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【PdM/プロダクト企画責任者】DMG森精機グループ会社の役員から、スタートアップのPdMに転身した理由と目指す世界

Profile

プロダクト本部 プロダクト企画責任者
中野 靖章 (38)

大学院卒業後、DMG 森精機株式会社へ入社。工場で現場経験を積んだ後に、ソフトウェア領域における新規事業立ち上げを担当。33歳で社内ベンチャーとなるグループ会社のCOOに就任し、経営を担う。2022年4月より現職。

DMG 森精機での下積み時代、開発・設計を目指すも異なるキャリアからスタート

― 中野さんはネクスタに入社する前、DMG 森精機にて製造業のキャリアを積まれていました。もともと製造業への関心があったのでしょうか。

そうですね。父がものづくりが好きで、物心がついた頃から自転車の修理を自分でするなど、ものづくりは身近にありました。父から、高専に行って技術を身につけることを勧められてからは、高専から大学まで機械工学を学びました。特に高専時代は、身近だったものづくりを学問として学ぶことが楽しく、勉強が好きになりました。

― 学生の頃からメカニックの道を進まれていたんですね!大学院まで進学されたとのことですが、大学院でも機械工学を研究されていたんですか?

大学、大学院でも機械工学を専攻していましたが、高専から大学まで7年間、機械工学1本だったところから、別の分野にも挑戦したいと思っていました。そこで大学4年と大学院の2年間は、ソフトウェアを学べる研究室を選びました。それまでソフトウェアはどちらかというと苦手な分野だったんですが、自分の考えがPC上で実現されていくことでだんだんソフトウェアが好きになっていきました。

また、これからの時代はソフトウェアが必要になっていくという実感も強くなっていました。そんな中、就職活動中に工作機械メーカーのDMG 森精機が「ソフトウェア開発」の求人を出しているところに興味を持ち、選考を経て入社したという流れです。

― DMG 森精機は工作機械メーカーでありながら、ソフトウェアも扱っているのですね。

いまはIoT、AI技術などソフトウェア開発に積極的に取り組んでいるのですが、私が就職している当時はメーカのイメージが強かったですね。当時の私は、DMG森精機であれば機械とソフトウェアを融合して、おもしろいものを開発できるのではないかという期待感を持っていました。

― そんなDMG 森精機で、どんな新入社員時代を過ごされていましたか。

初めは工場で、NC旋盤という工作機械の組立を行っていました。配属先は設計の部署だったんですが、機械を設計するためには現場のことを知っておく必要があるということで、研修として現場経験を積むことになりました。

― ソフトウェア開発ではなく、設計部門からスタートしたんですね。

第1希望の部署は「ソフトウェア開発」と出していましたが、私の入社年には運悪く採用がなかったんです。ですが、組立の現場は多忙ながらも充実していました。実際に機械がどのように組み立てられているか、どうすれば組み立てやすくなるか等、組立工程を身をもって学べるいい経験でした。「こう設計すれば現場でも組み立てやすくなりそうだ」「もっとこうすれば組立時間が短縮できて、生産性が上がるのでは」など、設計者目線で勉強できることもたくさんありました。この経験を活かして世界最高の工作機械の設計者になるんだ、というモチベーションで頑張っていましたね。

― 現場を知ったうえで設計できるのは大きなアドバンテージですね。どれくらい現場経験を積んだ後、設計業務に従事するようになったのでしょうか。

現場の組立経験は延べ1年半でした。その後、機械設計に携われると思っていたのですが、当時の市況感から会社として設計者でなく、機械を操作できるエンジニアの拡充が課題となり、私はそこに配属されることになりました。ですので、機械設計者にはなれませんでした。

― そうなんですか!どんな部署へ異動されたのですか。

工作機械を購入してくださったお客様や、購入検討中の企業への導入や操作の支援を行う部署です。導入後のお客様に対しては、1週間ほどかけて現場で操作説明をし、使いこなせるように支援します。

その他、機械導入前に期待する生産性・品質を担保できるかどうかを事前に確認したい企業に対して、機械の出荷前にDMG森精機の工場で立会加工を行うこともありました。立会加工後は再度お客様の工場で生産性・品質を再現するための立ち上げに出張していました。

