「THINK FLAT」を合言葉に採用活動をしているNP。事業においても組織においても歪みがないフラットな状態を目指しているからこそ、新卒社員の入社理由も様々です。
今回のインタビューでは、2020年3月までは内定者インターンをしていて、4月から正社員として入社した綿貫広大に話を聞きました。彼の入社理由は「『信頼をベースにした組織作り』に惹かれたから」だそう。
なぜ組織作りに惹かれたのか、NPに入ってどんなことをしたいのか。一人の新卒社員として、考えていることを語ってもらいました。
「就活用に作った考え」で動いていた就活初期
就活を始めた頃の考えは、とても漠然としていました。「将来やりたいことが出てきたときのために、力をつけられるような環境で働きたい」「業界として市場が拡大している産業での経験を積みたい」。多くの人が使っていそうな「就活の軸」で、企業を選ぼうとしていました。
一応、自己分析もしていたし、自分なりの考えも持っていたつもりでした。それまでの人生を振り返ると、何か自分が目指したいと決めたことに対して頑張ってきたという記憶がなかったんです。それよりも自分の所属している環境で、周りの期待に応えられるような成果を出せるよう努力してきました。
だから社会人になっても、まずは若いうちから裁量権がある環境に身を置きつつ、何かしらの「誰かのため」を解決したい。人生を賭けて解決したいと思える課題とか志が見つかったときのために、それができるような人になりたいと考えていました。そしてそのときに取る手段としては、伸びている業界の力を借りた方が解決を図りやすい。具体的にはIT業界かなと仮説を立てて企業を見ていました。今思えば、自分の経験や感情をしっかり見つめて出てきたわけではない、「就活用に作っていた考え」というものでした。
信頼をベースにした組織作りを、資本主義の市場でも扱えるという驚き
そんな考えが変わったのは、NPの説明会で「ティール組織」という言葉を知ってからのことでした。「信頼をベースにした組織作りをしている」と聞いて心から共感しましたし、何より、そうした組織作りが学問的にも追究されていると知って驚きました。
「NPが目指すティール型組織」を説明するスライド。社員の想い、社会への事業貢献をどちらも同等に尊重したいという願いから、ティール型組織を目指している。
それまでも信頼関係というもの自体に対しては、関心や課題感を抱いていました。学生時代の経験の中に、信頼関係を築けなかったが故の後悔があったからです。部活の仲間が自殺してしまったり、学生団体で一緒に活動していた仲間が心身を傷めてしまったり。あるいはその学生団体で、「組織に貢献できている実感がない」「自分のやりたいことを実現できない」とやめていく人が続出してしまったり。こうした出来事は、悔しく、悲しい経験として自分の中に刻まれていました。どうして話してくれなかったんだろう、不安や本音を拾い合えるような組織にするにはどうしたらいいんだろうといった問いを、心のどこかでずっと持ち続けていました。
それでもそうした問いを「将来やりたいこと」と結びつけて考えてはいませんでした。無意識のうちに、資本主義の市場で扱えるテーマではないと判断していたんでしょうね。信頼関係というのはあくまで個人と個人の関係性の話しであって、ちょっと心がけを変えたり仲間を気にかけたりすればいいんだと軽く捉えていたように思います。
「自分が本当は大事にしたいと思っていたことが、NPでも大事にされているんだ」とわかってからは、NPに対して一途になっていきました。そもそも、お互いを信頼し合える方が幸せだという価値観を持っていて、なおかつその方が事業としての成果も上がるので合理的だと考えている。話を聞けば聞くほど、NPの「信頼」に対する考え方が自分と一致していて、嬉しいとすら思ったくらいです。「ここに入って組織作りについて追究したい」という気持ちが強くなり、入社を決めました。
理解を深める中で気づいた、ティール組織を実現するための複雑な要因
内定者としてNPでインターンをしたり、ティール組織についてインプットを重ねたりする中で、組織作りへの想いは強まっていきました。それと同時に、ティール組織の実現には複雑な要因があって、一筋縄ではいかないものなんだと気付かされました。
まず、組織にいる人全員がお互いに信頼し合えなくては、本当に幸せにはなれないということです。自分が誰かと信頼関係を築けばいいというものではない。自分は、過去の経験から信頼し合うことの大切さを痛感していますが、もちろん全員が同じ経験をしているわけではありません。様々な経験、価値観を持つ人たちが集まる中で、全員が全員と信頼関係を築いていく。実際にやってみたわけではありませんが、想像しただけでも大変そうだなと思います。
加えて事業特性やビジネスモデルなど、構造上の問題もあるんだと知りました。扱う商材やサービスによって、大切にすべき価値観は変わってくる。新規顧客獲得が大切なのか、既存顧客との関係性向上が大切なのかによって、見据えるべき時間軸の長さが変わってくる。行なっているビジネスによっては、「ティール」という考え方と相性が合わないケースもあるようです。
NPで内定者インターンをしてみて、どの部署やチームにおいてもすでに一定の水準で信頼関係が築かれているんだなとわかりました。でもだからといって、そのやり方をそのまま他の組織に当てはめてうまくいくかと言ったら、おそらくそんなことはない。中長期的な視点を持つことが大切になるビジネスモデルや、それに紐付いて価値観が合う人を採用しているという側面もあるんだと思います。
そう考えていくと、「どの組織においても今すぐにティール組織を目指すべきだ」と考えるのは違うなと気づいてきました。ティール組織の考え方はどちらかといえば、成果や効率性を絶対視しないものだと思うんですよ。一方社会全体で見たら、まだまだ成果や効率性を求めている傾向にあります。実際に今の世の中でいわゆる「社会で成功している人」は、きっとちゃんと成果に対して貪欲に走ってきた。だからからこそ獲得できている立ち位置なのでしょう。そのような中で自分たちが一方的に「信頼し合える組織って大事だよね」と言ったところで、排他的に扱われて終わってしまう気がします。
経験や勉強を繰り返しながら、社会全体の意識を変えていきたい
こうしたことを踏まえて、社会全体の意識を少しずつ変えていくような動きができたらいいなと漠然と思うようになってきました。確かに今の社会が持っている価値観にも合理性があるのかもしれませんが、無思考でその価値観が絶対視されている側面があることも否めません。成果を出すための人であり組織であるという考え方、お金稼ぎや組織を拡大させるための事業であるという考え方。それで本当にみんなが幸せになれているのかと、まずは世の中に問いかけていきたいですね。「人生を賭けて追究したい志」が見つかったとまで言えるかどうかはわからないですが、それにかなり近いんじゃないかという手応えはあります。
4月からはインターンとしてではなく、正社員としてNPに入社をしました。事業推進や組織作りにコミットする中でティール組織のエッセンスを掴みつつ、引き続き理想の組織や社会の在り方や広め方について模索していきたいと考えています。
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