クリエイティブ集団・PARTYが制作したドラマで起きた「化学変化」とは 〜PARTYがテレビドラマをつくった理由〜前編|PARTY|note
PARTYが企画し、RCCテレビと制作した大学受験並走ドラマ『フューチャー!フューチャー!』が、7月19日(火)よりRCC(中国放送)にて放送開始されました。近畿大学工学部 ...
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「PARTY」が企画し、RCCテレビと制作した大学受験並走ドラマ『フューチャー!フューチャー!』が、7月19日(火)よりRCC(中国放送)にて放送開始されました。
近畿大学工学部 全面協力の元、クリエイティブ・ディレクターの眞鍋海里が企画・脚本を手がけ、1話3分の全9話完結で、現実世界における高校3年生の夏から受験までの期間と同じ時間軸でストーリーが展開されていきます。前編に続き、ドラマの見所をお伝えしつつ、制作メンバーにお話を伺っていきます。
ストーリー
ディストピアとなった未来を変えるため近畿大学工学部を目指すこととなったSF大好きな高3女子と、未来からとある使命のためにタイムトラベルしてきた青年の物語。高校生たちに共感と希望をお届けしながら、受験生のリアルと並走する連続テレビドラマです。
前編に続き、連続ドラマ「フューチャー!フューチャー!」について、PARTYのメンバーに制作の裏側をインタビューしました。
ー 今回、ドラマ外でもいろいろと仕掛けがあるみたいですね。
山中:
そうです。一つは、Twitter上に主人公マコトのアカウントが存在していて、視聴者もTwitterを通して応援メッセージを送ったり、受験TIPSを送り合ったりすることができることです。
田中:
僕たちが学生の頃って、こういう風にSNSで知らない人とつながるっていう文化ってなかったと思うんですよね。 ただ、今の子たちってこういう同じ受験生で繋がる、みたいなことを普通にやっているので、実際の受験生たちとも一緒に受験を並走していく体験をつくりたいなと思って立ち上げました。
眞鍋:
本編が1話3分という短いドラマなので、そこで描かれない主人公の微妙な心の変化だったりを視聴者は覗き見ることができる。こうやって現実世界と交差させることで、前編で語ったような”リアリティ”を深める効果もありますし、物語自体を拡張してくれる存在です。あとこのアカウント、フォロワー数が公式Twitterより多いな(笑)
佐藤:
僕、このからくりにびっくりしたんですよ。これってどうやってフォロワーを増やしたんですか。
山中:
そうですね。実は、「勉強垢」(受験勉強専用のアカウント)というのが、Twitter上で一つの文化になっていて、ユーザー名に”@勉強垢”をつけて、プロフィール欄に志望校とか、今 何判定だとか、そういう情報を書いていくようなカルチャーがあって。
そこでは、受験勉強してる人同士でお互い応援し合って、受験勉強を乗り越えようという文化があるので、 フォローバックし合うのが自然な流れだったんですね。なので、こちらからフォローしてもおかしくないし、フォローすると相手もフォローを返してくれる、という形で、カルチャーにうまく乗っとった形でフォロワー数を伸ばしていこうっていう作戦を取っていきました。
眞鍋:
この、勉強垢にしたところが秀逸だなと思ったのが、やっぱり広告的に見ると、ど真ん中のターゲット、というと表現としてちょっとあれですけど、やっぱり相手は今回のドラマを1番見てもらいたい人になるじゃないですか。そこがナラティブの延長線上で、自然と出来ているところはすごいなと。
田中:
色々な人の勉強アカを見て、どういうことを投稿してるんだろうとか、その投稿の中でもどういったものがいいね!がつきやすいのかを研究しました。
山中:
僕たちもおじさんたちの集まりなので(笑) 実際に近大に通う若い子たちに意見を聞いたり、素材を撮ってきてもらったりとか。 受験生の気持ちや感性みたいなところを拾い上げられるようにしているのもポイントかなと。
今回、近大生の子たちもすごく協力的でいてくれて、ドラマの舞台として自分たちの学校が登場すること対して誇りを持っていたり、多くの人が近大を好きになってもらう活動として受け止めていてくれて、その積極性が素晴らしいなと思っていました。すでにインナーブランディングの感性を持っている気がしています。
ー ハッシュタグ「#近大工学部合格作戦」で受験TIPSを送ると、それがドラマ中に登場するような仕掛けも用意していますね。
山中:
そうですね。現実世界で投稿した内容が、登場人物のマコトたちに届く仕掛けです。せっかくドラマという舞台があるので、リアルと交差させない手はないなと。
眞鍋:
まさに、その世界が”そこに存在する感”ですね。あと、このドラマがすでに完成された作品ではなく、視聴者も一緒になってつくっていく感覚って結構大事な気がします。あえてその余白をつくることは、今の時代にとてもマッチしているなと。まぁ、脚本的にはどう入れ込もうかすごく悩んだんですけど(笑)
佐藤:
今回は、ドラマだけでなくリアルタイムにSNSを含めて面(めん)でナラティブを作り上げているのもポイントです。PARTYというチームでやっていると、単純に面白いドラマを作るだけでは、やっぱりゴールにはならなくて。もっと濃いナラティブ体験を求めるっていったところで言うと、マコトのSNSアカウントが実は1人歩きするようにやってみようとか、なんか、そういうストーリー以外の部分でもこう奥行きというか、深みを作っていけるって言ったところが、PARTYらしいナラティブの作り方だな、というのを感じています。
ー 今回RCCさんと一緒に制作を進められたと思いますが、タッグを組んでよかったなと思うことはありましたか?
