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話し方や文章の美しさが、本質ではない。コールセンターで頭を下げて決意したCSへの道

日米合計4000万ダウンロード突破のフリマアプリ「メルカリ」、そのカスタマーサポート(CS)は全社員の半数以上!現在東京と仙台、2つの拠点で365日お客様に寄り添いサービスを支えています。今回はそんなメルカリのCSでリーダーをされている中野 健太郎さんにお話をお伺いしました!

CSというお仕事を簡単に言えば、お客様からのお問い合わせにお応えしていく、というイメージでしょうか。しかしメルカリのCSはそれだけではありません。お問い合わせからサービスの改善につなげていく、いわば守りだけではなく攻めもあるCSです。

もともとは獣医になりたかった(!)という中野さん、メルカリに入る前や現在のお仕事、中野さんの考えるCSのありかたやカタチについて、いろいろと聞いちゃいました。

【プロフィール】
中野 健太郎 (Kentaro Nakano) メルカリ CSグループ 大手ゲーム機サポートのコールセンターでリーダーを務めたのち、ミクシィでSNSのmixiをはじめ、いくつかの新規事業の立ち上げでCSを経験。2014年よりメルカリにCSとして入社。現在はお客様のお問い合わせに対してお応えをしていくCX担当として、東京・仙台双方のCSメンバーの育成から採用、顧客対応まで幅広く携わる。パクチーとダイビングが好き。

― 中野さんのお仕事内容について教えてください。

メルカリのカスタマーサポートは大きくは二つに分かれています。ひとつは、お客様のお問い合わせに対して一つひとつお応えしていくチーム。 もうひとつが禁止対象の出品や迷惑行為がないか、監視や通報の確認をすることで、メルカリの安心や安全を守るチーム。 僕は前者のお問い合わせに対応していくチームを全体的にみています。

― CSは東京と仙台に拠点がありますが、よく行かれたりするんですか?

そうですね。僕自身、基本的には東京に所属しているのですが、仙台もつい先日までは長期滞在していました。仙台のメンバーも頻繁に東京に来ていますし、その逆もあります。ライブストリーミングモニタで随時両拠点をつなげていたり、距離はあっても密にコミュニケーションをとれるように環境面も整えるようにしています。

お客様同士で解決できないことを解決できるのは、僕ら(CS)しかいない

― メルカリのCSが大切にしていることを教えてください。

いかに自分ごととしてメルカリのサービスを見れるか、お客様とのコミュニケーションは、とくに大切にしています。C to Cのサービスは運営会社が間に入らない、関わらないといったスタンスを持ってしまいがちだと思いますが、両者間でどうしても解決しないこともあって、それを解決できるのは、僕らしかいないんです。なので、僕らが解決できるようなことは、こちらからアプローチするような対応もしています。

― では、中野さんがCSとして大切にされているところってどんなところですか?

顧客対応には当事者意識が必要で、話し方がきれいかどうかは本質ではないということですね。重要なのは、どれだけお客様の問題をイメージするかであり、何より、僕たちのやるべきことは、どうしたらお客様の困りごとや課題を解決できるのかなんです。

― 深そうな話…そう思われたきっかけがあるんですか?

大手ゲーム機のサポートとして、コールセンターに5年ほど在籍していたころに、「中野さん、お詫びするときにどう対応していますか?」と聞かれたことがあって。僕は「心を込めて申し訳ございませんと言っています」と回答したんですが、その人は僕に頭を下げて、本当に思っていたら私ならこうやって身体に自然に出ますよと言ったんです。この出来事が本当に印象的で、CSとしての基本姿勢を学んだ瞬間でした。いまに続く自分のCSとしての基礎というか、根幹になっていると思います。

最高のCSをつくりたい。メルカリ中野さんのバックグラウンドとは?

