エンジニア編。
とくにIT業界未経験で、エンジニアを目指している方を対象に書きます。
IT人材を増やしたいという思いがあり、普段エンジニアと接点ない方と現場のあいだの隔たりを減らす試み。
さて最近は採用に注力しており、おかげで1ヶ月で100件ほどの面談応募が来ています(ありがたいことです)
応募者の皆さんのプロフィールを読んで、その中でも気になった方にお会いするのですが、どういう風にフィルターかけているかのその観点をシェアします。
会ってみたいと思えるプロフィールの共通点は、5つほどありそうで、それを順に書いていくと、
- 冒頭で自分が何者かを簡潔に書いてある
- ポートフォリオとして何を作ったか、その内容や特徴、使用した技術要素をまとめている
- 次いで自己紹介の詳細
- なぜエンジニアになりたいのか、どのようなエンジニアになりたいのか
- エンジニアになって目指すところや将来の目標
です。
企業側が知りたい質問とも照らしながら、具体的に言及していきます。
1番目「あなたは誰?」
プロフィールを1日何件も見るものと相当な時間がかかるので、読むか次へスキップするかは先頭のボリュームで判断します。
コミュニケーションの伝達相手への意識があるかないかが最初の分かれ目。
簡単に伝えるときは、
- 「略歴(学歴、職歴)」
- 「いままでの学習経験や評価されたこと(学習経験は独学かITスクール卒でどのくらいの期間か、IT以外でも受賞歴あれば)」
が短くまとめてあればOKです。
ひと目で全体が見渡せるほど情報量の少ないものや、段落がない大長編のプロフィールはスキップされます。 前者はそもそも判断することができない、後者は判断する時間が惜しいからです
2番目「いまのレベル感や行動スタイルはどんな感じ?」
ポートフォリオ作品の内容自体は正直さほど重要視されません。 (※ITスクールの成果物だけだと、スクール時代から成長してないのかなと思われてしまうリスクありますが…)
それ以上に、作品をもとに対話ができるかどうかが重視されます。 書面で対話というのも変な話しですが、言い換えると、作品内容を自分の言葉で表現することができるか。
読み手が知りたいのは、なぜこの作品なのか?この作品の機能は何?どんな技術セットで作られているか?といったこと。
それは仮に、候補者の方が現場に入ったとき、自走できるか、自問自答できるひとなのかを知りたいからです。
具体的なイメージをふくらませるという意味では、つまづいた箇所とその乗り越え方。 そこで学んだことも添えられているとなお良しです。
3番目「カルチャーマッチするか知りたい」
プロフィール冒頭では簡単に略歴を書いたので、詳細を中段くらいに書きます。
ITに限らず、実績があればそれを書くべしと言ったのは、継続することの重要性を知っているひとなのかを判断するためです。 この人は努力を続けられるひとなのか、どのように努力したのか、その再現性はあるかがわかるエピソードがあると加点されます。
現時点で特筆する実績がなかったとしても、過去の学生生活や仕事を振り返って工夫したこと、 なかでも合理的な思考でアクションを起こせたエピソードなどあればそれは好評価です。
普段見過ごしてしまうところに疑問をもつ、気づく力やその習慣があるのはエンジニア特性として大事な要素だからです。
それらを基本要素として判断した上で、自身の趣味やアクティビティなど添えておくのも良いかもしれません。
採用全般に言えることですが、自社ですでに活躍しているひとと考え方や行動パターンが似ていると、安心材料の一つとして捉えることがあります。
4番目「すぐ諦めないかな?」
やりたい、なりたいの熱量は冷めやすいものです。
採用は営利活動であり投資である以上、すぐ諦めてしまうひとよりは、続けられそうなひとに投資したい。
加えて、実情を知らないでエンジニアになってしまって、現場で断念してしまうリスクも減らしたい。
そのときの判断基準として、エンジニアになりたいのモチベーションの源泉が何なのか。 それはどの程度の強度のあるものかを知りたいです。
インターネットで情報を集めるのは簡単ですが、できれば知人やSNSを通じて、その現場の情報をキャッチアップしてほしい。 自分が知らなかったことを知る、理想と現実のギャップを把握しておくことに対して、手間を惜しまない姿勢も評価されます。
ですので、ここでは具体的な要素を盛り込みつつ(足を使って集めた情報をもとに)、エンジニアになりたい根拠を書くのが良いです。
5番目「会社と同じ方向を向いている?」
せっかく入社する=人生の貴重な時間を共有いただくのなら、お互いのゴールが近いほうが良いですよね。
ただよく見かけるのは、○年後にフルスタックエンジニアになる!プロダクトマネージャーになる!といった自己完結されているもの。
これだけでは読み手が企業担当(ときにはエンジニア経験のない人事)にとって、その目標がどのように自社事業につながるのかイメージしづらいのです。
エンジニアになったその先に何をしたいか、その方向性が会社の事業を伸ばすのにマッチしているのでここでなら頑張れるというほうが双方ハッピーな気がしました。
以上、エンジニア採用時に、採用側が考えていることをつらつらと書いてみました。
短くまとめると、
- プロフィールは自分を知ってもらうツールなので、良い出会いにつながるように内容を充実させましょう
- 書いたものが自分の世界で閉じてしまっていないか、読み手を意識したものになっているか気をつけましょう
です。
おまけで最後に、王道だけど実施しているひとが少ない差別化要素について。
GithubのプロフィールからPush履歴を追うことができるのですが、田植えのようなパーツがありまして。
ここが深緑に草が生えていると、自走力があるように見えて高評価です。
日々の研鑽に勝るもの無しですね。