― 当初から希望していた、設計や開発の仕事とは異なる業務のようですが……

確かにそうでした。正直そのときはなぜ?と思いました。とは言えまだ社会人なり立てということもあり、人事の決めたことなので受け入れるしかない。と気持ちを切り替えていました。

人事からは、これからは工作機械を売るだけでなく、お客様が使えるようになるための支援に力を入れる必要があるという説明を受けました。たしかに、工作機械は高額な設備投資なので、「買ったのに使えない」という状況になると大変です。その説明には納得したのですが、一方でメカ設計になるために1年間、必死に現場で頑張ってきたのだから、設計者としてその経験を活かしたいと思ったのは事実ですね。

工作機械の導入支援を通して見えてきた、日本の製造業の強さ

― 急遽、配属先が変わり臨んだ工作機械の導入支援の部署。実際に仕事を始めてみて、いかがでしたか。

結論から言うと、とても良い経験になりました。私は主に、導入検討をされている大手企業向けの立会業務に多く従事し、先方の求める品質で加工できる機械だと納得してもらうための提案を行っていました。そのためには、自分自身が工作機械を使いこなせないといけないため、実際に機械の操作も始めました。

― ここでも現場感を大事にしていたんですね。

やはり、自分が売る製品は自分で扱える必要がありますからね。車を運転できない営業から車を売られても、説得力が薄いのと同じです。

大手企業の要求は本当に厳しくて、こちらに知識や提案力を求められます。隣でストップウォッチを持ちながら機械の作業時間を計測されて、コンマ数秒の作業時間の短縮を求められることもありました。どうすれば要求水準の作業効率と品質を実現できるか、試行錯誤する日々でした。

― コンマ数秒でも早く作り、品質は落とさない。日本のものづくり、という感じですね。

本当にその通りだと思います。日本の製造業が強い理由のひとつは、この改善マインドが広く浸透しているからだと感じました。

また、海外クライアントに対する導入支援で、海外の製造現場を見る経験を通しても、日本の製造業の強さを感じました。

― 海外というと、どちらの国に行かれたのでしょうか。

中国、インド、メキシコ、アメリカに行き、3,000万円〜1億円の機械を導入していました。現地で機械の扱い方を教える中で、日本はマシンオペレーターの熟練度が非常に高いと感じました。

海外の多くの国は契約社会で、ジョブ型雇用が主流です。定められた職務を全うすることが求められ、マシンオペレーターは機械を動かすことだけに従事すればOKです。一方、日本の現場では、各オペレーターが自分の考えを持ちながら日々改善していて、機械の動かし方に熟知している方が本当に多い。指導する立場の私が、逆に教えられるような場面もありました。

― 日本と海外の現場で、そんなに違いがあるんですね。

私も、こんなに日本と海外の現場が違うとは知りませんでした。たしかな技術を持つ現場の方は格好良かったですし、子どもの頃から身近だったものづくりを、さらに好きになっていきました。この頃から、日本の製造業をもう一度盛り上げたいという想いも強くなっていきましたね。

ソフトウェアの新規事業立ち上げメンバーに抜擢、念願のソフトウェア領域へ

― 導入支援の仕事は何年くらい従事していましたか?

1年半くらいです。その後、社内でソフトウェア領域に注力するために新規部署を立ち上げることになり、その立ち上げメンバーとして異動となりました。

― 学生の頃から関心があった、ソフトウェアの部署ですね!

はい、DMG 森精機に入社して3年ほど経ち、ようやくです。導入支援の仕事も良い経験にはなりましたが、やはりソフトウェアの仕事がしたいという気持ちはずっとあったので、嬉しかったですね。

― 濃いお話を聞いていて失念していましたが、この時点でまだ入社3、4年目なんですね。まだ若手だったにも関わらず、新規事業の立ち上げに選ばれたのは何故だったと思いますか。

当時、社内で「幹部候補生研修」に参加していた1人だったことも、選んでいただいた理由だと思います。全社員の若手から5~6名が選抜され、経営学などを含む幅広い研修を受けられる仕組みでして、私も選んでいただいていました。

― 当時のDMG 森精機の中でも、優秀な若手だったんですね。

でも、あとから幹部候補生に選ばれた理由を聞いたら、「英語ができたから」というだけだったらしいですよ(笑)。たしかに、当時は英語ができる人が必要だ、というムードがありましたが……私はTOEICスコアが少し高いだけで、海外赴任するレベルでの海外経験もありませんでした。

