神谷 龍司のプロフィール - Wantedly
ペネトレイター株式会社, 代表取締役
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ペネトレイター株式会社 代表取締役 神谷龍司(45歳)。高校時代より起業を計画。大学卒業後、営業職とマーケティング職を経て2015年にペネトレイター株式会社を立ち上げる。
イギリスのサッカークラブ『アーセナル』のファンであり、休日はマンチェスターシティファンの息子とプレミアリーグを鑑賞しながら、お互いの好きなクラブをディスり合うのが日課となっている。
「人に指示されるのが嫌い」な性格もあって、高校時代から「起業して自分の好きなようにやろう」と漠然と考えていました。
実際に起業までのマイルストーンを引いたのは大学の就活時期。計画としては、まず1社目の会社でセールストップに立ち、2社目で営業スキル以外の武器を手に入れ、30歳までに起業するという内容でした。
1stキャリアに営業を選んだ理由ですが、実際にモノを売れる奴に人は付いてくると考えていたためです。要はアイデアだけ持っていて「誰か売ってきて」では会社が立ち行かない。効率よく会社を軌道に乗せるために最初は営業職を選びました。
とはいえ、営業スキルのみでは凡庸。ということで、2ndキャリアに営業支援システム(CRM/SFA)を取り扱う会社を選び、デジタルマーケティング領域に身を置くことで、ITやシステム等々のスキルを身に付けます。
そして、2015年の時にペネトレイター設立。もともとの計画では30歳での起業だったんですが、息子の誕生もあって少し遅れて、35歳での起業になったという感じでした。
ちなみに、こういう創業エピソードって苦労話が定石だと思いますが、私の場合は用意周到だったというか、キャリア・スキル・人間関係を十分に築いた状態だったので、起業自体にそこまで苦労を感じることもなく。カッコいい話が出来ないのはちょっと残念なところではあります(笑)
今も続いていますが、創業当初からMA(マーケティング・オートメーション)を取り扱っていました。経緯については、当時Oracle社に在籍していた知人からの紹介。「OracleでMAを扱うから、お前もやってみないか?」というお話をいただいたのが事業スタートのキッカケになります。
メンバーに関しては私一人から始まり、半年後に役員の堀内が入社し、しばらくは2名体制で会社を運営。本格的な採用活動に乗り出したのも実はここ数年の話だったりします。
というのも、2名体制でも年間粗利が4,000万円近くあったこと。そもそも当時MA自体が2014年に日本に上陸したばかりの最新技術だったため、取り扱える人材が市場にいなかったことが関係しています。
ちなみに最新技術ゆえに人材がいないという市況は現状も変わらず、それが未経験採用をしている所以にもなっています。
そして、コロナ明けで事業拡大。RPA事業のスタートです。コロナの影響もあって、RPAの需要が非常に高まっているということで、一昨年からRPA事業部の人員強化を開始。ちなみに昨年は十数名の増員、今年も同じくらい採用する予定です。
RPA事業に関しては好調で、日立システムズさん、関電不動産さん、シスコさん、三菱自動車さん、カワサキモータースさん、観光庁等々、業種は問わず多方面の大手企業を中心にご相談をいただいています。
まず1つは、ビジネス変化のスピードが異常に速いことですね。
これは新技術が次々に生まれるなど、ネガティブな側面だけではないんですが、一方で企業側はそのスピードにいかに素早くアジャストできるかが、企業存続に大きく影響するようになってきています。
実際、変化に対応できずにいる会社は多く、今後も増え続ければ、今まで存続してきた会社が急に無くなってしまうようなことも平気で起きると思っています。
そして、もう1つが各社のグローバリゼーション化です。
これまではアメリカで流行った技術を日本に持ち込み、IPOで儲けるというビジネスモデルが成立していました。しかし、今はOracreやAdobeなどの開発元が直接日本にサービスを提供していますよね。つまり、誰でも技術自体を導入できるようになっている。ただ、それをどう使うかは別の話じゃないですか。
私たちがサービスとして提供しているのが、まさにこの「どう使うか」という部分。もっと分かりやすく言えば、最新のDX製品を用いて「売上を上げる」「 コストを下げる」には具体的にどうすべきかを提供しています。
あらゆることに対して、常に柔軟性を持つことです。
会社のビジョンについても「私たちは○○をします」と断定することはありません。なぜなら、“その時代に求められているサービスを提供すること”を常に意識しているからです。
