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「助けて」が言えなかった自身の経験を生かし、コロナ禍レストランの成長の機会に。

ポジティブドリームパーソンズ(以下、PDP)はホテル、レストラン、ウェディングやフラワー事業の企画・運営を展開しています。レストランサービスのユニットマネージャーの能重 新は、コロナ禍の推進プロジェクトのリーダーを任されています。彼の多様な経験が生かされた施策設計とそれに乗せる想いとは・・・。

感動で満ちあふれる世界をつくるための成長実感をモチベーションに

PDPが運営する全国30店舗以上のレストランの多くは、コロナ禍において同業他社同様、感染拡大防止やメンバーとお客様の安全のため、ほとんどの店舗で一時休業の判断をしてきた。

その最中で、PDPのレストラン事業では、再びレストランにお客様が戻ってきたときにコロナ前以上に質の高いサービスやお料理をお約束するために、ヒト・モノ・情報に関して再起に向けたさまざまな取り組みをプロジェクト化し施策を打っている。

今回その中で能重がリーダーとして担ってきたのは、休業中のメンバーに向けた「モチベーション施策」と、そのコンテンツを生かした全社での継続的なメンバーの専門性強化の基盤づくりのための「eラーニング」の設計と導入だ。

担当の施策の導入で能重が大事にしているのは何より「トレーニー側の使いやすさ」である。

メンバーがモチベーションを保ちながら学ぶ、そのきっかけづくりには、「やり方」がちゃんと馴染むことが大事だという。そしてその「やり方」がわかることがモチベーションに関係していくと能重は考えている。

施策の根幹にあるその想いには能重のこれまでの経験が反映されている。能重のPDPの入社は2013年。ホテルやレストランのサービススタッフで経験を積んできた能重だが、実は入社時の配属希望先は6事業のひとつであるフラワー事業だった。

能重 「就職活動でいくつか業種を選んでいく中で、興味を持った業種のひとつが花に関する仕事だったんです。いろいろな企業を見ましたが、『感動で満ちあふれる日本をつくる』とうたう花の事業はPDPだけでした」

PDPが掲げるビジョン「感動で満ちあふれる日本を創ってゆく。」ことがどの事業にも貫かれていること。これが能重の入社の決め手だった。そしてもうひとつの理由が成長スピードの早さだった。

能重 「他社に比べてマネジメントレイヤーに上がるスピードが非常に早く、それが魅力的でした」

フラワー事業を希望して入社した能重の最初の配属先はホテルのサービスマン。イントレプレナー精神を発揮し、自分自分のモチベーションの源泉を順調なステップにつなげていった。

やり方がわからない、があふれた

能重 「自分はユニットマネージャー(以下、UM)やゼネラルマネージャー(以下、GM)という会場の責任者に早くなりたいっていう想いがありました。3カ月に一度のMBO面談の際に自分から『UMになりたい』とずっと上長に伝えていました。

その中で上長から『そのために、ではこういうことにチャレンジしていこう』といったお話をいただけて、モチベーションもかなり上がっていたんです。

そんな中で、数カ月間トレーニングをして役職をいただくことができました。なので、成長を実感していけることと成長を評価していただく瞬間にものすごくモチベーションが上がっていました」

その後、他会場にレストランサービスのUMとして異動した後間もなく、能重は順調にGMに昇格する。その会場はウェディングとレストラン事業を運営する会場で、それまでウェディング事業の経験のない能重は、そこで大きな壁にぶつかることになる。

能重 「一番困難だったのはやり方がわからないことがあふれ、自分の無力さを知ったときです。直面している出来事のやり方がわからないときはものすごくしんどかったです。

その施設の長である自分に答えがないと、つまりはその施設に答えがない。どうすることもできないんだなっていう無力さを味わいました」

助けてほしい。これが言えるまでに一年弱かかった。マネージャー昇格をモチベーションにしてきた能重のプライドだった。

能重 「確かにプライドはありました。聞いたら負けだなって。そんなとき、ひとつ上の先輩が声をかけてくれました。お前ちょっとやばいなって(苦笑)」

そこからは、こんな身近に教えてくれる人が、たくさんいるということに気付き、ひたすら周りのGMに助けを求めた。

能重 「たとえば、レストラン事業で新しく朝食を導入するときは、本社の新規事業立ち上げに詳しい方の力を借りたり、キッチンの人手が足りないときは他施設のGMに毎週のように電話をしてどうにかしてくれないかって頼んだり(笑)。

そういうふうに助けてもらうことができるようになってからは心境が大きく変わりました」

能重は一度GMを退いた後、2020年現在は、別店舗でのレストランサービスのUMを担う。初めてメンバーからUMに昇格した数年前と、一会場のGMを担いさまざまな経験を経て、あらためてマネージャーを担う今では信念に変化はあるのだろうか。

能重 「まったく心境が違います。初めてレストランのUMにさせていただいたときは自分のことでいっぱいいっぱいで、自分がまずUMとしてしっかりと自立していくことが日々の想いのすべてでした。

今、再びマネージャーを担い思っているのは、どれだけメンバーを成長させられるのかっていうところです。UMやチーフを目指せるメンバーを多く輩出することが、UMに再着任してからずっと目標です。以前とは全然スタンスが違いますね」

