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スタッフインタビュー vol. 7 「アドベンチャーを通したあり方」

ファシリテーターとして日本全国でワークショップを行う髙野哲郎(てつ)。今年度からPAJプログラムチーム内にできた「ナレッジ部門」のマネージャーになりました。プログラムチームの今とこれからを聞きました。

プログラムチームは現在、2本柱でやっています。コーディネート部門では学校や企業などの対外的なことを、ナレッジ部門では社内的なものを受け持っています。主催の企画、ファシリテーターの育成、プログラム開発などが含まれますが、その他にプロジェクトアドベンチャー(PA)というもの自体の整理をしていきたいと思っています。

学校教育とPA

PAJが力を入れているもののひとつに学校教育があります。今までは学校によって状況が異なるため、「できるところからやっていきましょう」ということが多かったのですが、これからもっと学校の現場で使ってもらうために、PAを実践するときの「外してはいけない軸」と「どこからスタートすればいいか」の2点を言語化してそれをもとに提案していけたらと思っています。これからPAを使っていこうという人に、学校におけるPAの価値を伝えていく方法を考えるのもナレッジ部門でやっていきたいことのひとつです。

現状では一人ひとりの実践者に対しては少しずつ発信できるようになってきたと思いますが、もっと社会に向けた発信をしていきたいです。

ナレッジ部門というのはかなり幅のある内容を扱っていますが、大きな目標としては、PAの大切な理念である「フルバリュー」を日本人の我々の言葉にしていきたいという思いがあります。アメリカのマニュアルや日本の書籍でもいろいろな説明がされていますが簡潔な説明がまだありません。過去の解釈ではなく、これからのPAを作るために考えていきたいです。

ネットワーク作り

アクティビティ、ロープスコースを広めるということではなくて、PAの理念に共感し実践している人とのネットワークを広げていきたいです。それは一緒に何かをやる、イベントを行うということよりも、フルバリューであること、自ら選択すること、選択したことを周りが尊重すること、やってみることで学んでいくという大きな方向性に共感してくれる人たちとつながり、これからの社会を作るネットワークを作っていきたいです。またフルバリューという言葉を知らなくても、想いを共有できる人たちともつながっていきたいですね。

PAJで働く原動力

雑な言い方かもしれませんが、「楽しいから」というのは、一つの理由です。それは自分が生きていきたい社会のイメージとPAが合致していることにあります。

PAJに関わる中で僕自身への刺激があり、学びがあります。自分が生きていく中での気づきがあります。ワークショップでファシリテーターをしていると、自分自身が真剣になっているなと思います。教育関係のワークショップであれば学校などのことを真剣に考えているし、指導者講習会であれば生き方やあり方を真剣に考えています。そういう時間、場所を共有できるのは幸せですね。

僕自身のPAの原体験も影響しています。PAのことを知らずに受けた体験会が本当に楽しくて、気づきや学びがありました。その時のインパクトが大きくてもっと学びたいと思ったんです。

非常勤時代も含めてPAJで働くのは12年になりますが、その中での大きな変化は、「PA=グループ・仲間」という印象が大きかったのが、グループも大事だけど、「個人がどうあるか」ということに意識が向いてきました。

一人ひとりがそのコミュニティにどう関わるのかは、その人のあり方が問われます。その中で、自分自身が幸せじゃないとコミュ二ティはよくなっていかないのではと思います。グループを作ることは大切ですが、それを目的化せず、一人ひとりがどうあるかを大切にしたいです。

これから

PAJ自体も実践の場だなと思います。そういう場を僕自身が大切にできることと、他のみんなも自分のことを大切にしながら、PAJというものがよりよくなっていくために関われる場になっていったらいいし、PAJ自体がそういう会社になっていったらいい。PAJでは今、それを作っている過程にいるのではと思います。今あるシチュエーションでお互いが学び合えるような組織にしたいですね。

大きな言い方になっちゃいますが、PAは「生き方」なんだと思います。アドベンチャーの機会は必ず訪れるし、そこを避けずにどう向き合うかというときに、フルバリューやチャレンジバイチョイスは大きな支えや判断基準になると思っています。

そうは思っていますが、なかなかそれは伝わりにくい。僕が誰かに伝える言葉をまだ持っていない、そういう言葉を持てたらいいなと思っています。PAを知らない人、出会っていない人はまだまだたくさんいます。出会ったあとどうなるかはわからないけれど、僕自身が「PAと出会う窓口」のひとつになれたらと思っています。

(20171222)

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