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絵が描けない時期があった。デザイナーとしての葛藤。

こんにちは!メディア工房採用担当です!今回はデザイナーとして躍中のタケシさんにインタビューした記事をお届けいたします。クリエイティブな仕事について詳しく知りたい方必見です。

<社員インタビュー>

こんにちは、RINAです。
今回はデザイナーとして活躍しているタケシさんにインタビューしてきました。

スランプもあり、2年ほど絵が描けない時期があったとのこと。NYに行って気づいたデザインとアートの違い。スランプがあったからこそ、今デザイナーとして期待され活躍しているタケシさんの記事を読んで、何かのきっかけになれば嬉しいです。

デザイナーとして活躍していた広告代理店での経験

広告代理店で3年間働いていたとのことですが、どういったデザインを担当していたのですか。

広告代理店では、大手の下請けで主にタバコの広告や販売促進用のPOPの制作をしていました。大手の下請けなので広告にかける予算がだいぶあり、時間をかけて良いものを作っていくため1つの広告に5ヶ月くらいかけるんです。

そんな時間をかけて制作するんですか!詳しくお仕事内容をお聞きしてもいいですか。

まず、新しいタバコがでたからどんな絵にするかを大手会社と話してアイディアとかを簡単なラフスケッチで描いて提案するんです。例えば中年のジェントルマンに向けたタバコだったら、「中年のかっこいい大人がダイナミックな景色で優雅にウィスキーと一緒にタバコを吸っている絵はどうですか?」とプレゼンして、最終的に3つくらいに絞ってラフスケッチをしっかり仕上げていきます。そしてOKがでたら撮影に入ります。1つ基本のかたちができたら、多様なサイズのポスターやバナーに落とし込んでいきます。その後、印刷会社にまわして色味とかをチェックするって感じです。

1つの広告が完成するのにたくさんの工程があってものすごく時間がかかるのですね。

落ち着いてきたら次の仕事も平行して作業をするんですけど、自分の作業をしながら誰かのフォローをするのが当たり前でした。あとは、金曜の夜に「月曜までにデザインの資料が欲しい」っていう無理なお願いもあったりするので、いつ泊まってもいいように着替えを持って行くこともありました。

そんな広告代理店で学びになったことはありましたか。

デザインって必ずクライアントとその先にユーザーがいる仕事なので丁寧な仕事を心がけるようにしていました。人に伝える仕事なので言葉を選んだり、文字を下手でも丁寧に書いたり、デザイン以外もどうやったら伝わるか考えながらやっていましたね。

あとは、整理整頓。紙媒体を扱っているので、デスク周りがごちゃごちゃしていると大事な資料がどっかいってしまうこともあって。「今やっている仕事しか机の上に置かない」というルールを決めてやっていました。デスクトップにも今動いているプロジェクトのフォルダーしか出さないよう徹底していました。

【NYでアートの世界に触れて感じたこと】

広告代理店でお忙しくお仕事をしていたと思うのですが辞めるきかっけは何だったのですか。

デザインを突き詰めていく中で、葛藤みたいなのがでてきたんです。デザイナーは絵を描く仕事ってイメージがあると思うんですけど、デザイナーって結構絵を描かないんですよね(笑)。絵を描くのはイラストレーターっていう漫画家に近い職業の方たちが割と専門的にやっているので。デザイナーで絵が好きな人は多いんですけど、デザインとアートは全く別物なんです。その中で僕は割と絵を描くのが好きなので「僕がやりたいのはデザインじゃなくてアートだ!」って思うようになって、デザインとアートは何が違うのか勉強しにNYに半年行きました。

NYへ行って何か発見はありましたか。

絵で勝負したい人がいっぱい集まっているところなので、実際に絵一本で勝負してる人とか、人生をかけてやっている人を目の当たりにしてデザインとアートって根本的に違うし、絵を描くことをなめていたなと感じました。

絵で勝負している人って作品を売る以外にも夜のクラブでアートパフォーマンスをやっていたりするので、「何か学ぼう、盗もう」と自分から話しにいくようにしました。「俺、絵描いてるんだけど、君はどうやって収入を得てるの?」とか「友達になってよ!」とかって(笑)。そうやって友達になった人の家に遊びに行ってみると、やっぱり自宅でもストイックに絵の練習をしているんですよ。それまで僕は“保険がある人生”しか考えていなかったので、その時点で「絵だけで仕事をするってことに向いてなかったんだな」と痛感しました。

