目次
1. コロナショックが起きてから2020年6月までにやったこと
1-1. 社内向けにやったこと
1-2. お客様向けにやったこと
2. 「カチッ」と音がしたかのように会社のフェーズが変わった
3. 早く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければみんなで行け
4. だから私たちは集まっている 〜会社という形の意味〜
2020年度上半期の業績結果が出ました。
月額(ランニング)売上が前年比141%、単発(イニシャル)売上が前年比148%とどちらも向上し、解約額が前年比99%と下がりました。
全世界を襲ったコロナショックという未曾有の危機の中では、前年よりも売上額が大きく下がり、解約額が増えるだろうと予想していましたが、このような結果になり、驚いたと同時に、「でも、そうなってもおかしくないかもしれない」と思うところもあります。
それは、底が見えない不安の中、スタッフ一人一人が危機感を共有し、失敗を恐れず、自主的にすごいスピードでいろんなことをやり遂げたからです。
コロナショックが起きてからまだ数ヶ月しか経っていませんが、このわずかな間に2年分くらいのことをバタバタと一気にやったのではないかと思うほどです。
この期間の皆の動きは、ラルズネットの行動指針である『まずやってみる、すぐにやってみる』『未来を信じ、逆境で進化する』を、まさに体現するような動きでした。
コロナショックが起きてから2020年6月までにやったこと
以下に、コロナショックが起きてから2020年6月までにやったことを、ダイジェストでざっくりとまとめました。
詳しくは、当時、タイムリーで書いていた各記事が詳しいのでそちらのリンクも貼っておきます。
社内向けにやったこと
突如、未知の新型ウイルスが人と社会を襲いました。
どうすればいいのか、誰もわかりません。すべては手探りの状態です。
社内的には、とにかく健康面と経済面での「安全」と「安心」を最優先に動きました。
マスクの配布や消毒液の設置など、衛生面の対策ももちろんですが、この時期は、「時差出勤」「リモートワーク」「遠隔営業(=出張禁止)」など、不特定多数の人混みを避ける上で必要と思われる施策を、不慣れながらも次々と試していきました。
新しい働き方が定着付いてからは、新卒社員が中心となって運用マニュアルを作ったり、法務を担当しているスタッフが弁護士とやり取りして就業規則を修正したりと、各スタッフが自主的にどんどん制度化を進めてくれたのです。
↓今では当社の正式な社内制度の一つに!
また、今、振り返れば、この一連の流れが、コロナショックに関係なくこれからの大きな社会テーマになるであろう「会社機能の分散化」に、うまくつながっている気がします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
お客様向けにやったこと
大変なのは、当社だけではありません。お客様である不動産会社様も、同じように大変な想いをしているでしょう。
そこで、この時期は「自社の売上より、とにかくお客様のためになることをやる」をコンセプトに行動を起こしました。
具体的には、反響のきっかとなる有料広告オプション「ラルズアド」の広告予算をお客様に10万円分プレゼントしたり、「動画まつり」「WEB面談キャンペーン」「Zoom練習会」などの体験型イベントや、各種学習コンテンツなど、思いつく限りのものを準備しました。
コロナ禍では来店客が減るため、不動産会社様が在宅ユーザーにアプローチできるノウハウを提供していこうという趣旨です。
また、当社が行なっていることを一人でも多くのお客様に届けるには、オンラインだけでは発信に限界があるため、現場担当者や、コール業務を行なっているチームが、オフラインでも驚くほどの数のアプローチをしてくれました。当社はWEB企業ではありますが、手紙も送っています。
情報発信の重要性をあらためて感じた時期でもあり、この機に自社のLINEアカウントも開設しました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なお、現在は、九州豪雨のニュースを見たスタッフから「こういう施策をやってあげたいです」と連絡があり、現地のユーザーや不動産会社様の助けになることを自主的に考え、自ら実行に移しています。
「カチッ」と音がしたかのように会社のフェーズが変わった
以前から感じていましたが、とくにここ数ヶ月で、明らかに会社のフェーズが変わったと確信しました。
どこかで「カチッ」とスイッチが入ったような、そんな感覚です。
そう思ったきっかけは、こんな状況の中でも、スタッフがどんどん自分たちで物事を進めている姿を見たからです。
自分たちで、「これ、まずいんじゃない?」と課題を発見し、「どうすればいいと思う?」と解決策を出し合い、「こうやってみよう」と考え、構築し、「それを知ってもらおう」とお客様に情報発信して、利用状況を見てまた調整する。
各部署の工程管理や、どのスタッフでも簡単にできるようにする効率化ツールの自作、さらには社内の採用活動や内定者の研修まで、自分たちで考え、工夫をこらし、実行しています。
もちろん、すべてに精通している人はいないため、ときには得意な人や上司に相談したりしながらも、チームの力で前に進めています。
