組織課題の解決を目指すベンチャーが、適性検査ではなく「FFS理論」を導入した理由 | 株式会社MJE
突然ですが「FFS理論」を皆さんはご存知でしょうか?「理論」と聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、実際はそうではなく、人と人との関係性を良くするために効果的な考え方・ツールです。 ...
https://www.wantedly.com/companies/mjeinc/post_articles/295795
先日公開したストーリー「組織課題の解決を目指すベンチャーが、サーベイや適性検査ではなく「FFS理論」を導入した理由」の続編です。
FFSの導入を検討し始めた2018年度、担当者の我如古は当時新卒入社2年目でした。にも関わらず、なぜ組織全体を見渡して施策を講じることができたのか?
その秘密は学生時代の経験にありました。
■プロフィール
我如古 弥司(Ganeko Hisashi)沖縄県出身 北海道大学卒 大阪府在住
2017年にMJEに新卒入社。現在に至るまでに人事として中途採用・組織開発・制度設計等の各種業務に従事。
詳細は:https://www.wantedly.com/users/18440430
ーー新卒入社2年目というと、社会人のキャリアとしてはまだ浅いように思います。にも関わらず、組織課題の改善という難易度の高い業務に取り組めているのは何故ですか)
心当たりで言うと、大学時代の経験が大きかったように思います。私は北海道大学の「恵迪(けいてき)寮※」という130年以上の歴史がある自治寮で7年間共同生活をしていました。寮生は500名近く在籍し、日々さまざな問題が発生します。その度に自分たちで解決するのが自治寮です。私も、そこで話し合いを司る責任者などを歴任しました。
その経験から「寮と会社って近いところがあるな」と、入社後違和感なく業務に取り組めたのだと思います。
どのチームがうまく行っていないとか、どこの新人が先輩と仲が悪いとか、一部の人が寮になじめず、置き去りにされているとか、そうした問題が起こっていないかアンテナを張り、起こっていたら原因を究明し、解決するよう務めてきました。「どうしたら組織が最適化するか」「どうすれば個々人全員がが望む大学生活を送れるだろうか」「寮生をどういう状態にしたいのか」を人一倍考えて動いていたのは、現在の人事の仕事に通じるものがあります。
ーー成果がすぐには見えにくい業務だと思いますが、意義を感じて業務に当たっているのですね。
価値は間違いなくある仕事だと感じています。従業員のパフォーマンス向上や退職者の減少に働きかけることは、会社の営利事業に確実に良い影響を与えていると思っています。
また、寮と同じく大学時代に所属していたアメフト部での経験からも、「互いが互いを認め合って能力を生かす組織こそ強い組織である」と私は信じています。
ゆえにチーム内で「部下/上司が嫌いだから」「あの人の能力が低いから」と切り捨てて終わるのではなく、より望ましい関係になるよう、MJE全員の思考を最適化していく必要があると感じています。
ーー我如古さんは数学科出身とのことですが、数学科=一人で黙々と研究されている、という勝手な印象があります。
先ほどまでのお話のように人と人との問題解決に尽力する方の存在は、学部的には珍しいのではないですか?
いないことはないです。
というのも、数学の思考法は、定義的に「正しい」ことしか扱わない学問なので、「本来組織はこのような状態が正しい」という理想の状態を考えるのに適しています。
異なる考え方の学問でいうと経済学や工学では、机の上だけで考えて正しかった理論よりも、目の前で実際に起きていることに、最も当てはまっている理論こそが、良い理論とされています。
工学部を例にとると、家を建てた時材料力学の理論上壊れないことよりも、実際に建ててみて壊れていないことの方が重要で正しいですよね。
これが数学科の場合は、理論上壊れないか否かが重要である、というとらえ方をします。
ーー他にも「数学科っぽい考え方だな」と思うものがあれば教えてもらえますか?
もちろん人によりますが、数学のような理論的な分野の出身者は、目の前で起こっている問題を解決するとき、その場をどうおさめるかを考えるだけではなく、起こっていることの原因は何かとか、本質はなんだろうかとか、そうしたところまで掘り下げがちです。
例えば、喧嘩している二人がいる時に、「まあまあまあ」と仲裁した結果ひとまずその場がおさまったら、それで解決したと感じる人も多いかと思います。一方私のような人たちの場合は、例えその場が穏やかになったとしても、どちらかが何かを我慢していたりしっくりこない状態で場が終わってしまうのであれば、真に解決していないと考えます。納得しないまま終わるくらいであれば、何時間でも徹底的に喧嘩し続けてくれ、とすら思います。
私は特にこの性質が強いので、「なんかよくわからないけど、うまくいったらいいよね!」という状況に直面すると、もやもやしてしまいます。
真の原因を突き止め、真の原因を解決すべきことこそが正しい……これが個人的な価値観です。
ちなみに私のFFSは「A=凝縮性」の因子が、日本人平均より強いです。
この因子の特徴は、「こだわりの強さ」「価値観のブレなさ」なのですが、今まで述べた私の考え方は「A=凝縮性」が、強く出ていると自分でも思います。
ーー今後FFSを活用してやってみたいことを教えてください
配置、育成への活用は順調に進んでいるので、次は教育へ導入したいです。FFSの因子によって、先に資料を読み込む方が良いのか、とりあえずやってみる方が良いのか等、それぞれ最適な学習方法は異なります。一人一人にあったスキルアップの方法をレクチャーする等、これから着手したいところは多々あります。
そして、人事的な意思決定をもっとデータに基づいたものに寄せていきたいです。
前回の記事でも触れた通り、客観的な事実が必要だという思いからFFSを導入しましたが、現状はまだ「データで示す事実」よりも、「上手くいっている現実」に基づいた判断をする場面もあります。
「経験則とは異なるけど、データが言うことを信じてやってみよう」と言ってもらえるようになりたいですし、そのためには、もっと多くの「データが役に立った」「データのほうが正しかった」という事例を社内で作っていきたいです。
ただ一つ誤解されたくないのは、FFS理論だけが全てではないと言うことです。データ全般に言えることではありますが、データが絶対的に正しいものだと盲信するのは危険なことですし、時には理論より現実にあわせた方が上手くいく場面もあると思います。
それらを踏まえた上で「FFS理論が(ガネコが)そう言ってるのなら、 信じてみようかな」という考え方をしていただけるように、ステークホルダーを……”洗脳”していきたいと目論んでいます(笑)。
▽他の人事部メンバーへのインタビューはこちらから