【挑戦者側から、社会をおもしろくする。】
地方学生向け就活支援サービス「ジョーカツ」を展開するナイモノ。連載3回目は、「実は緻密に練り上げられたビジネスモデル……!?」 その秘密をここだけで公開!
第1回の「ジョーカツの目指す姿」、第2回の「ジョーカツ誕生から爆発の経緯」をお伝えした記事に続いて、ビジネス&経営視点からのジョーカツのビジネスモデルの特徴や今後の事業展開について、代表の霜田が語ります!!
「競合はいない」と語れる理由
正直に言ってしまえば、現段階で「競合はいない」と思っています。
この2年半の新型コロナ禍で多くの企業が打撃を受けましたが、僕らはそれを乗り越えたからこそ、そう考えています。むしろこの期間があったことで、もともと僕たちが持っていた強みや特徴が強化されて、さらに確信がもてるようになりました。
というのも、ジョーカツはやっぱり「シェアハウス」が、とても重要なファクターなんです。
シェアハウスがここまで優位性をもつに至った3つの要素と、シェアハウスがあるからこその今後の展開につながる3つの要素。あまり手の内を明かしすぎるのも良くないと思うのですが、これから一緒にビジネスを育てていく方々には知っておいてほしいので、お話ししますね(笑)
地方学生と首都圏を「リアル」でつなぐ
まずは何より、ジョーカツは「挑戦する地方の学生」の上京のハードルを下げ、彼らが抱えるハンデをなくし、徹底的に伴走してサポートするために生まれたサービスです。
世の中には常に新しい成長企業が生まれているにもかかわらず、学生たちはいわゆる人気企業や有名企業に集中するため、そうした企業は首都圏のマーケットでは採用力競争にさらされます。
一方で、前回の記事でもお話ししたように、ひとつの企業が地方学生をターゲットにして採用活動をしようとすれば、時間的にも金銭的にも多くのアプローチコストがかかってしまう。
ジョーカツは、そのギャップを解決する存在であること。
しかも、それをリアルな場で実現できるのが大きな強みだと考えています。
単に地方の学生と首都圏の企業をマッチングするだけなら、今のネット環境があればできることはいくらでもあります。しかし、それこそ「人生の選択」にかかわる部分では、どうしても直接会って感じるからこそ判断できることも、たくさんあります。
ただネットを活用して、地方の学生を東京に送り込むような形のビジネスでは、彼らの上京コストそのものは解決できない。シェアハウスという基点をもつことで、地方学生と首都圏の企業の両者が出逢うハードルを下げられるんです。
学生に「伴走し続ける」スタンス
そしてもうひとつ、「シェアハウスをもつ」という選択は、僕たちの「徹底的に学生に寄り添う」という姿勢の象徴でもあります。
就活のタイミングだけではなく、学生を「ビジネスに利用する」という立場でもない。できるかぎり彼らの今後の人生や日々の生活にまで目を向けた上で、正しいビジネスとして成長していきたいんです。
東京を含む首都圏で生活していくということ、そんな環境の中で寄り添える状況や環境をつくること。それこそジョーカツに参加した学生たち同士は、就活が終わった後や入社した後にもお互いに連絡をとりあって、仕事や生活の相談をしている話も聞きます。CAの中には、彼らが就職してからも連絡を取り合っている者もいます。
生活拠点としてのシェアハウスがあることで、そうした「日常や生活」を前提としたかかわりが生まれる、という側面もあると考えています。そこまで深くかかわろうとするから、生まれる信用もある。
ただESの書き方や就活のテクニックを教えて終わり、という関係性でもなく、就活がうまくいけばOKというお互いの利害関係だけでもなく、生活や日常と結びついた関係を築いていけるように「伴走し続ける」という意味で、シェアハウスは大きな意味があるんです。
2年半の新型コロナ禍が与えた影響
そんな2つを前提として、この2年半の新型コロナによる社会の変化があったからこそ、改めてジョーカツの特徴が際立ってきた部分もあります。
ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、端的に言えば「正しいビジネスは生き残る」と改めて実感しています。
新型コロナの前は、地方学生向けの就活支援サービスはいくつもありました。その中には、シェアハウスとは言うものの3段ベッドがいくつも並んだ部屋だったり、古くて茶色いタイル張りの風呂だったり、中には学生からお金をとったりと、「本当に学生のことを考えてるのかな?」と疑問に感じるような内容のものもありました。
しかし、この2年半を経て、そうした会社のほとんどが影響力を失っているように見えます。
さらには新型コロナ禍の中で、「コミュニケーション」の意味が変わってきたこともあります。
単に情報やテクニックという意味での就活支援だけではなく、ちゃんと寄り添うことや本当の意味で「相談にのる」ことの価値が高まったんじゃないかと思うんです。
オンラインでもリアルでも、そこに徹底的に向き合ってきたことが、今につながっています。
もちろん正直にいえば、この2年半で「これはヤバい……!」と思ったことは何度もあったし、本当に病みそうにもなりました(笑) でも、その厳しさの中でも2年連続で前年比170%、190%と成長できた。だから、「競合はいない」と言えるんです。
