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「詰める」のもエネルギーがいるが、フラットでいるのも大変だ。

先日ネットで見つけたこの記事(Googleが発見した、最も成功しているチームに共通する5つの特性)が非常に興味深く、何度も読み返している。

非常に示唆に富んだ記事なのだが、特に衝撃的なのは5番の「心理的安全性」で、これはいわゆる営業会社における部下のマネジメント方法として未だに脈々と受け継がれている「詰める」マネジメントが機能しない時代になっていることを調査が裏付けているように感じられる。

絶対的な権力を持つ上司が、自分の経験則から導き出した成功の法則を、叱責することによる恐怖政治で部下に実行させることにより営業成績を向上させようとするその手法は、詰まるところ部下を兵隊化することを目的としている。兵隊化=「自分で考えることを放棄しひたすら指示に従う」ことである。(今でも不動産会社や証券会社では行われている手法だけど、それだけ自信をもって実行させられる成功法則があるというのも、それはそれですごい)

仮に「詰める」マネジメントをしていなかったとしても、件の記事にあるように「自分が無能な人間に見られる」のを恐れるあまり闊達な議論がなされていないのであれば、判断のすべてを発言者(多くの場合上司にあたる人だと思うが)に任せることになり、それに慣れていくにしたがって、その人は自ら考えることをやめてしまうだろう。つまり、詰めるマネジメントが導く結果と同じなのではないか。

その是非は脇において、「詰める」マネジメントは顧客に情報量や選択肢が少なく「買う/買わない」の二択を迫るようなシンプルな営業の場合には有効に機能するように思う。シンプルであればあるほど、そこに法則性を見出しやすいからだ。法則が発見できればあとは実行するだけだから、そこに必要なのは兵隊で十分で、自分で考えて色々試すようなヤツはむしろ邪魔である。

しかし時代は変わり、顧客には多くの情報と選択肢がある。ニーズも多様化し、変化も早い。顧客の行動に法則性を見出すことが困難になっている今は、自分が想定していない場面にも数多く出会うはずで、そこで必要になるのは法則の適用ではなく、自分で考え判断し、場面に応じた最適解を導くことである。そして、より正確な判断を下すには、多くの知識と経験が必要だが、とは言え自分一人ですべてを経験できるはずもないので、それらはチーム内の闊達な議論による経験の共有とアイデアによって補完されるというわけだ。

そう考えるとGoogleの調査結果は必然であり、今求められるのは(今の時代に適応できるのは)上下関係なく闊達な議論が可能なフラットなチームである。

翻ってR-STOREである。自分たちはどうだろう?R-STOREは常に局面を自分で判断できる人を求めてきたし、メンバーが自らルールを策定したりするような会社だから、その目指してきた方向は正しい。やっぱりそうだよな、と。そういう会社にしたいと思ってやってきたんだ、と。そういう会社こそ成功するんだ、と。この記事を読んで確信した。

一方で(ここがこの記事で一番重要で示唆に富むところなのだが)フラットなチームづくりに欠かせないのが「心理的安全性」の確保、つまり「君の発言を待ってるよ〜。今は議論の時間だから、どんな意見でもアイデアでも良いんだよ〜。」っていう環境づくりだと言うのだが、ここが弱かったなー、と。「詰める」マネジメントを否定しているつもりで、例えば僕自身の表情や発言でみんなを萎縮させていたような場面もあったな、と。

ということで、最近すごく意識してチームの議論を見守るようにしています。もちろん自分の意見も言うけど、人の意見もできるだけ引き出して、発言してくれた人が嫌な気持ちにならないように掛け声かけたりしています(「よっ!」とか言っています笑)。厳しい意見を言うときも、できるだけソフトに伝えるようにしています。そうするように意識してから、会議の場で意見も少しづつ出るようになってきたと思うし、笑顔も増えたし、納得感も出てきたように思っています。会議外の場でも(LINEとか)意見をくれたりする人も出てきて、「ああ、こういうのっていいよなあ」と改めて嬉しく感じています。

「詰める」のもエネルギーがいると思いますが、フラットであることもまた努力が必要なんだと気づかせてくれた記事でした。

浅井

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