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こんにちは、広報の清水です。
新年度より、GA technologies では『AI戦略室』を発足し、先日(2017年5月1日)の日経新聞でもご紹介いただきました♪
そこで、『AI戦略室』室長でありソニーの研究所でAIBOなどの革新的なプロダクトを生み出して来た小林と、(社)データサイエンティスト協会の立ち上げに関わるなどデータサイエンスの第一線で活躍するゼネラルマネージャーの橋本にインタビューを行いました。
AI研究者と、データサイエンティスト、新時代のスペシャリストが参画
清水:まずはじめに、お二人が今までどんな経験を経てこられたのか教えてください。
小林:私は、東芝やソニーの研究所で、自然言語の研究を中心に、人工知能やロボット(AIBO、QRIO)、データ解析の研究やCE機器の研究開発に従事してきました。2007年からはソニーにて主任研究員としてソニーグループ全体の研究所開発のオーガナイズなども務めてきました。現在は、複数のベンチャー企業のアドバイザーなどをしています。
清水:自然言語っていわゆる”言葉”のことですか? 言葉の研究してロボットを作る!?ということがピンとこないのですが、自然言語の研究とはどんなことをするのですか?
小林:自然言語とは、日本語や英語などの人間の話す言語です。コンピュータが人間の言葉を理解するという研究ですね。想像してみてください、ロボットとのインタラクションには言語は一番自然な手段ですよね。ロボットと対話することによりユーザの意図や感情、さらには取り巻く環境や状況を理解して、ロボットが適切な行動をとれるようにする研究です。これはiPhoneのSiriなどロボット以外にも応用範囲が広いんですよ。
橋本:私は、株式会社ブレインパッドにてシニアデータサイエンティストとして、主にマーケティング領域のデータ分析を10年近くやってきました。また、データサイエンティストの育成にも注力しており、データサイエンティスト協会の立ち上げ(現 事務局長)や慶應義塾大学SFC、電気通信大学などでデータサイエンスの講義を行ったりしています。
清水:”データサイエンティスト”は、今注目を集める新しい職業の一つだと思うのですが、データサイエンティストを目指されたのはどのような経緯があったのですか?
橋本:私自身はエンジニアを経て、10年前はマーケティングリサーチャーをしていました。調査の仕事もとても面白かったのですが、アンケートデータに限らず「多様なデータを分析することでさらに深い事象が解明できるのでは」との思いが強く、データ分析職を目指しました。エンジニア時代に培ったプログラミングやDBのスキルを活かせるとの考えもありました。当時、ビッグデータなどの言葉はありませんでしたが、考えていた世界は近いと思います。
リアル(不動産)での確かな収益性と研究への理解、変化を恐れずデータを活用する風土、そして社長の熱意に魅力を感じて、不動産テックのプレイヤーに。
清水:そんなお二人が、なぜ GA technologies に参画しようと思ったのですか?
小林: 20年前、今のAmazonやGoogleを想像できる人は少なかったと思います。今の不動産業界は20前のEコマース以上にアナログな世界です。このアナログな世界をAIを含むIT技術により、5年後、10年後には別の世界に変え、不動産業界のAmazonになれるチャンスがこの世界にはあります。そして、何よりネットビジネスだけでなくリアルな不動産のビジネスに軸足があることが他の企業にはない魅力です。後は、社長の人柄や熱意も重要な要因ですね。
橋本:先ほど小林さんもおっしゃっていましたが、不動産業界はまだまだアナログです。また、不動産は高額のため何度も頻繁に購入するわけではないのでデータ量もとても少なく、分析・AI活用のハードルは非常に高いです。そんな現状の中で、3つの点でGA technologiesで働いてみようと思いました。
①.不動産事業における安定的な収益基盤と経営層の理解があり、分析・AI活用に長期間腰を据えて挑戦させてもらえる環境があると感じられたこと。
②.営業アプローチを、従来のプッシュ型営業からDMPを活用した反響主体へ1年で切り替え、セールス一人あたりの販売戸数を他社比の3倍以上に引き上げるなど、社内にデータ活用の風土があること。
③.事業会社として分析だけにとどまらず、データ取集・活用施策含めて考えることができることです。
清水:実際に入社して働き始めた印象はどうでしたか?
