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【イベントレポート🐟第二弾🍎】Foodison×日本農業「~持続可能な産業作りに挑む2社に聞く~なぜ起業家は一次産業で上場を目指したのか」

こんにちは。広報の宮﨑です。
今回は先週に続きイベントレポートの第二弾です!📣📣
2023年11月29日に開催されたイベント「Foodison×日本農業『~持続可能な産業作りに挑む2社に聞く~なぜ起業家は一次産業で上場を目指したのか』」では、第一弾で株式会社フーディソンと日本農業の両社のCEOの立場から上場に対するの考え方などを伺いました。

第一弾の様子はこちら👇

第二弾では、フーディソン 取締役COO 内藤直樹氏も交え、同代表取締役CEOの山本徹氏、日本農業 代表取締役CEO 内藤、取締役COO 河合の4名によるパネルディスカッションの様子をご紹介します💁‍♀️💁‍♀️💁‍♀️
一次産業での新たな価値創出から、両社の組織・文化や求める人物像、一次産業のビジネスに挑戦する魅力などを語ります。

なぜ農業や漁業でビジネスを起こすことができたのか

河合:これから、フーディソンの内藤さんも交えて始めていきます。

内藤氏(以下Nick氏):内藤が2人いてややこしいので、僕は「Nick」という名前でいこうと思っています。

河合:それでは、Nickさんを交えてトークしたいテーマは、「我々、農業や漁業の領域でビジネスを起こすことができた。なぜ、できたのか?」です。それはビジネス的なマインドをこの業界に持ち込んだというのはあると思いますが、どのあたりで、勝機があるなと思ったか、どうして持ち込んだか。
あと、実際それを持ち込んで事業をする上で、難しいことや、大変なこと、うまくいかなかったこと、そのあたりのお話をさせていただければと思います。

フーディソンさんの場合、IT的な知見や視点というお話がありました。日本農業の場合、輸出で、海外的な視点とかもあると思うので、そのあたりをお話できればと思っています。

内藤:簡単に言うと、「輸出」が最初のきっかけで、バリューチェーンのどの方々も、「新しい販路を開拓します」という若者には優しいというのがあって。食い合わないですし、「新たなマーケットを開拓するのは良いことだよね」と。受け手の国からしても、これまでなかった日本のりんごがおいしくて、買ってみたいという人たちも、流通業者も新たな国で発掘できることが大きかったですね。

きっかけはそこですが、やっていく中で、バリューチェーンの不都合がさまざま見えてきて、そこに対して生み出している違いは「人材」。それはある種、この業界のことも頑張って理解をしながらも、この業界の当たり前を当たり前としない人材が色々と試す。業界歴が長くないからこそ分かる不都合とかにちゃんとメスを入れてトライをする、そこも違いを生み出していけている要因かなと思います。

河合:付け足すと、農業では、前提条件を実はそんなに試してなかったということがある。
そういう当たり前を疑って、海外のベストプラクティスを入れるだけで生産性が一気に上がるということがけっこうあるので、そこを思いっきり掘り下げる。で、やり切る、みたいなところは僕らが大事にしているポイントです。では、山本さん、Nickさん、お願いします。

山本氏:一次産業においての価値創出が難しいというのは、初期のエントリービジネスの選択の難しさ、もしくは初めから最終形を描くことが難しいのでは、と思っていて。業界内にいる人はもしかしたら、そのテクノロジーの活用という文脈がハマりにくく、未来を描けないのかもしれない。業界外にいる人にとっては、あまりにも分からなさすぎるので、将来や問題すら分からなくて、価値創出に至るどころか、その創業にも至らないということだと思っています。
これは一次産業に限らず、自分の卓越した領域外で起業する時の重要なことだと思うのが、最初から最終の絵に向かってプロダクトを作り始めるのではなくて、エントリービジネスで、まずはキャッシュを稼ぎながら、業界の解像度を上げていくことができれば、その後はある程度適切な戦略が描けるようになるのではないかと思っています。

Nick氏:フーディソンで言うと、特に創業したのが2013年で、2015~2016年は少し伸びているタイミングに、スタートアップ全体としてけっこう盛り上がりつつあったところで、産業をディスラプトするという感じのメッセージで伸びようとする会社が多かったと思っていて。ただ、一次産業はそれがあんまり合わないなっていう感じがありました。戦略的に、例えば、山本の元々の志向性もあると思いますが、ディスラプトという言葉は一回も使ったことがなくて、どちらかというと、この産業自体を盛り上げるというような。その中に我々も入らせてもらうという感じでやっていて、結果としては良かったと思っています。

