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【代表インタビュー】関わる全ての人の幸せを創る。ビジョン達成に向けて組織再編に懸ける想い

株式会社リプロライフは不妊治療、とりわけ高度生殖補助医療に貢献すべく、2010年の設立以来、卵子・胚の凍結融解液、キットの開発・製造・販売までをワンストップで手掛けてきました。2022年9月には、当社の代表取締役社長として新たに澁井が就任。社是も新たに、組織再編に乗り出しています。

そんなリプロライフが現在掲げているミッションや、その達成のために取り組んでいるアクションはどのようなものなのでしょうか。組織再編によって期待している効果なども含めて、新社長の澁井にインタビューしました。

誰もが不妊で悩まない世界を目指す

―まず、リプロライフのミッションについて教えてください。

澁井:ミッションは、「世界中の患者様を救うこと」です。これはもともと創業者である桑山会長が設定したもので、誰もが不妊で悩まないよう、できるだけ安価なサービスを提供するという思いが込められています。

また、子供を持てないという苦しみは、本人だけではどうしようもありません。これをクリアにしたいと思うことは親としてのストレートな欲求であり、全人類の共通の望みだと思っています。その悩みに寄り添うことは非常に社会貢献として重要だと捉えています。

―ミッションの達成に向けて、どのような方針で事業を推進しているのでしょうか?

澁井:不妊治療を行う医療機関などの現場に寄与することや、当社の社員が、安心して働ける状態を目指しています。社員が安心して働ける環境がなくては、安心して使っていただける製品を作ることはできないと思っています。そのため、現場本位で物事を考えて製品作りに活かしていくことで、必然的に製品の安全性も担保されていくと考えています。

また、現在リプロライフでは社員が安心して働ける環境を目指し「会社のタスク=現場が望むこと」という状態になるように、組織再編を推進しているところです。社員の一挙手一投足が、世界中の人々を救う結果につながるという実感や成功体験を蓄積していけば、誰もが積極的に、楽しく仕事ができるはずです。もっと社員のみんなに自分達の仕事が世界中の人々の幸せを叶えるという実感を持ってもらうことこそが、私が今抱いている理想です。

社員一人ひとりが一つの目標に向けて業務に集中できる体制を構築

―組織再編の内容について教えてください。

澁井:従来は各部門に部長を配置し、管理を行う一般的な体制でした。各部門の中ではさまざまな業務が並行しており、メンバーが開発と同時に複数の業務を手掛けるといった状況が発生していました。このままでは会社が目指す目標に対してスピードが出づらい懸念があったため、プロジェクトに応じて業務を振り分ける体制へと変更しました。

例えば「ヨーロッパでの販路拡大のため販売許可の申請を取得する」というプロジェクトが立ち上がったら、担当者はそれだけに集中できるようにしています。業務が終わったら、次のプロジェクトに取り掛かる形です。社員がその時々で自分が何を優先すべきなのか、迷わないようにしたわけですね。

―組織再編によって、そのほかに期待している効果はありますか?

澁井:社員が雑務に追われなくなった分、より自分をわかりやすく表現できるようになればと考えています。会社のスタンス自体も、やりたい取り組みがあれば積極的にチャレンジし、失敗をしてもそれを叱責しない風土へと切り替えているところです。何かプロジェクトを立ち上げるにしても、それは経営会議を経た意思決定であり、責任は我々経営陣にある。だからこそチャレンジを褒めこそすれ、失敗したこと自体は問い詰めない。組織再編とともにこういう在り方を貫き、事業スピードを出したいと思っています。

リプロライフに関わる全ての人が「幸せ」に仕事をするために

―社是も新たに策定したとお伺いしています。ここにはどのような背景があったのでしょうか?