小林:まず、若くて、活発ですね(笑 今まで研究所で働いてきたので、全く違ったカルチャーです。研究所のスタッフは自分の研究に没頭していて研究以外のビジネスに関わらない人が多かったのですが、セールス、エンジニア、マーケッター、サプライヤーなど今はいろんなメンバーが1つのオフィスで働いているので面白いなぁと思います。また、代表や経営層との距離も近く、生の声を聞けたり、意見交換できたりすることも魅力的です。
清水:『AI戦略室』の具体的な活動内容を教えてください。
小林:AI戦略室のミッションは「AIを用いて不動産ビジネス(リノベーション、投資、賃貸)などにおけるビジネスへの貢献とプレゼンスの向上です。具体的には、AI技術とデータ活用を用いて物件や顧客の理解を行い、さらにお客様と物件のマッチング、リスク予測、RenosyアプリのAI化などを促進していく予定です。
また、大学との共同研究など産学連携も含め社内外への情報発信とAI,データサイエンスの人材育成も担っていきたいと考えています。
清水:橋本さんに質問です。データサイエンティストにとって事業会社で働くメリット/デメリットは何ですか?
橋本:関わり方が縦に深いか、横に広いかですかね。前職のような分析・AI活用企業では様々な業界の課題やデータに広く触れることができます。
一方、事業会社では、業界は所属業界に限られますが、経営レベルの意思決定からサービスの運用・改善まで、深く関わることが可能です。また、受領したデータの分析にとどまらず、データを収集するところや、分析後の施策実施まで関わることができます。今後の時代、データ保有がデータ分析より重要との見方がありますが、データ収集含めたエコシステム構築を考えられるのが魅力と思います。
価格.comのような価格競争とは全く違う、高額商品購入におけるAmazonのようなECサービスを創る
清水:ズバリ、『AI戦略室』で成し遂げたいことはなんですか?
小林:まず、短期的にはAI技術とデータの活用により、社内の営業効率と質の向上を実現し、顧客の満足度を上げるとともにビジネスに貢献をすることです。リアルな不動産部門を抱える当社では現場の仕事にどれだけ貢献できるかが信頼関係のカギになります。長期的には社内で培った技術を社外にも発信し、Renosyを不動産業界のスタンダードとして育てることです。もっと欲を言えば不動産業界の枠を超えて「不動産のように高額商品の購入」におけるAmazonになることです。
清水:”高額商品の購入におけるAmazon”ってワクワクしますね。今のアマゾンとどう違うのでしょうか?
小林:まず、一つしかない、つまり一期一会であること大きな特徴です。家(土地)は同じものがなく、ある人にとってはすごくいいものでも、別の人にとっては全く興味のないものである可能性もある。そういった商品の価値も人(ユーザー)によって異なります。車や船なんかもそういう商品だと思いますね。
清水:現在の「価格.com(価格競争)」などの真逆にあるようなECサービスですね。
小林:まさに、他よりも安いことがサービスの価値ではなく、商品一つ一つの価値がユーザーによって異なる世界です。ですから、不動産のような一期一会の性質を持つ商品がここ(高額商品購入におけるAmazon)で取引される商品になってくると思います。飛行機、船、アート、古美術なんかも同じような価値を持っていると思います。
清水:橋本さんの『AI戦略室』で成し遂げたいことはなんですか?
橋本:私の場合は、3つあります。
①当社ビジョン(「IT×イノベーションの創造で、人々に感動を。」)の実現に、データ・AI活用により貢献すること
②AI戦略室を、事業会社で働きたいデータサイエンティストにとって、魅力的な職場とすること
③日本の未来に向けて、データサイエンティストの育成・輩出に貢献すること
清水:橋本さんは産学協同や教鞭に立たれることも多いようですが、人材育成についてのお考えを教えてください。
橋本:私自身、子供が生まれたり、年齢を重ねるにつれて、恩返しとして、次世代の育成に貢献したいと感じるようになってきました。また、政府も『日本再興戦略(2016)』の中でAI、ビッグデータ活用人材の育成は大きな課題と発表しています。今後の成長戦略の中で、この分野での人材育成は急務になっており、GA technologiesとしても不動産や建設の分野で貢献していきたいと思います。
清水:今日は二人どうもありがとうございました。目の前の課題への取り組みから、ワクワクするの未来の話まで、私自身もとても刺激を受けました!
GA technologiesでは、『AI戦略室』を始め、いろいろな立場で私たちと一緒に働く仲間を募集しています。
AIエンジニア
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Androidエンジニア
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