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プロ野球独立リーグに学べ。チームビルディングに必要な最先端ツールとは

はじめに

パクテラ ・コンサルティング・ジャパン(以下、PCJ)は2021年にプロ野球独立リーグ 四国アイランドリーグplusに所属する徳島インディゴソックス(以下、徳島IS)とスポンサー契約を締結しました。
締結以降はAIによる音声・音響分析技術や画像分析技術を用いた支援を行っています。

今回は、弊社が開発したチームビルディングを支援するアプリケーションツール「Midas」の開発に至る背景や今後の展望について対談した、徳島IS 南社長と開発責任者 岡本のインタビュー様子をお届けいたします!

Agenda

  • Midas開発に至る経緯、背景
  • Midasで出来ること
  • Midasの今後の展望

Q&A session

まずはじめにMidas開発に至る経緯や背景をお聞かせください

南さん:
私たちにはチームビルディングを短期間で適切に行う必要があって、この部分に課題感を感じていました。私たちのチームは2月1日にスタートするのですが、例年のチーム平均人数は35~40人いる中で、新人は20~25人いて、全体の6割ほどが毎年入れ替わります。残る選手にしても、2年目、3年目の選手がほとんどで4年目の選手はほとんどいません。そういったことがあって、チームの伝統や方法論をチーム全体で継承していくことが非常に難しい現状がありました。この継承に時間を使っていると、チームビルディングが出来上がってくるのが5月あたりになり、そうなると残りのシーズン期間は4ヶ月しか無くなってしまいます。これだとチームビルディングに時間がかかりすぎてしまっているので、この部分を効率的に短期間で築きたいという想いがありました。

私たちフロント側のこういったことを目指しているだとか、想いというのが、ツールがない状態だと伝えることが難しいときもあり、この課題を何とかしたいなという気持ちがとてもありましたね。首脳陣に言えないプライベートな悩みや、精神的なフォローを我々フロント側で行ってあげられる、野球以外の例えで話しをしてあげられることでワンチームを築きたいと思っています。

私たちフロントや監督も選手を応援できて、選手らも自分の成長や悩みを記録でき、振り返りながらシーズンを過ごせるチームビルディングのツールが欲しかったんです。徳島ISはこういうチームだよというものをなるべく早く浸透させられるコミュニケーションツールみたいなものが欲しいなと思っていました。

岡本さん:
こういった現場の声を聞いて、私たちのデジタルの強みを活かしてこれらを解決できるソリューションとして開発したのが今回のMidasになります。これまで属人的であったり、感覚的にやってきた部分をきちんと定量的にして、1つのプラットフォーム上でチームビルディングを完結できるようなアプリケーションを開発しています。

(写真:岡本さん)

ありがとうございます!では次にMidasで出来ることについてお聞かせください。

岡本さん:
現状では選手側と指導側の二つの側面がありまして、選手側でいうと、自分の長期的な目標や短期的・日々の目標をどれくらい意識しながら練習に取り組むことができた、達成できたかであったり、試合の振り返りなどをスコアにして記録できる機能があります。他にもその日の体調やメンタル状態、マインドセット(日々地域の方々に感謝しながら活動を行っていますか? 挨拶できてますか?)といったものなども機能としてあります。指導側では、各選手の日々の記録やスコアのサマリーを閲覧できる機能があり、練習へのフィードバックや指導に活かせるようになっています。

今はMidasのデータを入力する部分に限ってはLINE WORKSを使用していて、選手は日々の記録をLINE WORKSで入力してもらい、データのダッシュボード化・管理・解析をMidas上で行なっています。ゆくゆくはデータ入力も全てMidas上に移管し、より最適なチームビルディングが出来るようなアプリケーションにしていこうと開発を進めています。Midasはフロントの機能としてはコミュニケーションツールではありますが、その裏側ではデータを蓄積・保管しプラットフォーム化することで、個々人・組織にあったチームビルディングが出来るアプリケーションとお伝えするのがイメージしやすいかもしれません。