眞鍋:
一番印象的だったのは、ロケ地交渉なんかで「RCCです」って言うだけで、一気に地元の方に信用してもらえるっていうことですね。
水井:
そうそう、地元の人は もうずっとテレビで見てるから、すごく応援してくれるんですよ。広告の現場ではなかなか難しかったりすることですよね。
眞鍋:
本当に地元密着というか、実際に地元の方と一緒に築き上げてきたものがあるんだなぁと。とにかく信頼度が半端ないんですよ。あとはロケ地や撮影に使えそうなお店だったりと、そのストックが多い。やはり、日頃から番組などで色々なところへ取材に行かれているので。一緒に制作させていただいて本当に助かりました。
佐藤:
そういうのって、地方局ならではというのもあるのかもしれないですね。
田中:
制作だけじゃなくて、キャスティングの面でも、RCCさんさすがだなと思いました。俳優陣からの信頼もありますし、RCCの社員の方とか、内定者の方とかが協力してくれたり。あとは自社の番組内で積極的に告知してくれたりして、そういうところは、いわゆる広告でスポット的に見せようとするとなかなか難しいけれど、今回コラボをしたことで、いろんな方々への広がりが出来ているところがあるかな、という感じがしますね。
眞鍋:
今回のキャストを決めるに当たってはすごく助かりました。主人公マコト役に駒井蓮さんを起用出来たのも、RCCの江口プロデューサーの手腕です。「この子いいです。演技も行けます。」みたいな感じでおすすめされて。実際に演技も素晴らしかったですし、最近朝ドラにも出演されて、これからのご活躍がますます楽しみです。
佐藤:
キャステインングについては、広告では考えられないくらいのスピードで、こうババっと。やっぱりテレビならではのやり方というか、フットワークで進めてもらえたのはすごく大きかったなと思います。個人的にも、マコトは駒井さんに演じてもらって、本当によかったですね。
眞鍋:
本当に素晴らしかった。みんながみんな 「これです、マコトは!」みたいな演技を1発でしてくれて驚きました。個人的にも、ファンになりました(笑)マコト様様という感じです!
ー 最後に、作品の見所をお願いします。
佐藤:
ストーリー全体を通して、ど真ん中のエンターテイメントに仕上がっていると思います。そして、主人公のマコトも含め、キャラクターそれぞれに愛着が湧くようなドラマだなと思っています。SNSとかも合わせて見てもらったりして、いろんなレイヤーでの面白さがあるんじゃないかなと思っていますので、ぜひ注目して見てもらいたいなと思います。
水井:
今回の話って、受験生が見るだけでなくて、大人が見ても楽しいドラマになったんじゃないかなと思います。ストーリーをどう解釈するかだったり、この演出にはどういう意図があるんだろうみたいなことを考えたり。あとは、僕が手がけたアニメーションも楽しんで欲しいですね(笑)
佐藤:
3話に出てくるシンイチの未来の回想シーンですね(笑)水井さんのアニメーションが100年後の未来を柔らかくあり、毒々しさやリアリティも含めて表現してくれています。
水井:
あとは、いろんなSF映画のオマージュもです。時をかける少女もそうですが、僕が学生時代に住んでいた尾道の美しい景色がたくさん映っているので、地元の人たちにも見てほしいなと思います。
眞鍋 :
僕としては、主演の駒井蓮さん含めキャスト陣が作品を何倍も大きくしてくれた感覚があるので、やっぱりキャラクターたちの演技を見てほしいなって思います。あとは、僕が大学で学んだ物理学とSF映画への愛を脚本に込めましたので、ドラマに出てくるそれらのオマージュや小ネタなども探しながら観てもらえると嬉しいなって思います。
ー本日はどうもありがとうございました!ドラマ本編は、公式YouTubeチャンネル、RCC公式配信アプリIRAWにて 全話見逃し配信中ですので、是非みなさんもご覧ください。
公式YouTubeチャンネルでは第4話まで公開中!
(左から)Kairi Manabe/Creative Director1982年宮崎生まれ。タワーレコード、WEBプロダクション、BBDOを経て2020年にPARTYに参加。ブランドと生活者を強固に結びつける”コンテンツ発想”を軸に、マス、デジタル、PRを越境するアイデアで課題解決に挑む。特に、映像体験を用いた”驚き”と”発見”を与えるコンテンツを得意とし、国内外の広告賞を多数受賞。Yuma Sato/Creative Producer87年山形県生まれ。CM制作会社でのプロデューサーの経験を経て、2019年よりPARTYに参加。 映像を軸としながら、ジャンルを固定せず縦横無尽に仕事をしていくことが得意。 理想とするのは、自らがハブとなり、チームのパフォーマンスを高めることのできるプロデューサー。Hiroshi Yamanaka/Project Manager1987年滋賀県生まれ。同志社大学卒業。ワン・トゥー・テン・デザインを経て、PARTYに参加。Web、映像、イベント、プロダクト・サービス開発など、幅広い領域で企画・プロデュース、プロジェクトマネージメントを行う。Masahiro Tanaka/Business Producer1981年 東京都出身。21incorporation、Delphys Inc.を経て、現職。 映像・WEB・SPツール・イベント・空間デザイン・PR・インナー教育などを経験してきたが、さらなる領域の拡張を求め、2020年 PARTYに参加。Kakeru Mizui/Videographer映像ディレクター。DRAWING AND MANUALを経て独立。2020年11月からPARTYに参加。 モーショングラフィックをベースにファッションから教育番組まで幅広く手掛ける。