ディレクター・エンジニア・デザイナーの専門スキルを持つ社員が、職能に関わらず複数のチームに所属する決まりになっているNONAME Produce(以下、n2p)。
弊社では、目標達成に向けたフレームワーク「OKR※」を取り入れたことをきっかけに、チームビルディングが前進しました。弊社が現体制になった経緯や、チーム内の個々人が活躍するためのスキルの磨き方、キャリアの積み方について、社員と代表・村上烈が対談しました。
※目標設定や目標管理における手法の一つ。Objectives(目標)とKey Results(主要な成果)を設定することで、社員全員が一丸となって同じ目標を目指すものです。
村上烈(n2p代表)早稲田大学にてデザインやWEB・イベントに関して独学で学び、在学中に起業。会社を経営し、現在18年目。
大村在裕(ディレクター兼コーポレートチームのリーダー)n2pでディレクターを勤めて9年目。主にキャンペーンサイト、コーポレートサイト制作を担当することが多く、Webキャンペーンプラットフォーム「Aha!」の弊社事例をはじめ、キャンペーン系を多数担っている。
入社2年目の社員がリーダーを務める?
⸺本日の対談、よろしくお願いいたします。n2pの社内ではOKR制度を採用していますが、中でもクリエイティブな専門スキルを磨く社員それぞれが「マーケティング」、「コーポレート」そして「開発」から、どれか2チームに所属する形態を取っています。この仕組みは、一体どんな経緯で取り入れられたのでしょうか?
村上: OKRは、確か2019年に導入しました。ある程度社内人数が増えるまでは、とにかく「 案件が来たらこなす」といった形で進めていたのが、組織成長、組織形成みたいなフェーズに入ったタイミングで社員の教育や成長を考えたのがきっかけでしたね。
大村: そうですね。当初はお金についての考え方とか、会社が信頼を受けるためには何をすべきなのかとか、その場の課題が議題に上がっていた印象です。
その結果、今のような経営課題を社内で共有して、全員が同じ目標を持って進んでいく形式になっていきました。そのチャレンジは人によって合う合わないがあると思うんですけれども、自分の場合はそのほうがやりがいがあるのでいいなと思っています。
村上: 自分に入ってくる情報量とか意思決定の量も含めて、リーダーになるとその成長率が全く違ってくるんです。 その辺りをみんなにも理解してもらえたらいいかな。
ここ2年くらいは、2年目社員に「若手枠」としてリーダーを任せていますが、やるべきことがすごく多くなるとかも含めて負荷が違いますね。若手枠リーダーには自分がメンターについて、ある程度軸がブレないように配慮しています。リーダー同士で課題を解決する「リーダー会」も開いているね。
大村: 部署ごとに業務が整理されていて、自分の部署の仕事1本を極めるといった形式の会社さんもあるかと思うのですが、うちの場合は、他の部署のことはわからんみたいな感じではなくて、全員で主体的に関わっていこうっていうところがありますよね。
村上: リーダーは把握できていても、個々の仕事だけやっていると「結局他のチームメンバーが何をやってんのかよくわかんない」みたいな状況になりがちですよね。
それを回避するために、できる限りは定例で全チーム報告会を開いて、情報の再配布をしていますね。自分のチームだけでやってると、よかった事例なども気づかないものだし。
採用や広報までタッチする。専門職のキャリアづくり
大村: 特に弊社の場合、ディレクター、エンジニア、デザイナー専門職についてスキルを習得していくと思うんですけど、専門的な職業能力は伸ばし続けながら、他のスキルも身につけられますよね。
例えば自分もコーポレートチームリーダーをやっていますけれども、採用、広報、そして同時にマーケティングなど、必然と別の課題にも触れざるを得なくなります。
村上: 特にコーポレートは経営課題と人事が両方入るので、見える範囲が広くなるね。
大村: そうですね。デザイナー、ディレクター、 エンジニアもそうですけれども、早ければ3〜4年とかで頭打ちになってしまうこともあるかと思います。特に市場も大きく変わり、AI技術が台頭してきている背景もあると思いますが。
村上:やっぱりキャリアを作る上で、 何かに特化した人の方がわかりやすく採用されたりとか、ピックアップしやすいとは思うんだけど、実際は物事を広く見られる人の方が大事だと思っています。
一つのスキルが少し高めで、他のものも低くできるっていう方が市場で売りやすいのは絶対にあると思う。
大村: 専門職って、結局は自分が持ってるスキルで解決法を提供するイメージがあって。
OKRでやっていることは、そもそもどうしてそういった課題が生まれるのかとか、マーケティング上の課題はないのかとか。広く物事を捉えられるようになるな、と感じます。
村上: うんうん。自分の場合はやりたいこととかがあんまりないタイプなので、 色々できた方が楽しいじゃんっていう風なのが、そもそもの性格としてあるんだろうな。
大村: 自分は今、ディレクターをやりつつ、同時にコーポレートのリーダーとしてのマネジメントの役割も担うなどいろんな立場で物事を考えることも増えまして。
例えるとロールプレイングゲームで複数のキャラクターを演じているというか、モードの使い分けみたいなところも、すごく勉強になっています。
自分のスキルを、分散投資していく
村上: そこに関しては得意・不得意あるんだけどね。集中できる環境が好きかどうかみたいなところもあるんじゃないですかね。
大村: つまり、「スキル特化型」でいくのか、「いろんなことができるプレイヤー」になるのか、どう自分に価値付けするかですよね。
村上: そうそう、成果を出さなきゃいけないんだよ。どっかで。どっちにせよ。だけど、その成果が、1個大きいのがあるのか、 10個小さいのがあるのかっていう話。
大村: そうですね。ただ、やはり、先ほども言ったんですが、結構特化型の場合、技術の台頭とかによって価値が揺らいでくると、難しさも出てきますよね。
村上: 価値がいきなり下がっちゃう時はあるよね。
たとえば、どこに投資するかが「デザイン」だったら、こういう風なデザインのスキルに特化したら今後価値が下がんないよねとか、そういう考え方もあるわけです。色々分散して投資していった方が、自分の価値を作りやすいのではないかな。
でもやっぱり「大当たり!」はないわけですよ。価値が下がっちゃうところもあるので、どう捉えていくかですよね。
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