絵で勝負している人って意志が強いんでしょうね。タケシさんもNYでは絵を描いたのですか。

路上で絵を描いて売ったり、ライブペインティングショーに出ていました。ライブペインティングショーはクラブイベントの中の1つのイベントとして人前で絵を描くんです。そのショーで1番ウケたのはボディーペインティングといって、裸の女性に絵を描くっていうものでした。日本では中々できないことだと思いますが、NYでは観客もアートとして観ているのでとても盛り上がりました。

【アートの奥深さを知って感じた大きな壁】

NYでショーに出たりいろんな刺激を受けてきたんですね!日本に帰ってきてからは自分の中で大きな変化はありましたか。

日本に帰ってきてからはショックが大きすぎて、スランプに陥って全く絵が描けなくなってしまいましたね。「本気でやらないと絵って描いちゃいけないんだ」って。中途半端な気持ちで絵を描いても良いものができないと思ってしまって、2年くらい絵を描かなかったですね。

スランプから抜け出したきっかけは何だったのですか。

広告代理店で働く前に印刷会社で2年間働いていた時期があったんです。その会社の社長とは仕事を辞めてからも繋がりがあって、新しい事業を立ち上げたからデザイナーとして一緒にやらないかと声をかけてもらったのがきっかけですかね。

デザイナーとしてまた活躍するきっかけになるのですね。どんなお仕事を任されていたのですか。

ECサイトにショップを開いて、オリジナルアパレルブランドを立ち上げていました。そこで若い男性向けのストリートファッションTシャツを販売していました。始めた当初は1日2枚とかしか売れなかったんですけど、バナーをもっと工夫してみようかとか、雑誌に載せてみようかとか戦略を考えながらやっていました。戦略的にセールをやったんです。そしたら1分くらいで約2000枚売れてしまいびっくりしました。そこでインターネットってすごい可能性があるんだって感じたんです。

軌道に乗って社長にも信頼してもらったんですけど、経営者の考えと僕の考えが合わず仕事はしたいけど会社にはいきたくないという事でそこからフリーランスとしての活動が始まりました。

フリーランスとしてどこからお仕事をいただいていたのですか。

フリーランスになってからは友人経由や以前働いていた広告代理店、前職の印刷会社からお仕事をいただく感じでした。でも人生で一番お金がなかったですね。フリーランスとして活躍できる人って営業が上手なんですよ。僕は営業が苦手だったのでフリーランスって向いてなかったんですよね。

ちょうどその頃、当時付き合っていた彼女との結婚を考え始めたんですが、「このままだと生活も安定もしないし、彼女のご両親にも挨拶に行けないな」と思ったんです。なので、安定して働ける会社でデザイナーの仕事をしようと思い、メディア工房に入りました。

【メディア工房のデザイナーとして働くメリット・デメリット】

デザイン会社と比べた時にメディア工房のデザイナーとしてのメリットとデメリットはありますか。

働いていたから実感を持って分かるんですけど、やっぱり広告代理店は過酷なんですよ。お客様が絶対いる仕事なので、自分で時間をコントロールしにくいんですよね。その点を考えるとメディア工房は自社コンテンツなので自分で時間を決めやすいのでメリットに感じています。あとは、アートディレクターがメディア工房には存在しないことです。明確に言えば単に役職がないだけで、言ってしまえばメディア工房のデザイナーはデザイナーでもあり、アートディレクターでもあるんです。広告代理店やデザイン制作会社にはアートディレクターがいてその指示に従って制作していくのですが、メディア工房はそのプロダクトのデザインをデザイナー1人に全て任せてもらえるので、自由にデザインができます。

ただ、迷った時に全部自分で判断しないといけないのがメディア工房のデメリットにもなるのかな。アートディレクターがいないことで自由にデザインが考えられていいと思う人もいれば指示があった方がやりやすいと思う人もいるでしょう。でも上長がアイディアをくれたりフォローをしっかりしてくれる環境でもあります。なのでアートディレクターがいないと言うことは、個人的にはデメリットとしてあまり捉えてないですね。

