『ソーシャルディスタンス』を測る AR定規「Keep Distance Ruler」、開発の裏側といま

[この記事は2020年4月11日にPARTY公式noteにて公開された内容です。]

PARTYのArt Director・寺島圭佑が制作した「ソーシャルディスタンス」として必要な2mを測るAR定規「Keep Distance Ruler」。アプリではなく、iPhoneで下記のURLからダウンロードするだけで、どこでも2mの距離を計測することができます。（iPhone X以降・最新iOS推奨）制作しツイートしたところ瞬く間に評判は広がり、各メディアにもこぞって取り上げていただきました。

DL：https://tinyurl.com/txfsp6n

Web版：https://keepdistanceruler.prty.jp/

「Keep Distance Ruler」とは

不要不急の外出が制限されている現在、どうしても外出をしなければならない際に利用できるARコンテンツ。アプリではなく、「USDZ」というARオブジェクトを流通可能にするファイル形式を採用しています。iPhoneにダウンロードすれば、「ソーシャルディスタンス」として必要な「2m」の間隔をARで表示し、どこでも計測することができます。

HOW TO USE ?

１. Safariを使ってリンクにアクセス
▼ダウンロードURL
https://tinyurl.com/txfsp6n

２. ダウンロードボタンをタップ

３. 右上のダウンロードアイコンをタップ。iOSのAR Quick Look機能を使って表示されます。

４. ダウンロードしたファイルをタップ

５. iPhoneで地面を認識すると、自動的に正しいサイズでARが表示されるのでARを踏む気持ちで足形に足を合わせてください。
AR自体の拡大縮小を行う必要はありません。

WEB版の公開にあたって、「Keep Distance Ruler」開発の経緯や狙いを、開発者の寺島にインタビューしました。

開発者インタビュー　Art Director・寺島圭佑

・「Keep Distance Ruler」をつくるきっかけは？

世界中のニュースで「ソーシャルディスタンス」を目にして、提唱されている約2m（約6 feet）は自分にとってどれくらいの距離なのだろうか？　その距離を世界中の人々は知っているだろうか？と疑問に思ったことがきっかけでした。

近所のスーパーに行った際、海外では大きく報じられている「ソーシャルディスタンス」が全くケアされていないことに気がつきました。必要とされている行動は割とシンプルなのに、できていない人が多いのが現状です。「ソーシャルディスタンス」を保つための何か分かりやすいガイドがあれば、手助けになるのではと思い、開発に取り掛かりました。最近のAR技術ならオブジェクトの3Dサイズをかなり正確に表示できることを知っていたので、ARを使った約2mのモノサシを作ることにしました。

・デザインのこだわりは？

「ソーシャルディスタンス」として推奨される距離の表現が、海外では”約6 feet”、日本では”2m”とされています。海外でも使用されることも視野に入れ、どちらも表示するデザインを前提にしました。日本語の表現である”2m”をベースに、”約6 feet”も併記したデザインにしています。その上で、使い方が一目でわかるように検証を繰り返し、現在のデザインになりました。

デザイン面ではないですが、公開スピードが重要だと考えていたので、アプリにせず「USDZ」形式にしたのもポイントです。やはり、アプリだと開発や審査に時間かかってしまうため、必要とされているタイミングにリリースできないのでは、意味がないと考えました。公開日の前夜に思い付き、翌日の昼頃から作業をし、検証も含めて6時間ほどで完成しました。

公開後、好評の声をたくさんいただいたので、WEB版も開発することになり、まさに今開発しているところです。これで、もう少し簡単に素早くお使いいただけるようになるはずです。

・どういった反応がありましたか？

公開したTwitterで、日本はもちろん、海外からも多くの反応がありました。また、メディアの皆様からも、取材のご依頼を多数いただき、いくつかインタビューをお受けしています。

いま、国連からのブリーフもあったように、世界中の企業やデザイナー、アーティストがCOVID-19の問題に立ち向かうアクションを起こしています。ハイブランドやスポーツメーカーがマスクを生産したり、企業ロゴの間隔を広げて「ソーシャルディスタンス」を促したり、手法は様々ですがそれぞれが今できることを発表しています。その状況を目にして、自分にも何か出来ないかと思って作ったコンテンツが、ここまで広く反響をいただいているのは嬉しいです。

・最後に一言

人は周囲のモノとの比較で距離感や奥行きを把握するので、場所が変わると距離感が把握しづらくなります。よく行く場所で一度このARを開いて、「ソーシャルディスタンス」をしっかりと意識してみていただきたいです。

私は今回のCOVID-19の感染拡大防止で、我々に求められていることは、とても"シンプル”なことだと思っています。手洗い、うがい、マスク、「ソーシャルディスタンス」。皆が少しだけ意識を変えて、できることの積み重ねを持続していけば、早期にCOVID-19の問題に打ち勝つことができるのはないでしょうか。このARが意識を変えることにつながれば嬉しいです。

私自身も、自分にできることを今後も続けていきたいと思います。

おわりに/「Keep Distance Ruler」ご使用上の注意点

「Keep Distance Ruler」は、どうしても必要な外出時にご使用いただくことを想定して2020年に制作されたサービスです。

新型コロナウイルス感染症の最新情報については、政府・厚生労働省など公的機関が発信する情報をご確認ください。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復と終息を祈念いたします。