社内公募性の感動商品開発プロジェクトに参加した小西 結衣。入社5年目ながら、幅広く業務を任される小西は、新たな感動を生み出す機会を提供すべく、チャレンジを続けている。挫折を味わいながらも行動し続ける彼女の熱い想いとは。
入社5年目の挑戦「感動商品開発プロジェクト」
感動商品開発プロジェクトは、2014年から毎年実施している、社内公募性のプロジェクトだ。お客様の一番近くに寄り添うウェディングプランナーが主体となって、プランナーだからこそ見える視点や気づきを活かし、結婚式の演出やアイテムの商品開発を行っている。
2020年は、いくつかのアイディアの中から「Cubicle(キュービクル)」と「tossemble film(トセンブル フィルム)」という2つの商品が生まれた。
新卒入社5年目の小西 結衣も今年の感動商品開発プロジェクトに参画したメンバーの一人だ。小西は普段、大阪城至近にある「ザ ランドマークスクエア オオサカ」の施設で実施するイベント企画や運営、またプロポーズプランナー等、多岐に渡るプロジェクトを担っている。
「One PHOTO WEDDING OSAKA-JO」という、施設の利用に限らず前撮りが可能なフォトウェディングサービスも彼女が主管しているものの一つだ。小西はこの事業での経験があったからこそ、今年の感動商品開発プロジェクトへの想いは一段と強かった。
小西 「以前から、自分でも何か結婚式の商品を生み出したいと言う思いで感動商品開発プロジェクトに応募していました。しかし今年は、One PHOTO WEDDINGの事業を経験していたので、プロジェクトにエントリーした時点で既に『こういった商品があったらいいな』という具体的な構想が思い描けていました」
フォトウェディングは一般的にはロケーション売りとなっている。例えば大阪城で撮りたい、東京タワーの下で撮りたいといった“その場所で撮る”だけの、サービスになりがちだ。しかし、小西にはフォトウェディングに携わる中である想いが芽生えた。
小西 「せっかく一日を過ごしていただくのであれば、お二人がその時間を通して何かに気づいたり、思い出したり、繋がりをより深められるような、有意義な時間を過ごしてほしいという想いがありました。そういったコトを感じられる商品を自分がつくれたらいいなと」
そんな小西が人と人を繋ぐことのできる空間をつくりたいと思うようになったきっかけは、学生時代の経験にある。
人と人を結んで繋がれるような瞬間や空間を──想いが合致した瞬間
小西 「大学2年生の時に行ったフランス留学で、大きな影響を受けました。それまでは日本は優しく温かいというイメージがありましたが、フランスで過ごして日本に帰国した時に非常に寂しく感じてしまったんです。フランスは日曜日にお休みの店舗が多く、一見不便です。しかしその分、市場に行って野菜を買いながら生産者とお話をしたり、バスを降りる時は必ず一人ひとりが「ありがとう」と挨拶を交わしたりしていました。しかし、日本に帰ると電車ではみんなスマートフォンを見て下を見てうつむいていて、人と人との繋がりが実は日本のほうが少ないなという印象を受けました。物もたくさんあり便利ですが心は寂しいのではないかなと思ったんです」
留学を経て価値観の変わった小西。就職活動においてもこの「人が繋がる空間」が軸となった。
小西 「就職活動のテーマが“人と人を結んで繋がれるような瞬間や空間をつくりたい”だったので土地開発やショッピングモールの開発等を手がけるディベロッパーなどを見ていました。その中でPDPに出会ったとき、私と考えていることと同じだと感じました」
感動の先に人と人が繋がって、心が満たされるような時間や場所を提供したい──小西の想いとPDPの想いが合致した瞬間だった。
小西 「PDPの入社説明会で話を聞いたときは『ここしかない』と思いましたね。PDPにもたくさん事業はありますが、結婚式だけでなくホテルやイベント、フラワーショップなど、手段は違うだけで“感動する時間空間”という軸は同じだと思っています」
そんな小西の座右の銘の一つは「できる、できないではなく、やるかやらないか。やるときは全力で!」。今回の感動商品開発プロジェクトもそのスタンスで挑戦した。
小西 「自由に一メンバーが婚礼商品を提案できる機会は少ないので、こうしたプロジェクトは良い機会だと思ったんです。もともと私は自分の考えていることをきちんと形にすることが好きなんです。結婚式当日に『こういうシーンになったら素敵だな』と思いながらご新郎ご新婦様と一緒に結婚式を創って、いざ当日その想定通りや想定以上のシーンになった時に『やったー』という気持ちになります(笑)」
考えていることが実際に出来上がった時に達成感を感じる小西だからこそ、その実現に向けてひたむきに走っていけるのである。
3回の役員プレゼンで感じた挫折と成長