― それでも、特別な研修を受けたり、新規事業立ち上げメンバーに選ばれる機会を掴めたのは、貴重な経験になったのでは。

それは本当にその通りです。とても良い経験になりました。研修では、東京大学の名誉教授に教えてもらうなど、貴重な機会がたくさんありました。そこでも、今後はソフトウェアが必要になっていくという話はされていましたね。実際に世の中でも、IoTやデジタル化という言葉を目にする場面が増え、トレンドになり始めた時期でした。

― そんなデジタル化の波の中、配属されたソフトウェアの新規部署では、具体的にどのような業務を行っていたのでしょうか。

自社の工作機械を使うためのソフトウェア開発の販売・マーケティングに取り組んでいました。

当時のDMG 森精機は、自社製のソフトウェアを持っていたものの、あくまで工作機械の本体がメイン。ソフトウェアは機械を売るための付属品のような位置づけでした。しかし、これからはソフトウェアでも価値提供していく必要があると会社が判断し、新たな部署を立ち上げる運びとなりました。

私が立ち上げに携わった部署では、どんなソフトウェアを開発していくか、既に持つソフトウェアをいかにリカーリング(継続的に利益を得るストック型ビジネスモデル)に繋げていくかなど、新たなビジネスモデルを作り上げる模索をしました。

その約3年後、DMG 森精機と野村総合研究所が、工作機械向けソフトウェアのベンチャー企業(テクニウム株式会社)を立ち上げます。私はその初期メンバーの一員となり、ソフトウェア販売責任者を務めることになりました。その翌年には、COOに就任しています。

― 3年目で新規事業立ち上げに携わり、その3年後で責任者、翌年にCOOということは……入社7年目でグループ会社の最高責任者になったことになります。大手企業では想像できないスピード出世では。

そんなに出世欲が強い方ではないんですが、ありがたいことに当時は異例のスピードで出世させていただきました。その背景には、長年お世話になっていた上司が、若手の私に期待を込めてアサインしてくれたこともあります。お陰様で、経営者の方などとお話する機会を多くいただけました。

社内においても、多くの方とお話する機会がありました。特に、COOになってからは、誰よりもDMG 森精機の森社長とコミュニケーションを取っていた自信があります。役員よりも多かったのではないでしょうか。DMG 森精機ほどの大企業のトップと、何度も膝を突き合わせて話す経験は財産になりました。森社長の指導には今でも感謝しています。

COOとして本気で取り組み、経験した挫折とジレンマ

― COOに就任したグループ会社のテクニウム株式会社は、ソフトウェアのベンチャー企業。役員としての業務はいかがでしたか。

新規事業の部署での経験を活かし、お客様とのデジタルコミュニケーション強化を推し進めました。経営やマーケティングなどにも携わり、最終的には、初年度の売上4億円から11億円、社員数も7人から 40人にまで会社を成長させることができました。

― ここまでお聞きする限りでは、順調にキャリアアップされてきたように思います。しかし、このCOOの経験のあとにネクスタに転職されています。どのような心境の変化があったのでしょうか。

転職を考え始めた理由は、いくつかあります。

1つは、自分自身で立てた3カ年計画における目標に対し、大幅な未達で終わってしまったことです。コロナ禍の影響はあったものの、それでも自分が一生懸命やった結果として受け止め、COOから降りようと思っていました。

グループ会社のテクニウム株式会社から、DMG 森精機に戻るという選択肢もありましたが、私は結果が出なければ辞める覚悟でやってました。ですので、戻る気は一切ありませんでした。

もう1つの理由としては、当時提供していたソフトウェアでは「工場全体の改善に貢献しづらい」というジレンマを感じ始めていたことが大きいです。

― 工場全体の改善、ですか?

