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「楽楽精算」は、1万2000社以上にご利用いただいているクラウド型の経費精算システムです。手間がかかり、ミスが多くなりがちな経費精算業務を効率化したいと願う企業を中心に利用が広がっています。今回紹介するのは、この楽楽精算のプロダクト開発の要となる職種「プロダクトマネジャー(PdM)」の魅力です。楽楽精算製品管理課で課長を務める稲垣剛之に、楽楽精算のPdMにしか味わえない仕事のやりがいや求める人材などについて話を聞きました。
稲垣剛之
楽楽精算開発部
楽楽精算製品管理課
課長
大学卒業後、独立系SIerに入社。約10年間、WEB系システム開発・運用のプログラマー、SE、プロジェクトマネジャーを経験し、その後、ファッションECサイトの立ち上げ直後から約9年間、開発責任者として参画。最終的には企画・デザイン・開発といったプロダクト開発全般の責任者を担当する。2021年8月ラクスに入社。楽楽精算製品管理課課長に就任し、現在は3名のメンバーとともに楽楽精算のプロダクトマネジメントをリードしている。
なぜ作るか、何を作るか、何から作るべきか
——稲垣さんはどんな役割を担っているのでしょうか。ご自身の管掌範囲を教えてください。
楽楽精算のプロダクトマネジメントを担当する楽楽精算製品管理課の課長として、3名のプロダクトマネジャー(PdM)を率いています。ミッションは『ビジネス、エンジニアリングの架け橋となり、カスタマーサクセスに導く、売れる製品を実現する』としています。
具体的には、事業部のプロダクトマーケティングマネジャー(PMM)の組織である製品企画と、プロダクトを作る開発部の間に立ち、両者の橋渡し役を務めています。
——なぜ事業部と開発部の間を取り持つPdMが必要なのですか?
既存のお客様の声や新規のお客様獲得の過程でさまざまな課題が明らかになりますが、緊急度が高いものから低いものまでさまざまです。また、事業戦略や製品ロードマップの進捗などフェーズ、市場環境によっても優先すべき課題は変わります。しかし、お客様と直接の接点を持たない開発部門にはその判断をつけるのは容易ではありません。PMMからの事業・販売戦略やお客様の課題を開発部に正しく伝え、限りある開発リソースを有効に活用するためわれわれのような役割が必要なのです。
——PdMがプロダクト開発の交通整理役を務めるわけですね。
はい。声が大きい人の意見が通りやすい状態は健全ではありませんし効率的でもありません。われわれPdMが中立的な立場から「何を作るか」「なぜ作るか」「何から作るべきか」を一つひとつ明確に定義することによって、事業部側も開発部側の課題の本質に近づきやすくなります。課題の本質が明らかになれば、開発部門のエンジニアは「どんなテクノロジーを用い、どのアプローチを採用するのがもっとも有効か」を考えることに専念でき、エンジニア側から有効な提案を促す効果も期待できます。むろん、途中でブレたり迷ったりすることなく実装フェーズに入れるのも大きなメリットなのはいうまでもないでしょう。事業部門と開発部門をつなぐ橋渡し役を務めながら、双方が本質的な仕事に集中できるような環境を整える。それがPdMの使命だと考えています。
——PdMにはどんな能力が求められますか?
いま申し上げた通り、どんなプロダクトを目指すべきか、なぜその機能を実現すべきかといった、プロダクト開発の起点となる大枠の方向性を示すため、抽象的で概念的な思考を言語化する力が求められるのと同時に、最小限の開発工数で最大のインパクトを残すことも求められます。つまり理想と現実の間を行き来しながら最善手を追求するバランス感覚が必要だということです。もちろん深めた考えを現実にするには、関係各位と丁寧で緻密なコミュニケーション能力も欠かせません。
——楽楽精算は多くのユーザーを抱えています。どのような課題に対応することが多いのでしょう?
現在は、大きく分けて主に3つのテーマに取り組んでいます。導入して頂いたお客様も年々企業規模が成長していますので、しっかりとそういったお客様でも利用に困らず運用がしやすいようにプロダクトを成長させていく必要があります。企業規模が大きくなると、それまでとは異なる課題やニーズがでてきますので、何をいつまでに実装すべきか検討し指針を示すのがまず1つ。2つ目がインボイス制度や電子帳簿保存法といったDX化に向けた制度開始・変更に併せたプロダクトの見直しや機能拡充をどう進めるか、そして3つ目がスマートフォンなどからも容易に経費精算ができるよう、便利で使いやすいUI/UXの実現です。現在われわれはこれら3つのテーマに含まれる大小さまざまな課題と向き合っています。
1万2000社に支持されるプロダクトに携わる魅力
——楽楽精算製品管理課には稲垣さん以外に3名のPdMが在籍しているそうですね。それぞれどんなバックグラウンドをお持ちの方たちなのですか?
