もっと泥臭く働きたい、そんな想いが大きくなり、転職へ。
——昨年4月からマイベストで働かれていますが、それ以前はどのようなことをしていたのでしょうか?
新卒で楽天グループ株式会社に入社し、そちらで働いていました。楽天に入社を決めたのは、グローバルな環境であり、ベンチャー企業と謳っているところ、そこで働く人に魅力を感じられたためです。入社して半年間はひたすら研修でした。その中にはプログラミングを習得するための研修も行われました。
半年間の研修を終えたタイミングで、楽天モバイルに配属され、ようやく仕事が始まりました。楽天にいた残りの半年間で従事していたのが、基地局のデータ分析。電波効率を最適化するためにはどうしたらいいのかを分析し続けるという仕事ですね。私の部署で分析をした結果を営業部隊の方が使って基地局営業にくいといった流れでした。
——そこから楽天を退職し、転職活動にまで至った背景をお伺いしたいです。
まず第一に、私が働いていた楽天モバイルの部署で培われるスキルは、専門性が高すぎたことですね。専門性が高いが故に、他のフィールドでのキャリアが描きにくい。またポジションの特性上、新しいことにガンガン挑戦していくというよりはどちらかというと失敗をしないように如何に進めていくかが重要視されていました。ですので社会人として初歩的な失敗やチャレンジができない当時の環境に危機感を覚えたんです。
私自身、「努力しないと這い上がっていけない」ような泥臭い環境を求めていたので、思い切って環境を変えてみようと思い、転職活動を始めたという流れですね。
もう一つ理由があるとするなら、これはマイベストの入社理由にもなりますが、マイベストで働くことにとても魅力を感じたからです。情報の取捨選択に課題感を感じている時に、それを体現してるマイベストのサービスが魅力的だったこと、さらにwebディレクターというポジションに惹かれたこともあって、2020年3月に楽天を退社し、4月からマイベストで働くことになりました。
——マイベストに入社されて、もうすぐ1年が経過しようとしています。これまでにしてきたことと、現在行っていることを教えてください。
入社して最初の3ヶ月間はコンテンツ制作部で、mybestに掲載されるコンテンツを作っていました。mybestの理想状態から考えると「商品のデータベースを作っていた」と言い換えられますね。この時の現場にたった経験が、現在にとても役立っていると感じています。3ヶ月が経過したタイミングでプロダクト開発部に異動し、ディレクター職に従事しています。
現在は、私を含めて4人(エンジニア×3人、デザイナー×1人)で構成されるミッションのPdMをしています。毎日生まれてくる新しいコンテンツを、いかにしてシステムによってスムーズに無駄なく誕生させることができるのか。
まさにオペレーショナル・エクセレンスを高めることが、私のチームのミッションです。理想としているのは、仮にライティングを強みとしない人がジョインしたとしても、専門的な知識だけを持って簡単にコンテンツを作ることができる状態です。具体的に実施した内容を別の記事にしているのでそちらを読むとよりイメージが湧くかもしれません。
オペレーション改善チームが具体的に実施した内容が詳細に記載されている記事です!
コンテンツ制作のオペレーショナル・エクセレンスを高めるには、現場の本質的なニーズを捉えることと、機能改善のフローを回すスピードが命。
——「ライティングを強みとしない人でも」というのは難易度が高く感じます、、、具体的にはどのような業務をしているのでしょうか?