また、一時の困難に臆さず、できるだけ物事のポジティブな面に注目したり、スタッフ同士が互いに感謝の気持ちを送り合う文化も根付いてきました。
このような流れができてからは、お客様からのお問い合わせや、前向きな反応も明らかに増えました。
このフェーズでは、いかに現場の自主的な流れを止めないかが重要です。
すごく大まかにいえば、マネジメント層は、現場の提案に対し、方向性や優先度が間違っておらず、かつ致命傷でないと判断したら、あとはメンバーの意欲を尊重し、どんどん「やってみなよ」と言えるスタンスが大事になってきます。
そして、これは簡単なようでいて、ものすごく難しいことです。
早く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければみんなで行け
会社の課題や、お客様の状況が見えていない状態で、何でも「やってみなよ」と言ってしまうと、言わずもがな大変なことになってしまいます。
経験が浅い人であれば、場合によっては、お客様のためではなく、自分がやりたいことから着手してしまい、多方面からクレームが入ってしまうからです。
そのため、まだ組織の大部分が、能力的にも規律的にも未熟であり、また、一定レベルの人材を採用する余裕もノウハウもない段階では、組織の長が一人で全部決めて、自分で手を動かし、自分で営業して結果を出す方が圧倒的に早く済みます。
責任を取るべき立場にある人から順に、抱えているものが重く、その分、結果に対してもシビアであるため、自分が望む結果をもたらすには、当然、自分自身が実行するのが、最もストレスが少なくて済むのです。
トップセールスが売上を作ろうと思ったら自分で営業をかけるのが最短ですし、トップデザイナーが納得できるデザインを用意しようと思ったら自分で作るのが最短ですし、トップエンジニアが納得するコードにしたいと思ったら自分で書くのが最短です。
トップが思う100点の状態にしたければ、トップ自身が1から100まで、あらゆる細部にいたるまで決めるのが最短でしょう。
とくに組織の初期のころは、待った無しの状況のため、このやり方がベストであり、むしろ他に方法がないことも確かです。
しかし、規模を拡大する上では、このスタイルは必ず限界が訪れます。
どれほど優秀な個人がいくらがんばっても、こなせる数的にも、時間的にも、どうやっても個人の枠を超えることができないからです。
また、どれだけ広範囲を見渡せる人でも、細部を見きれない段階が必ず訪れます。
組織が一定のスケールを超えようと思う場合、分岐点は、「任せることができるか」という一点に収束します。
自分以外の多様なスキルと価値観を採用していかなければ、自分の想像を超える結果は生まれず、それ以上チームが大きくなることも決してないのです。
よく引き合いに出されるアフリカのことわざで、
「早く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければみんなで行け」
というものがあります。
これは、まさに今回のコラムのテーマを一言で表しているような味わい深い言葉だなと、感じています。
※ちなみに、「任せる」と「放任」はまったく違います。
「任せる」ことができるレベルになるまでの育成、やろうとしていることの方向性や優先度の確認、「ここだけは押さえておかないといけない」といった要点を、マネジメント層はしっかりグリップする必要があります。
各マネージャーの専門ジャンルにも寄りますが、私であれば、商品の使い勝手や、営業トーク、DM、キャンペーン、メッセージ内容など、「自社とお客様が触れ合う面」(=「会社のインターフェイス」と呼んでいます)は必ずチェックしています。
だから私たちは集まっている 〜会社という形の意味〜
どんな人にも、できることとできないことがあり、得意分野とそうではない分野があります。
営業、広告、デザイン、コーディング、プログラミング、サーバー管理、顧客対応、ライティング・コンテンツ企画、財務・経理、経営。
これらすべてを一人でできる人はまず存在しません。だから、私たちは集まっているのです。
自分であれ他者であれ、できないこと・苦手なこと以上に、まずは、できること・得意なことに目を向ける。
そして、それを自分以外の人でも、少しずつできるようにしていく。
そうやって、各メンバーのできること・できないことの凸凹が重なったときの目が、ちょっとずつなめらかになり、やがてはキレイな面となり、お客様に満足していただける一つのサービスを提供できるようになる。
それが、会社という形の意味です。
新型コロナウイルスがもたらした、不安や恐怖。そういったものが渦巻く、2020年上半期というかつてない未知の荒波の中を、皆で力を合わせ、どうにかうまくくぐり抜けることができたという経験は、個々のメンバーにとっても、チームにとっても、本当に大きな財産になったと思います。
どうやってくぐり抜けることができたのかをはっきりと表現することはできませんが、月並みな言い方をすれば、
スタッフ一人一人が、やれることを精一杯やった。
それに尽きます。
生きていく以上、これからも逆境が何度も目の前に立ちふさがると思いますが、そのたびに、次の自分たちの新しい姿にワクワクできる、そんなチームでありたいと思います。
結論
早く行きたければ一人で。遠くに行きたければみんなで!