はい。当時のお客様から、工場全体のデジタル化のご要望をいただくこともあったんですが、我々が強みとしていたのは、あくまで自社の工作機械が携わる領域でのデジタル化。せっかくご相談いただいたのに、力になれないことが度々あり、何度も悔しい想いをしました。

一度、大掛かりな生産スケジューラシステムの開発にチャレンジしようとしたこともあったのですが、見積金額が1億円まで膨れ上がってしまい、実現に至りませんでした。

― 1億円の見積!大きな計画だったことが伺えます。

プロジェクトが立ち上がった当初は、ようやく工場全体の改善に貢献できることが嬉しかったのを覚えています。要件のすり合わせから提案内容の検討まで、協力企業と精一杯取り組んだのですが……私達からは、非現実的な1億円の見積しか出せず、くやしかったです。

ネクスタとの出会い、ジレンマを解消できる新たな道へ

― グループ会社でさまざまな思いを抱えていた中、どのようにしてネクスタと出会ったのでしょうか。

転職エージェント会社からの紹介です。COOを降りることを考え始めてからは、実際に何社か検討し、そのなかでエージェントからネクスタの紹介を受けました。ネクスタでなら私の経歴を活かして活躍できる、というスカウトメッセージをいただいて、話だけ聞いてみることにしました。

―大手企業出身の人の中には、スタートアップを選択肢に入れることに不安を感じる人もいるかと思います。ネクスタを検討することに対して、抵抗感はなかったですか。

前職でも社内スタートアップを経験していたので、スタートアップ転職自体への抵抗感はありませんでしたね。転職するならより多様で新しい経験を積んだり、変化が激しいスタートアップで成長したりする方が、自身の市場価値が上がると思っていました。せっかくネクスタと出会ってスタートアップに転職するのだから、変化に対応できる組織力を身につけたいと考えていました。家族も私の思いを尊重し、背中を押してくれました。

― そういう点では、ネクスタは中野さんの転職の方向性に合っていたようですね。

そうだと思います。それに、代表の永原も私と同じく、製造業のシステム導入の難しさを実感したうえで、本気で製造業を変えようとしていると、面談を通して伝わってきました。ここでなら、私が前職で抱えていたジレンマを解消できると思えました。この人と見る10年後の景色はおもしろいものに違いない、ここでなら面白いことができると、素直に思えましたね。

ありがたいことに、私が今まで経験してきた製造業でのソフトウェア導入の実績も評価していただき、入社に至りました。

プロダクト企画・設計から、ドキュメント化まで― ネクスタで学んだ「仕組み化」と「高速改善」

― ネクスタに入社してから、どんな仕事をされていましたか。

プロダクト企画と機能設計を行うPdM(プロダクトマネージャー)のポジションとして入社し、PdM業務から始めました。

現在のプロダクト企画グループには、PdM業務を担当する「プロダクト企画チーム」と、カスタマーサポート業務を担当する「プロダクトサポートチーム」があります。私は双方の責任者として、マネジメントを行っています。

― 両チームの具体的な業務についても教えてください。まず、PdM業務を行うプロダクト企画チームはいかがですか。

PdMとしての主要業務は、私が入社時に従事していた、スマートFのプロダクト企画と機能設計です。これをチームとして幅を広げて推進しています。

具体的には、お客様からいただく改善要望や追加要望(社内では「バックログ」と呼んでいます)をもとに、その課題を解決する機能を開発部署と連携して作り上げていきます。プロダクトそのものの価値を高めていく業務といえます。

ネクスタは、今まで他社が実現できなかった「独自運用の多い製造業の会社が、高額なカスタマイズなしで使えるシステム」を追求しています。汎用的な機能でお客様の課題を解決するためには、深い顧客理解と課題の深堀りが不可欠です。また、どのお客様でも使いやすいよう、使いやすくわかりやすいUI/UXにする必要もあります。これらを実現するため、現場へ足を運んだり、社内ヒアリングをしたりと、顧客理解を深めるよう日々努めています。

― 次に、プロダクトサポートチームの業務についても教えてください。

プロダクトサポートチームでは、お客様からの問い合わせの対応、問い合わせ内容の集約・データベース化を進めています。まだ立ち上がったばかりの重要な部署です。

スマートFのお客様からの問い合わせ対応は、「なぜその問い合わせをしてきているのか」を深く考え、蓄積してきたナレッジでお客様の課題を解決することが重要です。また、問い合わせに回答して終わりではありません。将来的には、同じ問い合わせがきたときに社内でスムーズに答えられるようにしたり、お客様自身がトラブルシューティングできるようにしたりできる体制も目指しています。今はそのための土台作りとして、ナレッジの蓄積をしている段階です。

― 今、プロダクトサポートチームに入れば、重要な部署の立ち上げフェーズに関わることができますね。プロダクト企画グループ全体で取り組んでいることは何かありますか?

