想の組織をつくるために、これからも邁進していこうと思います。

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最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。少しでも弊社の事業やメンバーなどにご興味をもっていただいた方はぜひ気軽にお話しましょう!

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