内藤:ディスラプトってけっこう過激な表現ですからね。

Nick氏:結局、生産者は悪ではないですし、その人たちが存在しないと産業自体成り立ち得ないし。それに関わる人たちも悪で、新しい人たちが全て正義でも何でもないというところはあると思っていて。ドラマとかでいう悪代官がいて、みたいな世界とはだいぶ違うんじゃないかなとは思っています。結果的にはそこが好意的に受け入れられたのだと思います。

お客様の声は全社総会で共有し、自社サービスの存在意義を感じてもらう

河合:一次産業の中でこういう事業をやっていると、社内や、消費者、生産者から声が聞こえて、すごくやりがいになる。フーディソンさんのサービスを使って、どのような声が集まるようになったのか具体例をお聞きしたいと思います。

山本氏:「サカナバッカ」を使ってくださっているお客様から、熱烈なラブレターをもらうことがけっこうあって。特に、魚にめちゃくちゃハマっている小学生のお子さんから、近隣に「サカナバッカ」を出してほしいという直筆の手紙を送ってもらって。あと、ファンになってくれたお子さんのお母さんもファンになってくださって、オンラインで対談をさせていただきました。いかに食生活が変わったかということを聞かせていただいて。ちょっと感動するレベルで教えていただいたので、動画にして、全社総会で社員に共有しました。

河合:日本農業の場合だと、どちらかというと、農家の方と仲良くなるケースが多くて、メンバーと週6で特定の農家の方と飲みに行って。

Nick氏:週6って毎日じゃないですか(笑)。

河合:農業をやっていると、ムラ社会で。例えば、5人で一台の農薬散布機を持っているなど、みんなで手を取り合わなければやっていけないようなところもあります。昔から知っている人たちでやっているので、そこに入り込んでいくためには、ムラの長のところに日本酒を持って挨拶に行って、「僕らも飲み会に参加させてください」と飲み会に混ざるところから始まるみたいな。そんな感じでしたね。

山本氏:めちゃめちゃ良いですね。

河合:まあまあ、良くも悪くも鍛えられます。日本農業の場合は、農家の方々からは作業負担が軽くなったという声がありました。流通を最適化することによって今までより実入りが多くなったみたいな声を聞くと、嬉しいです。もっと頑張れと檄をもらうことも多かったりします。

内藤:海外だと、これまで開拓できていなかったスーパーにも手を伸ばして、台湾でも台北の高級デパートとかだけではなく、台中とか高雄の庶民スーパーに小玉のりんごを売っています。なので、こんな辺鄙なところに日本農業の棚が空いたとか、そこでけっこう売れ行きが良いと、達成感を感じるところです。あとは、各産地で色んな品目をやっているので、そこのチームが、「このめっちゃ美味しい品種です」と本社に送ってくれたり、各拠点間で送りあったりして、「僕らは食産業に携わっている」と、普段現場に出ないコーポレートメンバーも感じたりします。せっかくものを扱う商売だから、その喜びとか、みんなで感じるのって組織的にも大事だなと。

山本氏:めちゃめちゃ大事ですね。そこ。

いかに会社に帰属意識をもって働いてもらうか、模索中

河合:組織についてもお話できればと思っています。一次産業で勝ち切るために必要なチームとは。今の組織体制や、カルチャーも含めて、お話いただければと思っています。では、フーディソンさんからお願いします。


山本氏:特に注力している部分で言うと、会社の中で「ビジョンの中に入る」と言っています。これは、ビジョンを経営者が考えて、みんな理解してくださいねという世界ではなくて、僕がビジョンのドラフトを作って、その中にそれぞれ自分事になるテーマを見つけてもらうというかたちにしていかないと、ビジョンに対するコミットメントがなかなか上がっていかない。

Nick氏:会社としてはやっていることに一貫性はあるが、職種が本当に幅広い。働いている時間も場所も幅広いという意味では、かなり多様性がある会社だと。この組織を1社でまとめるのをどうやるのだろう、というのはこの数年間のテーマです。過去には、ホールディングスにして、別会社にしてもいいのではないのかという議論が出ましたが、相乗効果を見込んで、1社でやっていくことが重要であるという結論に今あります。
ただ、繋ぎ止めることがすごく難しいので、今年からBrand Communication Design部を作って、社内外のコミュニケーションを強化していこうと。そこに一貫性を持たせることで、従業員も「なぜこういうことをやっているのか」という理解が進み、社外的にも、採用とかの側面でも、イメージがしやすくなると思い、この部を作ったというのはけっこう工夫しているところなのかなと思っています。

河合:今、一番欲している人材、ないしはポジションの話で言うと、どういったところになりますか?