こうした「地方学生・伴走のスタンス・新型コロナでの変化」の土台があることで、これからは更に攻めていくフェーズに立っています。
「10%」でちょうどいい。
ジョーカツを始めて5年目になって、今後を考えていくときに「10%」という数字がポイントです。
ここまでサービスが拡大した現状では、ジョーカツを利用してくれる学生のうち10人中1人、100人のうち10人がジョーカツを通して就職先を選択してくれれば、充分に人材ビジネスとして成り立つ状況になりました。
10%だからといって、ビジネスのために10人のうち1人だけに注力する、という話ではありません。あくまでも全員に寄り添い続けた結果が10%、でいいわけです。じゃあ、それで他の90%の学生とのかかわりがムダになるかといったら、まったくムダになんてならないんですよね。
僕らは絶対的に学生たち寄り添って、彼らが良い人生が送れるように向き合う。機械的にマニュアルに沿って対応した10人の学生と、彼らの人生にまで踏み込んでかかわった10人の学生では関係性が違います。
そこまで踏み込むからこそ、ジョーカツやCAのファンになってくれる学生がいたらうれしいし、「悩んだときには、ジョーカツ」だと思ってくれることにつながるかもしれない。CA側としても、彼女ら彼らの中にもさまざまな人生観や価値観が蓄積されるわけで、数字には表れない信用やノウハウがストックされていきます。
僕は、この「10%」という数字がとてもちょうど良いと考えていて、むちゃくちゃ好きなんです。
「信用し合えるつながり」が生み出す価値
そうやってジョーカツを通して「正しいビジネス・正しい成長」を目指してきたことで、今のナイモノには「信用し合えるつながり」を生み出せるし、それが大きなアドバンテージだと考えています。
ビジネス的な言い方をすれば、ジョーカツを立ち上げたときから僕は「アプローチできる学生数が多い会社が優位に立てる」と考えていました。
学生の絶対数が確実に減っていく現実を踏まえて、他の企業が直接アプローチしにくい層とのつながりをもつことで、マーケットの流れを握ることができる。
たとえば、人材エージェントビジネスをしている企業のうち、数十名規模の会社の多くは大手人材企業にお金を払って、彼らのデータベースの中から求職者にアプローチをしているのが現状です。ただ、それでは成長に限界がある。
逆に言えば、僕たちが直接アプローチできる学生とのつながりを多くもつことができれば、成長のカギを握れる。そしてもちろん、その規模が大きいほど、関係性が密接であるほど「学生と、参画企業と、ナイモノ」の3者にとって価値が生み出しやすくなります。
さらには、数人のCAが数十人の学生に対して数十社の企業を紹介する場合と、それぞれが10倍100倍になった場合では、掛け合わせの選択肢の数は「ケタ違い」どころではない差が生まれるわけです。
そして僕たちは、今まさにそのフェーズにあります。
新しい環境が成長を促進する
ここまでにお伝えしたすべての要素がシェアハウスを基点にして、「挑戦者の、一番の応援者になる。」という目的につながっています。
地方学生に伴走するスタンスで新型コロナ禍を乗り越え、信用し合えるつながりをもった学生の10%の就活支援ができればビジネスは成立する。この体制が整った先には、さらなる可能性が広がっています。
かかわった学生たちの人生の節目で役に立てるように、その後もサポートをしていける環境を生み出しつつ、そもそもの基点となる「ライフラインとなりうる拠点」の拡充にも注力していきたいと考えています。
たとえば既に、住宅情報を提供するサービスを展開し始めています。
地方から首都圏に上京する学生を対象に、彼らの新生活を支援するために独自のネットワークを活用して、それぞれに適した住居を提案していこうと考えています。
他にも、各種SNSサービスのアカウントをもち、学生たちにもっと多様な就活情報を伝えていくため基盤も着々と拡大しています。
さらに、現状ではシェアハウスだけですが、今後は就活中の地方学生たちが上京したときに、より快適にすごせる「就活のランドマーク」と言えるような拠点をつくっていきたいんです。
というのも、学生が深夜バスで東京駅や新宿駅に着くのは、だいたいが早朝。それから面接の時間まで、早くても4時間、場合によっては6~8時間になることもあります。そんな彼らが面接までの時間を快適にすごせるように、シャワーやWi-Fi、仮眠室やPC・タブレットなどを備えた場所をつくる構想もあって、早い段階で実現していこうとしています。
もちろんそれ以外にも、複数の事業展開の可能性を考えていますし、そのすべてが「挑戦者を応援する」という1点に集約されるものです。
僕がいつも考えているのは、やっぱり人って「移動や新しい環境に飛び込んだときに、急激に成長する」ということなんです。だから、そういう環境をつくること、そこに飛び込もうとしている人たちを応援するために、正しく成長をしていける事業を生み出していきたいと考えています。
ーー代表インタビュー過去記事はこちらからーー
▶代表インタビュー【#1】
▶代表インタビュー【#2】
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