― なるほど…!では、メルカリに入る前のキャリアバックグラウンドについても教えてください。

もともとは、獣医になりたいと思っていて、一時期はアメリカの大学に在籍していたこともあるんです。でも留学中にちょっと帰国しなくてはいけなくなってしまって。それなら改めてお金も貯めてから大学に戻ろうと思ったんです。そこで、もともと興味があったゲーム機サポートのコールセンターで働いてみることにしました。そのときはアメリカに戻るつもりだったので、本当に軽い気持ちで入ったのですが、それがすべての始まりでしたね。気付けば5年ほど在籍していました。やればやるほどに、出来ることが増えていったし、やりたいことも増えていって、たくさんのことを学びました。充実した日々ではありましたが、自社でサポートを考えて、直接お客様に提供していきたいという想いが強くなりました。そこで出会ったのが自社のプロダクトを持っていて、サポートも自社でやっていたミクシィです。

― 大手ゲーム機器のサポートを経て、ミクシィのCSへ。

ミクシィでは、SNSのmixiのサポートはもちろんのこと、新しいサービスの立ち上げにも関わり、CSの立場からサポートの導線や、CSがどうあるべきかという体制について、サービスが始まるまえの段階からプロダクトを作るメンバーと検討する動きをしていました。サポートはあとから付随して考えがちなところを、むしろ最初から必要だということを社内でも積極的にはたらきかけていきましたね。

 プロダクトを作っているエンジニアやプロデューサーなど、横断的に色々な部署の人と関わりながら仕事をすることで、いかにCSがいい仕事をしているのかということも改めて実感することができました。サービスができあがるまでや、改善されるまでのプロセスの中で、お互いの良い点はもちろんのこと、どういうところで苦労しているかも、ミクシィでの経験を通じて知ることができたように思います。

やればやるほど、もっと出来る事があると思える。目指すのは新しいCSのカタチ

― 中野さんのメルカリ入社の経緯を教えてください。

ミクシィでの仕事は本当に充実していましたし、楽しかったのですが、個人として振り返ったときに、CSとして業界全体をまきこんで圧倒的に変えることができたかというと、まだやり切っていないなという想いがあって。まだサポートの体制が整っていない環境で挑戦したいと思うようになりました。

― もっと挑戦しよう、そしてそのフィールドがメルカリにあると思った?

はい。そうですね。当時のメルカリは、まだまだサポート体制を整えていかなければというフェーズでしたし、そして何より、サービスを開始して間もない段階から、CSに力をいれようと経営陣が強く思っていたところに共感できたことが大きかったですね。CSはクレームを処理するのではなく、継続的にサービスを使ってもらったり、サービスを好きになってもらったりと、新たな顧客開拓につなげられる存在だと思っていますし、そういうCSの新しいカタチを作ろうと思ってメルカリに入社しました。

ありがとうを集めた「メルファン」は全員の原動力

― 中野さんの思う、メルカリのCSとして働く魅力ってなんでしょうか?

やればやるだけ、会社やサービスに影響を与えていけるところですね。メルカリのCSは受けたお問い合わせにただ対応するだけではなく、お客様自身の声から導かれる改善や提案などを求められます。サービスの改善にも直接関わりたいという人なら、楽しい環境だと思います。

― 実際の改善や、新しい取り組みなどへのCSの関わり方って?

機能改善やキャンペーン、CMなどのプロモーションに至るまで、CSがOKだったら反映するという流れがあって、僕たちの意見がとても大切にされていることを実感しますし、同時に責任あることだなとも思います。お客様に一番近いのがCSだと全員が理解している、そんな雰囲気を自然と感じますね。

― 仕事をしていて、これはやりがいだなって思うことを教えてください。

対応をしていく中で、お客様から直接ありがとうの声をもらうこともあって、社内では、それを「メルファン」と呼んでいます。メルファンを見たりもらったりすると、本当ほっこりするんですよ。(笑)やっぱり、感謝の言葉を言ってくれる人がいるサービスは、こちらも苦労してきたかいがあるし、もっと頑張ろうという原動力になりますね。

メルカリのCSを最高のCSに、業界全体を巻き込んだ展開をしたい

― せっかくなので!中野さんの今後やりたいこと、意気込みなどをぜひ!

日本はもちろんのこと、世界的にメルカリはサポートが素晴らしい、だから安心し使える。そんな風に認識してもらえるようにしたいですね。やれることはどこまでも、とことんやっていきたいと思っています。そのためにも、一緒に最高のCSをつくってくれるメンバーも、もっと増やしていきたいです。僕自身、CS業界を変えたいと本気で思っているので、お互いの良いところや、悪いところを抱え込むのではなく、もっと本質的に考えて、どうしたらお客様の課題を解決できるのか、というところを業界全体で考えていく。その中心となる存在が、メルカリCSになるといいなと思っています。最近ではCSJAMというCS業界を盛り上げていくためのコミュニティイベントをはじめたりしていますので、その輪がもっと大きくなっていくといいなと思います。

― 中野さん、ありがとうございました!

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