Nick氏:事業を推進してくれる方は何人いてもいいと思っています。一般的にはBizDevとか言われると思いますが。当然、エンジニアは全然足りてないので、もっともっと必要だなと思っています。チャンネルを広げていくという意味で、人事のポジションの採用ですね。そのあたりが特に重要。採用するのに一番苦戦しているところですね。




河合:日本農業の組織図ですが、生産からパッキングするような工場から販売というのが主に事業部であります。あとは品目ごとに分かれていて、その品目ごとにPL責任を持った事業責任者がいるかたちになります。一つの「日本農業」という看板がありながら、みんなで帰属意識を持ちながら、大きなミッションを追いかけて、苦戦しながらも、頑張ってやっていこうとしています。あと、現場があるというのは一つの特徴かなと。いわゆるBizDevみたいな事業を作っていく方でも、大卒の方もいれば、高校卒業してからずっと現場でやっている方々もいます。そのあたりの融合は、日本農業の会社のテーマになるかなと思っています。
りんごは今、一番のメイン事業で、大きくやっています。関わっている人が正社員だけでも50人、パート・アルバイトが100人ぐらいいる。今後、製造業でバリバリやっていた、あるいは、工場の責任者、セールスを海外含めて見てくれるマネージャーなど、わりとプロフェッショナルが欲しくなってきたタイミングだなと、僕らとしては感じているところです。

Nick氏:逆にフーディソンは一巡して、そもそも新しいことをやっているから、マーケットでこういう経験をしたという方は存在しないということに気づき始めて。経験していなくても、そこにコミットしたい理由さえわかれば、やってもらっているというケースがちょこちょこあったりしますね。

河合:特定の領域に関しては、こういうプロフェッショナルがいたらというような方が来て、僕らの専門性を活かしながら伸ばしてくれた経験があって。まずは圧倒的な強度。その上でさらに進化させてくれるプロフェッショナルがいるといいな。

山本氏:マネージメントの難易度の高さと、あと組織的に文化で求心力を作り込むっていうことはすごい重要度高いですよね。多様な人材がいるので。

河合:僕らのケースだと、地域の農家の方や、輸入業者の方、そうした周りの人たちが、「君たちのやっているサービスはこういう意味がある」みたいに意味付けをしてくれるのは大きいなというのは感じていますね。
最後にフーディソンの山本さんと日本農業の内藤さんからコメントいただければと思っております。


山本氏:創業してから10年経って、業界の解像度は上がってきています。長期的に自分たちの規模を拡大させていけることのイメージが湧いているのと、PL的に成長させることと、この業界に貢献して、社員も社会も幸せを感じられる未来に向かっていけるんじゃないかという確信できる領域で経営できているのは僕自身すごく幸せに感じているところです。なので、水産はちょっと距離遠いなと思われる方もいるかもしれないですけど、ちょっと覗き込んでみたら、すごく面白くて、興味持っていただけるかもしれない。興味を持っていただけたら、ぜひご連絡いただけると嬉しいです。どうもありがとうございました。


内藤:水産と農業は違うとはいえ、共通項がものすごくあるなと改めて感じて。特に、バリューチェーンの至るところに課題があるので、新規事業に困らない。これをやればあれができるというのがこんなにいっぱいある産業はあんまりないと思うので、それが面白味です。一方で難しさもあるものの、続けていって、しっかり価値を出し続けていけば、インパクトを残せると思っていて。どんどん、やればやるほど、農業の虜になっていっていますし、毎日楽しく仕事をしているので、ぜひ、農業に興味ある方は日本農業で。お魚のほうが好きかなという方はフーディソンさんに。どちらも受けてもいいですし、ぜひお話だけでも聞いてもらえると嬉しいなと思います。今日はどうもありがとうございました。

2回にわたるイベントレポートはここまでです。
お読みいただき、ありがとうございます🫡✨
農業と漁業、分野は違いますが、一次産業に新たな風を吹かせる2社の熱い思いが繰り広げられたトークセッションとなりました🐟🍎
少しでも興味を持ってくれた方は、ぜひ一次産業の世界に飛び込んでみてください!

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