どんな仕事にも必ず「学び」がある。元地下アイドルがウチの社員になるまで／my work_vol.2大沼里緒

こんなにも多様な過去を持つ方が、会社の中にいると気付かされる社員インタビュー。『my mork』と題してお送りする第2回目は、大沼里緒さんにお話を伺いました。派遣社員を経て社員となった彼女に、これまでの働き方について伺いしました。

大沼里緒（おおぬま・りお）

ネクスウェイには2017年春から派遣社員として在籍し、庶務業務を担当。この春より社員へ。現在はワーキングマザー向けサービス『TAMEMY』の企画運営や、チェーンストア向けサービスのカスタマーサポート部門を担当されています。

大沼さんと言えば、やっぱり「元地下アイドル」でしょうか。

え、そこから行きます？（笑）元々は地下アイドルになりたいとかではなく、

カラオケが上手になりたかったんですよ（笑）

高校生の時にスクールに通い始めたんです。そこで芸能目指してる人に触れて、あぁ、すごい夢がある世界だなぁって。高校生活とはちょっと違う青春を感じて楽しく通ってました。

じゃあ卒業後はそのまま地下アイドルに？

いや、就職しました！スクールも元々1年間のものでしたし。実際に活動したのは2年後くらいかな。

原宿の竹下通りでスカウトされて。芸能人になりたいとかはあんまり無かったんですけど、当時の仕事がなんか物足りなくて、そこの事務所のレッスンに通い始めたんです。

そしたら先生と意気投合して「アイドルユニット作りたいと思ってるんだよね」って語り始めたから「やりますやります」みたいな（笑）それでアイドルとしての活動をはじめました。

でも順風満帆とはいかなくて、ほぼ一人で活動した時期もありました。さすがに1人はきつかったけど、なかなかレッスンについてこれる新メンバーが現れなくて。すぐ「できないから」って辞めちゃうんですよ。

あめ～な～とか思って（笑）ふふふ（笑）

私は私ですごく風邪をひいて1人で男の人みたいな低い声でライブ出なきゃいけない日もあって、キーを自分で編集して下げて、もうまじでごめんみんな（低音）ってMCして歌ったり…（笑）

最終的に、メンバー編成を経て同い年の4人組になったんですけど、半年くらい活動してから解散しよっかって。みんな普通に可愛いし力あるから、最適な場所で頑張ろうってなったんです。

私はこのアイドルグループは成功させたいなぁって思ってたけど、解散しますってなったときに、それなら違うことやろうって思ったんですよね。このタイミングじゃないと辞めれないだろうし、このまま何年も先まで、ずるずる引き際が分からないまま地下アイドル続けるのは格好良くないし嫌だから辞めようって思って。なんの未練もなくすっぱり辞めました。

そうそう、色んな仕事をされてたって聞きました。

髪染めてネイルして、好きなことして暮らしたいなーって思ってたんですよね。だからアイドルになる前の1番最初の会社は、おじちゃんたちに可愛がられながら、のんび～り仕事する感じでした。当時は営業事務をしていて、就職した時に思っていた通り、割と自由に働けてたんです。でもなんか物足りなさを感じてスカウトされた事務所に入ったのはこの頃でした。

レッスンとか始まると仕事を続けることが難しくなって、就職した会社を辞めて、

よくあるような貧乏生活をしてました（笑）

働こうとすると結構制約が多くなっちゃって…日曜日は4時までしか働けませんとか、この日撮影会あるから午後からしか働けませんとか。だからこの時は空いた時間はバイト三昧なフリーターでした。

元々お洋服屋さんで働きたいなーと思ってて、アパレルのお店で働いたんですけどあまり稼げなくて。それで週1～2くらいで、懐石料理屋さんで若女将として働いてました。最初はきれいなところで働きたいなくらいだったんですけど、始めてみたら主体的に動かなきゃいけなくて大変でした。そもそも私が出勤しないとホールが女将さん1人しか居ないし。