デザイナーでもありアートディレクターでもある環境で迷った時に支えてくれる上長がいるって素晴らしいですね。デザイナーとして働くうえでデザイン以外に必要なスキルはありますか。

デザインは人のために作るものなので、コミュニケーション能力が必要だと感じています。

デザインって誰かの要望があって成り立つので、誰かと話さないと絶対に案件が進まないんですよ。僕は、この人の頭の中で思い描いている絵ってどういうものなのかを話しながら汲み取ってその場でちょっと描いてみせたりとかします。そこで話が盛り上がれば自分のアイディアとか広げたりできるので話術は重要かなと思います。たくさんの方と話す機会があるので、案件が終わった後にも「次もまたこの人と仕事したいな」って思わせたいですよね。なのでデザインスキルを上げるのは重要だけれども、人と話すことも重要だと思います。

その人の思い描いているデザインを汲み取っていくにはしっかりコミュニケーションをとることが重要なのですね。でもやっぱりイメージを汲み取るのは難しそうですね。

僕は打ち合わせ後に「ちょっと今度絵にしますね」って伝えて、後日カンプ(ビジュアルイメージ)を持っていくんです。そこで「うわ!すごい!思っていたデザインはこれですよ!」って言われた時がすごく嬉しくて、ちゃんと汲み取れたんだなと感じます。

僕は元々絵を描くことが好きなので、イラストがメインのビジュアルも提案していました。でもやっぱイラストは得意不得意がありますね(笑)。僕は割とポップな絵が得意でリアルな絵は苦手なんです。


では、今でもプライベートで絵を描くことがあるのですか。

アクリル絵の具で描いた絵を部屋に飾っています!嬉しいとか、悲しいとか、感情を抽象的なかたちで表現するのが好きで。

<実際にタケシさんが描いた作品です!>

デザインとアートの差って難しいですよね。デザインは狙いがあってそれに向けて作るものなので、自分の中から湧いて出てくるものがアートかなって僕は思っています。趣味なので仕事にはしていませんけど!

とても迫力があって素敵な作品ですね!こういう作品が部屋にあるとオシャレだなぁって感じます。

【デザイナーとしてユーザー目線の考えが大切】

メディア工房でのデザイナーとして気をつけていることはありますか。

人を切り抜く時には、髪の毛の1本1本まで丁寧に切り取ります。「そんなの切れちゃってもいいや」っていう人は中にはいると思うんですけど、その積み重ねが絵にかなり大きな影響を与えるので。

例えば風がすごく強く吹いているように見えるとかね。止まっている絵なんだけど風を感じるってすごくないですか!?ただの絵なのに触れそうとか!ユーザーが気づいた時に「あっ!」ってなっていれば多分そのデザインに引き込まれているんですよね。気づいたら嬉しいだろうなっていうポイントを作ってあげるんです。

ユーザー目線で考えているタケシさんのデザインだからこそ期待されているのでしょうね!では、メディア工房に向いている方ってどんな方ですか。

デザインを自分でディレクションから全部とってやっていきたい人には向いているのではないでしょうか。あとはユーザー目線に立って作れる人。

先日、応募者のポートフォリオを拝見する機会があったのですが、ユーザー目線で作られていると最初と最後に気が利いたページが入っていたりするんです。そういう人は作品を大事にしていたりちゃんと考えがあるポートフォリオを作ってきているんだなと感じます。ポートフォリオも人に見せるものなので見せる側の意思があったり受け取る側にこうなってほしいという動きがはいっていたりとかね。

最後にデザイナーとしてタケシさんが大事にしていることを教えていただけますか。

諦めないこと。続けること。
続けるってことが1番難しいことでもあるんですけどね。

スランプ時期があったことやタケシさんのデザインとアートに対する考えを知ることができました!本日はありがとうございました!

まとめ

デザイナーとして大活躍しているタケシさんにも絵やデザインが描けない時期があったとのこと。でもそのスランプがあったからこそデザイナーとして大きく成長をすることができたのでしょうね。

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