澁井:もともとの社是は、「製品を安価に提供する」「製品の品質を高める」といった具体的かつ、当たり前すぎるものでした。必要なことではあるものの、当たり前すぎてこれではなかなか社員に興味を持ってもらえません。そこで、世界の患者さんを救うためには自社がどういう状態になるべきなのか、抽象度を高めて再定義し以下の社是を設定いたしました。

『みんなで、いい会社をつくりましょう』

「みんなで」の中には、社員はもちろんのこと、患者様や医療現場で弊社製品を使われる医療従事者の方や工場で製品を作っている方までリプロライフに関わる全ての人を指しています。リプロライフに関わる人全てが幸せな状態で仕事をすることで、結果的に患者様も救われる。そのような世界観を社員全員で創り上げたいと思いこのような社是にいたしました。また、この社是を達成するためにどのような行動をするべきかを具体的に表した6個の行動指針も設定し

1.生殖に起因する女性特有の問題、困難な状況を理解し共感するとともに、全力で支えましょう
2.不妊についてその存在と辛い部分を知り、身内意識を持って患者と医療現場に心を寄り添いましょう
3.プロとして自らの役割を全うし、不妊治療に取り組む医療現場を全力で支えましょう
4.全ての企業活動に質の改善を図り、自社・取引先の適正な利益を追求しましょう
5.社是・行動文化を深く理解し、それにしたがった行動をした社員を評価してその努力に報います
6. 社員は、全員大切な家族、互いに理解し合い、部署、上下間を越えて常に仲良く、協力しあうこと

ただし、ただ社是や行動指針を掲げただけでは社員全員が本当に理解するということはなかなか難しいと思っています。そこで今後は社是や行動指針の理解度を定期的に確認する意味でも人材開発や社内研修にも工夫をしていきたいと考えています。またそのためのプロジェクトも新設いたしました。

4部門を25のプロジェクトに分割

―現在の事業部や業務内容について簡単に教えてください。

澁井:旧来は営業本部、研究本部、製造技術本部、管理本部の4つの部門に分かれていました。その中で、今は25のプロジェクトを回している状態ですね。営業本部はマーケティングと営業で構成され、営業はさらに国内と海外、KOLの深耕・データ収集の3部隊に分かれています。マーケティングはデジタルマーケティングを行う他、製品販売時に行うインストラクターによる正しく製品を使用するためのワークショップも実施します。研究本部は文字通り製品の研究を行う部門で、製造技術本部は開発から製造までを担います。各種申請や製造管理と改善もこの部門の役割です。

―インストラクターによるワークショップとは、具体的にどのようなものですか?

澁井:当社は、お客様に対して必ず製品の使い方のご説明を専門のインストラクターがいたします。医療機器や医薬品と同様、当社製品も使い方の遵守が一番重要だからです。正しいプロトコルで使用していただかないと、卵子・胚の生存率、すなわち臨床成績が低下してしまいます。これでは医療施設はもちろん、当社にとってもデメリットが生じますから、現場に使用方法を確実に理解していただいた上での販売を徹底しています。

不妊治療のニーズ増大を受けて販売拡大のチャレンジを続ける

―国内向けにどのような目標を掲げ、どのようなアプローチをしているのかを教えてください。

澁井:国内はここ数年でも、不妊治療を受ける患者さんの数が増大し続けています。2022年4月からは不妊治療の自己負担額が軽減されたため、更なる増大傾向が予想されます。

一方、卵子や胚の凍結融解関連においては我々の知る限りこの10年間新製品がローンチされず、研究開発が止まっていた分野です。そんな中で我々は、最新の製品を提供することに成功しました。市場調査を積み上げ、新製品発表会ではかなりの手応えを掴んでいます。製品力にはかなりの自信を持っていますから、当社の製品の販売の促進が日本の臨床成績を高める結果に直結すると信じて疑っていません。

リプロライフの成長そのものが、日本における不妊治療の一翼を担うことになるという思いがあるからこそ、患者さんの卵子・胚を凍結・融解するケースにおいて、1件の不幸な事故も起こしたくありません。患者さんがその手に我が子を抱く日までを、我々が全力で応援したいと考えています。当社は患者さんに知られない、縁の下の力持ちのような存在かもしれませんが、それで構いません。

競合他社ももちろん存在しますが、理解していただければ当社製品を確実に使ってもらえるという自信があります。その自信を持って各施設へのアプローチを実行していきますし、年間販売目標もかなりチャレンジングな数字を設定しています。営業手法はこれまで地道な訪問がメインでしたが、現在のニーズの高まりや目標数値を鑑みて、ウェビナーや動画など、DXを意識した製品紹介に注力しているところです。また、今ある製品だけで満足はせず、臨床成績や利便性をさらに高めていく方針も持っています。

―海外向けには、どのような展望をお持ちですか?