実際に活動が始まった感動商品開発プロジェクトでは、お客様に受け入れられる商品をつくるための過程にたくさんの葛藤があったと小西は活動を振り返る。
小西 「プロジェクトをしていて難しく感じたのは企画段階で生みの苦しみにぶつかったことです。自分としてこういうゴールが良いなというのはありますが、それを表現することが難しく、具現化することが出来ずもがいたことがあります。感動商品開発プロジェクトは二人ずつの3チームで活動していて、私はその6名の中に選ばれたメンバーだったわけですが、私は役員に3回ほどプレゼンし、3回とも却下されました(笑)」
そんな小西のチームが提案していたのは、結婚式の当日に使用するものではなく、結婚式前に使用していただくものだった。
小西 「結婚式の準備を通して、パートナー同士の様々な価値感に触れたり、共感したり、また時に喧嘩をすることもあると思います。しかし、それらを通して夫婦になっていくのだというのをウェディングプランナーをしている時に感じてきました。だからこそ、商品を通して新郎新婦が自分の人生を振り返り、それをパートナーにも知ってもらった上で二人の新しい価値感をつくっていけると良いなと思っていました」
チームメンバーとミーティングを重ねながら追求していったが、最終的に小西の担当する商品は商品化にはいたらなかった。
小西 「3回の役員プレゼン時にもするどい指摘を受け、正直心にグサグサと刺さりました。提案が通らなかったというのもそうですが、やはり最後までつくり切れなかったということが何よりも悔しかったです」
時間も労力もかけた感動商品開発プロジェクト。悔しい思いを経験したものの、多くのフィードバックから学ぶことも多かったと小西は言う。
またすぐにでも次回挑戦したい──小西はすでに先を見据え、心を燃やしているのだ。
今だからこそ、結婚式の本質的な良さや価値を伝えたい
今回、商品化が決定した「Cubicle(キュービクル)」と「tossemble film(トセンブル フィルム)」。
小西はもともと自身の開発商品ではなかった「Cubicle(キュービクル)」の商品担当を引継ぎ、商品実装に向けて、商品造成や社内への認知を担っている。
小西 「自分のチームの商品化がかなわなかった時点でこのままプロジェクトに参加し続けるべきかどうか、自分の中で葛藤がありました。ただ、商品化が決まった商品の担当メンバーが産休等で継続が難しくなってしまい、自分にできることがあるのであれば全力でやろうと思いました」
プロジェクトメンバーとして選ばれたからには、この機会は無駄にしたくない。自身が開発していた商品へ注ぎ込まれた情熱は今、「Cubicle(キュービクル)」へ注ぎ込まれている。
小西 「Cubicle(キュービクル)という商品は、ウェルカムボードに書かれているゲストの似顔絵の横にQRコードがあり、それを読み込むとゲスト一人ひとりに新郎新婦からのメッセージが届くものです。挙式前からゲストにサプライズや思いを届けることができるんです。これにより、これまで以上に挙式の時間もゲストが新郎新婦のことを想いながら過ごせる温かい時間になるのではないかと思っています」
まだまだ商品実装に向けて活動している段階だが、小西はすでにこの商品をどのように届けるかを考えている。
小西 「ご新郎ご新婦様にとって、このご時勢の中での結婚式の開催はさまざまな懸念や葛藤があると思います。でも今だからこそ改めて同じ空間や時間を共有できることが幸せなことだと再認識できた機会でもあったはずです。この商品はそんなご新郎ご新婦様からゲストの皆様への想いを近い距離では伝えられないけれど、声や音で届けていただきたいと考えています。ですので、お客様が『この商品を使ったら自分たちの結婚式はこうなるんだ』と想像していただけるような商品の見せ方をサンコレ(※PDPがご成約いただいたお客様限定で開催する演出商品を紹介するイベント)では工夫していきたいです。またそれを実際にお客様にご提案するウェディングプランナーに共感してもらえることが一番大事だと思っています。ですから、そう思ってもらえるような商品の提案の仕方を行っていきます」
そして小西が今、商品そのものと同じくらい大事にしている新郎新婦様に伝えていきたいこととは──
小西 「私の中での感動って、何かで感情が揺さぶられてそれをきっかけに“明日からまた頑張ろう”と活力を得ることができる、今まさに求められていること。結婚式って新郎新婦からゲストへ、またゲストから新郎新婦への想い合う気持ちが循環し合って、繋がった感情がさらに感動に繋がっていく、唯一無二の場面だと思っています。ですから、今こそ結婚式の本質的な良さや価値をお伝えしていきたいんです」
人々の想いが繋がり、影響を与え合い、さらに伝播していく──人との出会いを祝福する場にいる小西だからこそ、より一層その機会の大切さを知っている。
これからも小西は多くの人の心を揺さぶる経験を提供すべく、前を見据えて歩みを続けていくことだろう。