ゆえに教育面は組織としても注力している部分で、各メンバーへのナレッジ共有方法は仕組み化し、効率的に最新技術が習得できるような環境を整えています。そして、その最新技術をお客様に提案し、実際にビジネスに活用する。そのサイクルを高速で回すということを繰り返しています。
当然、その分野に対する国内唯一のエキスパートにもなれますし、最新技術ゆえにレッドオーシャンになることもない。需要のあるブルーオーシャン市場でひたすら変化し続けるというのが、うちの会社のイメージですね。
採用活動においては「○○を極めたいです」みたいな人ではなく、“変化をポジティブに捉えられる人を主軸に、キャリアビジョンを明確に持っている方”を採用しています。
キャリアビジョンにこだわる理由ですが、“人の人生は会社がコントロールするものではない”と考えているからです。またキャリアビジョンが明確であれば、我々としてもその人のビジョンに則した仕事を任せることもできるし、マネジメントもできるじゃないですか。
もちろん、キャリアビジョンを途中で変えるのは全然OK。実際にその仕事をやってみたものの、適性が無かった。別の仕事で才能が開花した。色んなケースがあるからこそ、方向性は都度変えれば良い。でも、必ずビジョンは持ち、それをちゃんと共有しろよと言うのが会社のスタンスです。
まあ、ただ「世界平和を実現する」とか「地球の環境問題を改善する」みたいな現実味の無いビジョンはさすがに認めていないですけどね(笑)あくまでも定量的なビジョンにこだわっています。
例えば、「子供が5歳なので13年後の大学入学までに500万円貯める」とか、「子供は3人欲しいから40歳までに年収1,200万円に到達する」とか。そこに到達するために必要なスキル・経験を逆算的に考え、寄り添えるところは会社としても寄り添っていくという感じですね。
その時代に求められる人材になれること。自身の市場価値を上げることにコミットできることです。
例えば、ERP開発のPMになることを目標にしたとします。少なくとも20代じゃ無理で、一般的には30代半ば〜40代ぐらいだと思います。要はプログラマーとしてコードをひたすら書く期間があり、20代後半でやっとお客様とのミーティングに参加できるようになりました、みたいなことが往々にしてあるわけです。
うちの場合は1〜2年目でもプロジェクトを任せますし、プロジェクトも年間で最大5つくらい経験します。当然、ヒアリング能力やコミュニケーション能力などは求められますが、プログラマーとしての下積み期間が無い分、PMに求められるスキルセットをいち早く構築することができる。
両者のパターンで30代を迎えた時を想像してみてください。どちらの方がPMになりえるか、どちらの方が市場価値が高いか、どちらの方が年収が高いか。
もちろん、これはPMになることを目標とした場合の話ですが、“市場価値を上げることにコミットできる”というのは、こういうことです。
自分はどうなりたいのか、明確にキャリアビジョンを持とうぜ!と言いたいですね。
特に就活中の学生さんに言えることですが、内定を貰うことだけに就活目的がすり替わっていることがよくあります。ゆえに「御社のために何でもします!」といった回答が出てくる。では、私が「じゃあ、タダで死ぬほど働いて欲しい」と言ったらそれに従うのか。
もっと言うと、各社が求める究極の人材像とは、低賃金で24時間稼働、愚痴も言わず、感情にも左右されず、安定したパフォーマンスを発揮し続けるAIみたいな人です。あなたが目指すのは本当にそこなのか。
基本的に自己分析って自分がどうなりたいか考える作業じゃないですか。そこで決まったビジョンに対して、マイルストーンを引き、必要なスキル・経験を得られるであろう会社をピックアップして企業研究する。つまり、その会社はマイルストーンのどこに位置していて、何のために入るかでしかないんですよ。
それこそ「この会社では、このスキルとこの実績が獲得できたらOK」というものを決めると良いと思います。そうやって、ビジョンに対して逆算的な思考で臨むと軸もブレず、無駄もないはずです。
ただし、ビジョンを決めるのは一人称で良いものの、面接は二人称なので相手にどう思ってもらえるかを考えるようにはしてもらいたいですね。ベタなやり方ですけど、中期経営計画を見て「この企業はおそらく、ここら辺に課題があるから、こんなことを言ったら多分響くんじゃねえか」とか。
要は本質を掴むということ。この会社はどういう人を欲しているのか仮説を立て、面接官に採用したいと思わせるにはどうすべきか戦略を立てる。そうして希望部署に配属されれば、キャリアビジョンの第一段階としては成功と言えるんじゃないですかね。