プロダクト企画グループ全体が共通で取り組んでいるのは、スマートFの使い方やノウハウの型化・ドキュメント化ですね。スマートFのプロダクト力を高めるだけでなく、お客様がスマートFを用いて現場改善するためのマニュアルを作成するようなイメージです。このドキュメント化の業務も、ネクスタの「あらゆる製造業に、改善の『教科書』を。」というミッションを実現するためには非常に重要です。

― プロダクトだけでなく、プロダクトを使いこなすためのドキュメントまで作られているんですね。

はい。これらのドキュメントは、お客様はもちろん、セールスがスマートFを提案する際にも役立ちます。そういう点では、スマートFの売上にも貢献できる業務といえます。

誰が見てもわかりやすいドキュメントを作るには、仕組み化が重要です。このプロセスの重要性は、私もネクスタで勉強になりました。これからもより効率的な仕組みを作っていくために、自分自身も成長していく必要があると感じています。

ちなみに、仕組み化やドキュメント化は、ネクスタのカルチャーでもあります。スマートFのマニュアル関連だけでなく、組織作りの仕組み化やドキュメント化も推し進めています。このドキュメント文化は、ここ最近でメンバー数が急速に増えている状況において、より重要性が増しています。今のネクスタの成長スピードを考えると、今は口頭での説明だけで成り立つ業務も、1年後には成り立たなくなるからです。新しいメンバーにも効率的に情報を共有するためには、業務の仕組み化やドキュメント化が必須になると、日々実感しています。

― 新しく入るメンバーにとっても、仕組みやドキュメントがあると安心だと思います。

はい、メンバーが活躍できる環境をどんどん作っていくためにも、組織や業務の改善は継続的に取り組んでいきます。

スマートFを圧倒的なプロダクトにする― 大きなミッションのために一丸となれる組織にしたい

― プロダクト企画グループの責任者として、今後の目標はありますか。

最も大きな目標は、スマートFを「圧倒的なプロダクト力を持つサービス」にすることですね。あらゆる製造業の課題を解決でき、「生産管理システムといえばスマートF」と思っていただけるような、圧倒的な満足度と知名度のプロダクトを目指しています。

ここでいうプロダクト力は、機能面だけではなく、導入後のサポート体制も含んでいます。導入後も安心して使ってもらえて、困ったことがあれば何でも問い合わせてもらえる、ユーザー体験としても圧倒的なプロダクトにしたいです。これらは、ネクスタのミッション「あらゆる製造業に、改善の『教科書』を。」の礎になると考えています。

プロダクト企画グループは、このビジョンの実現に向けて課題を一つずつ解決し、着実に前に進んでいけるチームにしていきたいと考えています。

― 圧倒的なプロダクト力。セールスもより自信を持って提案できるようになりそうですね。

セールスが自信を持てるだけでなく、実際に「売りやすくなる」という効果も期待できると思います。たとえば、スマートFについて説明するためのドキュメントがしっかり整備されていれば、セールスの手間は減ります。新人教育の時間も短縮できるかもしれません。何なら、充実したドキュメントがあれば、導入支援担当やプロダクトサポートの業務も効率化できます。このように、プロダクト力を高めることは、最終的にはあらゆる社内のコストを下げることに繋がります。

― プロダクト企画は、社外だけでなく、社内にも大きく貢献できる部署といえますね。

そうだと思います。しかし、プロダクト企画グループのなかでも、プロダクトサポートチームはまだ立ち上がったばかりのチームです。さらにこのチームを成長させて、プロダクトサポートだけでなく「カスタマーサクセス」までできるチームにしていくことも目指しています。

― 「カスタマーサクセス」までできるチームとは、どのようなチームでしょうか。

お客様からの問い合わせを受けるだけではなく、こちらからお客様にアプローチしてサクセスへ導いていくイメージです。

たとえば、お客様がスマートFに登録するデータ数が減っていたら「最近、データ数が少ないようですが、何かお困りではないですか?」と、こちらから連絡してみるとか。もしお客様の組織で担当変更があり、新しい担当者がスマートFに不慣れで困っているのであれば、再度スマートFの使い方を説明する時間を取るよう提案する……という具合に、こちらから積極的にお客様へアプローチしていける体制にしたいです。