澁井:現在はアジア、中東、ヨーロッパ、中南米といった地域を中心に世界中に製品の導入が進んでいます。基本方針は日本と同じですが、決定的な違いは売りたくても売れない環境にあるということです。当社製品は医療現場で使用するものになりますので国によっては認証の関係上販売ができないこともあります。また国内同様インストラクターによるワークショップも徹底しているため、ワークショップ環境を整え1日も早くその国のレギュレーションに沿った形で販売を拡大するのが急務となっています。

海外において日本の医療製品はメイドインジャパンの信頼が厚いです。現地の医療施設に赴くと、いつになったら販売してくれるのかと言われ歯痒い思いも経験しました。品質を担保しながらも早急に日本と同様の供給ができるよう努力していかなければならないと感じています。

会社の想いや目標を理解した上で挑戦してくれる人材がマッチ

―リプロライフの目標達成に向けて、具体的な取り組みをお教えください。

澁井:業務に応じて担当社員を振り分ける「プロジェクト制」を導入しました。前述の通りではありますが、所謂一般的な部門ごとに社員を分けるのではなく、担当してもらうプロジェクトに応じてチーム体制を作っていく制度になります。これにより自分の業務にだけ集中することができるので、余計な仕事が増えることなくやるべきことが明確化され、より効率的に業務に取り組むことができます。

リプロライフは開発から販売まで一貫して行っているため、お客様の元に製品が届くまでたくさんのプロセスがあり、どうしてもあれもしてほしい、これもやりたいと方針がブレてしまい進捗が停滞してしまったり無駄に消耗してしまうケースが散見されました。業務内容の棲み分けを曖昧にする方がいいこともあるかと思いますが、今のリプライフにはやるべきことをはっきりさせて最短経路で目標を達成し成功体験を実感してほしいという想いがありましたので、「プロジェクト制」に踏み切ることにいたしました。

―澁井さんはご自身が代表に就任したことを受け、リプロライフをどのように変えていきたいとお考えですか?改めてお教えください。

澁井:一番変えたかったのは社内の雰囲気でした。これまでのリプロライフもみんなが一生懸命目標に向けて働いてくれてはいましたが、簡単に言えば「どうすれば結果が出るのかわからない」状態でした。そのため、何かに取り組もうとしても、社員たちが「できない理由」を探してしまうような傾向があったのが実情です。

今後はとにかくやれることをまずやってもらうということを大事にしたいと考えています。もちろん、難しい課題に挑戦することも必要ですが、まずは目の前のできることをやってみる、それを繰り返していくことで成功体験を積んでほしいです。当たり前のことと思われるかもしれませんが、その当たり前の積み重ねで人は変わっていくと思うんです。だからこそ今回の組織再編ではその当たり前を作ることに注力しました。

また、当たり前が当たり前にできるようになれば、市場優位性を保った状態で売上と利益を上げることができ、リプロライフに関わる全員がその利益を享受できるようになります。ここでいう利益とは単純な金銭だけでなく、社会貢献ややり甲斐なども含まれます。幸せになるということは決してタダでは叶えられないと思うので、社員には責任を果たしてもらい会社はその貢献に対して十分に報いることができる体制を構築したいと考えています。

―最後に、リプロライフが求める人物像について教えてください。

澁井:何事においても、新しいチャレンジをしてくれる方を求めています。これは、「自分で勝手に動いてくれ」という意味ではなく、会社の思いを理解した上で行動してくれることが重要だと考えています。会社の言うことに従えとは言いたくないので、あくまで会社の考え方に共感していただいて、その上でやりたいことにアグレッシブに挑戦していただけることがベストです。そのためには会社も努力し続けなければならないと思いますし、今後も柔軟に変化を続けていかなくてはならないと考えています。

私自身も会社が掲げるビジョンややりたいことを最優先に考えていますが、これは何より、会社の目的の実現が誰にとっても共感でき、否定できない内容だからです。「世界中の患者さんを救う」――この会社の目的と社員の目的が一致している状態がベストであり、そのために努力できる人であれば、大歓迎です。

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