業務内容で言えば、マイベストが開発したコンテンツ制作管理画面の機能を改善することです。バックグランドの異なるコンテンツ制作担当がコンテンツ制作の本質的な部分に集中できるよう、システムでサポートしています。
機能改善のためのフローは、大きく分けて5ステップ。現状を可視化し課題を特定する。理想を考え、理想の現状のギャップから解決策を出し、優先度を決めて施策を打ち、施策の効果をみて改善していきます。
この5つのステップをひたすら繰り返して、コンテンツ制作画面を使いやすいものへと改善しています。こう列挙してみると、やはり私の仕事の核となっているのはユーザーの潜在的なニーズを探ることにあります。
「機能改善」と銘打ってばかりいると、PCと向き合ってばかりの職種だと思われますが、何よりも目の前にいる人と向き合うことで仕事が成り立つ職種なんですよね。
——他のディレクター職の方との業務内容の違いを教えてください。
私がしている仕事はコンテンツ制作担当のUIを最適化することなんですが、マイベストの中にはmybestというサービスを利用してくださるユーザーのUIを最適化しているディレクターもいます。ユーザーのUI開発は外向き、コンテンツ制作担当のUI開発は内向きの仕事である、という認識でお間違い無いです。
内向きと外向きには、どちらもやりやすさがあるなと思っていて。内向きのやりやすさで言ったら、利用している人(ここではコンテンツ制作)の声が直接聞こえることなんですよね。でも反対に、関係性が近いが故に本音が言いづらいケースも発生しがちです。
さらに、コンテンツ制作担当に直接ヒアリングをしたとしても、コンテンツ制作担当自身が"何を求めているのか"を認識していないケースの方が多いと思っています。使いにくいなとは感じるけれど、何が欲しいかはわからない、みたいな。
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。」
自動車を普及させたヘンリー・フォードの有名な言葉がありますが、まさにそれだと思っています。
内向きで話が聞きやすいという利点は確かにありますが、いかに本音や潜在的なニーズを引き出すかが私の仕事の肝なので、色々な角度からヒアリングに臨んでいます。
——前職ではデータ分析をしていた熊谷さんが、経験がない状態でもディレクター職ができている理由はなんでしょうか?
1番は、チームでプロジェクトを進める文化があることですよね。自分が仮にできなかったとしても、それを周りがサポートしてくれることでチームが成り立っています。反対に、私もチームメンバーが困っていることがあればサポートして、お互いに支え合えるような関係性を構築しています。
また、マイベストのディレクターって、やることの範囲がすごく広いんですよ。言ってしまえば、必要な業務はなんでも実行していきます。学びながらプロジェクトが進むことが多いです。実際に手を動かしながらプロジェクトが進んでいくので、その分学びのスピードが早いのかなと。
仕事に「遊び心」を持ち、イノベーティブなアイデアと組織にインパクトを。
——仕事へのこだわりはありますか?
仕事へのこだわりというほどでもありませんが、「絶対に世の中のためになることをしてやる」という想いを持って働いています。それは社会に対してもそうですし、マイベストという会社に対してもそう。
これまでの人生の中で、たくさんのことを周りから得てきたからこそ、世の中のために、会社のために頑張りたいという意識はありますね。
そういった想いを持って1年間走り切って、私が担当しているコンテンツ制作管理画面のUI/UX改善では、半年間で20pt(120%)も満足度を向上させることができました。嬉しい結果でもある反面、ここで私が満足してはいけないとも思っているので、2021年はさらに勝負をかけていきたいですね。
——マイベストをどうしていきたいと考えていますか?
「モノ選び」という単語が出てきたときに、「mybest」と誰しもが想起できるような、指名使いされるようなサービスを目指していきたいです。その状態が理想だとしたら、まだまだアップデートできる部分もあるはずなので、今は10%くらいですかね。理想状態も状況に応じて変わってくると思うので、常に理想は何かを考えながら進んでいきたいです。
それともう一つ、これはマイベストというより私に関してなんですが、現状と完全に切り離した理想をきちんと考えてそこから逆算し、今何ができるのかを考えるようにしたいですね。というのもこれまでは、既存の延長上で考えることの方が多かった気がするので。
ただ、今後のサービスとしてのmybestのフェーズにおいては、これまでのやり方では通用しなくなると考えています。だからこそ、現状と切り離した理想状態と現在の差分を紐解いていき、今するべきアクションを明確にできる「逆算型」の課題解決に挑戦していきたいです。理想の状態はどうあるべきかを模索し続けて行きたいと考えています。マクドナルドがどの店舗も寸分の無駄もないオペレーションを確立しているように、私が関わる仕事に関してもまだまだできることがあると信じています。
——キャリアについては、どのようにお考えでしょう?
今は圧倒的に経験不足で、課題解決をするにしても、引き出しがなくて、いいアイディアを生み出すことに苦戦しがちです。また、それに加えて程よく「遊び心」を持って取り組みたい考えています。そうすることで、視点が変わったり、視野が狭まったチームに良い風を吹かせることができよりイノベーティブなアイデアが生まれるのではと。
この1年間の中で引き出しの数を増やし、私自身が成長することで、マイベストという組織に対して少しでもいい影響を与えられたらと考えています。
熊谷がディレクションに携わったmybestの機能に関するインタビューはこちら