現在も日々データを蓄積している中だと思いますが、Midasの今後の展望や活用事例をお聞かせください。

岡本さん:
まず、チームビルディングに必要な各機能・ツールというのは世の中に既に実装されていますが、それらを全て一つのMidasというプラットフォーム上で完結でき、クライアントさんの要望によっては、追加機能開発が出来るアプリケーションにしていきたいと考えています。具体的には、選手が定めた目標に対して、それに紐付くオススメの学習動画であったり、自分の打席や投球がより詳しく振り返れる機能開発であったりなどですね。加えて、やはりNPB(日本野球機構)であるプロの道に進むことが皆さんの目標だと思うので、より多くのデータを蓄積することで、NPBに行くためにはどの説明変数を伸ばすことがその選手にとって効果的なのか、というところの方法論も確立できればと考えています。

南さん:
私は、将来的には3つのことに活かせるアプリケーションになったらいいなと考えていますね。
1つ目は、監督や指導者の成長にも繋がるアプリケーションです。監督や指導者の方って、自分なりの教え方があると思うので、用いる言葉やコミュニケーションのバリエーションが少ないのではないかと思っていて、あの選手のこの記録に対してはこういう声かけをした方が良いであったり、こういう時はこの言葉が良いっていうのが、蓄積されたデータから選べたり、レコメンドされたりする機能があれば、選手だけでなく指導者も成長出来て、良いチームビルディングができるアプリになるのではないかと思ってます。

2つ目は、心技体の日々のデータ記録をもとに、アプリからアドバイスやフィードバックがもらえるアプリです。現状では、選手が記録を入力するだけに留まっているので、自動チャットボットのように何か記録を入れたらリアクションやフィードバックが来たり、定期的にその選手にカスタマイズされたアドバイスレポートなどが送られてきたりといった機能があると嬉しいですね。客観的な数値に基づいて自分ってこういう選手なんだというのを認識できたらもっと早く高い成長ができるのではないかと思っています。

3つ目は、スカウトや選手のセカンドキャリアに活かせるアプリケーションです。スカウトの方が練習や試合を見に来ても実際の数値的なところを全て把握することは難しいので、日々蓄積していくデータをファクトとしてスカウト側に提示できるようになれば、徳島ISからNPB行きが増えると思いますし、私たちとしても力強く推すことができます。セカンドキャリア向けですと、野球選手としての生き方を選択せずに、社会人として企業に勤める道を選択する人に推薦状を書くことがよくありまして、そういう時に野球しかしてこなかった人が多いけれど、ビジネスマンになるにあたって、この人はこういうパーソナリティを持っている人間なんだと数字として示すことができて、そうすると企業さんにも安心・納得して受け入れていただくのに活用できるのではないかと思います。

(写真:南さん)


たしかにおっしゃる通りですね
学生の頃によくやる野球ノートの進化版のようなアプリができたらいいですよね(笑)

南さん:
そうですね。Midasがどうなるかはわからないですが、先述したチームビルディングの課題というのは、独立リーグに関して言えば、どの球団も持っていると思いますし、あとは高校野球などの高校の部活動にも同様の課題があるんじゃないかなとは思います。加えて、日々蓄積していくデータがパーソナリティ診断やパーソナリティ自己診断に紐づいていたら面白いなと思いますね。あなたはこのプロ選手に近いパーソナリティをもっているだとか、孫正義さん、三木谷浩史さんに近いだとか、他の人と比べることで自己肯定感をもたせてあげることも出来たらいいなと思っています。データを集めるのが大変そうですけど(笑)

岡本さん:
そうですね!スポーツ業界にまで視野を広げれば、Midasが活用できるシーンは多くあると思うので、市場調査もしながら開発にも尽力していきたいと思います。

終わりに

ご覧いただきありがとうございました。いかがでしたか?今回のインタビューが少しでも皆様のご参考になりましたら幸いです。まだまだデータ活用やDXが進んでいない領域があることを今回のインタビューを通じて学ぶことができました。

最後となりますが、今後とも、徳島インディゴソックスとの取り組みをレポートさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします!

*こちらは前回のインタビュー記事です!ご興味ございましたら是非ご一読ください。

プロ野球ドラフト指名選手が語る〜プロになるために必要なアクションとは〜 | パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社
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