― 受け身ではなく、主体的に「サクセス」へ導くチームですね!お客様にとっても、ちゃんと見てもらえているという安心感がありそうですね。

まさにそんな感じです。こういったお客様の変化に気づいてアクションできれば、スマートFの解約も防げますし、新機能の提案のチャンスも増え、売上アップに繋げることも可能になると考えています。

― カスタマーサクセスへ挑戦するため、取り組まれていることはありますか。

まずはプロダクトサポートチームで積み上げたナレッジデータをもとに、お客様がスマートFの疑問をデータベース上で検索できる体制を作ろうとしています。問い合わせ前に、お客様が自身でトラブルシューティングできる仕組みですね。その1~2年後には、bot対応も導入していく予定です。スマートFの画面の端に「何かお困りですか?」というボタンがあり、そこから問い合わせられるようなイメージです。

― まだまだプロダクト企画グループは進化し続けそうですね。ここ数年でメンバー数も大幅に増えているとのことですが、組織運営で心がけていることはありますか。 

プロダクト企画グループのメンバーには、どんな小さな課題もどんどん発信してほしいと伝えています。実際に、年次問わず各メンバーがこまめに課題を発信してくれています。その中で対応が必要な課題があれば、すみやかに手順書を作ったり、既存の手順書を更新したりします。このサイクルを毎週回せているので、グループ内で高速改善ができている実感はあります。

― 年次問わず各メンバーが課題を発信しているとのことですが、入社して間もないメンバーもどんどん発信できるように工夫されていることはありますか。世の中には、社歴が浅い人が発言しにくい組織もあるかと思うのですが。

特別なことはしていないのですが、入社初日のオリエンテーションの時点から「どんどん課題発信してね」とは伝えています。1on1ミーティングやグループミーティングでも同様に伝えていますね。あとは、ミーティングの雰囲気作りでしょうか。堅苦しい雰囲気にならないように、ミーティングの初めや途中には必ず一笑いを入れて、発言しやすくなるようにしています。

― たしかに、笑いもある穏やかな雰囲気だと、新人メンバーも意見が言いやすそうです。

プロダクト企画グループのメンバーも、そう思ってくれていると嬉しいですね。実はこのミーティングの雰囲気作りは、前職で尊敬する上司が実践していた方法なんです。ミーティングの初めから重くて固い空気だと、筋肉が硬直してしまうといいますか、意見を求められても言い出せなくなるじゃないですか。なるべく柔和な空気を作って、メンバーに何でも発信してもらいたいと思っています。

ここ最近のメンバー増員により、課題を発信してもらえる数も増えてきているので、これからは今まで以上に仕組み化・ドキュメント化にも工数を割いていこうと考えています。組織のマネジメントの必要性が高まってくるフェーズに、いよいよ来ていると感じています。これからもプロダクト企画グループは、優秀な方をどんどん迎え入れていきたいと思っているので、皆さんが活躍できる環境を整えていきたいです。

― これからも増員予定のプロダクト企画グループ。ジョインして活躍できるのはどのような人だと思いますか。

もちろん製造業の経験者の方は、現場感があるという点で活躍しやすいと思います。でも、製造業未経験の方にも、活躍できる分野はあると思っています。実際、現在プロダクトサポートチームには製造業未経験の方もいますが、入社して数ヶ月のうちから活躍してくれています。

― 製造業の経験を問わず、プロダクト企画グループで活躍できるのはどのような人でしょうか。

まず思い浮かぶのは、まじめで地道な努力ができる人、好奇心が強い人です。どんなに製造業の経験があっても、スマートFの製品理解や、スマートFのお客様に対する顧客理解は一から頑張っていくことになるので、こつこつ努力できることは大事だと思います。私も製造業経験者として入社しましたが、半年経ってやっとスマートFの全体感がわかってきた……かな?という感じでした(笑)。それほど、スマートFは深みのあるプロダクトということです。

― 最後に、中野さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

自分が導いたやり方によって、お客様が課題を解決できたときに喜びややりがいを感じられる人と、是非一緒に働きたいと思います。そのためには、お客様の困りごとを「自分事」として落とし込んで考え、相手の目線に立って考えることが必要です。プロダクト企画グループでPdMを目指したい人も、プロダクトサポートチームで顧客対応をしたい人も、このようなモチベーションがあれば活躍できると思います。

このような思いやミッションに共感していただける方、インパクトのあるプロダクト作りに興味がある方のジョインをお待ちしています!

― 貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

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