コロナ禍の思いがけない成長

そんな折に、コロナにより、PDPのレストラン店舗の多くが休業を強いられる状況に。

能重は、休業中に業務に従事できない全国のメンバーの「モチベーション向上施策」のリーダーに任命される。モチベーション維持はもちろんのこと、これまでなかなかOFF JTの場をつくれていなかったレストランメンバーに「今だからできる」学びの提供をするのが目的だった。

やり方や進め方は能重に一任された。能重はどうやってコンテンツをつくっていったのか。

能重 「他店舗のマネジャーにまずヒアリングしました。各店舗で学びを提供する際の悩みを聞いてみると、店舗ごとに持っているリソースに依存して教えられるコンテンツに限りが出てしまう、ということでした。たとえば、ソムリエがいる店舗はワインについて深く教えてあげられるんですが、いない店舗は何も教えてあげられない。

店舗によって教えられることの差が出ていることがわかりました。なので、『学びたい』という想いを持っている全国のメンバー間で、クオリティーのギャップが起きないように設計したいというのが、このモチベーション施策の軸になりました」

能重は約半月の間に、「ワイン」「バリスタ」「レセプション対応」など、会場から要望のあった5つのコンテンツをオンラインという環境を生かして社内セミナーを開催した。

能重 「みんな『自分を高めたい』という気持ちは持っているのですが、『やり方がわからない』とか『自分にはできない』と思い込んでやらないことが多かったみたいで、それを今回少しでも実現に近づけてあげたい、と思っていました」

どんな手ごたえがあったのだろうか。

能重 「受講者の学びもそうですが、各回の講師を担ってくれたメンバーに可能性を感じてもらったことです。自分の可能性を広げるきっかけになった、とか、PDPへの貢献の仕方を学んだ、とか言ってもらえたことが何よりでした。

これまで、メンバーのスキル向上に苦心していた中で、今回リモートで開催することで、全国に同時に場をつくることができました。そして、その後も動画をストックして自発的に学ぶこともできるようになるなど、コロナをきっかけに成長が生まれたんです」

新たなしくみづくりへの展開

今、能重は、店舗休業期間中に取り組んだ「モチベーション施策」のコンテンツを、「eラーニング」のしくみづくりに展開させていっている。

能重 「動画でメンバーの育成をするしくみを会社の中でつくりたいと思っています。その目的はふたつあります。

まずひとつは新しく入ったアルバイトや社員、またその日初めて来た派遣のスポットの方たちに対して、一定水準以上のレクチャーができるように模範のパフォーマンスを動画にして基礎を教え、即戦力化することです。

もうひとつは、これまでの課題だった、ハイパフォーマンスのメンバーにトレーニングの業務が、偏りすぎる傾向をこのeラーニングで解決することです。これによって、もっとお客様に向き合う時間を確保していくことができると考えています」

近々、ハイパフォーマーのOJT動画化やスペシャリストの講座配信により、店舗メンバーに依存した育成のクオリティのブレをなくし、全社で高い水準の専門性育成を行う基盤ができるようになる。

能重 「自分がGMのときに『助けてください』って言えなかったような状態と同じようなイントプレナーたちがいたときに、eラーニングの存在がその助けや成長のきっかけになれる、とも思っているんです」

今、能重はメンバーの成長のモチベーション向上に思考を巡らせている。

能重 「人によってモチベーションが上がるときってさまざまだと思うのですが、共通しているなって思うのは、『やり方がわかるとモチベーションが上がりやすい』ということです。

とくに専門性が必要なサービスの領域は、具体的にやり方がわかると着手しやすくなって、『自分でもできる』ってモチベーションにつながると思います。

やり方を提示することで、一人ひとりの可能性を広げることが、今後自分が担っている中のプロジェクトの使命だと思っています」

コロナ禍で、テイクアウトやデリバリーなど、食を愉しむ手段は格段に増えた。でもやはり、ひとつの空間で直接交わす会話や食事にはどれだけ豊かな価値があるかも誰もが同時に気付いているだろう。

PDPのレストランで提供したい価値は、お腹を満たすだけではなく、大切な人との「時間」を彩り、「空間」を演出すること。可能性を武器にしながら、私たちの一丁目一番地は変わらない。

能重 「アフターコロナには、リアルな店舗にやっぱり足を運びたい。PDPのレストランはそんな存在になりたいです」

そのために今、各店舗で特徴をより尖らせていくようにレストランの運営方法を変革させている。そしてその尖らせ方は、これまで以上に現場に相当の権限が委譲されているという。

能重 「ただ、そのままだと尖り方なんて知恵がない中でも、たとえば、ワインの知識とか、バリスタの知識がついたときに、そこでの尖り方も見つかってくると思うんです。

なので、きっとその学ぶ機会は与えるっていうことは、レストランの尖りのきっかけにもなっていくと思っていて、その尖った先にはPDPのレストランが世の中でも魅力的なレストランに変わってくると思うんですよ」

能重は自身の仕事についてどのように思っているのだろうか。

能重 「PDPはその一歩踏み込むためのフィールドを与えてくれているので、すごくありがたいですし、このチャンスを最大限有効活用させていきます」

経験を糧にイントレプレナーの成長は続いていく。

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