1人は10年ほど楽楽精算の開発に携わった後、PdMになったメンバー。もう1人が様々な会社でインフラ構築やプロジェクトマネジメント、PdMと経験してきたメンバー。そしてSIerのSaaS部門で開発リーダーを務めた後、プロダクトマネジメントを経験したことがあるメンバーです。それぞれ得意とする領域やその裏付けとなる技術的知見、ドメイン知識のレベル感が異なるのでそれらを踏まえ案件ごとに1人のPdMをアサイン。各メンバーが複数のプロジェクトを動かしています。
——プロダクト開発の現場では多くのPdMが活躍するようになりました。楽楽精算ならではの魅力はどこにあると思いますか?
楽楽精算はすでに1万2000社を超えるお客様にご利用いただいています。国内の法人向けSaaSにおいて、この規模でかつ、成長し続けているプロダクトに携われるのは、ここにしかない魅力といえるのではないでしょうか。また、ここ数年、電子帳簿保存法やインボイス制度のスタートもあって、バックオフィス業務のDXに対する関心は高まっています。プロダクトを通じて社会の要請に応えている実感を得やすいのは、PdMに限らず楽楽精算に携わる人たちが共通して感じるやりがいです。
——逆にそれだけ大きなプロダクトを背負うのはプレッシャーもあるのでは?
お客様の声の解釈や受け止め方を見誤ると貴重な開発リソースをムダにしてしまうかもしれませんし、事業戦略やプロダクト開発のロードマップに狂いを生じさせてしまうかもしれませんから、背負っている責任は決して軽いとはいえません。重責を担っているのは確かですが、逆にいえばそれだけの重要な役割を担うからこそ得られる成長もあるわけです。それが多くのユーザーに支持されるプロダクトに携わる魅力だと思います。
——今後、楽楽精算におけるプロダクトマネジメントをどのように発展させたいと考えていますか?
PdMが組織化されてから、PMM、CS、営業部門の方々の協力を仰ぎながら、製品要求仕様から実装までのプロセスの最適化に取り組んできました。とくにこの1年は、懸案だったお客様課題のデータベース化なども進み、プロダクト開発プロセスがかなり洗練されてきた印象です。今後は、変化の激しい市場環境をダイレクトに感じ取るため、PdMが主導するユーザーインタビューの実施頻度を上げるなど、新しい試みにもチャレンジしていきます。
プロダクトのグロースに貢献する多様な人材に期待
——どのようなマインドを持つPdMが活躍できる環境だとお考えですか?
PdMは、プロダクトをグロースさせるために必要なすべての仕事にかかわります。業務と業務、職種と職種の間で、だれも手を出せずにいる課題を率先して拾い、その価値を見極め、改善の道筋をつけながら全体最適を探るのもわれわれの仕事です。製品要求仕様をまとめるにしても、お客様の理解を深め、事業部や開発部と議論を重ねなければなりません。非常に幅広い領域に携わりつつ、プロダクト開発全体を俯瞰し一気通貫で取り組むので、一部の業務だけを切り出してそれだけに専念したい人には難しい仕事です。自分の仕事に壁を設けず、プロダクトをグロースさせるために理想を語りながらも、泥臭いコミュニケーションを厭わない人に向く仕事だと思います。
——キャリアやスキルの面についてはいかがでしょう?
PdMという肩書きをお持ちでなくても結構です。担当してこられたプロダクトの規模や立場はどうあれ、エンジニアとコミュニケーションを取りながらプロダクトの改善した経験やグロースさせた経験があればベストです。現職のPdMはもちろん、マーケティングや営業、カスタマーサクセス、グロースハッカー、エンジニアやUI/UXデザイナーからの転身も歓迎します。とくにユーザーを獲得するためにどんな取り組みをしてこられたか、ご自身の言葉で話せる方とお会いできたらうれしいですね。楽楽精算専任のPdM組織が生まれてからまだ2年に過ぎません。組織としての伸び代はまだまだあるはずですので、成長途上の楽楽精算のグロースに貢献したいという強い思いのある方に期待しています。
——最後に楽楽精算のPdMに興味をお持ちの読者にメッセージをお願いします。
PdMとひと言でいっても各社によって立場はさまざまです。なかには、予算管理や進捗管理など、一般にはプロジェクトマネジャーの範疇の仕事を兼ねたり、ユーザーサポートやマーケティング業務を兼務したりしているPdMも珍しくありません。その点、楽楽精算の場合、「何を作るか」「なぜ作るか」「何から作るべきか」というPdM本来の仕事に集中できます。PdMは事業部側と開発部側を行き来する伝書鳩ではありませんし、妥協案や折衷案のまとめ役でもありません。お客様にとって何がベストかを追求する。そんな本質を追求できるのがラクスでPdMに携わる魅力です。もし、カジュアル面談に申し込んでいただけたら、楽楽精算やラクスにおけるPdMの仕事ぶりについてより具体的にお話ししますので、興味のある方はぜひ気軽にお申し込みください。日本有数の法人向けSaaSの成長を牽引しながら、自らの成長にもこだわりたい方からの応募をお待ちしています。