でもその女将さんがすばらしい「おもてなし」を教えてくれて。

一流の料理に触れたことって無かったから、とにかく勉強になりました。この食材は今の時期が美味しくて、この場所で取れたんだよとか。この料理にはこんな日本酒が合うよと、テイスティングもさせてくれたりして。何より、

教わった知識はぜひお客様にも伝えたり、自分の言葉でおすすめしてみてごらん

と、お客様の気持ちに寄り添ってこその接客を教えてもらいました。それで面白いんだな接客って思うようになりましたね。

でも結局続けなかったんですよ。チェーン展開してたので他の全然違う業態のお店にヘルプで行くことが増えてきて。今いるお店は好きだけど、異動があると違うかなって思って。それでいつも休憩時間に行っていたコーヒー屋さんの雰囲気に憧れて、バリスタの求人で見つけたお店に転職しました。

そこからが大変と聞きました（笑）

割とすぐに社員になったんです。店舗責任者も任されてました。

お店は大好きだし、社長の理想としてるサービスやお店の在り方も共感できる。

私が大事にしたいと思った「おもてなし」という観点においても、まさに共感できるものでした。だからその理想のために寝る暇惜しんで働いてました。

社長が徹底的に面倒をみてくれたからこそ、私って仕事でここまで頑張れるんだって自信が持てたり、でも上手くやり過ごそうとする目を背けたい自分の姿も指摘もされて、こういうところは一生かけてでも直して誠実な人間にならなきゃいけないな、とかも思いました。日々精神的にバシバシ叩かれましたね。

お店の未来を任せてくれている自覚もありましたし、社長はなんやかんや言いつつも、言うことは正しいしすごい人だと思っていて。だから頑張ってたんですけど、全然休みは無いし、お店の方針がキツくてバイトがすぐ辞めちゃって明日のシフトも組めない、みたいなのがずーっと改善されなくて、心身ともに耐えられなくなっちゃって。

逃げ出したんです、私（笑）

働きすぎてすっごい体調崩していて、全然その時の記憶が無いんですけど…。1番でっかいトランクを買って、洋服を詰め込んでもう夜逃げですよね（笑）京都に行ってカプセルホテル暮らしをしながら携帯電話の番号を全部変えました。もう戻りたくない！って思って。

そのあとは色々あって実家に帰ったけど、社長や私の仲の良かった同僚の女の子が実家に来たりして、もうああああああってなって。気持ちはあったから戻ろうかとも一瞬思ったけど、もうかなり限界だったので...なんとか納得してもらって。

きっとこれから先、普通の人だったら目を瞑ってしまうようなことも社長は徹底的に指摘してくれて、体力的にも精神的にもかなり辛かったけど、あんな経験後にも先にもできないから今は良い経験だったと思っています。

ただ高校を卒業してからずっとノンストップで働いてきて、そろそろしんどかったのもあって。実家でちょっと休んで、働き方を変えようと思って縁あってネクスウェイに来ました。

庶務業務を担当する派遣社員として働いてみて、もうすぐ1年っていうタイミングで転職も考えたんですよ。派遣っていうスタンスがちょっと寂しいなって思ってたから。1番最初の会社で働いてた時の気持ちと近いのかなあ。ホントはもっと自分で考えて働いたほうが楽しいと思えるんだろうなって。

でもそう思えたのは、前の仕事の時に

責任者っていうポジションを与えてもらえたからかな、って思ってます。

色々起こるじゃないですか、毎日。水こぼしたとか、お客さん怒らせたとか。そんな時、いつも色んなことを一瞬で考えてこなしてきたんで、その使命感とか責任の重さが頭から抜けてないんでしょうね。そんな時に、今の仕事に物足りなさを感じていた私の気持ちに気付いてくれた上司がいて。社員として働かない？と声をかけてもらって。それで社員としてネクスウェイで働くことになったんです。